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2017年11月9日(木)更新

内定

「内定」とは、企業が学生や転職者などの就職希望者に対し、労働者としての採用を約束することです。労働契約の成立を意味する内定は、いつ、誰に、どのように出すと良いか、頭を悩ませている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、昨今の「内定」をめぐる状況や、内定から入社までのスムーズなフォローの仕方など、企業側が理解すべきポイントを紹介します。

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「内定」とは

採用における内定とは、採用日前の合意のことを意味します。新卒採用、中途採用ともに「雇用を正式に約束する」という意味であり、合意がなされた日から入社日までが内定期間となります。

候補者が企業の求人に応募した時点で、企業には「労働契約の申し込み」がされたことになります。企業が選考を経て内定を出せば、労働契約の申し込みを承諾したことになり、企業と候補者間には労働契約が成立します。候補者が、この「内定」を受け入れることで、採用が決定するのです。

「内定辞退」とは

「内定辞退」とは、企業から内定の連絡を受けた後、応募した本人が内定を辞退することです。将来の戦力として計算していた採用者から内定辞退されることは、要員計画に狂いが生じるため、企業にとって大きな痛手となります。そのため、内定辞退の防止策を講じることは、円滑な採用活動の為に重要と言えるでしょう。

【関連】内定辞退の防止策とは?原因を理解し効果的な内定者フォローを / BizHint HR

「内定者フォロー」の重要性

人材の売り手市場が続き、優秀な人材の確保が重大な企業課題となっている昨今。有効求人倍率1.52倍(2017年9月時点 厚生労働省発表)と高い水準が続いています。候補者側に複数の企業から内定が出るケースも多いため、現在の採用活動では、選考を終え「内定を出したら一安心」とはいきません。内定を出してからの企業と内定者とのコミュニケーション、すなわち「内定者フォロー」の充実がより重要となってきています。

【関連】内定者フォロー、正しくできていますか?内定辞退を減らす方法とは / BizHint HR

「内定取り消し」とは

内定取り消しとは、採用内定している人が実際に働き始める前(入社前)に、企業が内定を取り消す行為をいいます。内定取り消しをめぐり裁判沙汰になるケースもあります。法律に関する正確な理解が必要と言えるでしょう。

【関連】「内定取り消し」とは。損害賠償が発生した判例・事例をご紹介! / BizHint HR

内定取り消しは労働契約の破棄を意味する

尚、企業が一度出した内定を取り消すことは、労働契約を破棄することになり、解雇と同じ重みがあります。「入社までに社会的な問題行動を起こしたとき(候補者側)」「企業の経営状態が悪くなったとき(企業側)」といった合理的な理由がなければ、内定取り消しは無効となります。

「内定」と「内々定」の違い

新卒採用では、「内々定」という言葉もよく使われます。言葉の定義としては労働契約が締結される前段階を指していますが、実際は内定と大きな違いはありません。経団連の倫理憲章の規定上、内定を出せない期間に企業が学生を囲い込みたいとき、「内定を出せる時期になったら内定を通知します」という約束事を「内々定」と呼ぶことが多いようです。

【関連】内々定と内定の違いとは?それぞれの意味や取り消しのケースなどご紹介 / BizHint HR

正式に内定を通知し、入社意思を最終確認する「内定式」

内定式とは、正式な内定通知を候補者に渡し、最終的な入社意思を確認するイベントです。

経団連の倫理憲章の規定上、新卒採用における正式な内定の解禁日は10月1日となっています。10月以降、企業は内定通知を候補者に渡しますが、この際に就職希望者の決意を固める意味も含め、多くの企業は内定式を開催します。

内定式における実施内容は企業によってまちまちですが、一般的に以下の内容が実施されます。

  • 内定通知書の交付
  • 入社承諾書の提出
  • 企業の代表や人事部からの挨拶
  • 事業内容の説明
  • 内定者懇親会

就職希望者が内定を辞退する場合は、遅くとも内定式までに辞退することが一般的なマナーとなっています。

新卒採用と中途採用での「内定」「内定出し」の違い

新卒採用と中途採用での「内定」や「内定出し」には、どのような違いがあるのでしょうか。

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●スケジュールの違い~一括・固定スケジュールの新卒、個別・都度調整の中途~

新卒採用は、内定出しのタイミング、入社のタイミングがある程度決まっています。そのため、一括・固定的なスケジュールで採用活動が進行していきます。中途採用の場合は転職活動となりますが、入社できるタイミングは転職希望者それぞれです。候補者それぞれの現職の状況、入社可能時期にあわせ、個別に都度調整しながらスケジュールが進行していきます。

●採用フローの違い~一定フローの新卒、可変的な中途~

また、新卒採用では全員未経験採用なので、選考フローが一定であることが大半ですが、中途採用では、候補者によって選考フローを柔軟に変えるケースが少なくありません。「この方は高いスキルを持っているので、1次面接で人柄を確認したらすぐに内定を出そう」というケースもあれば、「この方はポテンシャル採用に近いので、現場の社員、現場の部門長にも会ってもらおう」と面接を複数回設定して慎重に選考を進めることもあります。

中途採用の場合は特に、転職意向度や給与など条件面のマッチ度など、候補者によって内定出しのタイミングを考慮して進める必要があります。企業側には、より高度な対応力が求められるでしょう。

●内定期間の違い~長い新卒、短い中途~

新卒採用者の場合は、内定を獲得してから入社までの期間が数ヶ月~半年、時には1年以上に渡ることも一般的です。内定期間が長い分、「本当にその会社に就職を決めて良いのか」と不安に思ってしまう「内定ブルー」や、悩んだ末の内定辞退が、中途採用に比べて発生しやすいでしょう。

中途採用の場合は、内定期間は数週間から数カ月と比較的短期間であることが一般的です。条件さえあえば、採用の決まった数日後に出社するケースもあります。

【関連】内定ブルーを解消・防止するための内定者フォローのポイント / BizHint HR

「内定」をめぐる近年の動向

採用担当者として理解しておくべき、内定をめぐる動向について解説します。

新卒就職希望者の内定獲得率

まず、人材採用の大きなターゲットである新卒就職希望者の内定獲得率について、動向を確認しましょう。

厚生労働省の発表によると、近年最も採用活動が落ち込んだ2011年(平成23年)3月の大卒者の内定率は91.0%でした(2011年4月1日時点)。以降内定率は年々上昇し、2016年3月卒者の内定率は97.3%となっています(2016年4月1日時点)。2011年の卒業者と比較すると6.3ポイント上昇しています。

【図表1】内定率の推移

【出典】厚生労働省:大学等卒業者の就職状況調査「就職(内定)率の推移」

また、株式会社ディスコの調査によると、一人あたりの内定社数も増加しています。2011年卒者の場合は平均1.8社でしたが、2017年卒者の場合は2.3社となっており、増加傾向にあります。

【図表2】内定者数の内訳

【出典】株式会社ディスコ:キャリタスリサーチ「内定辞退業界と就職決定業界の比較 (2017 年 3 月発行)」

以上より、新卒採用は求職者側に有利な売り手市場が続き、「複数内定は当たり前」そのような傾向が続いていると言えます。

内定出しと内定辞退の時期

一年のうち、どの時期に内定が出され、どの時期に内定が辞退されるのかを見てみましょう。

【図表3】内定出しの開始と内定辞退のピーク時期

【出典】株式会社ディスコ:キャリタスリサーチ「内定辞退業界と就職決定業界の比較 (2017 年 3 月発行)」

株式会社ディスコの調査によると、内定出しは3月以前から5月の間に、過半数の57.5%の企業が開始しています。そして6月1日の選考解禁後は、31.8%の会社が6月中に内定出しを行います。合計すると、7月に入るまでに89.3%もの会社が内定出しを開始しています。

また、全体の過半数に上る51.8%の内定辞退が6月の一ヶ月間に発生しています。これは、6月1日の選考解禁後に内定が出た企業で一旦内定が出揃い、手持ちの内定の中から就職を決定した学生が多く、その為まとまって内定辞退が出たと考えられます。7月以降は内定辞退を受け、秋採用などによる採用者数の調整が行われていきます。

このように、6月をひとつの分水嶺に、6月以前の「内定出し開始期」と、6月の「内定辞退集中期」、7月以降の「内定辞退からの採用調整期」に分かれているのが、現在の新卒採用の状況であると言えます。

業界別の内定辞退率

業界別に内定辞退率は異なるのでしょうか。

株式会社ディスコの調査によると、内定辞退者が選ぶ就職決定業界は次の図のようになっています。赤枠で囲われた領域は、それぞれ内定を辞退した求人企業と同業界に就職決定した人の割合を意味します。

【図表4】内定辞退業界別 就職決定業界(全体)

【出典】株式会社ディスコ:キャリタスリサーチ「内定辞退業界と就職決定業界の比較 (2017 年 3 月発行)」

このグラフからは、大きく以下のような傾向があることが読み取れます。おおまかな傾向として理解しておくと良いでしょう。

  • 「製造」、「金融」、「IT・情報」、「運輸・倉庫」、「官公庁・団体」は、内定を辞退した求人企業と同じ業界に就職を決める傾向が強い
  • 「流通」、「商社」は、内定を辞退した求人企業と異なる業界に就職を決める傾向が強く、8 割以上は他業界を選んでいる
  • 「エネルギー」の内定辞退者は、就職先として「製造」業界を選ぶ傾向がある
  • 「官公庁・団体」の内定辞退者は、就職先として同じ業界以外にも「金融」業界を選ぶ傾向がある

「内定出し」の前に把握すべきこと

時間をかけて選考し、内定を出したら概ね入社が確定……というのは買い手市場での話。人材獲得競争が激化している今、スピーディに選考を進め、内定連絡もできるだけ迅速に行うことが求められています。優秀な人材ほど、複数の企業の選考が進んでおり、内定が重なった末に内定辞退されてしまうケースも増えています。

内定辞退は、それまで選考にかけた時間、人件費、求人媒体への出稿費などさまざまな投資が無駄になってしまうので、極力避けたいもの。そのためには、内定の結論を早く出して伝える「スピード」と、内定辞退になりうる要素を前もって把握し、対策をとる「リスクテイク」が必要です。

では、内定出し前の選考のプロセスのなかで、企業側は候補者のどんな情報を把握しておくべきなのでしょう。

転職活動や他社選考の状況

転職活動を始めた時期、応募した業界、面接に進んでいる企業数などを知り、競合企業の動きを把握します。

特に採用ターゲットが新卒者の場合は、次に示す図のように、近年は大手企業への人気が高まっています。競合する内定先が大手企業である場合、中小企業の内定辞退率は高くなりがちと言えるでしょう。

【図表5】就職活動の中心とする企業規模

【出典】株式会社ディスコ:キャリタスリサーチ「就職したい企業の規模別に見る 学生の就職活動状況 2016年12月」

本人の志向と併せ、選考中の他社や内定先に大手企業が存在するか確認できると、内定辞退もある程度予測できるかもしれません。

候補者の市場価値

前職、現職のポジションや年収、転職市場での人材価値がどれくらいなのか、提示する予定年収との差を把握します。

転職・入社意向度

現職で任されている仕事の状況、転職活動量などから、転職意向がどれくらい高いのか、内定を出したらすぐ入社を検討するフェーズにあるのかを把握します。

家族の同意

家族と転職意向について話ができているか、転職条件(年収や勤務地、転勤の有無など)によって家族から反対される可能性はないか、どの要素が懸念材料かを把握します。

【関連】オヤカクの意味とは?就活の現場で企業がすべき対応をご紹介/ BizHint HR

これらの情報は非常にデリケートであるため、選考のなかで、本音で情報共有しやすい環境、信頼関係を作ることが必要です。そのためには、面接ではなく、「ざっくばらんに会話できる面談の場を設ける」「現場社員と話す時間をつくる」「食事会に行く」など、候補者との距離を縮めるための場づくりを工夫してみるのもいいでしょう。

ほかにも、各選考がどのような意図で設定されているのか、選考情報を企業側からオープンに伝えることで、よりコミュニケーションが深めやすくなります。さらに、各選考の評価を正直に伝えると、候補者に後々提示する年収や条件への納得感が増すといったケースもあります。

内定を出す際に気を付けたいポイント

企業が内定出しをする際には、どんな点に気を付けるべきなのでしょうか。このフェーズでも「スピード」と「リスクテイク」を意識し、内定者フォローにつながる情報を把握することが大切です。

内定の連絡や採用通知は迅速に

採用、不採用にかかわらず、連絡は早いに越したことはありません。候補者の多くは複数の企業を受けているため、内定の連絡をしないまま放置していると、他の企業に決めてしまうこともあります。なかなか内定が出ないとことが企業への不信感につながることもありますので、遅くなるなら「いつまでに必ずご連絡します」と予定を伝えておきましょう。

新卒者でも転職者でも、内定が決まった順に選考を辞める方もいますし、内定連絡からの採用通知が遅く不安になり、その隙に採用通知をもらった他社に就職を決めてしまうケースもあります。内定連絡や採用通知(採用予定通知)はスピード勝負であると言えます。

内定出しは対面で丁寧に

内定出しは、取り急ぎ電話やメールで伝えて問題はありませんが、その後すぐに内定通知書を郵送することが重要です。「口頭で言われたけれど、正式決定なのだろうか」と思われないよう、文面できちんと残すことが大切です。

物理的に可能であれば、候補者に再度会社に来てもらって対面で内定を通知するのがよりよいでしょう。候補者は、内定が決まって安堵しながらも「自分の何が評価され、入社後に何を期待されているのか」が気になるものです。対面で話すことで、面接などでの評価内容をフィードバックでき、入社後の業務で何を求めているかを改めて伝えることができます。

さらに候補者と話せば、内定に対する気持ち、入社への温度感、迷いがあるかなどをある程度把握できるので、内定後フォローに何をすべきかが明確になります。こうして、内定受諾する上での懸念材料を一つひとつつぶしていくことができ、内定辞退の予防につながるのです。

新卒採用や既卒若年層の未経験採用においては、気持ちをつかむことも非常に重要です。人事担当者が、候補者一人ひとりと時間をとるという行為自体が、人材を大事にする企業姿勢を見せることであり、企業への信頼醸成につながるでしょう。

採用理由や期待を具体的に伝える

内定出しの際は、採用理由や評価、どんな成長や活躍をしてほしいかといった期待を、具体的に伝えられると良いでしょう。誰しも自分を必要とし、自分に期待してくれる企業のために働きたいものです。その期待こそが内定辞退の防止対策にもなりますし、入社後、労働者としての仕事へのモチベーションにもつながります。

入社意思をしっかり確認する

特に新卒者の場合、内定ブルーを解消できなかった結果、年明けから連絡がつかなくなり、内定辞退が発生してしまうケースがあります。この場合、採用担当者として受ける精神的なダメージはもちろん、不足した人員を確保する時間がなく、要員計画に支障が出る可能性があります。

内定時には、入社意思や就職活動への満足度などをしっかり確認するようにしましょう。内定承諾について迷っている場合は、内定者に承諾までの期限を決めさせた上で、納得のいくまで検討してもらうと良いかもしれません。また、必要に応じて個別面談を実施し、悩みや進路についてざっくばらんに相談にのってあげると良いでしょう。

内定辞退を防ぐためのポイント

採用担当者にとっての大きな問題は「内定辞退」でしょう。採用者として気をつけるべき、内定辞退を防ぐためのポイントについて解説します。

内定辞退対策は選考プロセスから

内定辞退対策としてよく注目されるのはこの後紹介する「内定者フォロー」ですが、内定辞退対策は選考プロセスからはじまっています。

採用コンサルティングのHRディレクション株式会社代表取締役CEO、熊谷豪氏は、内定辞退を抑えるポイントは「相手を理解すること」であると説明しています。熊谷氏によると、内定辞退率の低い企業では、その学生に合わせた選考を設計するための「初期面談」を導入するなど、選考プロセス中に相手を理解しようとしているそうです。

採用企業のことを説明するだけではなく、選考プロセスの中で、個別面談やどのような働き方がしたいかのヒアリングを実施し、就職希望者の希望や人柄などについてしっかり理解できると良いでしょう。

【参考】新卒採用メディアのジョブウェブ:内定辞退の問題はどこにあるのか?内定辞退が少ない企業の秘密

内定者フォローの具体的な方法

時間とパワーをかけて出会い採用を決めた優秀な人材に、確実に入社してもらいたい。そのために必要なのが「内定者フォロー」です。

新卒採用では、内定後から入社まで数カ月~半年間あるので、その長い期間いかに学生のモチベーションを保つかが大切です。 中途採用では、内定後も魅力的な企業の求人情報が出たりヘッドハンターからオファーが届いたり、あるいは現職からいいポジションを提示されたりと、さまざまな外的要因が考えられます。

では、どんな内定者フォローが効果的なのでしょうか。

1、内定者のスケジュールに合わせた入社までの日程を提示

中途採用では、候補者一人ひとり入社できるタイミングが異なります。内定後に退職手続きを進めるケースが多いので、「現在進んでいるプロジェクトがひと段落しないと動けない」「後任への引継ぎに時間がかかっている」など事情はさまざまです。候補者のスケジュールを優先し、入社までの日程は候補者としっかり話し合った上で決めましょう。

事業都合上、「この日までに入社してくれないと困る」など日程が決まっているのなら、選考の段階から、「○月入社が内定の条件である」ことを伝えましょう。

2、配属予定の社員と話す場を設定する

実際に入社した後どんな人と働くことになるのかは、事前に知っておきたい重要な情報です。特に中途採用では配属予定先が決まっていることが多いため、入社後に同僚や上司になる社員との懇談会を設けることも有効です。人事や役員との面接を通じて内定出しをした場合(選考中に現場社員との接点がない場合)はとくに、積極的に設けることをオススメします。

但し、人選には注意が必要です。ロールモデルとならないような人材を割り当てると、内定者のモチベーションが下がってしまいます。大きく活躍している人材をアサインするのは企業としてもコストがかかりますが、可能な限りロールモデルとなりうる人材を割り当てるようにしましょう。

【関連】ロールモデルの意味とは?必要性から、女性の場合の考え方まで/ BizHint HR

3、社内イベントに招待する

クリスマスパーティーなどの社内行事があれば、招待して会社の雰囲気を味わってもらいましょう。ほかに、社内見学ツアーなどを行っている企業も増えています。

4、社内報などを送り事業理解を深めてもらう

社内報やメールマガジンなどがあれば、送り、会社の事業をより深く理解してもらいます。 候補者が不安に思うことがあれば、解消するための面談を設定するなど、入社してほしい思いを熱意を持って伝え続けましょう。

5.内定者同士のチームビルディングを促進する

内定者同士のチームビルディングを促進することも、内定辞退の防止につながります。例えば内定者研修を開催し、お互いに切磋琢磨するライバルや、苦難を共にする仲間と思えるような関係を作れると良いでしょう。

【関連】内定者研修における内容・時期などの企画ポイントを解説/ BizHint HR

6、インターンシップを実施する

内定者向けのインターンシップを提供することも有効です。スムーズに企業に馴染んでもらったり、入社後活躍してもらうための助走期間としたりすることが期待できます。ただし、実施する際は、就職希望者の囲い込みとならないように注意しましょう。

【関連】インターンシップの意味とは?実施の目的やメリットをご紹介/ BizHint HR

●新卒採用に特化した内定者フォローの事例は、以下の記事からもご確認いただけます。
【関連】「内定者フォロー」事例10選!計画のポイントや企業事例もご紹介 / BizHint HR

知っておきたい内定後のトラブル

内定を出した後に起こりがちなトラブルについて解説します。

「内定取り消し」は「解雇」と同等の意味を持つ

内定を出し候補者がそれを受諾した後に、企業側から「内定取り消し」を行うことは、「解雇」にあたります。候補者は、内定をもらったことで就職・転職活動を止めて他企業に入社する道を絶ち、中途採用では現職の退職手続きを進めるなど動いているためです。

この認識が足りないと、内定取り消し後に候補者との間で大きなトラブルに発展します(労働基準法第18条の2「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、 その権利を濫用したものとして無効とする」)。

採用を担うものはしっかりと法的な知識をつけておくことが大切です。

【関連】「内定取り消し」とは。損害賠償が発生した判例・事例をご紹介! / BizHint HR

「内定取り消し」が認められるケース

ただ、内定取り消しが認められる条件もいくつかあります。

・内定後に判明した事情・非違行為

経歴に偽りがあった(提出書類の虚偽)など、内定後に会社の採用条件に合わない事情が発生した場合。社会的に見て違法行為が明らかになった場合。ただし、内定を出す前に知って場合、あるいは知ることができたと判断できる場合は、内定取り消しの事由としては成立しません。思想や信条を理由にした内定取り消しも認められません。

・留年、落第

「大学卒業見込みとして内定出ししたら、留年した」といった場合。入社が想定日程に間に合わない、規程の就業日数をこなすことができないといった場合は内定取り消しの事由になります。

・健康状態によるもの

健康上の理由による内定取り消しも認められますが、ケースバイケースなので、産業医や社労士などの専門家による判断が必要となります。

・経営状態の著しい悪化

「経営難により突然のリストラが必要になった」などの場合。すでに働いている社員の人員削減状態と合わせて、内定取り消しを進めていく必要があります。

内定辞退は法的に問題ないか

企業側からの内定取り消しには法的な制約がある一方、候補者からの「内定辞退」は基本的に自由です。これは、日本国憲法の基本的人権のなかで、職業選択の自由が保障されているからです。労働契約の解消である「退職」に対して企業に拒否権がないように、「内定辞退」も拒むことはできません。

企業によっては、内定受諾の際、「入社承諾書」に署名、捺印をしてもらい、合意を明確にするケースもあります。ただ、その後内定辞退となったとしても、「捺印までしたのだから契約違反」とは言えません。採用する側には法的拘束力はありませんので、あくまでも企業努力によって、候補者をフォローし、自社の魅力を伝え続けることが必要なのです。

【関連】内定辞退を防止する施策とは?効果的な取り組み事例総まとめ / BizHint HR

「6月」「年明け」の内定辞退に注意

6月と年明けは内定辞退が増加する傾向にあります。

【図表6】2017年卒の内定(内々定)辞退率

【出典】キャリコネニュース:6月は内定辞退者数が急増する季節 「企業は様子のおかしい学生に気を付けて」

6月は大手企業を中心に、他社との競争の結果、辞退が発生します。これは本人の意向にもよるので、ある程度の人数の辞退を覚悟しておきましょう。

それよりも避けたいのは、年明けの辞退です。年明けの自体の原因は主に「内定ブルー」によるものでしょう。内定者フォロー段階で、事前にしっかり入社意思を確認するようにしましょう。

採用担当者として内定辞退にどう向き合うか

採用担当者としては、内定辞退は実務的にも精神的にも大きなダメージを受けるものです。内定辞退に対し、どう向き合えば良いのでしょうか。

お互いに誠意ある対応を

精神論的ではありますが、採用プロセスに一貫した誠意が必要であると言えます。

「内定」とは単なる用語ではなく、企業側にも求職者側にも、双方にとって重要な意味を持ちます。だからこそ、企業側が内定辞退を防ぐための囲い込みを行ったり、求職者側も履歴書の虚偽や自分本位な内定辞退をしたりなど、お互いに不義理と言える行動をとってしまいがちであると言えます。

まずは企業側から誠意ある対応を行い、その上で求職者側にも誠意ある対応を求めましょう。例えば、内定承諾を迷っている求職者に対しては無理に入社を迫らないようにしましょう。その代わり、こちらの採用事情も正直に伝えた上で、内定保留から承諾の期間を確認し、もし内定辞退をする場合は必ず電話や対面で伝えてもらう、といったコミュニケーションがとれると良いでしょう。

「オワハラ」にならないよう注意

「オワハラ」(就職活動終われハラスメント)は、2016年卒業予定者の新卒採用において、一気に広がった言葉です。企業が学生に対し、「選考中の他社を断れば、その引き換えに内定や内々定を出す」といった取り引きをもちかけたり、「ここで就活を終えると約束しなさい」と対面で迫ったり、就職活動を終えるよう圧力をかけるハラスメント行為を指します。

その背景には、2015年以前は4月1日から始まっていた選考時期が、2016年から8月1日と大幅に後ろ倒しになったことがあります。経団連に加盟し、倫理憲章に従う大手企業の多くは8月1日から選考をスタートさせますが、非加盟の中小企業は従来の前倒しスケジュールで選考を進めるため、内定が出るタイミングにズレが生じます。そこから、「大手企業の選考が始まる前に、優秀な人材を確保したい」と考える企業側が、「大手企業が不採用だったら内定がゼロになってしまう」と不安に思う学生をオワハラで囲い込むことにつながるのです。

人材獲得競争が激化するなか、内定辞退を避けたい企業側の気持ちもわかります。ただ、採用の目的はあくまでも、候補者が能動的な思いで入社を決め、その後、「会社で活躍することで事業成長に貢献してもらうこと」にあります。キャリアの選択を狭めるような手法で、仮に入社まで導けたとしても、「納得してこの道を選んだ」という確固たる思いが候補者になければ、仕事での踏ん張りが効かなかったり、モチベーションが下がったりと不幸な結果につながるでしょう。

採用側は、目先の採用数や人材確保だけにとらわれず、中長期的な視点で、候補者にとっても企業にとってもWin-Winな採用であるかを考えることが大事です。

【関連】オワハラの意味とは?対策・対処法を含めご紹介 / BizHint HR

年明けの内定辞退を減らす

新卒の場合、年明けの内定辞退は要員計画に大きなダメージを与えます。入社意思の怪しい内定者は無理につなぎとめようとせず、本人の希望を確認した上で早い時期に辞退してもらう方が、両者にとって良い場合もあります。

採用計画を立て直す

当初の採用計画からどのくらいのズレがあるのかを確認し、立て直しを図りましょう。新卒採用の場合は、海外大学の新卒者や、夏採用で満足いく採用活動ができなかった大学生などを対象にした「秋採用」で立て直していきましょう。

また、不足している人数が数人レベルであれば、新卒紹介などの利用も検討すると良いでしょう。一人あたりのコストはかかりますが、成功報酬が基本となり、採用担当者の労力もそれほどかかりません。

【関連】新卒紹介とは?概要と新卒紹介会社総まとめ・使いこなし虎の巻 / BizHint HR

まとめ

  • 「内定」とは、企業が学生や転職者などの就職希望者に対し、労働者としての採用を約束すること
  • 特に新卒採用市場では、求職者側に有利な売り手市場が続き、複数内定は当たり前、といった状況が続いている
  • 候補者からの「内定辞退」は基本的に自由だが、企業側からの内定取り消しは解雇と同等。法的な制約がある
  • 有効な内定辞退対策は、スピード重視の採用通知、相手を理解する選考プロセス、適切な内定者フォローなど。何より誠実な対応を

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