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2019年2月4日(月)更新

内定者フォロー 事例

内定者フォローは、内定辞退や早期離職の防止、早期戦力化など数多くの効果を企業にもたらす重要な施策です。当記事では、11個の内定者フォロー施策と内定者フォローの目的、内定者の多くが抱えている悩みや不安、内定者フォロー施策の策定ポイント、内定辞退者の減少に成功した企業事例、便利なサービスについて分かりやすく解説します。

内定者フォロー 事例 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

入社前の「内定者フォロー」を行う目的

リクルートワークス研究所発表の「ワークス大卒求人倍率調査(2018年卒)」によると、2018年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の求人倍率は1.78倍となっており、前年に引き続いて、新卒採用における学生の売り手市場が続く見込みです。こうした状況の中で、コストと時間をかけて採用した人材を入社まで導き、入社後のスタートアップをスムーズにするために内定者フォローを重視し、力を入れている企業は少なくありません。

【参考】リクルートワークス研究所/大卒求人倍率調査

入社前に内定者フォローを行う意味としては、以下が挙げられます。

内定辞退を防ぐ

優秀な人材の場合、自社以外にも競合他社など複数の企業から内定を受けている可能性が高いです。内定承諾書を受領して安心するのではなく、積極的な内定者フォローによって入社意欲の維持向上に努める必要があるでしょう。

内定を辞退されてしまうと、企業側は採用活動に費やしたコストや時間、採用予定者など数多くのものを失うことになります。

【関連】内定辞退を防止するためには内定者フォローが重要!内定辞退の理由も解説/BizHint

内定者のスキルアップ

新社会人として内定先企業で働くことへの不安が払拭されると、内定者は安心して企業の一員となることへの期待が大きくなります。

「基本的なビジネススキルを学びたい」、「入社後いち早く活躍するために学びたい」こうした内定者の成長意欲を満たし、入社後活躍できる人材候補としてスキルアップを図るために、卒業前の内定者の負担を考慮しながら内定者研修や勉強会、インターン研修を行うことが効果的です。

内定者が抱える悩みや不安を払拭

内定者は内定ブルーと呼ばれるように初めて社会人として働くことに対して人間関係や実際の労働条件、就業環境、仕事とキャリアなどたくさんの不安を抱えています。こうした不安を内定者フォローによって払拭することで、入社への期待感が高まります。

【関連】内定ブルーとは?不安解消や内定辞退防止のための内定者フォローについてご紹介/BizHint

内定者が抱える悩み・不安とは

効果的な内定者フォローを実施するためには、内定後の学生たちが抱えている悩みや不安に対する理解が欠かせません。

  2017年 卒業予定者
内々定者同士の人間関係を深めたい 71.9%
先輩社員や人事担当者との人間関係を深めたい 55.7%
入社予定先の職場の雰囲気を知りたい 53.9%
入社後の仕事内容について深く知りたい 51.2%
社会人として必要な知識やスキル、マナーを身に付けたい 36.8%

上記は株式会社マイナビが2017年に卒業予定の学生を対象として実施した就職モニター調査結果の一部です。内定を受けた学生たちの多くが人間関係や内定先企業、自身のキャリア形成、社会人としての知識やスキル、マナーに関して悩みや不安を抱えていることが分かります。

【参考】マイナビ/「2017年卒マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況」を発表

人間関係に関する悩み・不安

社会人になると、同年代だけではなく上司や先輩社員、同僚、取引先の担当者など様々な属性を持つ人々と人間関係を構築することになります。そのため、内定者の多くは人間関係に関する悩みや不安を抱えています。

人間関係の構築支援は、その他の悩みや不安の解決にも大きく寄与します。早い段階で既存社員や人事担当者、自分以外の内定者とコミュニケーションをとれるネットワークを構築することが重要な鍵となるでしょう。

内定先企業に関する悩み・不安

どれだけ入念に情報を収集していたとしても、働いた経験がない学生が「実際にその企業で働いている姿」をイメージするのは難しいものです。

「企業方針や業務内容など、開示している情報と実態に違いはないだろうか」や「配属予定先の部署はどのような雰囲気なのだろう」などの疑問を解決できるような内定者フォローを実施することで、「わからない」ことからくる不安を減らせます。

キャリア形成に関する悩み・不安

新卒者にとって最初の就職先選びは非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、社会人として最初に働く企業での経験や業務内容は、内定者自身のキャリア形成や自己実現に大きな影響を与えるからです。

人事担当者がそのことを理解し、内定者フォローを通じてともにキャリアプランを描いていくという姿勢を示すことで、内定者のモチベーションを高い状態に保ったまま入社日を迎えることができるでしょう。

知識やスキル、マナーに関する悩み・不安

業務を正しく遂行するために必要となる知識やスキル、マナーを知ることができない内定者は、入社日までの日々を不安な気持ちで過ごすことになります。また、この期間が長期化すればするほど自信喪失や内定ブルー発症のリスクが高まります。

大切なのは内定承諾後少しでも早く、入社日までの時間の過ごし方についてある程度の方向性を示してあげることです。入社時点で保有していて欲しい知識やスキル、マナーのレベルや具体的な学習方法などを伝えることによって、入社日までの時間をポジティブに捉えられるでしょう。

内定者フォロー施策11選

内定者フォロー施策の具体例について、概要や目的、ポイントをまとめました。それぞれの特徴を把握して、内定者フォローの目的に合わせて活用してください。

1.内定式

内定式では、内定授与式や、社長・人事部長の挨拶、事業内容の説明などが行われます。そのほかに内定者懇親会や、先輩社員への質問会、内定者研修など各企業の目的に合わせたプログラムが用意されています。

目的

企業側が「内定通知書」を交付し、内定者が「内定承諾書」を提出して企業と内定者の最終意思を確認することが目的です。

ポイント

  • 社長をはじめ役員や人事、先輩社員などの話を聞いたり、交流を通して企業理解が深まることで、入社意識が高まり不安の払拭に繋がります。
  • 内定者同士の懇親が深まることで、モチベーションアップや入社への期待感が高まります。
  • 内定式に出席することで入社することの実感が湧き、「これならやっていけそう」という安心感が入社意思を固め、入社に向けて前向きな向上心が芽生えるきっかけになります。

2.懇談会

懇親会と呼ばれることもありますが、どちらも意味合いは同じです。内定者懇談会では、内定者同士の交流を通して懇親を深めます。その他、人事担当者から企業や仕事の理解を深めるための講話や職場見学会、テーマを決めてのグループディスカッションなど、各企業の目的に合わせてプログラムが組まれます。

目的

内定者同士や先輩社員が直接コミュニケーションをとる中で、内定者が持つ不安や疑問を解決し、入社意思を固めもらうことが主な目的です。

ポイント

  • 内定者が抱える様々な疑問や不安に答える先輩社員は、部署、性別、年齢など幅広い人選で対応しましょう。
  • 相談してきた内定者に不信感を抱かせないよう、先輩社員は会社のありのままの姿を適切に伝える姿勢で向き合うことが大切です。
  • 内定者のグループ分けは志望度の高い者と低い者を組み合わせると、互いにフォローしあってグループ全体の入社意識を高める効果があります。

3.定期的な連絡、面談

定期的に連絡を取りあったり、面談をしたりして内定者をフォローします。出身大学や出身地、希望職種が同じで社歴が3~5年の先輩社員や、顔の分かる人事担当をメンターとしてアサインすると、学生との関係を深めやすいでしょう。

目的

内定者の企業理解を深め、社会人生活、人間関係、仕事やキャリアなどの不安や疑問を払拭すると同時に、内定者の志向性を確認しながら配属先決定に役立てることが主な目的です。

ポイント

  • 内定者に心を開いてもらうためには、担当者と内定者の信頼関係を築くことが大切です。そのためには就活経験者として悩みや不安の相談に乗るというスタンスで内定者と向き合い、価値観や経験、考え方などを自己開示していきましょう。
  • 連絡頻度は少なすぎると内定者は不安になり、多すぎると心理的負担になるので、適度にやり取りする配慮が必要です。
  • メンターは内定者からみて年齢が近く共通点がある人にすると、相談しやすいメリットがあります。
  • メンター制度を内定者フォローに活用する場合、採用担当者はメンター役の社員に制度の説明や内定者についての情報を共有し、定期的に両者をサポートしながら内定者とメンターの良好な関係構築をサポートしましょう。

4.メールマガジン

企業に関する様々な情報を、内定者全員に一括で配信します。内定者は自分の好きなタイミングで何度でも確認できるため、企業理解を十分に深めることが可能です。コンテンツの一例として以下のようなものが挙げられます。

  • 社内報からの抜粋記事
  • 社内イベントの様子や参加者の感想
  • 内定者同士の自己紹介や近況報告
  • 入社に向けた上司や先輩社員からのアドバイス
  • 内定者の疑問に応える質問コーナー

目的

企業の日常風景や既存社員の声をコンテンツに含めることで会社のリアルな姿を伝え、内定者と定期的な接触を図るとともに、内定者が抱えている様々な不安や疑問を払拭することが主な目的です。

ポイント

  • 初回配信時に今後の配信ペースやコンテンツ内容について記載しておくことで、メールマガジンに対する興味関心や開封率を高めることができるでしょう。
  • 配信頻度を高め過ぎたり、人材育成系の内容に偏るなど、押し付けがましいものにならないように注意しましょう。
  • 給与体系や福利厚生など踏み込んだ内容についても曖昧な表現は使用せず、企業の現況を伝えることを意識しながら内定者の不安や疑問に対して真正面から向き合うことが大切です。

5.職場見学

入社後に配属予定の職場見学を行います。先輩社員が同行して説明したり、内定者からの質問に答えます。また、テーマを決めてグループワークとして職場体験を実施する企業もあります。

目的

企業や業務内容についての理解を深めることで、仕事に対する不安や疑問の払拭に役立つほか、配属後のギャップを軽減して早期離職を防ぐことが主な目的です。

ポイント

  • ただの見学会にならないように、同行する社員が積極的にコミュニケーションを取って内定者が質問しやすいよう配慮することが大切です。
  • あらかじめ決めたテーマについて、職場見学後にグループディスカッションをしてその内容をレポートにまとめて提出してもらうなど、仕事への理解を深める工夫をするといいでしょう。

6.社内イベントへの参加

忘年会や新年会、社内のスポーツ大会、クリスマスパーティなどに内定者を招待します。自主参加にして内定者が気楽に参加できるようにします。

目的

社風や社内の雰囲気について知ってもらうことで、人間関係や職場にまつわる不安を解消してもらうことが主な目的です。

ポイント

  • 招待し、歓迎ムードで迎えることで、企業が内定者を大切にしていることを伝えます。
  • 強制参加ではなく、自主参加にすることで、参加してもしなくても大丈夫というスタンスにしましょう。
  • イベントを通して社員と交流することは、内定者が気楽な気持ちで会社の雰囲気を感じることができるため、企業への信頼感やモチベーションが高まります。

7.社内報の送付

社内報や会社案内、社史、PR 誌など、クライアント用に用意されたパンフレットを活用して内定者の企業理解に役立つ情報をピックアップして送付します。

目的

内定者に対して企業理念や事業内容、業務内容の理解を促進することが主な目的です。

ポイント

  • 送付する資料は、内定者の企業への理解を深める内容であるかを検討した上で送りましょう。
  • 定期的に社内報を送付することで、内定者を大切な人材と捉えていることを伝えられるほか、内定者のモチベーション維持に繋がります。

8.SNSの活用

内定者がコミュニケーションツールとして慣れ親しんでいるSNSを、内定者フォローや企業からの連絡、イベントスケジュールの共有などに活用します。

LINEやFacebookなどの大手SNSを利用する場合と、企業内の社員のみで運用する社内SNSの、大きく二種類があります。

目的

企業と内定者、内定者同士、両方の関係性を深めることが主な目的です。

ポイント

  • 内定者フォローSNSサービスを活用することで、コミュニケーションの促進や企業の情報提供で不安を取り除き理解を深めることができます。
  • やり取りを通して内定者の心理的状況を把握しやすく、効率的にフォローができます。 内定者フォローSNSにはコミュニケーションだけでなく、eラーニングや研修機能を備えたサービスもあり、コスト削減が可能です。
  • LINEやFacebookでは仕事とプライベートを分けたい内定者にとって抵抗があるだけでなく、設定ミスで誰でも情報が見られたり、投稿先を間違えて機密情報が漏れてしまったりなど、情報漏えいのリスクがあるため、管理、運営には注意が必要です。

【関連】内定者フォローSNS総まとめ!【2017年最新版】/BizHint

9.内定者研修・勉強会

集合研修でのグループワークや合宿、eラーニングや通信教育、課題図書の配布などを活用して研修を行います。内定者の要望が高いフォローの1つでもあります。

目的

入社後の導入研修の軽減や仕事のスタートアップに役立てることが主な目的です。

ポイント

  • ビジネスマナーや基本的なビジネススキル、専門知識や語学など各企業の研修目的に合わせてプログラムを組むことが大切です。
  • eラーニングは、スマホやパソコンを使っていつでもどこでも学習できるため内定者が取り組みやすく、さらに達成状況を画面上で確認できるため、進捗が遅い内定者へフォローできるなどのメリットがあります。
  • 課題図書の配布は、特に企業の代表が本を出版している場合に多く行われます。配布のみのほか、学生にレポートを作成、提出させる場合もあります。企業理念や文化の理解、社内で重視される仕事術の共有に加え、内定者との共通言語づくりにも有効な方法です。
  • 集合研修では内定者同士の相互理解が進むため、入社に向けてのモチベーションを高める効果が期待できます。
  • 合宿は日常とは異なる空間と多くの時間を共有して研修を実施するため高い効果を生みます。しかしコストや手間がかかるため、内定者フォローの目的や予算などをあらかじめ検討する必要があります。

10.先輩社員へのインタビュー

先輩社員に対してあらかじめ決めたテーマや質問事項についてインタビューします。

目的

社風や仕事のやりがい、人間関係など内定者が抱える不安の解消に役立てることが主な目的です。

ポイント

  • 懇親会と比べて目的が絞られているため、内定者が質問しやすいメリットがあります。
  • インタビューした内容をレポートにまとめて提出してもらう場合、取材した内容を整理してまとめ、文章化することでより深い理解を促せます。
  • 来年度の新卒採用時の資料として活用するなど、目的を持たせてインタビューしてもらうことで、内定者が意欲的に取り組むことができます。

11.アルバイト・インターンシップ

1日~1,2週間程度の一定期間、実際の職場で働いて仕事をする就業体験を行います。

目的

主な目的は2つあります。1つ目は、就業体験を通して必要なビジネススキルが分かり自発的なスキルアップを促し、キャリアビジョンを持つきっかけとなること。2つ目は、内定者の個性や適性を見ることで配属先決定に役立てることです。

ポイント

  • 卒業前の学生期間であることを考慮し、内定者の負担になりすぎず、参加しやすい内容に工夫しましょう。
  • 業務の流れが分かるようひと通り経験してもらい、その中から本人の意向も考慮して業務を決定すると研修効果が期待できます。

内定者フォロー施策の策定ポイント

内定者フォロー施策を策定する上で重要なことは、企業と内定者の双方にとって価値のある施策にすることです。ここでは、策定にあたって注意したい具体的なポイントをご紹介します。

企業が求めるものと内定者が求めるものを明確にし、施策のズレを減らす

多くの企業は早期離職の防止や早期戦力化などの効果を期待して内定者フォローを実施しています。しかし、内定者が内定者フォローを通じて求めているものを正しく理解し、提供しなければ企業側が望んでいる効果を得ることはできません。施策を複合的に推進することで、内定者のニーズとのズレを最小化するよう努めましょう。

以下は、2017年に株式会社ディスコが実施したアンケート調査の結果です。内定者が実際に受けたフォローと、入社意欲の向上に貢献した施策は、必ずしも一致しないことが読み取れます。

【出典】キャリタスリサーチ/調査データで見る「内定者フォロー」2017

過半数が社員との懇親会や内定式、社内や施設などの見学会、人事担当者との懇親会に参加することによって入社意欲が高まったと回答しています。逆に、定期的な連絡は入社意欲の向上への効果はそこまで高くないのかもしれません。ただし、最低限の情報提供や連絡は重要なので、適切な内容や頻度を検討するといいでしょう。

解消したい悩みや不安に合った施策を選ぶ

内定者が抱える悩みや不安を払拭するという目的を達成するためには、それぞれの悩みや不安に対してどのような内定者フォロー施策が有効であるかを知っておく必要があります。全ての問題を適切に解決へと導くことで、内定ブルー発症者や内定辞退者を大幅に減少させることができるでしょう。

人間関係に関する悩み・不安

人間関係に関する悩みや不安を解消するには、自分に適した交流機会を内定者自身に選択させることが重要です。内定式や懇談会、社内イベントといった集団交流だけでなく、面談やSNSを活用した個人交流など、様々なスタイルの交流機会を設けることで、人間関係構築を支援することが可能となります。

内定先企業に関する悩み・不安

内定先企業に関する悩みや不安を解消するには、経営者の視点や人事担当者の視点、現場の視点など様々な視点からありのままの姿を伝えることが重要です。メールマガジンや社内報、SNSを用いた情報発信施策と懇談会や職場見学、先輩へのインタビューなどの情報共有施策を上手く組み合わせ、内定者の中で思い描いているイメージと実態とのギャップを埋めていきましょう。

キャリア形成に関する悩み・不安

キャリア形成に関する悩みや不安を解消するためには、組織全体が一人ひとりの自己実現を支援するという姿勢を示し、内定者一人ひとりの声にしっかりと耳を傾けることが重要です。職場見学やアルバイト、インターンシップを通じて現場の実態を正しく伝え、定期的な連絡や面談、SNSによる交流を通じてキャリアプラン形成を支援することで、内定者の中にあった悩みや不安を解消し、「自分の企業選択は間違っていなかった」という確信を与えられます。

知識やスキル、マナーに関する悩み・不安

知識やスキル、マナーに関する悩みや不安を解消するためには、入社時点の人材に求めるレベルや具体的な学習方法について企業側が明確に示すことが重要です。職場見学やアルバイト、インターンシップなど、知識やスキルがどのように活かされているのかを学ぶことができる機会を設けるとよいでしょう。そのほかにも内定者研修や勉強会、個人面談などの際に進捗状況の共有やサポートをすることによって、内定者は自信を持って学習を進めることが可能となります。

時期に合わせてフォロー内容を変える

内定者の心理状況は、取り巻く周辺環境や入社までの残り期間によって大きく変化します。そのため、企業は内定者との距離感や接触頻度、内容などそれぞれのタイミングに適した内定者フォローを実施する必要があります。

選考後、内々定をもらい内定が出るまでの期間

1社に絞り切れていない学生も多く、内定を受けることを迷っている時期です。採用活動を終えていいのか悩み、「納得するまで就職活動を続けたい」と、秋採用や通年採用を実施している企業の会社説明会に改めて参加しだす学生もいます。

この時期は対面や電話などの直接的なフォローや、メールなどITツールを活用した間接的なつながりなど、適度な距離感を保ちながら悩みを解消できる情報を開示して、内定承諾の意思決定ができる判断材料を提供することが大切です。

内定から内定式までの期間

承諾はしたものの、自分の決断に対して悩みや不安で気持ちが揺れ動く、内定辞退が1番起こりやすい時期です。そのため、定期的な連絡や面談を行い、内定者の気持ちを受け止めて共感を示しながら、面談者も自己開示をして内定者との信頼関係を築きましょう。 適切な情報を開示しながら内定者の悩みや不安を取り除き、意思決定の後押しをすることが大切です。

内定式から入社直前までの期間

入社の意思も固まり、内定辞退者は減っていきます。この時期は、社会人マナーや仕事の基本となるスキルを学ぶための研修や勉強会を開催して、入社に向けてモチベーションを高めていくことが必要です。

また、入社直前の時期は単位の取得が危うく卒業できない可能性がある学生向けに、相談室を設ける企業もあります。

内定者フォローの企業事例

内定者フォローで内定辞退者を減らすことに成功した企業の事例をご紹介します。

サイボウズ株式会社

サイボウズでの内定者フォローは、「内定者ワークショップ」、「内定者懇親会」、「会社参観日」といったイベントの他に、無料のグループウェアであるサイボウズLiveを活用して人事と内定者とのコミュニケーションを活発に行なっています。

【参考】チームのためのスマホアプリ サイボウズLive/内定者の入社辞退を防ぐ、サイボウズ流の内定者フォローアップ術とは

MHソリューションズ株式会社

内定辞退者が多く出た翌年からSNSと教育機能を搭載したスマホアプリを導入し、内定者の教育研修とコミュニケーションのためのツールとして活用しています。

学習の進捗状況がランキング形式で表示されるので内定者同士のライバル意識を刺激するほか、タイムライン投稿では会社からのお知らせや内定者同士のコミュニケーションが活性化したことで同期としての仲間意識も芽生えました。これらが功を奏して内定辞退を大幅に削減することができたそうです。

【参考】トーマツ イノベーション/事例:教育もコミュニケーションも図れる 内定者フォローツール

株式会社武蔵野

中小企業向けのコンサルティングサービスを提供している株式会社武蔵野では、内定者の母親が、内定者に対し入社をやめるよう苦言を呈していたそうです。

そこで、株式会社武蔵野の社長は、当期の経営計画書と、その前期の経営計画書の配付先一覧をコピーしてその内定者に渡しました。その2組の経営計画書を見れば、利益計画や要員計画、期を跨いでの退職者の有無がわかります。結果として、その母親も考えを一変。武蔵野への入社を薦めることになりました。

このエピソードからは、内定辞退は本人だけではなく親も原因となりうること、経営計画書のように会社の方向性を伝えられるツールの重要性、企業の代表自ら内定者の不安に寄り添う姿勢の大切さを学ぶことができます。

【参考】プレジデントオンライン/いま「内定辞退ゼロ」の中小企業の裏ワザ

GMOペパボ株式会社

印象に残る内定式を演出することで、入社意欲の情勢や不安の払拭など、様々なプラスの効果を生み出すことができます。

GMOペパボ株式会社は、企業理念である「もっとおもしろくできる」を体現し、内定者に喜んでもらうため、ユニークな内定式を開催することで有名です。運動会やボーイスカウト風など、毎年コンセプトを変えた内定式を開いています。2017年の内定式では、「不思議の国のアリス」をイメージし、社長自らコスプレをするなど、個性あふれる会が開催されました。

このような内定式を経験した学生が入社し、またユニークな内定式を企画し、次年度以降の内定者を迎えることになります。内定式の企画と開催が、企業文化の継承や愛着の形成にも貢献しているように思えます。

【参考】採用アカデミー/GMOペパボの内定式に潜入!そこは不思議の国だった!?

内定者フォローに便利なサービス

ここまでは、内定者フォローの事例を紹介してきましたが、適切な内定者フォローを行うためには、有用なツールやサービスを使いこなすことが大切です。ここでは、内定者フォローの役に立つサービスや、サービスの提供企業について紹介します。

内定者管理ツール

内定者に対し、適切なタイミングで適切なコミュニケーションを取ることは、内定者フォローの肝だといえます。内定者とのコミュニケーションに役に立つのが、内定者管理ツールです。

主な機能としては、内定者とのコミュニケーション、企業情報の提供、eラーニングのコンテンツ配信などが挙げられます。採用管理システムの一機能として実装されるケースも多いです。サービスの提供企業としては、教育系のシステム提供企業や就職サイト運営企業などがあります。

社内SNS

前述の通り、人事や先輩社員と内定者間でのコミュニケーションを促進するため、社内SNSを導入・活用する企業もあります。

Facebookやtwitter、LINEなどの大手SNSと比べ社内SNSではセキュリティ面で安心できますが、利用者がわざわざシステムにログインするだけのメリットが必要となります。リッチなコンテンツの提供やアクティブユーザーの多さなど、サービスの機能だけでなく、運用面での工夫が重要です。

サービスとしては、社内SNSサービス単体で提供される場合のほか、内定者管理ツールの一機能としてSNS機能を有している場合もあります。

【関連】社内SNSとは?メリットや無料・有料サービスを徹底比較《23選》/BizHint

内定者研修

内定者研修は、学生の不安の払拭と早期戦力化、両方を狙うことができる施策です。学生の志望度や入社意欲の向上もかね、形式的な企業研修ではなく、ワークショップやゲームのようなエンターテイメント性のあるプログラムを提供する企業が多いです。

【関連】内定者研修における内容・時期などの企画ポイントを解説/BizHint

教育コンテンツ提供

eラーニングや内定者用の学習教材など、教育コンテンツを提供するサービスです。内定者管理ツールや企業研修サービスとセットで提供される場合もあります。

【関連】eラーニングとは?メリット・デメリットや用途別eラーニングサービスまとめも/BizHint

アウトソーシング

採用代行サービス提供会社の中には、個人面談やグループ研修、懇親会の開催など、内定者フォローを代行してくれる企業もあります。他の業務に追われ内定者フォローを行う時間が少ない場合や、自社に内定者フォローに関するノウハウが少ない場合などには有効な手段です。

【関連】採用代行(RPO)とは?メリットデメリット、採用代行会社の総比較/BizHint

採用コンサルティング

内定者フォローのみならず、採用全体のプロセスを見直したい場合や、外部有識者の知見を利用したい場合には、採用コンサルティングサービスを活用する、という方法があります。

内定者フォローとは内定辞退を減らすための施策を意味しますが、内定辞退の原因は母集団形成や採用選考過程にあることも多くあります。なぜ内定辞退が起きるのか、その原因がわからない場合には特に有効です。

【関連】採用コンサルティングとは?採用コンサルティング会社総まとめ/BizHint

まとめ

  • 内定者フォローは「内定辞退の防止」、「内定者のスキルアップ」、「悩みや不安の解消」の3つが主な目的です。
  • 内定者の多くは「人間関係」、「内定先企業」、「キャリア育成」、「知識やスキル、マナー」に関する悩みや不安を抱えています。
  • 内定者の抱えている悩みや不安、時期により異なる心理状況に配慮しながら施策を選定することで、内定者フォロー施策策定の戦略性を最大限にまで高められます。
  • 実際に内定辞退者を減らすことに成功した企業の事例からノウハウを学び、有用な外部ツールや外部サービスを活用することによって、内定者フォロー施策の精度をさらに高めることがでるでしょう。

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