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2017年4月21日(金)更新

内定者フォロー

内定者フォロー、正しくできていますか?「内定者フォローは重要である」という言葉は聞き覚えのある人事担当者の方は多いかと思いますが、片手間でおざなりになっている方も少なくないかと思います。本記事では具体的な施策についてご説明します。

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目次

    内定者フォローとは?

    企業の新卒採用において、内定を出した学生に確実に入社してもらうために行う内定から入社までの期間のフォローを言います。

    企業と学生の間のミスマッチを失くす相談会や社会人になるにあたっての入社前教育やレポートの提出、内定者の会合などがこれに当たります。企業と学生の間の考え方の違いやミスマッチを失くすために、様々な会社が工夫を凝らした内定者フォローを行っています。

    これにより、より良い社会人へのスタートが切れ、入社前までモチベーションを維持することが出来ます。

    内定者フォローはなぜ重要か?

    6割が内定辞退

    会社説明会、選考、そして内定。新卒採用の担当者の仕事が途切れることはありません。

    内定を出してからも、無事に入社の日を迎えるまで内定者に寄り添う、内定者フォローという任務があります。

    リクルートの調査によると、2017年卒の大学生で内定を得た人のうち、16年12月時点で60.8%が内定を辞退しています。2人に1人以上が、一度入ると決めた会社を断っているわけです。

    15年卒の辞退率は3月時点で5割超でしたが、16年卒は6割を超えました。 内定式も終えたのに、誓約書も書いたのに――ルール違反だったとしても、新卒者側からすれば最初の就職で躓きたくないという思いが良心の咎めを凌駕することもあります。

    採用担当者は入社前日まで気の抜けない日々が続くかもしれません。

    【参考】2016年12月度(12月1日時点) 就職内定状況(2017年卒)

    売り手市場化で高まる辞退リスク

    売り手市場と言われる昨今の新卒採用で、入社辞退のリスクは高まりやすくなっています。

    リクルートの同調査でも、1学生が取得する内定社数の平均が増えるのと同時に辞退率が上がっています。

    売り手市場においては学生側の自己分析・会社研究が甘くなり、内定が出てからはたと不安になって辞退するケースもあるでしょう。

    企業側も一定の辞退を見越して多めに内定を出すことで、辞退率が押し上げられている側面もあるでしょう。

    しかし周囲に辞退経験者が増えるほど、学生の辞退に対する心理的なハードルが低くなり次なる辞退を招く…、という連鎖反応も想定されます。

    何より、せっかく人手とお金と時間をかけて獲得した人材ですから、辞退を防げるに越したことはありません。

    注意点

    内定者が求めるものは?会社側とのギャップに注意!

    一言でフォローと言っても、やみくもに内定者とコンタクトを取ればいいわけではありません。

    内定を受けた以上、たとえ滑り止めだったとしても一度は「入社しよう」と考えたのですから、内定者の期待に添う形でフォローすれば辞退しないまま入社にこぎつける可能性もあるわけです。

    マイナビのモニター調査(7月)によると、2017年卒の学生の8割超が内々定者向けのフォローや研修を希望しています。理由は「内々定者同士の人間関係を深めたい」が最も多く71.9%。「先輩社員や人事担当者との人間関係を深めたい」(55.7%)や「入社予定先の職場の雰囲気を知りたい」(53.9%)が続きます。

    「選んだ会社が正しかったか見極めたい」(18.4%)や「本当に入社できるか不安」(15.5%)は少数派。

    大多数は入社への不安よりも、スムーズに社会人生活を始めるために社内の人間関係をあらかじめ構築しておきたいという前向きな理由で会社との接触を望んでいます。

    一方、具体的に受けたいフォロー内容を聞くと、7割が「内定者懇親会」を希望していますが、「先輩社員との懇親会」は4割弱にとどまります。

    職場の雰囲気は知りたいけれど、上司や先輩と直接話すのは緊張するし、入社前に悪い印象を与えてしまったら逆効果…そんな心理が働いているのかもしれません。

    ちなみに同調査を5年前(2012年卒)と比べると、各種懇親会の希望が減る一方で「提出書類の案内や事務連絡」、「内々定者専用Webサイトで情報交換」といった項目が増えています。

    フォローは受けたいけれど、時間的な束縛は嫌う傾向にあるようです。 実際に受けたフォロー・研修としてはやはり「内定者懇親会」が多く、学生の希望に沿っていると言えます。

    ところが「勉強会・グループワーク・研修」は36.7%の内々定者が希望しているのに、実際これらのフォローを受けたのは10.7%。具体的には「ビジネスマナー」(68.3%)や「仕事理解・会社理解」(65.8%)といった内容に関心が高くなっていますが、内定先からこうした情報を提供してもらえる学生は少ないようです。

    【参考】2017年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況

    過度な負担や「オワハラ」になっていないか?

    同調査では、希望する接触頻度は「2か月に1回程度」が44.8%、「1ヵ月に1回程度」が39.4%と、1~2か月に1度の接触で構わないと考えているようです。

    それより高頻度になると、卒論の執筆に差し障りが出たり、最後の学生生活を楽しむ時間が減ったりという側面もあります。

    「オワハラ」にも要注意です。2016年卒の採用過程で、学生に就職活動を終わらせるよう強要する企業が目立ち問題になりました。

    高頻度で接触し物理的に就活できないようにする、懇親会の席で暗に他社への活動の中止を促す――。

    「オワハラ=ブラック企業」のレッテルが貼られれば逆効果ですから、人事部以外の社員も言動には十分気を付けたいものです。

    内定者が抱える3つの悩み

    内定先ってどういうところ?

    懇親会や研修では、どういったテーマで内定者とコミュニケーションをとれば効果的なのでしょうか。

    アプローチの一つとして、内定者が抱える不安や悩みを解消し安心感を与えるのが有効です。実際によくみられる悩みは大きく3つに分けられます。

    第一は「内定先の正体」。十分に会社研究・企業理解を深めたうえで選考を受け、入社してみないと分からない面が多々あるのは分かっていても、入社が決まったからには少しでも会社のことをさらに知って心の準備をしておきたいものです。

    これまでは「お客様」扱いで会社に話してもらえなかったことも、内定後は「将来の社員」としてオープンにしてくれるのでは、という期待もあります。

    例えば

    • 配属先はどの程度希望を聞いてもらえるのか?
    • ノルマや残業はどのくらいあるのか?転勤は?
    • 接待や職場の飲み会は多いのか?出席しないとどうなるのか?
    • 上下関係は厳しいのか?ある程度フランクに話せるのか?職場の風通しは?
    • 足元の経営状況は?今後はどんな経営計画を描いているのか?

    自分の働き方をより具体的にイメージするうえで、不安は尽きません。

    社会人の常識って?

    第二に社会人の基礎知識です。名刺交換、電話やメールのやりとり、正しい敬語の使い方。社会人にとっては当たり前のマナーでも、学生にとっては慣れないことばかりです。

    就活やアルバイトで一通りの社会人常識はこなしているかもしれませんが、「学生」なら許されるミスでも「社会人」では許されない場面があることは容易に想像がつきます。

    業務・業界用語や会計のイロハなど、社会人なら知っておきたい基礎知識も身につけたいが学び方が分からない、そもそも何が「常識」なの?と疑問符だらけです。

    実際の仕事は入社してからでないと習得できない部分が多いぶん、入社前にできることはやっておきたい。漠然とした不安を少しでも和らげる意味で、ビジネスマナーをはじめとする社会人基礎知識を得てもらうことは有効です。

    他の内定者は?

    苦楽を分かち合う仲間であり、互いを高め合うライバルでもある同期。どんな人が自分の同期になるのか、果たして仲良くなれるのか。会社人生で最も長い付き合いになるであろう他の内定者との人間関係への不安があります。

    他の内定者の人柄を知り交流を深めるだけでなく、上述の会社や社会人マナーに対する不安を共有したり、入社前の残された時間をどう過ごすか、入社後の配属先はどこを希望しているのかといった情報を交換したりと、内定者どうしの交流が不安解消や仕事へのモチベーションアップにつながる効果も見逃せません。

    対応策とポイント

    内定者フォローの重要性と、内定者が悩むポイントを述べてきましたので、ここからは具体的な対応策についついて説明していきます。

    対応策

    内定者フォローの具体的な対応策は多岐にわたります。今回は代表的な手法を解説します。

    情報開示

    内定者の会社に対する不安を和らげるには、求められた情報を積極的に提示することに尽きます。

    研修形式で一問一答するもよし、懇親会でフランクに話してもらうもよし。直接聞きづらいことはアンケートで名前を伏せて聞き取り、内定者宛のメールなどで回答する形も一手です。

    「そのくらい自分で調べたら」「採用サイトに書いてあるでしょう」と思うようなことでも丁寧に答え、あるいは参考となる情報源の在処や調べ方を示す。

    そうした姿勢をみせることで、入社後に分からないことが出てきても上司・先輩に素直に聞けばいいんだ、という安心感につながります。

    学習機会・学習にあたっての参考情報を提供する

    社会人の常識を身につけたい、という要望に応えるには、講義や勉強会といった手段があります。新卒者向けの教育・研修を請け負う業者もたくさんあります。

    一堂に集まってもらう機会がないなら、ウェブを使ったe-ラーニングなど通信教育も有用です。

    入社後の新人研修としてスキルアップの時間を作っても良いでしょう。

    インターネットや本屋には情報があふれています。研修に時間やお金を割くことが難しい場合も、推薦書のリストを渡す、参考URLを送るなどヒントを提供しておきましょう。

    社員の育成・教育に熱心な会社との印象を持ってもらうことは、学生が会社を自身の成長の場ととらえることに繋がります。

    内定者との交流機会

    先の調査でみたように、内定者懇親会は要望も多く、実際に実施している企業も多いです。

    研修・グループワークも交流の一助になるでしょう。

    顔を合わせるのが難しい場合は、自己紹介の冊子を作る、独自のSNSを導入する、という手段もあります。

    学業の都合などで参加できなかった学生へのフォローも忘れないようにしましょう。

    【詳細】内定者フォローSNS総まとめ!【2017年最新版】

    定期的な近況確認

    一方向に情報を提供するだけでなく、内定者側に情報を提供してもらうことも有益です。

    もちろん「監視」と受け止められてはいけませんが、「気にかけてくれている」と感じる範囲なら信頼感の醸成につながります。

    特に新卒採用においては特定の期間に選考活動が活発化するため、どうしても日々の面接や面談に追われ内定後のフォローアップが手薄になる傾向がありますので、採用管理システムで内定者の選考情報を一元管理しておき、選考のフィードバックや選考中の不安事項を払拭するようなコミュニケーション、担当者のアサインを行うなど、丁寧なフォローアップを行うようにしましょう。

    個人単位のフォローアップにもなるほか、不安点を聞き出し一箇所に集約・整理しておくことで類似のケースを予測することが可能になり、先回りした対応が可能になります。

    人事向けニュースサイト「BizHint HR」編集部では、中立的な立場で独自調査を行い、国内で提供されている採用管理システムの比較一覧を作成しましたので、内定者フォローと合わせご参考ください。

    いつでも連絡がつく状況を作っておくこともポイントです。また、入社直前に卒論が終わらない、卒業の単位が足りないことが発覚、という事態を避けるために、学業の進捗も確認しておきましょう。

    解決策の提示で終わらせない~学生と会社の想いを繋ぐ

    内定者の不安を和らげることは大切ですが、悩みに応えるだけでは「共に働く」うえで必要な信頼関係の構築には不十分かもしれません。

    内定者と企業、それぞれの価値観の接点を発掘し、双方を繋ぐ機会を設けてみましょう。 まずは内定者が社会の中でどう生きたいか、何を実現したいか、といった想いや考えをヒアリングします。

    困っている人を助けたい、先進的な技術を開発したい。エントリーシートや面接で何度となく強調した内容でしょうが、内定を得た瞬間に忘れてしまっているかもしれません。

    入社が決まって改めて感じたことも含めて語ってもらいましょう。 次に自社が何を目指しているのか、自社の商品やサービスが社会の中でどう役に立っているかを、内定者の想いに添うように伝えましょう。

    一つの社会的利益を実現するうえで、会社と内定者は「雇用者・労働者」を超えて「パートナー」の関係にあること。会社は社員に一方的に仕事を与えるだけでなく、社員一人ひとりが自己実現をする「フィールド」であること。

    そういう関係性を示すことで、会社への信頼度が上がり安心して入社の日を迎えることができるでしょう。

    まとめ

    • 内定者はお客様でもなければ社員でもない微妙な時期であることを改めて認識すること。
    • 内定者の満足度が高い状況で入社すると、辞退防止になるだけでなく現場も安心して受け入れが可能になる。
    • 入社後も、早期離職を防いだり、次の採用活動に繋がる情報を得たりするメリットがあるため根気よくフォローすることが大切。

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