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「働き方改革実現会議」の概要と今後の指針が示された「働き方改革実行計画」の内容を解説

Logo markBizHint 編集部 2018年8月22日(水)掲載
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働き方改革の実行計画の策定等に係る審議を行うため、平成28年9月には「働き方改革実現会議」が設置されました。そして、第十回働き方改革実現会議では「働き方改革実行計画」の政府案が示されました。本記事では、働き方改革実現会議の概要と、働き方改革実行計画で提示された今後の指針について解説いたします。

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「働き方改革」については、こちらの記事をご覧ください。
働き方改革とは?背景と目的、実現に向けての課題まで徹底解説/BizHint

働き方改革実現会議の目的

働き方改革の実行計画の策定等に係る審議を行うため、平成28年9月には「働き方改革実現会議」が設置されました。安倍首相が自ら議長となり、労働界と産業界のトップや有識者が集まり、これまでよりレベルを上げた議論を行ってきました。

働くということに対し、多くの問題を抱える日本では、働き方の改革が必要不可欠となっています。

しかし、より良い働き方改革を行うためには、政府だけではなく、実際に企業を経営し、意思決定権を持つ経営陣を含む多種多様なメンバーを交えて検討する必要があります。

働き方改革実現会議の構成メンバー

先述の理由により、働き方改革実現会議の構成メンバーは、議長の安倍首相を筆頭に、働き方改革担当大臣加藤勝信氏をはじめ、厚生労働大臣、経済再生担当大臣などの関係閣僚8名に加えて、東京大学大学院法学政治学研究科教授や日本商工会議所会頭、全国中小企業団体中央会会長などと共に、株式会社りそなホールディングス執行役 人材サービス部長や株式会社イトーヨーカ堂人事室総括マネジャーなどの一般企業の経営陣を含む有識者15名で構成されています。

働き方改革実現会議の変遷と議事録

10回に渡る働き方改革実現会議では、有識者らによって、長時間労働の是正や、非正規雇用労働者の処遇改善などが検討されてきました。それぞれの会議における検討内容は以下の通りです。

第一回働き方改革実現会議(平成28年9月27日)

第一回働き方改革実現会議では、

  1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
  2. 賃金引き上げと労働生産性の向上
  3. 時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
  4. 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題
  5. テレワーク副業兼業などの柔軟な働き方
  6. 働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
  7. 高齢者の就業促進
  8. 病気の治療や子育て・介護と仕事の両立
  9. 外国人材の受入れの問題

など、9項目のテーマを検討していくという表明が行われました。

第二回働き方改革実現会議(平成28年10月24日)

第二回働き方改革実現会議では、柔軟な働き方(テレワーク、多様な就業形態、副業等)の在り方、多様な選考・採用機会の提供、病気治療と仕事の両立、障害者の就業環境整備の在り方、働き方に中立的な社会保障制度・税制の在り方及び女性が活躍しやすい環境整備(リーダー育成など)についての議論が行われ、安倍首相は特に、「病気治療と仕事の両立に力を入れる」と訴えました。

実現会議の委員の一人で、自らもがんの治療を受けている女優の生稲晃子氏は「主治医、会社、産業医・カウンセラーのトライアングル型のサポート体制」が必要と提言しました。

第三回働き方改革実現会議(平成28年11月16日)

第三回働き方改革実現会議では、「雇用吸収力・生産性の高い産業への転職・再就職支援の在り方」、「格差を固定化させない教育(社会人学び直し、職業訓練、給付型奨学金の在り方)の在り方」、「労働者の人材育成の充実の在り方」及び「春季労使交渉に向けた賃金引上げの方向性」について議論が行われました。

消費を盛り上げデフレ脱却への歩みを進める鍵として、賃上げへの期待は高く、単なる「賃上げ」ではなく、平成29年の春季労使交渉で「少なくとも今年(平成28年)並みの賃上げ」を安倍首相自ら労使に要請し、将来にわたって人件費の押し上げ要因になるベースアップ(ベア)実現を要請しました。

また、柔軟な働き方として兼業・副業を後押しするため、厚生労働省が提供するモデル就業規則を現状の「兼業・副業禁止」から、「原則容認」とする様式に改め、早ければ年度内にも公表する方針が定まりました。

第四回働き方改革実現会議(平成28年11月29日)

第四回働き方改革実現会議では、同一労働同一賃金などの非正規雇用の処遇改善について議論が行われました。

安倍首相は、「同一労働同一賃金」の導入について「(非正規社員は)賃金はもちろんのこと福利厚生や教育、研修の機会にも恵まれていない点もあり、処遇全般について目を向けていく必要がある」と述べ、基本給や手当などの賃金に加えて福利厚生や教育、研修についても非正規の待遇改善を促しました。さらに、「同一労働同一賃金」に関しては、12月半ばに同会議でガイドラインを示し、労働契約法など関連法の改正を目指すよう指示をだしました。

第五回働き方改革実現会議(平成28年12月20日)

第五回働き方改革実現会議では、同一労働同一賃金の政府のガイドライン案について議論が行われました。

同一労働同一賃金についてガイドライン案を示し、正規と非正規雇用の間にある待遇を基本給、賞与・手当、福利厚生、教育訓練・安全管理の4項目に分類し、待遇差について、「問題となる例」・「問題とならない例」を具体的に説明し、企業が参考にしやすくまとめました。非正規への賞与の支給にも踏み込み、業績への貢献が同じであれば同額を支給し、貢献度合いに違いがあればそれに応じた額を支給するという指針も公表されました。

第六回働き方改革実現会議(平成29年2月1日)

第六回働き方改革実現会議では、第五回に引き続き、同一労働同一賃金長時間労働是正についての議論が行われました。

長時間労働の是正については、現状実質的に無制限で残業ができる状況を改善し、36協定には何らかの上限規制を設けることが求められました。残業上限を月平均60時間、年間計720時間までとする政府案に沿って意見集約を行うという次回会議への方針が決定されました。

第七回働き方改革実現会議(平成29年2月14日)

第七回働き方改革実現会議では、長時間労働是正及び高齢者雇用について議論が行われました。

残業上限の時間数を検討し、違反した企業に罰則規定を盛り込むなどの上限規制案を提示し、繁忙期の上限については「1カ月100時間」「2カ月平均80時間」とする検討を続け、3月末の実行計画策定に向け議論を進め方針が決定されました。

また、塩崎厚生労働大臣からは高齢者の再就職支援を拡充するため、全てのハローワークにおいて、エイジレスなサポートを実施し、退職後に自分の故郷などで再就職したい人と地方企業などをつなぎ合わせるための「『ふるさとリターン』マッチングネットワーク」を創設することが提案され、「エイジレス社会」の実現が訴えられました。

第八回働き方改革実現会議(平成29年2月22日)

第八回働き方改革実現会議では、残業時間の上限規制と外国人材の受入れ問題などについて議論が行われました。

残業時間の上限規制を巡っての議論では、日本労働組合総連合会神津里季生会長が、上限規制の適用除外業種の撤廃、過労死防止対策の法制化、制度の導入後一定の期間を経て繁忙期の残業「100時間」を見直すことなどについて、条件付きで容認することとなりました。

外国人材の受入れ問題については、外国人材が英語だけでも活躍できる環境整備も重要であること、企業内での英語公用語化の取組をはじめ、外国の言語や文化の理解を図るなど、受入れ側である日本企業自身の変革が訴えられました。

第九回働き方改革実現会議(平成29年3月17日)

第九回働き方改革実現会議では、時間外労働の上限規制などの実行計画について議論が行われました。

安倍首相は「長年の慣行を破り、実態に即した形で時間外労働規制を適用する方向としたい」と強調し、残業時間の上限を「月45時間」「年間360時間」とし、労使で協定を結べば「月平均60時間」「年間720時間」、繁忙月は「100時間未満」とすることを決定しました。さらに、現在は残業上限の適用除外となっている建設や運輸業のような適用除外業種を撤廃し、適用までの猶予期間を設けることとなりました。

働き過ぎを防ぐための、残業時間の短縮に向けた指針策定を労働基準法に規定し、終業から始業まで一定期間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入を努力義務として定めることも決定されました。

第十回働き方改革実現会議(平成29年3月28日)

第十回働き方改革実現会議では、3月末までに取りまとめるとしていた「働き方改革実行計画」の政府案が示されました。

また、本実行計画で決定したロードマップの進捗状況について、継続的に実施状況を調査し、施策の見直しを図る必要があり、働き方改革実現会議を改組して同一の構成員からなる「働き方改革フォローアップ会合」を設置し、フォローアップを行うことが決定されました。

各会議の詳細な議事録についてはこちらをご参照ください。

働き方改革実行計画における今後の指針

第十回働き方改革実現会議で公表された「働き方改革実行計画」では、これまでの働き方改革実現会議で議論されてきたテーマについての今後の指針が示されています。

【参考】働き方改革実行計画

同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

現在の日本では、同じような仕事をしているにも関わらず、正規労働者と非正規労働者との間で、賃金格差が発生しています。非正規労働者の賃金は、正規労働者の6割程度と、欧州主要国の8~9割に比べると大きな差があります。この格差を何とかしようと考えられたのが、「同一労働同一賃金ガイドライン案」です。

働き方改革関連法では、パートタイム労働者と有期雇用労働者について、同一企業内における正規雇用労働者との不合理な待遇が禁止されるとともに、有期雇用労働者については、正規雇用労働者と「職務内容」や「職務内容・配置の変更範囲」が同一である場合の均等待遇の確保が義務化されます。(この場合、パートタイム労働者については、従来から均等待遇を確保しなければなりません。)

派遣労働者については、「派遣先の労働者との均等・均衡待遇」または「一定の要件(同種業務に就く一般労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金であることなど)を満たす労使協定による待遇」のいずれか待遇を確保することが義務化されます。

【関連】「同一労働同一賃金」とその背景は? / BizHint

賃金引上げと労働生産性向上

日本経済はアベノミクスによって緩やかながらも着実に回復し、企業集計は過去最高となっています。しかし、90年代からの日本経済では、企業は内部留保を増大し、国内投資や人件費の抑制が続いています。

そこで、まず最低賃金について年率3%程度を目途として引き上げていき、全国加重平均が 1,000 円になることを目指します。このような最低賃金の引き上げに向けて、税制、予算措置など賃上げの環境整備に取り組み、生産性向上に資する人事評価制度や賃金制度を整備し、生産性向上と賃上げを実現した企業への助成制度を創設します。

【関連】「生産性向上」は日本経済の課題!知っておきたい法律や改善方法、導入事例をご紹介 / BizHint

長時間労働の是正

先述したように、日本の労働時間は欧州諸国と比較して長く、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正しなければなりません。

働き方改革関連法が成立したことにより、「時間外労働・休日労働に関する協定届」(いわゆる36(サブロク)協定)がある場合でも、月の時間外労働は100時間未満(休日労働を含む。)、年単位の時間外労働は720時間(休日労働を含む。)、また、2~6か月平均で80時間(休日労働を含む。)までとしなければならない上限規制が導入されます。また、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(いわゆる残業代を通常賃金の50%以上とすること。)の猶予措置は廃止されます。

さらに、長時間労働是正の一環として、年5日の年次有給休暇の取得義務化や、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」などの導入が努力義務化されます。

【関連】36協定とは?違反となる条件・罰則も併せて理解し、適正な法令遵守を / BizHint
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柔軟な働き方がしやすい環境整備

日本では、子育て、介護と仕事の両立推進の手段となるテレワークの利用、副業・兼業を認めている企業はいまだ極めて少なく、その普及を図っていくことが重要です。

事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅等で働く「雇用型テレワーク」や雇用契約を結ばずに仕事を請け負い、自宅等で働く「非雇用型テレワーク」を普及することができるようガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて、普及を加速させていきます。

また、副業・兼業についても、企業が副業・兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドラインを策定し、副業・兼業を認める方向でモデル就業規則を改定し、雇用保険及び社会保険の公平な制度の在り方、労働時間管理及び健康管理の在り方、労災保険給付の在り方について、検討を進めていきます。

【関連】テレワークの課題とは?企業事例を徹底解説 / BizHint
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女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備

日本女性の年齢階級別労働力率はグラフのように「M字カーブ」を描いていることが有名です。

<出典:内閣府男女共同参画局>

日本では依然として結婚、出産、子育て期に就業を中断する女性が多く、アメリカ、フランスなど欧米諸国の女性や日本の男性の労働力率の描くカーブは「台形型」であるのと異なる特徴をみせています。この問題については内閣府でもすでに議論され、仕事と家庭の両立支援施策などの対策を講じたことで「M字カーブ」は以前に比べて浅くなり、台形に近づいています。

安倍内閣では、より一層「女性が輝く社会」をつくることを最重要課題の1つとして位置づけ、平成30年度までに女性活躍推進法の情報公表制度の強化策などについての必要な制度改正を検討します。また、働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる環境をつくるため、配偶者控除等については、配偶者の収入制限を 103 万円から 150 万円に引き上げる方針です。

若者の人材育成についても、就職氷河期に学校を卒業して、正社員になれず非正規のまま就業又は無業を続けている方が 40 万人以上いるといわれる中で、35 歳を超えて離転職を繰り返すフリーター等の正社員化に向けて、同一労働同一賃金制度の施行を通じて均等・均衡な教育機会の提供を図るとともに、個々の対象者の職務経歴、職業能力等に応じた集中的な支援を行います。

【関連】M字カーブの定義とは?問題の中身と原因、解消までの道のり / BizHint
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雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援

終身雇用が続いてきた日本の労働環境では、転職・再就職などの新卒以外の多様な採用機会の拡大が課題となっていました。転職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行を確立できれば労働者自らがキャリア設計をできるようになり、企業にとっても急速に変化するビジネス環境の中で必要な人材を速やかに確保できるようになります。

今後は年齢にかかわりない多様な選考・採用機会の拡大に向けて、転職者の受け入れ促進のための指針を策定し、年功ではなく能力で評価をする人事システムを導入する企業の奨励や助成を行います。また、女性活躍推進法に基づく女性が働きやすい企業の職場情報と、若者雇用促進法に基づく若者が働きやすい企業の職場情報を、ワンストップで閲覧できるサイトの創設も行います。

【関連】【社労士監修】女性活躍推進法にどう取り組む?法令の詳細と事例 / BizHint
【関連】「若者雇用促進法」とは?制定の背景や厚生労働省が指針、助成金についてもご紹介 / BizHint

病気の治療と仕事の両立

病気を治療しながら仕事をしている方は、労働人口の3人に1人と多数を占めています。病気を理由に仕事を辞めざるを得ない方々や、仕事を続けていても職場の理解が乏しいなど治療と仕事の両立が困難な状況に直面している方も少なくありません。この問題の解決のためには、治療と仕事の両立に向けて、主治医、会社・産業医と、患者に寄り添う両立支援コーディネーターのトライアングル型のサポート体制を構築し、両立のための環境整備を行います。

近年、問題となっている不妊治療と仕事の両立についても検討を進めます。平成26年の総出生数は約100万3500人、そのうち体外受精で生まれた子どもは4万7322人に上り、約21人に1人が体外受精によって出産されています。体外受精を行うためには毎日の注射の実施、2.3日おきの通院が必要とされており、仕事との両立が困難になり離職してしまう女性が多くなっています。今後は不妊治療への支援について、医療面だけではなく就労・両立支援にまで拡大して実施を行います。

子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労

子育てや介護により、離職してしまう人はまだまだ多くいます。そこで、子供を産んでも仕事を続けられるための支援を強化していく観点から、平成29年10月1日には育児休業法が改正され、保育園に入所できず、退職してしまう女性労働者を救済するために、最長2歳までの育児休業取得が可能になりました。

保育士の処遇改善については、技能・経験に応じたキャリアアップの仕組みを構築し、平成29年度予算では、全ての保育士に2%の処遇改善を実施し、加えて、保育士のキャリアに応じて、概ね3年以上で月5千円、7年以上で月4万円の加算を行い、保育士の処遇改善、人材確確保を行います。

介護の面でも、介護をしながら仕事を続けることができる「介護離職ゼロ」に向け、平成29年度予算において、介護職員について、経験などに応じて昇給する仕組みを創り、月額平均 1 万円相当の処遇改善を行います。

障害者等に対する就労支援についても、平成30年4月より法定雇用率を引き上げるとともに、障害者雇用ゼロ企業が障害者の受入れを進めるため、実習での受入れ支援や、障害者雇用に関するノウハウを付与する研修の受講を進めるほか、障害者雇用に知見のある企業 OB 等の紹介・派遣を行います。

【参考】育児・介護休業法について /厚生労働省
【参考】技能・経験に応じた保育士等の処遇改善等について

【関連】育児休業とは?育児休暇との違い、産前休業~復帰までの流れ、助成金制度まで徹底解説 / BizHint
【関連】介護休業とは?制度の概要や介護休暇との違い、法改正の内容、給付金まで徹底解説 / BizHint
【関連】障害者雇用促進法とは?法改正の概要や法定雇用率、助成金など徹底解説 / BizHint

教育環境の整備

現在の日本では、非正規雇用の拡大、一人親家庭の増加により、所得格差が急速に広がっています。東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策研究センターが行った「両親年収別の高校卒業後の進路」のデータでは、両親の年収に応じて大学への進学率が低くなるというデータが出ています。

<両親年収別の高校卒業後の進路①(所得階級5区分)>

【出典】東京大学大学院教育学研究科大学経営・政策研究センター

子供達の可能性は本来であれば無限大のところ、親が貧しいことで教育への関心が低い家庭で育ち、学力が低くなり、貧困が連鎖するという問題が生じているのです。

そこで、子供たちの誰もが、家庭の経済事情に関わらず、未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができる社会を創るため、返還不要、給付型の奨学金制度を、新しく創設します。幼児教育についても、平成29年度予算において、所得の低い世帯では、第3子以降に加え、第2子も無償とするなど、無償化の範囲をさらに拡大し、国公私立を通じた義務教育段階の就学支援、高校生等奨学給付金、大学等の授業料減免の充実等による教育費の負担軽減を図ります。

【関連】「リカレント教育」とは?生涯学習の重要性を徹底解説 / BizHint

高齢者の就業促進

今後の施策として最も有力とされているのが、高齢者の就業促進です。女性の労働力推移のグラフでもわかるように、60代からの労働人口は急激に減少します。

そこで、65歳まで、70歳までと高齢者の限界を定めず、労働力人口を増やすことが期待されています。仕事の定年を延長することで、仕事による生きがいが生まれ、医療・介護費を減らす効果も見込まれ、実際に、高齢者の中でも65歳以降も働きたいと考えている人は増えています。

平成32年度までを集中取組期間と位置づけ、助成措置を強化するとともに、新たに策定した継続雇用延長や定年延長の手法を紹介するマニュアルや好事例集を通じて、企業への働きかけ、相談・援助を行っていきます。

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外国人材の受入れ

グローバル競争においては、高度 IT 人材のように、高度な技術、知識等を持った外国人材のより積極的な受入れを図り、イノベーションの創出等を通じて我が国経済全体の生産性を向上させることが必要です。

企業における外国人材に対する職務等の明確化と公正な評価・処遇の推進など、高度外国人材を更に積極的に受け入れるための就労環境の整備を図っていくとともに、長期にわたり活躍してもらうため、高度外国人材の永住許可申請に要する在留期間を現行の5年から世界最速級の1年とする日本版高度外国人材グリーンカードを創設します。

その一方で、人手不足を補うための専門的・技術的分野とは評価されない分野の外国人材の受入れについては、ニーズの把握や経済的効果の検証だけでなく、日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など幅広い観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ検討を進めていきます。

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10年先の未来を見据えたロードマップ

働き方改革の実現には、具体的にどのような施策をいつ実行するのか、それぞれの項目ごとに具体的に期限を区切って定め、評価を行って見直しつつ、施策を進めていくことが重要です。

そこで政府は10 年先の未来を見据えたロードマップを作成しました。平成 29 年度から平成 38 年度の 10 年間と期間を定め、合計19項目となる対応策について、項目ごとに、①働く人の視点に立った課題、②今後の対応の方向性、③具体的な施策を記載し、各年度において施策をどのように展開していくかを可能な限り指標を掲げつつ示しています。

ロードマップについてはこちら

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