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2019年5月20日(月)更新

パイプライン管理

パイプライン管理とは、営業プロセスをパイプラインにたとえて、顧客へのアプローチから受注までの一連の流れを管理・分析し、営業活動の効率化を図る手法です。非効率な営業活動を排除し、成果を最大化できる管理方法として注目されています。今回はパイプライン管理のメリットや実施方法、導入時のポイントを中心にご紹介します。

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パイプライン管理とは?

パイプライン管理とは、パイプラインのように営業プロセス全体を可視化し、時系列で状況を把握することで、中長期的な売上予測や営業活動の効率化を目指すマネジメント手法です。

問い合わせや顧客とのファーストコンタクト、ヒアリング・提案・見積もり、クロージングから契約までの営業プロセスを細分化し、営業担当者毎・案件毎に管理します。また、過去の営業状況からボトルネック(課題)を抽出し、改善策の立案やマーケティングの効果測定、人材育成への活用も可能です。

ファネルマネジメントとの違い

パイプライン管理と混同しやすいビジネス用語にファネルマネジメントが挙げられます。

ファネルマネジメントとは、確実な売上予測に基づいて営業目標を効率的に追跡・管理することで、営業目標を達成する手法です。ファネルマネジメントは営業プロセスの中のクロージング(営業機会を逃さない)に重点が置かれているため、営業プロセス全体を管理・分析するパイプライン管理とは大きく異なります。

また、ファネルマネジメントでは営業担当者の販売目標に対する営業の進捗状況を管理する一方、パイプライン管理は、成約に向けて、計画通りの営業活動が行われているかを段階別に管理する点も大きな違いといえます。

パイプライン管理とファネルマネジメントには以下のような違いがみられます。

パイプライン管理とファネルマネジメントの違い

項目 パイプライン管理 ファネルマネジメント
管理対象 営業プロセス全体 営業機会のクロージング
目的 営業プロセスの改善 目標売上の達成
運用方法 営業プロセスの可視化・分析 成約に関するKPI(※)の可視化・分析
その他の効果 マーケティングの効果測定 営業の売上予測

※ファネルマネジメントのKPIには、取引数(行動量)、取引の平均値、平均取引クローズ率、成約までの平均時間などを可視化します。

パイプライン管理のメリット

パイプライン管理の導入は、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、パイプライン管理の主なメリットをご紹介します。

営業プロセスの可視化

パイプライン管理は営業プロセス全体を細分化するため、ボトルネック(全体に影響を与える要因)の発見につながりやすく、営業部門全体の問題・課題解決に役立つ手法です。

そのため、事業部全体の売上、目標達成率の向上への改善策を打ち出しやすく、受注につながりやすいチャネル(経路)の発見にも効果が期待できます。また、過去のデータを基に類似する営業活動に対して早い段階で軌道修正を行えるため、機会損失や無駄な営業活動の排除にもつながります。

また、営業担当者の営業プロセスが可視化されることで、営業ノウハウ・営業効率化手法のブラックボックス化を防ぐことも可能です。

営業担当者への適切な教育・指導

営業担当者一人ひとりの営業成績のおける営業プロセスを数値化・分析することで、長所・短所の洗い出しが可能です。具体的な長所・短所に基づき、適切な教育・指導ができるため、社員のモチベーション・自信の向上、具体的な打ち手・改善策の提示が行えます。

その他、営業担当者個人が自分の長所・短所を把握し、日々改善に努める機会にもつながるため、セルフマネジメントの強化にもつながります。

売上目標の予測・予算の算出

パイプライン管理は営業プロセスの体系化に優れているため、営業の達成状況から逆算した現実的かつ達成可能な売上目標の立案が可能です。

また、パイプライン管理はリアルタイムでの管理・分析を前提としているため、早い段階で軌道修正や改善を実施できます。

パイプライン管理の実施方法

効率的なパイプライン管理を実施するには、以下の実施方法が最適です。

営業プロセスの細分化

パイプライン管理は、営業プロセスの流れを細分化から始まります。営業プロセスの細分化は最小単位で行うと効果的です。

最小化された営業プロセスの例として、以下が挙げられます。

  • 問い合わせ
  • 顧客とのファーストアプローチ
  • 訪問
  • 提案・商品・サービスの説明
  • 見積もり
  • クロージング
  • 成約・受注
  • アフターフォロー

事業特性や業界によって、例外的な営業プロセスがある場合は必ず記載しておきましょう。

各プロセスの状況分析

細分化された各プロセスの KPIを、グラフなどで可視化します。

【KPIの一例】

  • 目標達成率や進捗度
  • ヒアリング数
  • 商談数
  • アポ取得数
  • 顧客へのアプローチ数
  • 受注率 など

分析の際に、KPIの数値が著しく低いプロセスは、営業活動全体のボトルネックになっている可能性があります。現場社員へのヒアリングを通じて、問題点や課題を抽出し、改善策を打ち出しましょう。

ボトルネックの発見には、営業担当者個人ではなく、全員のKPIが芳しくないプロセスを見つけ出すことが大切です。リード(見込み顧客)の質や獲得したチャネル、各リードへのアプローチ方法の妥当性など、各プロセスごとの特性を見極めた上で状況を分析すると効果が高まります。

営業担当者毎の指導・教育

各プロセスの状況分析の結果、全体の目標達成率や進捗度に比べて差が生じている営業担当者がいたら、そのプロセスに焦点を当てた指導・教育を行いましょう。パイプライン管理は営業担当者の能力といった抽象的な要因ではなく、商談数やアポ取得数など数値に基づいた要因を洗い出せます。

社員の能力向上に向けた補完的な指導・教育として採用する場合、パイプライン管理のデータに基づいて、セルフマネジメントを促すことも効果的です。

顧客毎の売上比較

顧客毎に売上を比較することで、最適な営業手法を見出すことが可能です。

受注につながりやすいチャネルや集客効果の高いマーケティング施策を見つけ出し、他の顧客に応用することで事業部全体の売上向上につながります。

パイプライン管理導入のポイント

パイプライン管理導入時には、いくつか注意したいポイントが存在します。

情報収集業務の削減

パイプライン管理は、営業担当者一人ひとりから、リアルタイムで取引に関する正確な情報(商談内容や進捗)を抽出することが重要です。過去の取引情報を抽出することで、正確な売上目標や予算の算出に役立ちますが、データの入力作業やヒアリングには多大な時間と費用がかかります。

そのため、事前に営業プロセスを細分化し、各段階(セグメント毎)で必要となる営業成果を定義し、明確にしておくことが大切です。

集計・分析の業務効率化

パイプライン管理はマーケティング施策(展示会・Web問い合わせ)毎の営業フェーズ(アプローチ、ヒアリング、商談実施、クロージングなど)の違いを可視化し、効果の高い施策の分析にも役立ちます。

これらの迅速なデータの集計や分析にはExcelの活用もできますが、長期的な運用には向きません。

迅速な情報の集計・共有には、パイプライン管理と相性が良いSFA(営業支援システム)CRMといったツールの使用が効果的です。

適切な営業プロセスの細分化

パイプライン管理は営業プロセスを細分化し、営業活動全体のボトルネックを可視化・改善することに長けたマネジメント手法です。しかし、営業プロセスを必要以上に細分化することは、本質的な課題の発見が遅れる、集計・分析に手間がかかるなどの弊害が発生してしまいます。

実務上、必要な営業プロセスに絞り込み、迅速かつ適切な商談内容の情報収集、集計・分析ができる適切な細分化が必要です。

まとめ

  • パイプライン管理とは、営業プロセス全体を細分化し、各段階の状況を分析・把握することで目標達成率の向上や営業活動の効率化を高める管理手法です。
  • パイプライン管理の導入は、ブラックボックスになりやすい営業活動の可視化や営業担当者への適切な指導・教育、営業目標・予算の算出などのメリットが挙げられます。
  • パイプライン管理の実施方法は営業プロセスを最小単位に細分化し、各プロセスの状況分析を行い、全体としてボトルネックとなっているプロセスを見つけ出すことが重要です。
  • パイプライン管理の導入には、過去を含めた正確な商談情報の収集や分析が欠かせないが、商談情報の入力業務や集計・分析業務に多くの時間・労力を割かず、業務効率化を前提とした運用を心掛ける必要があります。

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