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2019年9月24日(火)更新

営業力

営業力とは、運や勘だけで売上目標を実現する力ではなく、営業で一定の成果を継続的に達成する力を指します。営業力を高めるために必要なのは、顧客の困りごとを理解し、ニーズを引き出して最適な提案をする姿勢です。本記事では、営業力の構成要素を分解し、優秀な営業パーソンの特徴を紹介。組織全体の営業力を強化する方法も解説します。

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営業力とは?

営業力とは、単にモノを売る力ではなく、運や一時的な浮き沈みとは別に、継続的に営業で成果を出す力です。当然ながら、営業活動には受注を受けたり契約を取りまとめたりする目的があります。ただし、営業力が指すのはこの販売実績だけを指すわけではありません。むしろ、成果の土台となる能力がポイントなのです。

営業力とひと口にいっても、その基礎にはさまざまな能力があります。営業力の度合いを評価し、強化するためには、営業力を構成する要素を理解すること大切です。ここでは営業力の構成要素を分解したうえで、優秀な営業パーソンの特徴を紹介します。

営業力の構成要素

「ITソリューション塾」をはじめ、デジタル・ビジネスに関連した講演や講義を行うネットコマース株式会社 代表取締役 斎藤昌義氏によると、営業力は、下記の4つで構成されています。

  • 人間力
  • 知識
  • スキル
  • 実行力(マネジメント力)

【出典】営業力とは何か、どのように育成すれば良いのか/ネットコマース

人間力

人間力とは、営業力の土台となるもので、他の能力や営業パーソンとしての根本的な力です。営業としては営業目標へのコミットも大切ですが、顧客の「困りごと」や「あるべき姿」を引き出し、それに対する解決策を提供しようとする仕事の姿勢が特に重要といえます。

営業は商品・サービスを販売する以前に、広く相手と関わりながら信頼関係を構築していくことや、継続的に成果を出し続ける姿勢が求められます。つまり、知識やテクニックと同時に、人から好かれる力や、顧客に対して責任感を持って接する力、行動計画を確実に実践していく力が必要なのです。このような素質が、営業として大切な人間力です。

知識

知識とは、自社の製品・サービスや、業界事情、あるいは顧客固有の事情を正確に理解することを指します。顧客との会話のなかで、課題や理想を聞き出し、心に刺さる提案をするには、まず顧客についての情報が頭に入っていなければなりません。顧客企業の強み・弱みや競争環境を知っておくのはもちろん、時には相手も気づいていなかったような認識を提示し、最適なソリューションを提案する必要があります。

また、業界内の知識だけでなく、世の中で注目を集めるAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)などIT系のトレンド、最新の法改正といった周辺知識も結びつけて説明できると、顧客からの信頼アップにも繋がるでしょう。

スキル

スキルとは、営業活動で効率的に成果を出す力や、顧客との交渉のなかで効果的なやりとりをする技能です。営業では、相手の課題を解決しようという心構えを持っているのに成果に結びつかないケースや、商品や業界知識には誰よりも精通しているのに契約が取れない現象があります。これにはいくつかの原因が考えられますが、伝えるべき中身があっても伝える力が弱いため、一方的に空回りしてしまうケースもあるのです。

営業でのスキルとは、伝え方や営業の基本的なノウハウを指します。例えばプレゼンテーションでの表現力や提案書作成といったテクニックのことで、訓練によって誰でも身につけることが可能です。本質的な人間力や知識がある人が習得すれば、劇的に営業力が強化できる可能性があります。

実行力

実行力とは、営業計画やリードを成約に結びつけるためのプロセスを策定し、時系列に沿いながら着実に遂行していく力です。「活動プロセス遂行力」や「マネジメント力」、「進捗管理能力」などとも言い換えられるでしょう。

営業で成果を出すには、人間力や知識、スキルなどを生かしながら、具体的なタスクまで落とし込み、計画に沿って行動を継続することが求められます。このような要素は営業力のなかでも大切な力です。

これら4つの要素は、それぞれが独立して機能するわけではありません。営業力は、個別の要素が組み合わさった総合力として発揮されます。そのため、どれかに秀でているからといって必ずしも営業力が高いとは限らず、力のバランスが取れていて初めて、営業パーソンとして実力があるといえるでしょう。

優秀な営業パーソンの特徴

優秀な営業パーソンは、先述した営業力の4つの構成要素を兼ね備えています。もちろん、全てが完璧ではなく、特定の能力が強い、あるいは弱いといった個人差はありますが、本質となる人間力をしっかりと備えている点は共通だといえるでしょう。

では、優秀な営業パーソンには、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。それは「顧客視点に立って思考し、適切な行動が取れる」という点です。営業では売上や契約件数といった数字が求められるため、どうしても売りたい気持ちが強くなることがあります。また、自社の商品・サービスについて自ら勉強をしていく過程で魅力に触れ、主観が入り込む場合もあるでしょう。

熱意や知識は営業として大切な要素ではあるものの、だからといって営業で成功するとは限りません。なぜなら、顧客が何かを購入する際に大切なのは、あくまでも「その商品・サービスが自分たちにとってどのような価値を持つのか」という顧客目線での利益だからです。優れた営業パーソンは、顧客に好奇心を持ち、事業内容や困りごと、時にはビジョンも熟知したうえで、相手の成功を支援するために力を尽くそうとします。

スキルや知識、テクニックは、顧客の立場に立つ意識があって初めて大きな効果を発揮します。優れた営業パーソンは、いわば心技体のバランスが整っているのです。

組織の営業力を強化する方法

個人として営業力が秀でた営業人材がいたとしても、一人でできることは限られていますし、その人材に依存するのは組織としては不安材料となりかねません。

会社組織として営業活動の質を高め、継続的に成果を発揮し続けるには、今いる営業人材の力を伸ばしつつ、次々と優秀な人材が現れてくるような組織としての仕組み作りが大切です。

ここでは、組織の営業力を向上させるための施策を紹介します。

営業力の定義

まずは営業力の定義の明確化です。営業力は、先述の通り、人間力を土台にして知識・スキルや実行力といった要素で構成されますが、どの要素も人によって解釈の方法はさまざまです。

営業力はどのような会社でも画一的ではなく、その会社の役割やビジネス領域、業態、顧客特性など、文脈によって大きく違います。例えば、顧客価値一つをとっても、大手製造業では品質が、SIerやITベンダーでは技術力や納期、インフラ企業ではサービスの安定性が優先順位の上位に来るでしょう。この優先順位は営業力にもつながっており、各社に合ったコンセプトを確立する必要があるのです。

仮に営業力の中身があいまいな状況のまま営業力の強化を訴えても、認識が人によってばらばらで大切なコンセプトや思いが共有されない可能性があります。そこで、まずは自社として、「顧客にどのように貢献したいのか」といったポジションを再確認し、「貢献にはどのような営業力が求められるか」という定義づけを行いましょう。

営業力の現状把握

次に、営業力の現状把握を行います。営業力という言葉の具体化に成功すれば、あとは営業パーソンがひとつ一つの項目に対して十分か不十分かどうかを評価すれば良いため、現状把握はそれほど難しくないはずです。

営業力を強化するとき、組織の実力を正確に整理することは、営業戦略の策定にも役立ちます。分析していく段階で新たな発見ができますし、弱い部分や課題がはっきりしていれば、今後の営業目標達成に必要な取り組みをイメージしやすくなります。現状把握の際は、個人の業務経験や過去の案件データ、時には第三者の意見なども積極的に使うと効果的です。

営業戦略の立案・浸透

営業力が定義でき、現状把握ができたら、次は営業力を高めるための営業戦略を策定し、組織に浸透させます。営業に関する戦略立案では、既存の仕組みを維持したり、必要な施策を追加したりするなど、大掛かりな仕事になるのが一般的です。

営業部門トップだけでなく、マーケティング部門とも連携が必要になるケースや、時には経営者も立ち上げ支援に参加することもあるでしょう。戦略を策定し、戦術まで円滑に落とし込んでいくには、組織一丸の対応が必要になるケースもあるのです。

【関連】営業戦略の立て方とポイント、立案に役立つフレームワークまで徹底解説/BizHint

部署内・社内のナレッジや情報の共有

営業力を高めるためには、社内や部門内で営業に関するナレッジや営業活動に必要な情報を共有することも有効です。

営業担当者は基本的に外出が多く、単独行動をする時間が長くなる傾向があります。そのため、特定の人物が優れたナレッジを抱えていたとしても、他の人材に伝わらないままというケースもあるのです。あるいは、顧客に関する有益な情報であっても、別々の担当者が個別に管理していて連携されないために、情報が生かされないという事態も考えられます。

営業力を強化するには、個人の知識やスキルだけでなく、周囲の人と協力しながら目標を達成しようという姿勢も大切です。ナレッジや情報の共有に積極的な風土であれば、組織全体として営業力が底上げされ、人材が成長しやすいでしょう。優秀な人物が現場で教育担当を務める教育体制や、営業担当者ごとではなく案件ごとに情報を管理する仕組みを作るなどの対策が効果的です。

「褒める」文化の醸成

人材を褒める文化を醸成することも、営業力を高めるために効果的です。例えば、「レコグニション」(recognition)とは、「称賛」や「認知」という意味ですが、努力の跡や実績を認識し、承認することは従業員のエンゲージメントの向上やパフォーマンスの改善にもつながるとされています。

また、社内で信頼関係が確立されていれば、従業員の心理的安全性が高まり、最も大切な人間力の成熟につながる効果も期待できます。

褒める文化を定着させようとレコグニションをあえて制度化している会社もあり、興味があれば参考にすることも可能です。また、制度としてではなく個人の心がけですぐに始めることもできます。承認し合う環境を作る効果は計り知れないため、営業力を高める際は検討しておきたい施策の一つです。

【関連】レコグニションとは?意味やメリット、企業事例をご紹介/BizHint

研修の実施(OJT・Off-JT)

研修を実施することも有効です。研修には、現場で教育担当者を付けて学ばせる「OJT」と呼ばれるスタイルと、現場以外で研修会など座学形式を中心に勉強をさせる「Off-JT」という方法に分かれます。前者は日々の営業活動を通して実践的に学ぶため、個別の経験を掘り下げていける点が特徴的です。後者は、経験がないケースも幅広く知ることができ、体系的な知見を得られるという特徴があります。

どちらの方法も一長一短があり、自社に合わせて適切に組み合わせることが大切です。また、営業力を高めるためには繰り返しの学習が有効です。四半期ごとや1年ごとなど、長期的な視野も取り入れながらバランスの良い育成計画を策定しましょう。

営業活動支援ツール(SFA/CRM)の活用

営業活動を支援するツールを活用することも効果的といえます。営業活動は、資料作成や顧客との商談、メールや電話連絡、関係部署との相談、日報作成など、さまざまな業務が発生するものですが、それら全てを人手で行うのが当たり前だという風土の会社も残っているのも現状です。

しかし、現在は営業分野にも支援システムが普及しつつあり、「SFA(Sales Force Automation、営業支援ツール)」や「CRM(Customer Relationship Management、顧客管理システム)」といった名称で知られています。

これらのツールは、各社の業務プロセスに沿ってシステム上で進捗を管理したり、顧客情報をクラウドで一元管理したりする機能が豊富なため、営業活動を大幅に効率化することが可能です。その結果として、組織内の情報連携や迅速な意思決定や、組織全体の営業力の底上げに繋がる可能性があります。

人力だけの営業活動に限界を感じている場合は特に有効でしょう。

【関連】企業の成長に繋がる「営業支援」とは?ツールもご紹介/BizHint

まとめ

  • 営業力とは、単に売る力ではなく、運や一時的な浮き沈みとは別に、継続的に営業目標を達成する力のことです。
  • 営業力の構成要素には、人間力を土台にして知識・スキルや実行力があります。
  • 優秀な営業パーソンほど、顧客の立場で思考し、適切な行動が取れるという営業力を持っています。
  • 組織全体の営業力を高めるには、言葉の意味を自社で定義してから、現状把握や戦略立案・浸透を実行する
  • 営業力強化の施策には、ナレッジや情報の連携、認知・承認に積極的な組織文化の形成、営業支援ツールの導入が挙げられます。

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