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2019年3月28日(木)更新

インサイドセールス

BtoB型のビジネスにおいて、インサイドセールスが注目を集めています。従来型の御用聞き営業が終焉を迎え、より効率的な営業手法が求められているためです。この記事では、インサイドセールスについてその役割やフィールドセールスとの違い、導入手順などについて解説します。

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インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、主に電話やメールによって顧客にアプローチする内勤型の営業のことを指します。

従来型の営業スタイルでは、顧客の検討の初期段階からクロージングまで、一人の営業が対応していました。しかし近年では、顧客を訪問して直接アプローチする「フィールドセールス(アウトサイドセールス)」と、電話などで間接的にアプローチする「インサイドセールス」の2つに営業活動を区別するようになりました。

マーケティング活動の結果得られた見込み客(リード)に対し、関係性を維持継続し将来の顧客へと育成(ナーチャリング)することをインサイドセールスが担います。そして、最終的に成約精度を高めた見込み顧客に対するクロージング活動をフィールドセールスが行うのです。

役割を分担することで、関係性の維持・育成からクロージングまでを効率化することが可能ですが、両者が密接に結びついていることは明らかです。インサイドセールスによって得られた情報を、顧客データベースを通じて共有しフィールドセールスに引き継ぐといった、両者の協力関係が必要となります。

【インサイドセールスとフィールドセールスの違い】

  インサイドセールス フィールドセールス
営業スタイル メールや電話などで間接的にアプローチする内勤型営業 顧客を訪問して直接アプローチする外勤型営業
目的 顧客との関係構築・ナーチャリング 見込み顧客のクロージング活動

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの役割は顧客との関係性を維持・継続し、リードのナーチャリングを行うことです。リードに対し電話やメールでニーズをヒアリングし、場合によっては潜在的なニーズの顕在化も行います。

ここで重要なのは、インサイドセールスは売り込みを行わないということです。あくまでインサイドセールスの役割は顧客との関係性を維持・継続にあります。自社で保有しているオウンドメディアやセミナーなどのコンテンツを有効に活用しながら、将来の顧客へと育成していくことがインサイドセールスには求められているのです。

インサイドセールスが注目される理由

インサイドセールスが注目されている理由は複数ありますが、ここでは、とくに大きな要因である顧客の購買行動の変化と社会的に注目される働き方改革から解説していきます。

顧客の購買行動の繁変化

顧客は、インターネットの普及に伴い、最終的な購入へと至る前、情報収集に多くの時間を費やすようになりました。従来であれば、プッシュ型のテレビ広告や出入りの営業から情報を入手していたはずです。しかし、インターネットの普及により情報は検索することで容易に入手できるようなりました。御用聞きの営業が有効に機能する時代は終焉を迎えているといえるのです。

こうした顧客の購買行動の変化に対し、販売する側の企業は顧客の検索ニーズに応えたうえで顧客との関係性を維持・継続し、購買につなげる必要が出てきました。そこで、企業は顧客の検索ニーズに応えるためにオウンドメディアを構築し、顧客との関係性を維持・構築するためにインサイドセールスを活用するようになっているのです。

働き方改革

インサイドセールスが注目されるもう一つの理由としては、働き方改革があげられます。従来の御用聞き型の営業スタイルでは、訪問できる数に限りがあります。インサイドセールスは電話やメールが中心のアプローチとなるため、多くの見込み客へのアプローチが可能となり、生産性向上が期待できます。働く場所を選ばない営業スタイルはテレワークでもおこなえるということもあり、働き方改革とは相性がよいといえるでしょう。

実際に、米国ではインサイドセールスが顕著な伸びをみせており、フィールドセールスは減少傾向にあるというデータも報告されています。日本でも今後、同様の動きを見せることが予想されているのです。

【出典】IInside Sales Market Update:The Sales Insider

テレアポとの違い

テレアポと誤解されやすいインサイドセールスですが、その役割は全く異なります。

その違いは、テレアポがアポイントを取得するための単純な活動であるのに対し、インサイドセールスは見込み客のナーチャリングをおこなうためにさまざまな活動を複合的におこなう必要がある点にあります。インサイドセールスは、オウンドメディアを駆使して、見込み客に対して有効な情報提供を継続的におこなうのです。

テレアポがプッシュ型の営業であるのに対し、インサイドセールスは見込み客が求める情報を提供するプル型の営業の意味合いが強いと理解してもよいでしょう。一方で、インサイドセールスからフィールドセールスに引き継ぐ際には、インサイドセールスが訪問アポを獲得するのが一般的です。インサイドセールスは、テレアポを行うことがその業務の一部になっているのです。

インサイドセールス導入のメリット

注目度が高まるインサイドセールスですが、インサイドセールスの導入により企業はどのような恩恵を受けることができるのでしょうか。ここではインサイドセールス導入のメリットを紹介します。

見込み客の成約率向上

インサイドセールスは顧客の検討状況に応じて最適な情報提供することで顧客との関係性を維持・継続し、ナーチャリングをおこないます。

インサイドセールスを設置せずにフィールドセールスだけで営業活動する場合、リードの隅々までコンタクトをとることは容易ではありません。直接訪問しないフィールドセールスだからこそ機会損失をさけて多くのリードをナーチャリングすることを可能とし、成約率の高い見込み客を育成することができるのです。

営業コアタイムへの集中

インサイドセールスの導入は、顧客に情報提供するためのオウンドメディアやセールススクリプトといった情報の共有や活用を前提とします。これにより顧客へのアプローチ方法を統一化し、顧客の検討段階に応じた効率的な情報提供が可能となるのです。このことはインサイドセールスを営業コアタイムに集中させることに繋がります。

一方で、フィールドセールスも、成約率の高い顧客へのアプローチに集中することで、インサイドセールスと同様に営業コアタイムに集中することができます。インサイドセールスの設置は、営業活動全体を営業コアタイムに集中させることに繋がるのです。

営業の効率化による生産性向上

リードの数が多い顧客のナーチャリングは訪問の必要がないインサイドセールスが担当し、成約率が高い顧客に対するクロージングは訪問を前提とするフィールドセールスが担当する。

一人の営業がすべてのプロセスを担当する従来型の営業と比較した場合、生産性が高いことは明らかであるといえるでしょう。

インサイドセールスの導入方法

インサイドセールスが、従来の営業方法とは一線を画す新しい営業スタイルであることは理解いただけたでしょうか。それでは、インサイドセールスはどのように導入を進めていけばよいのでしょうか。ここでは、その一般的な方法について紹介します。

営業プロセスの可視化

「ターゲットとなる顧客が新規顧客か既存顧客か」「エンドユーザか代理店か」「あるいは自社が販売する商品やサービスがどのような特徴を持っているのか」といった側面から求められる営業スタイルを再検討することから始めましょう。そのうえで、どのようなプロセスで営業活動を行っているのか、あるいはどのようなプロセスの営業活動を理想とするのか、可視化していきます。

この段階では、営業プロセスを可視化するだけではなく、マーケティング活動のプロセスの可視化も意識します。コンテンツマーケティングの重要性が増している中、コンテンツマーケティングの中に営業活動をどう位置づけるのかといった視点も必要になってくるからです。

適用対象となるプロセスの決定

営業プロセスが可視化できたら、マーケティング活動も視野に入れながらインサイドセールスが業務を担うプロセスを決定します。一般的には、マーケティング部門が担当するオウンドメディアやその他の手法で獲得したリードに対し、アプローチしていくプロセスからインサイドセールスが担当することになるでしょう。

あとは、インサイドセールからフィールドセールスに引き継ぐタイミングをどこに置くかを決定します。通常の場合、安価で分かりやすい商品やサービスの場合には、インサイドセールスの担当範囲は広くなり、高価で複雑な商品やサービスの場合は、フィールドセールスの担当範囲が広くなります。

ITツールの導入

インサイドセールスの効果を最大限に発揮していくうえでは、ITツールの導入は欠かせません。膨大な量のリードに対し、その顧客の業務内容はもちろんのこと、業界動向や課題、決裁ルートに担当者の趣味といった情報も漏らさず管理していくことが必要です。当然、エクセル管理では限界があります。そこで、具体的にインサイドセールスで導入を検討するべきITツールを紹介します。

CRM(顧客管理システム)

CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、顧客管理システムのことです。多くのCRMでは、見込み客の基本情報から、社内での力関係、参加いただいたセミナー、問い合わせやクレーム内容、提出した提案書や見積もり、メモにいたるまで、取引先に関するさまざまな情報を一元的に管理できます。

見込み客のナーチャリングのレベルを、一定の評価基準に基づきスコアリングできるものもあります。このようなナーチャリングレベルの見える化は、次にどのような施策を打つべきかといった判断材料になるでしょう。

【関連】CRMとは?メリットや機能、導入ポイントからCRMシステム5選をご紹介 / BizHint

SFA(営業支援システム)

SFAとはSales Force Automationの略称で、営業支援システムのことです。従来は、日報を中心とした外勤営業の見える化が主な用途でしたが、コンテンツマーケティングやインサイドセールスの進展により、CRMと一体化して機能提供することが多くなってきました。

CRMとの違いは、顧客にフォーカスをおくCRMに対し、案件にフォーカスをおくのがSFAと理解してよいでしょう。このため、SFAを活用することで受注に至るまでのプロセスが見える化されるとともに、今後の売上予測もできるSFAツールも多くなっています。

【関連】SFAとは?メリットや機能、CRMとの違いからSFAツール5選もご紹介/ BizHint

MA(マーケティングオートメーション)

MAとは、Marketing Automationの略称で、見込み客を獲得してから育成しクロージングに至るまでのマーケティング活動を可視化、自動化するためのツールです。コンテンツマーケティングを実践するためのプラットフォームを提供するといえるでしょう。

MAの特徴は、見込み客のナーチャリングレベルをスコア化し、そのスコアに応じた最適なマーケティングツールを選択できることにあります。スコア化の際は、自社が保有するオウンドメディアのコンバージョン率やページ閲覧数、セミナー申し込み数を考慮にいれ、グラフィカルにレポーティング表示も可能です。インサイドセールスは、MAが提供するこうした情報をベースに、最適なマーケティングツールを使って顧客にアプローチできるのです。

【関連】マーケティングオートメーション(MA)とは?機能や事例、ツールをご紹介 / BizHint

インサイドセールスの有効な活用方法

数多くの見込み客に対し最適なマーケティングツールを使ったアプローチをおこない、将来の顧客へとつなげる重要な役割を担うのがインサイドセールスです。こうした活動は、案件成約率が高くその数も多い顧客へのクロージング活動へとつながり、会社の業績を向上させます。それでは、インサイドセールスを有効に機能させるためには、どのような活用方法があるのでしょうか。

フィールドセールスとの併用

インサイドセールスは、フィールドセールスとは切っても切り離せません。両者は、従来は一人が担っていた顧客に対する接点活動を、ナーチャリングとクロージングに分けて役割を分担したにすぎないのです。

しかし、インサイドセールスにより見込み客に対するアプローチを継続する中で、クロージング活動を目的とはしない対面営業の必要性も出てくるはずです。こうした場合に、適切にフィールドセールスによる営業活動も活用して、見込み客のナーチャリングにつなげていく必要もあるのです。

他部門との連携

マーケティング全体の視点で見ると、リードを獲得するマーケティング部門、ナーチャリングを担当するインサイドセールス部門、クロージングを担当するフィールドセールス部門と、部門別に役割が分かれます。さらに、顧客への販売後は、アフターサポートも提供されるはずです。

こうしたアフターサポート活動の中で得られる情報も考慮に入れながら、インサイドセールスはナーチャリングを継続し、新たな商品やサービスの提供につなげる必要があるのです。このように、インサイドセールスがマーケティング部門やアフターサポート部門といった他部門との連携が必要なことは明らかでしょう。顧客ライフサイクル全体の視点でインサイドセールスの役割を定義し、他部門と適切に連携することでインサイドセールスはその効力を発揮するといえます。

顧客情報の共有化を促進

部門間での連携が求められる以上、顧客情報の共有化は必ず求められます。このときに共有する情報は、単なる顧客の基本情報にとどめてはいけません。マーケティング部門から得られるコンバージョン率や閲覧したページ情報、フィールドセールス部門で得られる趣味や決裁ルート、営業活動で得られた情報など各部門で得られた情報を一元管理する必要があるのです。

このような生の情報は、最も顧客接点が近いインサイドセールスにとって、なくてはならないものになるでしょう。

インサイドセールスにおすすめのツール3選

営業の新しい形としてインサイドセールスに注目が集まる中、インサイドセールスの業務を効率化するためのツールが登場しています。ここでは、インサイドセールスの業務効率効果を最大化できるツールをご紹介します。

Calling Sales

「Calling」は、Web会議システム、チャット、ファイル共有といったコミュニケーション機能をブラウザで可能とするコラボレーションツールです。これを営業活動に特化させたのが「Calling Sales」で、ブラウザ一つで画面共有やホワイトボード書き込みができるため、対面に近い形で商談を進めることができます。電話やメールに頼ることが多いインサイドセールスに対し、コミュニケーション手段の幅を広げることで、より有効性の高い顧客接点活動につなげていくことができるでしょう。

【参考】オンライン商談システムの機能一覧 :Callingコーリング

SALES BASE

ターゲットとなるリストを作成し、すぐにアプローチできるリードを提供するサービスを展開するのが「SALES BASE」です。400万社にのぼる膨大なデータベースから、商品やサービスに興味があるであろう営業先をピックアップして提供されます。必要に応じてアポの取得まで代行してくれるため、あとは自社のフィールドセールスがクロージングするだけです。まさに、インサイドセールスのアウトソーシングサービスとして使える有効性の高いサービスであるといえるでしょう。

【参考】インサイドセールス支援システム~実績700社1,000商材:SALES BASE

SAIN

インサイドセールスの活動を、AIを使って支援するサービスが「SAIN」です。インサイドセールスが顧客と電話で会話する際に、相手の反応に応じて次に会話する内容をナビゲートしてくれる「コールナビ」や、効果が高い顧客をピックアップしてくれる「ターゲティング」といった機能をAIにより提供します。インサイドセールスのアウトソーシングサービスで数多くの実績を持つブリッジインターナショナルが提供しているとあって、インサイドセールスに関する幅広いサポートの提供も期待できるでしょう。

【参考】インサイドセールス業務支援AI SAIN:ブリッジインターナショナル

まとめ

  • インサイドセールスは、顧客の購買行動の変化や働き方改革を背景に注目されている営業手法で、内勤型の営業スタイルをとっておもに電話とメールで顧客にアプローチし、見込み客を育成(ナーチャリング)する役割を担います。
  • インサイドセールスは、営業プロセスの可視化をしたあと、インサイドセールスの適用範囲を明確化し、ITツールを導入するといった手順で導入を進めます。
  • インサイドセールスを有効に機能させるためには、フィールドセールスをはじめとしたマーケティング部門、アフターサポート部門といった部門間連携による顧客情報の共有が求められます。
  • インサイドセールスの注目が高まるなか、その活動を支援するためのさまざまなツールが登場しています。

<執筆者>
香川 大輔 中小企業診断士

千葉大学工学部卒業。ベンチャー企業における営業、企画、マーケティング業務を経て、富士ゼロックス関連会社でシステム提案営業に従事。

2015年、中小企業診断士登録。現在では独立し、地域に密着した経営支援や新規事業コンサルティングに加え、セミナー活動や執筆活動など幅広く活動している。


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