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2019年10月31日(木)更新

インサイト営業

IT技術の発展により、顧客データを分析し、顧客毎の潜在的なニーズや課題を解決する営業活動が主流となりつつあります。そのため、顕在している課題に対するソリューション営業に代わり、潜在している課題を抽出した上で営業を行うインサイト営業への注目が高まっています。今回は変化する営業スタイルやインサイト営業の概要、インサイト営業に必要な手法・営業スキルをご紹介します。

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変化していく営業の形

ビジネス課題が複雑化・高度化している現在では、従来のようなヒアリングを通じた解決策を提案する課題解決型の営業ではなく、さらに一歩踏み込み潜在的な課題を把握した上での営業が求められています。

IT技術の向上により、企業は意思決定の材料となる情報を、WEBの検索などにより正確かつ迅速に入手できるようになりました。さらに、さまざまなツールが登場したことで、自社の問題や課題の分析なども可能に。つまり、顧客自身で課題の解決方法までを把握できる時代になったのです。

課題解決法を把握している顧客に対して、従来のような課題提案型営業では、最適な提案をすることは難しいといえるでしょう。そのため、営業スタイルも顧客が考え得る施策よりも一歩踏み出した提案を行っていかなければならなくなったのです。

今後の営業スタイルには、クライアント企業が気付いていない潜在的な課題や根本的な問題点を予想・分析し、競合他社とは異なる差別化された解決策を提案することが求められます。

営業担当も多くの企業が把握している課題や解決策の情報だけでなく、潜在的な課題と解決策を創造し、企業それぞれに最適な提案できる能力が必要です。

インサイト営業とは?

このように営業活動に変化が求められている中、注目されているのが「インサイト営業」です。

インサイトとは、物事の本質を見通す「洞察」を意味します。

インサイト営業とは、顧客自身が気付いていない課題や解決策を見つけ出し、企業の将来をシミュレーションしながら、顧客の合意とともに解決へと導く次世代型の営業手法です。

ソリューション営業との違い

インサイト営業を知る上で必ず比較されるのが「ソリューション営業」です。

ソリューション営業とは、顧客が抱える課題を把握し、解決策を提案する営業手法です。「課題解決型営業」や「提案型営業」とも呼ばれており、事業の発展や安定を目指す法人向けの営業として知られています。

ソリューション営業は、顧客との対話を通じて課題や解決策を提案する営業手法であるため、営業担当者が能動的で顧客は受動的な立ち位置を取る場合が一般的です。また、ターゲットとなる企業は明確なビジョンを持ち、需要が確立された企業となります。また、ソリューション営業は質問を中心とした商談シナリオを採用し、顧客自身が課題解決を行っていきます。

一方、インサイト営業では新たな需要や変化の最中にある企業がターゲットとなりやすく、潜在ニーズや顧客が気付いていない課題を提案することを重視しています。客観的な視点やデータを基に「顧客が何をすべきか」を把握し、顧客を指導、または営業担当者自らが課題解決をサポートしていくのです。

ソリューション営業は競合他社と似たような解決策になりやすいですが、インサイト営業は顧客と営業担当者が独自に課題と解決策を創出するため、差別化された営業活動を行うことが可能です。

ハーバード・ビジネス・レビュー誌2012年12月号でも「ソリューション営業は終わった」というタイトルで論文も発表されており、潜在的な課題と解決策を見越した上で顧客にアプローチするインサイト営業への価値が高まっています。

インサイト営業に必要な手法・スキル

インサイト営業を行うには、従来のソリューション営業よりも深い顧客理解とAI・データ分析を活用した説得力、さらにはファクトファインディング力、合意形成力、伝達力といった高度な営業力が必要です。

顧客理解を深める

インサイト営業では、企業が抱える潜在的な課題や問題点を見通し、顧客が気付いていない課題を見つけ出さなければいけません。そのため、営業を行う上で顧客への理解を高めることがとても重要になります。

経営理念・ビジョンへの理解

企業は経済活動を行う上で経営理念やビジョンを判断軸として、さまざまな決断を行っています。企業が抱える課題や解決策も顧客の経営理念・ビジョンを深く理解することで、企業の体質に反する問題点を洗い出すことができます。

そのため、インサイト営業を行う上では、顧客以上に経営理念やビジョンを深く理解し、展開している事業が経営理念やビジョンがしっかりと反映された上で活動されているかを確認し、本質的な課題を浮き彫りにしなければなりません。

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顧客を想う姿勢

インサイト営業は、顧客と営業担当者が一緒になって、課題の抽出や解決策を創造する共創体制が求められます。そのため、ソリューション営業以上に顧客を想う姿勢が必要です。

従来の「商品(商材)・サービスを売る」というスタンスから脱却し、「顧客のために何ができるか」を顧客の立場で考え、自分事のように潜在的な課題を見つけていく姿勢が大切です。それには、顧客以上に顧客企業を理解して未来を見通す深い洞察力がカギになるでしょう。

AIやデータ分析の活用

IT技術の向上により、営業分野でも高度なAIやデータ分析に基づいた課題抽出が可能となり、蓄積された膨大な顧客データから購買プロセスを分析した上で、潜在的な課題を見つけられます。

AIを搭載したSFA(営業支援システム)の中には、顧客の次のアクションを予測し、営業活動をサポートする機能を備えたシステムも登場しています。つまり、営業前に見込み客となる顧客(クライアント企業)の課題を事前に予測できるため、商談の場でも最適な営業活動が可能となり、顧客にとって最適な解決方法を提示できます。

今後は営業担当者もデータ分析に基づいた課題抽出力が求められるでしょう。

高度な営業スキル

インサイト営業を習得するには、高度な営業スキルが欠かせません。

中でもAIやデータ分析を活用して客観的な事実を収集するファクトファンディング力(客観的思考)や、抽出した潜在的な課題に対して顧客から合意を得る合意形成力、そして企業の改善を強く願い、「顧客と共に課題を解決したい」という想いを言葉にして顧客に伝える伝達力・説得力が必要となります。

これらの営業スキルを習得するには、成功体験と失敗体験の積み重ねが必要であり、ロールプレイングなどの疑似体験を繰り返すことも効果的です。

フィードバック

インサイト営業の精度を高めるには、ひとつひとつのプロジェクトの振り返りとフィードバックが効果的です。

「数値で裏付けられた根拠を正確に把握できていたか」「顧客の思いや発言を顧客以上に汲み取れていたか」「読み取り違いや不足情報がなかったか」など、日々の振り返りとフィードバックが、営業担当者の深い洞察力を育成し、インサイト営業としての精度を高めます。

そのため、営業組織が営業担当者やプロジェクト毎に定期的な振り返りやフィードバックを行う体制を整えることが重要です。

【関連】フィードバックの意味とは?実施時の注意点や最大化のポイントまで解説/Bizhint

まとめ

  • インサイト営業とは、深い洞察力と客観的な事実に基づき、顧客が気付いていない課題や解決策を提示する次世代型の営業手法です。
  • IT技術の向上により企業は課題や解決策を既に把握していることが多く、顧客自身が気付いていない課題を抽出した上で顧客別の潜在的な課題を見つける営業スタイルへと変化してきています。
  • ソリューション営業は既に需要が確立している顧客への質問を中心に顧客が抱える明確な課題を抽出する一方、インサイト営業は営業担当者が主体となり新たな需要を持つ、または変化の最中である顧客が抱える潜在的な課題・潜在ニーズへの解決をサポートします。
  • インサイト営業を習得するためには、顧客以上に顧客を理解する姿勢とAI・データ分析の活用に加え、ファクトファンディング力(客観的思考)や合意形成力、伝達力といった高度な営業スキルが必要です。また、これらの営業スキルを習得するには、ロールプレイングやプロジェクト毎の振り返りやフィードックが効果的です。

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