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2019年5月20日(月)更新

顧客管理

顧客管理とは、顧客に関するあらゆる情報を一元的に管理し、様々な目的の達成に向けて最大限に活用することです。顧客管理の方法には、エクセルなど汎用性の高いソフトウェアの活用から顧客管理を専門とするCRM(顧客管理システム)の導入まで様々なものがあります。当記事では、最適な顧客管理方法の見極めや効果的な導入を支援するため、顧客管理の必要性から各方法のメリット・デメリット、選定方法、導入手順、成功率を高めるポイントまで分かりやすくまとめて解説しています。

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顧客管理とは

顧客管理とは、顧客に関するあらゆる情報を一元的に管理し、様々な目的の達成に向けて最大限に活用することです。

顧客管理で扱う情報の一例として以下のようなものがあげられます。

  • 個人属性 … 名前、住所、年齢、会社名、メールアドレス など
  • 購買履歴 … 購入個数、購入時期、リピート間隔 など
  • 行動履歴 … 訪問履歴、キャンペーンに対する反応、問い合わせ内容 など

顧客管理の必要性

「顧客数の少ない中小企業に顧客管理なんて必要ない」という声を耳にすることがありますが、それは大きな間違いです。

競合他社との差別化を図り、厳しい現代社会を生き抜くためには、顧客視点による情報の管理や活用が欠かせません。

明確な目的意識を持って顧客管理を実施するため、まずは顧客管理の必要性について学びましょう。

既存顧客との関係性の維持向上

一般的に、新規顧客に対する販売コストは既存顧客に対する販売コストの5倍かかるといわれています。(1:5の法則)

また、顧客離れを5%改善することによって、利益率が25%以上改善されるといわれています。(5:25の法則)

これらの法則からも分かるように、既存顧客との関係性を良好な状態で保つことは、経営の安定性を高める上で非常に重要です。既存顧客の満足度を十分に高めることで、紹介による新規顧客の獲得やアップセルによる売り上げアップの可能性が高まります。

顧客管理は、各種コストを大幅に削減しながら利益率を高めることができる、優れた施策なのです。

マスマーケティングからの脱却

個人による情報収集が容易ではなく、認知度が売上に対して直接的な影響を及ぼしていた頃、多くの企業が自社製品や自社サービスに対する認知度を少しでも高めようとマスマーケティングに力を注いでいました。

しかし、インターネットを利用して誰もが自分のタイミングで情報を収拾できるようになったことにより、適切なタイミングで適切なアプローチを行う個別型マーケティングの重要性が急速に高まりました。

精度の高い個別対応を行うには、顧客一人ひとりに対する十分な理解が欠かせません。そのため、膨大な量の顧客情報を蓄積し、複数人で共有することができる顧客管理に多くの注目が集まっているのです。

企業活動の戦略性を高める

顧客管理を行うと、年齢別や地域別など特定の条件に該当する顧客を絞り込んだ状態で様々な情報を取得できるようになるため、セグメンテーションが容易になります。

また、顧客ニーズの変化や見込み客に対する効果的なマーケティング活動など、これまで感覚的にしか掴むことができなかった情報を可視化することができるため、企業活動全体の最適化を早期に図ることができます。

これらの情報はいずれも、経営戦略の構築や見直しを行う上で重要なものです。顧客管理で蓄積された情報を経営陣が積極的に活用することによって、企業活動の戦略性を最大限にまで高めることができるでしょう。

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インサイドセールスとの親和性

インサイドセールスとは、マーケティング活動によって獲得した見込み客(リード)に対して継続的かつ戦略的な接触を図り、育成(ナーチャリング)した上でフィールドセールスへと繋ぐ内勤型営業のことです。

成約率向上や営業活動の効率化など数多くのメリットを持つことから近年話題となっていますが、このインサイドセールスとの親和性が高いことも顧客管理に注目が集まる理由の1つとなっています。

インサイドセールスを導入すると、1人の顧客に対してマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスという3つのセクションが個別に接触を図るようになります。しかし、各セクションが行うアクションに一貫性がなければ、正しくクロージングまで導くことはできません。

このような理由から、各セクションで得られた情報を集約し、顧客視点で一連の流れを把握することができる顧客管理の需要が年々高まっています。

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顧客管理の方法とメリット・デメリット

顧客管理とは、特定のツールを使用することではなく、顧客情報の戦略的な活用を目的として一元的な管理を行うことです。そのため、事業規模や実施目的、予算などによって最適といえる顧客管理の方法は大きく異なります。

ここでは、自社に適した顧客管理方法の見極めを支援するため、一般的に行われている3つの顧客管理方法とそれぞれのメリット、デメリットについて解説します。

エクセル(Microsoft Excel)

表計算ソフトのエクセルを使用して顧客管理表を作成することによって、新たにシステムやソフトウェアを導入することなく顧客管理を始めることができます。

ただし、顧客情報の一覧を確認するだけであればエクセルで作成した顧客管理表で十分ですが、細かな分析や戦略的な活用を行いたい場合には向きません。

メリット

  • 多くの人がエクセルの使用経験があるため、教育コストがかからない
  • 職場ですでにOfficeを使用している場合には新たな導入コストもかからない
  • インターネット上で無料のテンプレートを配布しているWebサイトもある
  • 関数やマクロを使用して独自の機能を追加することができる

デメリット

  • 不足している機能がある場合には作成しなくてはいけない
  • データを簡単に複製することができるため、情報漏洩リスクが高まる
  • ヒューマンエラーにより、データが書き換えられたり削除される恐れがある
  • 扱えるデータの件数に制限がある
  • 共有ブック機能はあるものの、複数人で同時にデータ入力や編集を行うことには向いていない ・マクロウイルスへの感染リスクが高まる

会計ソフト

「エクセルでは機能が不足しているけれど、CRMシステムを導入するほどの余裕はない」 そのような悩みを抱える企業の中には、会計ソフトで顧客管理を行っているところもあるようです。

メリット

  • 購買履歴に関する情報の管理、分析、グラフ化が得意
  • すでに会計ソフトを使用している場合には新たなコストがかからない
  • 会計ソフトのベンダーが顧客管理ソフトを開発した場合、情報の移行や連携が容易

デメリット

  • 会計と関係性の低い情報を蓄積することができない
  • 情報の閲覧や更新に関する権限や責任をしっかりと定めておく必要がある
  • 会計ソフトによっては、全利用者が全ての情報に自由にアクセスできてしまう

CRM(顧客管理システム)

CRM(顧客管理システム)とは、その名の通り顧客管理に特化したシステムです。

購買行動プロセスに沿った多種多様な情報を蓄積することができるため、戦略構築や営業活動、マーケティング活動に活用することはもちろん、潜在ニーズの抽出などを行うこともできます。

CRMとSFAの違い

SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システム全般を指す言葉です。
CRMが顧客側の視点で情報を蓄積するのに対し、SFAは営業担当者の活動履歴や案件の進捗度、営業日報など営業側の視点で情報を蓄積することができます。

現在ではSFA(営業支援システム)の機能を有しているCRMもあります。マーケティング部門と営業部門が互いの活動内容を把握し合うことが可能となるため、部門間の連携の強化が可能です。

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メリット

  • 定量的な情報だけではなく、顧客満足度など定性的な情報も扱うことができる
  • 顧客情報の一元管理や共有が容易で、セキュリティ面も優れている
  • 多くのシステムが外出先での利用を想定した機能を有している
  • クラウド型は導入にかかる時間が短く、サーバーを自社管理する必要がない
  • オンプレミス型は細かなカスタマイズができるものが多く、ライセンスも買い切りが多い

デメリット

  • 従業員に操作方法を覚えてもらわなければならない
  • 自社業務に合わせたカスタマイズを行う場合には、追加費用や導入期間が増える
  • クラウド型は大幅なカスタマイズが難しく、導入後も月額費用がかかり続ける
  • オンプレミス型の中には、ソフトウェアのバージョンアップの際にライセンスの再購入が必要なものもある

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顧客管理の導入手順と成功率を高めるポイント

顧客管理を円滑に進めていくためには、6つのステップを1つずつ丁寧に踏んでいく必要があります。各ステップのポイントをしっかりと押さえ、顧客管理による効果を最大化させましょう。

1.顧客管理の実施目的を明確にする

まずは、「どうして顧客管理を行うのか」という目的を明確にし、事前に社内で共有します。

顧客情報の入力作業を行うのは、経営陣ではなく現場の従業員たちです。納得感を得られていないまま顧客管理の導入を進めてしまうと、入力作業が行われずツールを導入しただけで終わってしまうなど、十分な結果が得られない可能性もあります。

このような状態では、現場はおろか経営陣すらも顧客情報を活用することが困難になってしまいます。

顧客管理を価値あるものにするためには、実施目的を社内で共有し、顧客情報を取り扱う全ての従業員が顧客管理に対して肯定的な感情を抱いていることが重要です。

実施目的の一例

  • メールマガジンのセグメント配信を行い、集客率の向上を図りたい
  • 以前と現在の行動履歴を比較し、顧客ニーズの変化にいち早く気付きたい
  • 各施策の効果を可視化することで、コストの大幅削減を実現したい
  • 部門間の連携を強化し、顧客満足度の最大化を図りたい

2.必要な項目や機能を洗い出す

扱う項目は少な過ぎると目的を達成することが困難になり、多すぎると現場の負担を増加させます。また、機能は多ければ多いほど様々なシーンでの活用が可能となりますが、同時に現場の混乱やヒューマンエラーも招きやすくなります。

以下のポイントを意識しながら項目や機能を洗い出すことで、導入後の「こんなはずではなかった」を未然に防ぐことができるでしょう。

項目を洗い出す際のポイント

  • 目的を達成するために最低限必要だと思われる項目をピックアップする
  • 各項目についてどこまで詳細な記録が必要なのか、現場に意見を求める
  • 項目の数や記録内容が適切かどうかシミュレーションしてみる

機能を洗い出す際のポイント

  • どのような情報を分析、可視化したいか
  • 営業担当者が外出先から利用することはあるか
  • 同時に複数人が入力作業を行うことはあるか
  • 他のソフトウェアと連携させたいか

3.導入する顧客管理方法・ツールを選定する

先述した通り、顧客管理方法には様々なものがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

顧客管理方法の選定を誤ってしまうと、データを正しく蓄積、管理、分析することができなくなってしまうため、これまでのステップで得られた情報を元に、最適な顧客管理ツールを選定するように心がけましょう。

選定時のポイント

  • 必要な項目を全て入力できるか
  • 不足している項目を追加することができるか
  • 必要な機能は全て備えているか
  • 導入コストやランニングコストは適正か
  • 現場の従業員たちが容易に扱うことができるか
  • 導入時や導入後のサポートをどこまで必要としているか

4.情報管理に関するルールを設定する

顧客管理では、膨大かつ多種多様な顧客情報を取り扱うことになります。

導入予定の顧客管理ツールの特徴をしっかりと理解した上で、運用と情報保護の2つの観点からルール設定を行うようにしましょう。

ルール設定時のポイント

  • すでに社内に蓄積されている情報はどのように扱うのか
  • 情報の入力や更新はいつまでに行う必要があるのか
  • 情報の入力や更新を担当者以外が代行してもよいのか
  • データベースの管理やバックアップは誰が行うのか
  • クラウドサービスを通じた勤務時間外の情報入力を認めるのか

5.本導入の前に試験運用を行う

どれだけ入念にシミュレーションを行ったとしても、想定外のトラブルは発生するものです。

本導入に先駆けて小規模での試験運用を行い、改善するべき点を洗い出すことによって、環境変化によるリスクを最小化し、顧客管理の安定性を更に高めることができるでしょう。

試験運用時にチェックするべきポイント

  • 想定外のトラブルは発生していないか
  • 情報管理に関するルールは正しく守られているか
  • 現場の従業員にとって大きな負担となっていないか
  • 情報は正しく蓄積、管理、活用されているか
  • 本導入時に全従業員が新システムへとスムーズに移行できそうか

6.本導入後のフォローアップを行う

試験運用によるチェックや見直しを終えると、いよいよ本導入です。

本導入の直前には、顧客管理の実施目的について全従業員と再共有を行います。本導入後も試験運用時と同様のチェックを定期的に行い、必要に応じて情報管理に関するルールや作業プロセスを見直さなくてはなりません。

現場の声に耳を傾けながら細かな改善を繰り返すことで、経営陣と現場の両方が情報を最大限に活用できる環境を構築することができるでしょう。

まとめ

  • 顧客管理とは、あらゆる顧客情報を一元的に管理し、様々な目的の達成に向けて活用することです。
  • 競合他社との差別化を図り、厳しい現代社会を生き抜くためには、顧客視点による情報の管理や活用が必須となっています。
  • 事業規模や実施目的、予算などによって最適といえる顧客管理の方法は大きく異なります。
  • 実施目的を社内で共有しておくことは、個人情報を正しく蓄積、管理、活用する上で最も重要なことです。

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