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2019年5月20日(月)更新

業務効率化

業務効率化とは、会社の仕事を進めるためのプロセスから無駄なものを省き、よりスムーズに業務ができるような状態にすることで、生産性を高めていく作業のことです。今回は、業務効率化の定義やその目的、実施によるメリットや生産性向上との違いについて解説をします。また、業務効率化の進め方や実施した企業の成功事例についても紹介します。

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業務効率化とは

業務効率化とは、その名の通り既存の業務をより効率的に実施できるようにすることです。仕事のプロセスからムダな作業を省いて生産性を高めたり、新たなツールや仕組みを導入したり、やり方は様々です。

経営資源や時間には限りがあります。その限られた状況の中で企業は高いパフォーマンスを出し、業績につなげていかなければなりません。そのためには、指揮を執る経営者から現場に携わる従業員までが一丸となり、業務効率化を実施することが必要不可欠です。

業務効率化を行うメリット

業務効率化を実施することは、会社にとってさまざまなメリットがあります。しかも、経営者側、従業員側がともに恩恵を受けることができます。具体的には、次のような内容です。

コスト削減

業務効率化により「コスト削減」が実現します。作業時間を短縮することで人件費が削減され、その分を企業の利益に直結させることができます。

株主からの評価向上

業務効率化によりコストを削減し、ROA(総資産利益率)を算出することで株主に対して明確な成果を打ち出すことが可能となり、より多くの支援を受けるきっかけが得られます。

従業員の満足度アップ

業務効率化によって利益率が高まれば、従業員のために福利厚生や社内環境を整備したり、ボーナスや給与を増やせる可能性が高まります。こうして従業員の待遇が改善すれば、会社への満足度が高まり、より良い職場作りにもつながるでしょう。

優秀な人材の確保

従業員の満足度や一人ひとりのモチベーションが高まることで、優秀な従業員の離職防止や新しい人材の獲得という、人事面での恩恵を受けることができます。

新たな企画が生まれる可能性が生じる

業務効率化で従業員の労働時間が短縮されることで、それぞれの従業員がクリエイティブな業務をする時間を確保でき、次世代の成長事業の創出機会へとつながります。

生産性向上との関係

業務効率化について語る際によく活用される言葉に「生産性向上」があります。この2つの言葉は同義語として混同されがちですが、厳密にいえば異なる概念です。

業務効率化が業務の「ムダ」な部分を削除し、時間短縮やコストカットを目標としていくのに対し、生産性向上とは最小限の資源で最大限の成果を挙げるための施策を表します。


生産性向上については、こちらの記事をご覧ください。
【関連】 生産性向上のために企業が行うべき施策《5選》と取組事例をご紹介/BizHint


業務効率化、具体的に何をする?

では、業務効率化では具体的に何をすればいいのでしょうか?まずは大枠を押さえていきましょう。

ムダな業務の排除

業務を効率化するためには、今現在どのような業務がどのような流れで行われているかを理解しなければなりません。 その上で、いわゆる「ムダ」な業務を洗い出し、さまざまな方法で排除をしていきましょう。 排除方法には、たとえば次の内容があります。

ルーチンワークの自動化

何度も繰り返す必要がある業務、つまりルーチンワークについては、マクロシステムなどを活用して自動化する方法を取ります。

資料フォーマット・書式の統一

部署別・業務別によく作成する資料の書式を統一し、必要事項のみ記載できるような状況を作ることで、資料を一から作り上げる手間を省きます。

業務マニュアルとフローチャートの整備

マニュアルとフローチャートがあることで、従業員の業務を進めるための道筋が整います。これにより、上司に内容・手順を質問する時間や会議時間を省くことが可能となり、仕事のミスを減らせます。

決裁者の分散

決定権を持つ者が一人に集中すると、業務の検討から決裁までの時間がかかります。決済者を分散し、担当者がすぐに行動に移せるような環境を作り上げることが重要です。

【関連】権限委譲の意味とは?責任や権限の委譲などの正しい方法 / BizHint

従業員の教育

業務をよりスムーズに進めるためには、従業員一人ひとりのスキルアップも有効です。社内教育や外部教育機関などを利用し従業員の能力を向上させることで、より迅速に業務を終えることが可能となります。

【関連】社員教育とは?教育の目的、種類や教育方法、計画の立て方などもご紹介 / BizHint

IT製品の導入・活用

業務効率化を実現するために有効な手段の一つが、IT製品の導入・活用です。業務やコミュニケーション、文書管理を電子化することで、情報共有や決裁のスピードを上げ、迅速なビジネス活動の展開が可能となります。

たとえば、次のような方法が考えられます。

データベースシステム

クライアント情報や商品の管理など、会社の運営に必要となる情報を一つのデータベースシステムにまとめ、社内の人間が即座にアクセスをできる状況を作り上げます。

これにより、営業先や自宅、外出先など社外からでも情報を収集できるようになるのです。働き方が多様化している昨今にぴったりのツールといえるでしょう。

データベース化する情報は、顧客や商品の在庫状況のみならず、業務マニュアルや顧客からの問い合わせマニュアル、書類フォーマットなど、さまざまな内容を取り揃えておくと効果的です。

コミュニケーションツール

社員同士がクラウド上でコミュニケーションを取れれば、会議や打ち合わせのために一堂に会する必要がなくなり、時間的・費用的コストを抑えられます。

たとえば、オンラインでチャットや文書のやりとりができるシステムや、互いの顔を見ながら打ち合わせができるビデオ会議ツールなどが挙げられます。

RPA

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」ともいい、専門職や企画部門、営業職、事務職などのいわゆる「ホワイトカラー」と呼ばれる社員の事務作業を、AI機能を備えたロボットなどが代行するシステムのことです。

ロボットが仕事を担うため、多くの仕事を迅速にミスなく遂行できるメリットがあります。 人事・経理業務やデータ分析など代行業務の内容は多岐にわたり、さまざまな面でサポートを受けることができます。

【関連】 RPAとは?仕組みやメリット、導入方法や事例、ツールまで徹底解説/BizHint


その他にも、経営層の指示を迅速に現場に伝える経営管理システムやワークフローシステムの導入による業務進捗の可視化、センサーによる従業員の行動を計測・分析するシステムなどが挙げられます。
【関連】 【用途別】業務効率化ツール12選!導入ポイントもご紹介/BizHint


アウトソーシングやシェアードサービスの導入

業務効率化を図るためには、アウトソーシングを活用する方法も有効です。

アウトソーシングとは、社内の業務を社外の企業や人に委託、遂行してもらうことです。アウトソーシングを活用することで業務の専門家を雇用する必要がなくなるため、人件費を抑えながら専門性の高い仕事を期待できます。

また、シェアードサービスを導入する手もあります。

シェアードサービスとは、総務や人事、経理、システム部門などのいわゆる企業における間接部門を一つの部門に集約し共有(シェア)することで、業務の効率化を狙う取り組みをいいます。

間接部門全体の仕事内容を一元化することにより職場の風通しが良くなり、業務が明確化されます。また、複数部門のデータをまとめることで、部門別にかかっていたコストを抑えることも可能になります。

【関連】 アウトソーシングとは?派遣との違いやメリット、業務例までご紹介/BizHint
【関連】 「シェアードサービス」とは?意味やメリットや課題、導入ポイントから事例までご紹介/BizHint

職場環境の整備

どんなに便利なシステムを導入しても、それが業務実態に沿わないものである場合や、仕事をスムーズに進められないような環境に置かれていたとしたら機能しません。

職場環境(労働環境)の整備は、業務効率化とは切っても切れない、非常に重要な施策の一つとなります。

具体的には、職場レイアウトへの変更や人事考課の見直し、有給休暇制度の整備、残業時間の削減策、社内コミュニケーションの場を設けるなどの方法が挙げられます。自社にとってもっとも適した職場環境をイメージし、実現していくことが大切です。

業務効率化の進め方

ここまでの項目では、業務効率化の定義やメリット、具体的な内容について説明をしてきました。

ここからは、実際に業務効率化の進めていく際の一般的な方法を紹介していきます。ぜひ、自社で業務効率化を導入していく際の参考にしてください。

コア・コンピタンスの再確認

コア・コンピタンスとは、企業の経営を支える「核となる技術や特色」です。具体的には、顧客が「この会社と取引をしたい」と思えるような旨みがあり、競合他社と比較して強みのある、会社の中心となる能力をいいます。

コア・コンピタンスは、いわば会社の武器となるものです。業務効率化は会社を適切に運営していくためには必要となる施策ですが、企業の経営資源や経営環境に、良くも悪くも大きな影響を与えてしまいます。

コア・コンピタンスの内容に悪い影響を与えてしまうような業務効率化の方法を取ることは得策ではありません。具体的には、コア・コンピタンスを構成する要素をアウトソーシングで代用するなどです。

実際に業務効率化を導入する前に、まずは自社のコア・コンピタンスを見直し、最適な方法を検討していきましょう。

【関連】コア・コンピタンスの意味とは?分析の方法と経営への活用・事例/BizHint

業務の見える化と見直し

業務効率化を進めるためにまず行うことの一つに、従来の業務の無駄やムラがないかを確認する作業が挙げられます。その際に有効な手段が、業務の「見える化」です。

業務を見える化し、残すべき業務と削減すべきムダな業務、今より効率化できそう業務を分けることで、スムーズに業務効率化を実現できます。

業務効率化のフレームワーク「ECRSの原則」

業務効率化を実践する際に知っておきたい手順(フレームワーク)に、「ECRS(イクルス)の原則」というものがあります。

ECRSとは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入れ替えと代替)、Simplify(簡素化)の4つの頭文字をとったもの。この4つの視点を押さえることで業務効率化の方向性を見出しやすくなります。

  • Eliminate(排除)
    業務効率化の第一段階である、不要な業務を排除する手順のことです。たとえば、形骸化した報告業務や会議の廃止などが挙げられます。
  • Combine(結合と分離)
    仕事や業務の性質を見極め、業務の集約や分離を行う手順のことです。同種の業務を一従業員に集約することで、処理能力の向上が期待できます。前項目で述べた「シェアードサービス」もこれに含まれます。
  • Rearrange(入れ替えと代替)
    Combineによって適材適所に整理された業務や従業員を、最も効率良く進められるように並び替える手順のことです。業務の流れを再設計したり、作業場所・担当者を変更したりします。
  • Simplify(簡素化)
    排除や見直し、入替、代替後の作業を測定・分析し、再設計した業務が実際に機能しているかを確かめる手順です。さらに簡素化できる業務や作業がないかを確認し、業務実態に沿った更なる改善を実施します。業務効率化に欠かせないIT製品やツールも、ここで導入するか判断するのが一般的です。

業務改善策の検討

業務を見える化し、大枠となる部分を前述の「ECRSの原則」に沿って見直したところで、次は業務として残った部分をどのような方法で改善していくかを検討していきます。

残った業務のマニュアル化

残った業務部分を整理するため、マニュアル化して内容を洗い出します。業務を見直したことで、以前とは仕事の内容や進め方が異なる部分が多くあるでしょう。スムーズな作業やミス削減ためにも、マニュアルの存在は非常に有効となります。

繁閑期の明確化

残った業務部分を見直し、繁忙期と閑散期を見極めます。繁忙期をスムーズに迎えるためにすべき対策を洗い出し、繁閑期との差をできる限り減らしていく方法が業務改善策として効果的です。

決裁システムの見直し

社員が一つの業務を遂行するために必要なことに、上司の決裁を受けることが挙げられます。内容を吟味し承認をする上司が複数名いる場合、すべての上司の決裁を受けないと業務を開始することができないため、無駄なタイムラグが発生します。

このような事態を防ぐため、業務の見直しに加えて決裁までの流れもあわせて検討し、効率の良い形に改善すると良いでしょう。

業務効率化の成功事例のご紹介

ここからは、業務効率化を実施し、業績の向上や職場環境の改善などに成功した具体例を紹介していきます。

顧客を巻き込んだ業務改善策の実施

業務効率化は、主に社内業務を見直し、より効率の良いものに改善していくことをいいますが、中には顧客をも巻き込んだ業務改善策を取る方法も有効となります。

たとえば、これまで顧客別にカスタマイズしていた書類の形式を統一すれば、取引内容の見直しや整理、進捗や成果の確認にかかる作業量や作業時間を短縮できます。

顧客に書類様式統一の依頼をする際には、あくまでも一方的なお願いではなく、顧客のためでもある部分を強調するのがポイント。一時的に不便になったとしても、その分顧客の仕入れコストが抑えられるなど、双方がWin-Winになるような業務改善策であることを強調します。

顧客の依頼を何でも受ける企業体制を取ると、顧客要望に振り回される従業員は疲弊し、業務も非効率的になります。効率的に業務ができるように顧客にも協力してもらうことで、職場環境の悪化や離職者増加を防止でき、顧客にも安定的に商品・サービスを提供できるようになるのです。

人事評価制度との連動

業務効率化の推進を人事評価に取り入れることで成功した企業の例を紹介します。

具体的には、まず残業の事前申請制度を導入し、業務量・業務内容と労働時間の管理を徹底。事前に「この業務を終えるまでに何時間かかるのか」を考える癖がついたことで、従業員の業務に対する意識が変化し、より効率よく業務を進めようという姿勢が見られるようになりました。

さらに、管理職の人事考課の項目に「部下の時間外労働」を組みこむことで、部下の残業時間が上司の査定に影響を及ぼすことに。したがって、上司は従業員の時間外労働の管理や削減を目指した対策を取るようになりました。

上記の取り組みを行った結果として、従業員・管理職ともに業務への意識が変化し、時間外労働の削減を実現させることができたのです。業務効率化を評価に直結させることが、成功に繋がりました。

業務割り当てシステムの導入

業務の細分化やスケジュールの明確化によって適切な業務を割り当て、効率化を実現した例もあります。

たとえば、ある介護施設では、介護業務の一部を定時業務化して従業員に割り当てることで業務負担を軽減しました。排泄介護といった突発的なものに都度対応することは効率的な業務の妨げになります。そこで、同介護施設はケアプランを基に作業スケジュールを作成し、事前に膀胱内の尿量を測定する装置の導入や定期的な排泄を実施させることで、イレギュラーな排泄介護業務を削減しました。その結果、作業効率を高めることに成功しました。

また、あるドラッグストアチェーンを手掛ける企業は、業務にかかる作業時間に合わせた人員配置の見直しによって効率化を実現しています。特に時間が取られる「商品荷出し」と「レジ作業」の2つを時間測定し、適した必要人数を洗い出し、作業表を作成。それに沿って業務を実践してもらうことに加え、荷出し環境の整備やスタッフ間で売り上げ目標や連絡事項をやり取りできるシートの作成によって、業務効率化が進んだのです。その結果、人件費の最大14%削減を達成したと報告されています。

これらの事例は、厚生労働省や経済産業省が公表している資料に掲載されている企業事例の一部です。その他にも実績のある業務効率化の事例が多数紹介されているため、自社に合った業務効率化の施策がないかを確認してみてはいかがでしょうか。

【参考】Ⅱ. 企業における取組事例/厚生労働省
【参考】改善実践事例/経済産業省

まとめ

  • 業務効率化とは仕事を進める工程からムダな作業を省き、より生産性を高めることです。
  • 業務効率化の実施には、コスト削減や株主からの評価向上、従業員の満足度アップ、人材確保等のメリットがあります。
  • 業務効率化の具体的な方法として、無駄な業務の排除やITツールの導入、アウトソーシングやシェアードサービスの導入、職場環境の整備などが挙げられます。
  • 業務効率化の進め方として、コア・コンピタンスの再確認やECRSの原則に沿った業務の見える化、業務改善策の検討や改善策の定期的な見直しを実施する方法が有効です。

<執筆者> 加藤知美 社会保険労務士(エスプリーメ社労士事務所)

愛知県社会保険労務士会所属。愛知教育大学教育学部卒業。総合商社で11年、会計事務所1年、社労士事務所3年弱の勤務経験を経て、2014年に「エスプリーメ社労士事務所」を設立。


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