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職務分掌

2020年6月11日(木)更新

職務分掌とは、それぞれの役職・部署ごとに果たすべき役割や責任、権限を整理し、明らかにすることを言います。適切な職務の分担や権限の明確化によって、業務を行ううえで生じやすい混乱を最小限に抑えたり、リスクマネジメントや人材育成に繋がるなどのメリットもあります。今回はこの職務分掌について、策定するメリット・デメリットから、規定の作成手順、そして作成する際のポイントまで幅広くご紹介します。

職務分掌とは

職務分掌(しょくむぶんしょう)とは、それぞれの役職・部署ごとに果たすべき役割や責任(職責)、権限(職権)を整理し、明らかにすることを言います。

適切な職務の分担や権限の明確化によって、業務を行ううえで生じやすい混乱を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。

業務分掌との違い

職務分掌としばしば混同される言葉に「業務分掌」があります。

そもそも「職務」とは、その人の「役目」を指す言葉で、「業務」は「職業上の仕事」を指します。

つまり、職務分掌でそれぞれの役割を明確にした上で、その役割が果たすべき具体的な仕事や作業を明らかにするものを「業務分掌」と言います。

職務分掌規定(職務分掌表)とは

職務分掌を実施した上で、それを誰が見ても分かるように文書化したものを「職務分掌規定」「職務分掌表」と呼びます。

これは、管理職だけでなく現場の担当者にも広く周知・共有されている必要があります。

職務分掌を策定するメリット

職務分掌のメリットを具体的にご紹介しましょう。

業務の効率化

権限を明確にすることで、一つひとつの業務やプロジェクトをどのような流れで進めていくかが明らかになり、スムーズな業務の遂行が可能に。

また、職務分掌で責任の所在がはっきりすることにより、例えば「特定の担当者のみに責任が集中してしまう」「権限があいまいで誰が責任者か分からない」といった混乱が生じにくくなり、組織運営を円滑に行うことができるようになります。

リスクマネジメントや内部統制に役立つ

社員同士が何の仕事をしているか分からない状態や、一定の仕事について理解している一人しか居ないといった状態が続いた場合、財務関連の不正が発生するなどのケースもあります。職務分掌を行うことで、それらを明らかにすることができ、リスク軽減に繋がります

また、近年、企業内に情報システムが普及したことで個人を特定するアイデンティ管理をはじめ、アクセス権限の設定や管理などのアクセスコントルールは非常に重要となりました。このようにリスクヘッジの意味でも職務分掌は必須なのです。

また、業務の流れが定まることにより、業務やプロジェクトを迅速に進められる体制が整います。結果的に、会社法に定められる「業務の適正を確保するための体制」を整備することにもつながり、適切な内部統制が可能となります。

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従業員のモチベーション向上や人材育成に寄与する

職務分掌は、人材育成にも繋がると言われています。

まず、自身の職務が明確になることにより、何をすべきか、今後どう動くべきかが見えてきます。そのため迷いが無くなり、適切な目標設定や行動にも影響します。

また、職務に対する責任感も生まれ、それがモチベーションの向上にもつながり主体的に動ける人材が育ちます

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職務分掌によって起こりうる問題

職務分掌を正しく活用しない場合、以下のような問題が生じる可能性もあります。

責任の押し付け合い

職務分掌は職務における責任や権限を明確にするものですが、それにより業務における責任を部署間、あるいは担当者間で押し付け合ったりするような事態に陥るケースもあります。

このような問題は、責任の所在が不明確なことが原因で発生します。権限の範囲を、より具体的な形で明文化することで、責任を押し付け合う余地を少なくすることができます。

組織の自由度の低下

職務分掌は、本来は業務をスムーズにする効果を期待するものですが、権限の明確化によって実際の業務の流れとは異なる方法になってしまうということもあります。

このような事態を避けるには、現場での業務の流れをヒアリングし、それに即した職務分掌が必要でしょう。また、技術革新などの影響で業務の遂行方法が変わった場合には、その変化にいち早く対応できるよう、組織内部に柔軟さを保っておくことも重要です。

命令系統の硬直化

職務分掌で権限が明確化されると、例えば「常に●●からの指示を待たなければ動けない」など指示待ちの状態が表面化し、組織が硬直化して業務が進まないことがあります。

職務分掌を遂行する段階では「トップダウン型」の垂直的な体制ではなく、水平的な職務の分化を進めていくと、このような問題は解決できるでしょう。

職務分掌規定(職務分掌表)の作成手順とポイント

最後に、職務分掌規定(職務分掌表)を作成する際の手順とポイントについてご紹介します。

職務分掌表の作成手順

職務分掌規定(職務分掌表)は、以下のような手順で作成していきます。

1. 会社全体の組織図の作成

まずは会社全体の組織図を作成します。これは、会社の全体像をとらえ、どのような部署があり、どのような役職が存在しているかを明確にすることが目的です。

2. 職務単位における組織図の作成

次に、その組織図をさらに細分化して、部署ごとにどのような役職や役割があるかということを明らかにします。

細分化する過程で、部署や役職を「職務ごと」に分けることも忘れないようにしましょう。職務ごとにまとめることによって、前述した責任の押し付け合いなどを未然に防ぐことにもつながります。

3. 職務分掌に関する規定の作成

職務ごとに分けたら、最後に行うのは職務分掌に関する規定の作成です。責任の押し付け合いを防ぐ一方で、組織としての自由度のある規定を作成する必要があるので、この作業が職務分掌の成否を分ける重要なステップとなります。

職務分掌表の作成ポイント

職務分掌表を作成する際には、「経営陣の声」と「現場の声」を丁寧にヒアリングすることが重要です。

職務分掌は、これまで曖昧だった職務や業務の棚卸しの作業と言っても過言ではありません。そして、今後の組織運営のベースとなるものです。そのため、企業の経営理念などの恒久的な方針、またビジョンなどの中長期的な目標などと照らし合わせる必要があります。

また「現場の声」を聞くことにより、理想と現実をすり合わせ、より実現可能で社員の納得感の高いものに仕上げることができます。

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まとめ

  • 職務分掌を実施することにより、業務の効率化や内部統制がスムーズになるだけでなく、不正などのリスク回避や、人材育成にも繋がるなど多くのメリットがある
  • 職務分掌を実施することにより命令系統や業務が明確となり、責任を押し付けあったり、支持を待たないと動けないなど、組織の自由度の低下を招く危険性もある
  • 職務分掌を実施するには、経営的な観点と、現場からの丁寧なヒアリングを実施し、社員の納得感のある役割分担に仕上げることが重要

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