close

はじめての方はご登録ください(無料)

メニュー

BizHint について

カテゴリ

最新情報はニュースレター・SNSで配信中

連載:第43回 組織作り その要諦

高価格帯サービスを同業他社より家計にやさしく。その“秘訣”とは? 地方のスゴい企業はココが違う!

BizHint 編集部 2022年5月20日(金)掲載
メインビジュアル

2009年5月創業以来、「ベスト個別」や「ベスト個別 motto」をはじめとした学習塾事業を運営する株式会社ベストコ。現在は、福島、宮城、山形、栃木、香川、岡山エリアに2022年夏OPEN予定の教室すべて開校する想定で合計110教室を展開しています。個別指導の「料金が高い」という常識を疑い、高品質かつ低価格のサービスを実現。「学びに自由を、みんなにできる楽しさを。」という企業ミッションのもと、教育格差や地域格差を少しでもなくすために事業を行っています。震災やコロナ禍に直面しながらも着実に成長を続けている同社はどのような独自戦略をとっているのでしょうか。その秘訣を代表取締役社長の井関大介さんにお伺いしました。

メインビジュアル

株式会社ベストコ
代表取締役社長 井関 大介 さん

1975年秋田県大仙市生まれ。秋田大学教育学部卒業後、ベスト学院株式会社へ入社。企画部長、取締役を経て、2009年株式会社Global Assistを創業。教育現場にいち早くICT教材を導入し、データに基づいた高品質の指導を低価格で実現。現在では東北エリアを中心に、110以上の教室を展開している。


同業他社より低価格な個別指導塾、その秘訣は?

――井関さんは2009年に福島県内の進学塾から独立され、株式会社Global Assist(現:株式会社ベストコ)を創業されました。どのような経緯で起業されたのでしょうか。

井関大介さん(以下、井関): 「教育格差をなくしたい」という想いがきっかけです。そもそも進学塾は誰しもが必ず行くわけではない限定されたサービスです。受験に合格するために通う人たちに合わせるのが通常でした。しかし、本来は「勉強の仕方がわからない」「クラスで質問しづらい」など勉強に困っている生徒たちにこそ、勉強の楽しさを伝えたいと思ったのです。

当時はすでに、進学塾は飽和状態にありましたが、受験需要よりも一人ひとりに寄り添って勉強のやり方から教えるようなサービスを作りたかった。しかし、労働集約型モデルのために個別指導はどうしても高額になってしまう。「家計負担が増えることなく、品質を担保することはできないのか?」とずっと模索し続けました。当社は同業他社よりも2~3割ほど低価格化を実現できています。

――確かに、個別指導塾は高額な印象です。なぜ低コストを実現できたのでしょうか?

井関: 講師全員が教育に集中できるような環境づくりを行っています。教育業界、進学塾は離職率が非常に高い。離職率が高いと、採用コストも研修コストも無駄になり、サービス品質が落ちて経営も不安定になり、結果、授業料も高くなります。そこで「離職をしない会社づくりをしよう」と決めて、まずはその課題を解決することに注力しました。

――確かに教育、学習支援業は離職率が高いというデータもあります。なぜ教育、学習支援業界は離職率が高いのでしょうか。井関さんの見解を教えてください。

井関: 実は教室長や講師の仕事のうち、教育いわゆる指導にかける時間は半分ほどです。ほとんどが教育以外の「新規開拓の営業」や「入退会手続き」「教室運営」など事務手続きに忙殺されています。営業ノルマに追われ、事務作業に追われ、社員たちは教育に集中できない構造なのです。

しかし、教育業界に飛び込む人の多くは「子供たちに学ぶ楽しさを伝えたい」という純粋な夢を持っています。ただ実際の業務は営業や販促活動、事務作業に忙殺されてしまう……。結果、理想と現実のギャップを感じて退職するのです。そこを打破しなくては、教育業界は何も変わらないと思いました。

――では、離職率を下げるためにどのような戦略を行ったのでしょう。

井関: 現場が教育に注力できるように実施したのは大きく2つ。まず1つは創業時から「IT化を推進」したことです。当時、学習塾は他業界と比べて圧倒的に“紙の世界”。報告書や成績データをまとめて、個別にファイリングして……となっていました。

この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})

close

{{selectedUser.name}}

{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}

{{selectedUser.comment}}

{{selectedUser.introduction}}