はじめての方はご登録ください(無料)会員登録

2017年4月14日(金)更新

中途採用

日本では新卒一括採用からの育成が長い間、採用活動の中心でしたが、近年は中途採用の市場(転職市場)が急激に成長しつつあり、企業間の採用競争が激化しています。この記事では、採用計画の立て方から様々な手法による母集団形成、選考方法まで、中途採用の具体的なプロセスを詳しくご説明します。

中途採用 に関するニュースや勉強会の情報を受取る

フォローする

目次

    企業の採用力が問われる時代です。

    中小企業が採用戦線で苦戦を強いられがちなのは、いまに始まったことではありませんが、大手企業も中途採用へ本格的に取り組むようになった昨今、優秀な人材の確保はますます困難になっているのです。

    一方で、IT環境が整ったことにより低コストで効果的な人材採用サービス新しい採用方法も確立されてきています。

    スタートアップ、中小企業や地方企業などの採用弱者こそ、積極的に優秀な人材を獲得する肉食採用に取り組む必要があり、新しい手段は貪欲に活用すべきでしょう。

    事業は人なり。人材こそ会社における最大の資産です。最近の採用市場をふまえた、ベーシックかつ戦略的な中途採用マニュアルをご紹介します。

    1章 中途採用とは?

    まずは中途採用の基本をおさらいしておきましょう。

    新卒採用と中途採用の違い

    中途採用は「新卒採用以外の、不定期におこなう人材採用」のこと。主に次の3つが該当します。

    • 若手人材……第二新卒(大学卒業後3年以内)、および、社会人経験3~5年くらい
    • 即戦力人材……社会人経験5~10年くらい
    • 管理職人材……社会人経験15年以上

    実務未経験者を対象とし、その人材の伸びしろ・ポテンシャルを重視する新卒採用に対して、中途採用は人材のスキルと実績、つまり即戦力としての実力を見る

    まずはこれを意識してください。 「既にキャリアのある人材」の採用という面を強調し、中途採用のことをキャリア採用という言い方をする会社も多くなっています。

    中途採用、5つのメリット

    中途採用には以下、5つのメリットがあります。

    1. 即戦力の獲得

    第一線の技術、知識を持った人材を獲得できます。

    2. 採用の通年化

    欠員補充や、新規事業の立ち上げ、既存事業のテコ入れなどにあわせて通年採用が可能です。中途採用の人材だからこそ活躍できる局面は多いはず。

    3. ダイバーシティの推進

    他社の組織運営ノウハウや経験を社内に取り入れることができます。 新しい人材が入社することで組織の多様化、活性化につながるのです。これはダイバーシティ・マネジメントと言い、近年採用・経営で重要視されている考え方のひとつでもあります。

    4. 人材育成の時間と手間を省略できる

    異業種や新規事業に進出する際、既存社員を一からエキスパートに育成するのは時間がかかるもの。 中途採用なら、すでに実績のある人材を採用できます。

    5. ブランディング

    中途採用を行うこと自体が積極的な事業展開、オープンで活性化された組織運営をアピールでき、ポジティブな企業イメージにつながります。

    2章 いま中途採用が注目されている理由

    優秀な人材こそ転職する時代に 中途採用にはさまざまなメリットがあることが分かりました。それではなぜ今中途採用なのでしょうか。

    採用市場の変化

    従来は新卒一括採用のみだった大企業。2009年ごろから徐々に中途採用へ力を入れるようになっています。

    大手企業が中途採用を本格的に開始した

    人材育成に費用や時間をかける体力が企業から失われた結果、即戦力を求める傾向が強くなっているのです。 事業拡大やグローバル化のため、その事業を担う専門性の高い人材を外から補充する必要性が出てきた、という側面もあります。 組織の活性化、イノベーションのため、他社で経験を積んできた人材を採用し、自社にはいない異文化や経験の導入によって、社内に刺激を与えようとしていることも挙げられます。

    中小企業は中途採用に新しい戦術が必要になった

    大企業も積極的に中途採用を行うようになった結果、2009年ごろから転職市場は活発化。 7年間の間、転職市場は拡大する傾向が続いてきました。 知名度などの点で新卒採用では不利な立場に立たされていた中堅・中小企業。大手が中途採用を活発に実施してはじめた今、中小企業には人材獲得競争の生き残りを賭け、新たな知的戦術が必要となっているのです。

    就労意識の変化

    採用市場だけでなく、就労者の意識も変化しています。

    就労者の意識が多様化した

    終身雇用制度は、もはや過去の遺物。やりがいのある仕事を求め積極的にキャリアアップしたり、自分らしいワークライフバランスを実現するために転職することは、もはや当たり前のことになりました。 転職目的も やりがい キャリアアップ 年収アップ だけでなく、 ワークライフバランスの実現 社会への貢献する ストレスなく働く など多様化しています。育児のために一時離職していた女性が復職することもますます多くなるでしょう。

    若年層の「就社」意識の低下

    特に最近は、新卒者の離職率が高くなっています。大学新卒者の3割が3年以内に辞めるというデータさえあります(厚生労働省「新規学卒者の離職状況」)。 「就職」というより「就社」の意識が強かったのは過去のこと。若年層は自分のキャリアにつながらないような仕事経験や、能力を発揮できないと感じる会社には、踏みとどまろうとしません。

    逆にいえば、中小企業やスタートアップであっても、他社にない魅力や働き甲斐のある職場であれば、第二新卒の優秀な人材を採用できるようになりました。

    競争環境の変化

    生え抜き人材だけでは成長できない 会社のビジョンを実現するためには、将来を見越した優秀な人材を確保し、組織力の強化をはかることが必要不可欠。スピーディーな経営戦略が求められる成長企業では、まさに採用こそが生命線です。 即戦力獲得のための中途採用が主体となります。 外資系企業は特にこの傾向が顕著です。トップの人材を社外異業種から招くことも頻繁に行われており、今後、日本でも同様のケースがさらに増えていくでしょう。トップに限らず、一般の社員もこのような採用が当たり前になっていくでしょう。 競争環境が激化し、生え抜き人材だけでは会社の成長が見込めなくなっているのです。 強い組織に必要な要素として「ダイバーシティ(多様性)」が挙げられます。 生え抜きだけの組織よりも、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人材で構成された組織のほうが、グローバル化に対応でき、高い競争力を持つことが常識となりつつあります。

    こうした背景から、「草食」採用ではなく「肉食」採用に取り組む企業が増えています。 採集型と狩猟型の違いとも言えますが、手が届く範囲の木の実を集める採集型の採用ではなく、ターゲットを仕留めに積極的に出かけていく狩猟型の採用をしている企業が、採用で大きな成果を挙げています。

    このような積極的な採用を総称して「ダイレクト・リクルーティング」と言います。

    【参考】「ダイレクトリクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ 【参考】リクルーティングの意味とは

     

     

    コラム1. ダイレクト・リクルーティングとは?

    優秀な人材を確保するためには、「待ち」ではなく「攻め」、「草食」ではなく「肉食」の採用スタイルをとることが重要です。

     

    そこで、新たな採用手法として注目されているのがダイレクト・リクルーティング。これは、経営者や採用担当者が自ら候補者を見つけ出し、積極的にアプローチする採用方法です。

     

    欧米ではすでにLinkedInなどの人材データベースやSNSを使ったダイレクト・リクルーティングが主流。日本でもビズリーチなどのダイレクト・リクルーティングのための支援サービスが活用され始めています。 昨今注目されているリファーラル採用(社員紹介)も、ダイレクト・リクルーティングの一種です(リファーラル採用については「リファーラル採用」をご参照ください)。 中小企業や地方企業にとって採用のネックとなっているのは、なかなか自社の魅力に気づいてもらえないです。

    しかも、採用のための予算があまりかけられないことがほとんどでしょう。ですが、ダイレクト・リクルーティングであれば、そうしたハンディキャップをこえて、熱意と時間をかけることで、自社への転職意向を育てていくことができます。採用市場において、採用弱者であっても、大企業と互角に勝負できる画期的な手法です。

    ダイレクト・リクルーティングのメリット

    ダイレクト・リクルーティングには以下のようなメリットがあります。

    • 転職エージェントよりも低コスト
    • その人物の職務経歴はすでに把握した上でのアプローチなので、書類選考のプロセスが不要
    • 知名度の低い中小企業や地方企業でも、自社の魅力を伝える機会を得られる

    ダイレクト・リクルーティングを成功させる秘訣

    以下がダイレクト・リクルーティングを成功させる秘訣です

    • トップや経営層が採用活動へ積極的に加わる
    • 候補者にはマメにコンタクトする
    • 短期的に採用しようとせず、2、3年かけて口説く覚悟を持つ
    • 面接だけでなく、ランチや飲み会など、気軽な面談の機会を設ける
    • 外部の人材データベースを利用するときは、その人材データベースの質を見極める

    タレントプールのススメ 

    ダイレクト・リクルーティングに不可欠なのが、「タレントプール」と呼ばれる考え方。採用に至らなかった人材もプール(貯蔵)しておき、候補者データベースを自社内に構築します。

     

    そして、半年ごと、1年ごとに定期的に見直し、コミュニケーションを継続的にとります。中途採用にはそうした時間をかけたアプローチ、関係を育てていく発想と姿勢が大切です。 内定を出したものの、タイミングが合わずに断られることは、ままあること。しかし、時間の経過とともに、その人の心境や状況が変化して、こちらからのラブコールに応じてもらえることがあります。一度、断られたからといって、せっかくご縁ができた優秀な人材を諦めてしまうのは早計。その後も、トラッキング(追跡)することは理にかなっています。 「最近はいかがですか?」

     

    「もしお時間があったら、こんなセミナーをやるのでいらっしゃいませんか?」 意中の人材には折に触れてコンタクトをとり、転職スイッチが入る瞬間を逃さないようにしましょう。 こうした2度、3度のラブコールを可能にするために、タレントプールの考え方と、採用プロセスを詳細に記録する履歴データの管理がとても重要です(詳しくは「採用面接履歴を残す」を参照ください)。 

    3章 中途採用のプロセス——採用計画を練る

    ここからは実際に中途採用をやる際、どのようなプロセスを踏めば良いか、順を追って解説していきます。

    1. 採用担当者を決める 

    採用活動で成功している企業のひとつの共通点として、

    • トップが率先して戦略的な採用を指揮している
    • 活躍中の人材が採用担当者に任命されている という方針が見られます。

    会社によっては人事部がなかったり、専任の人事・採用担当者が決まっていないこともあるでしょう。しかし、採用を成功させるためにもっとも大切なことは「誰を採用担当者にするか」です。 優秀な候補者が応募してきても、目の前の採用担当者を尊敬できなければ、その企業への関心は薄れます。その点、会社の魅力や未来像をもっとも熱意をもって語ることができるのは社長であり、社長が率先して採用活動にコミットすることが採用活動の成否を分けるといっても過言ではありません。 転職活動中の人は、社会人経験を数年経て、自分の働き方のスタイルや理想像をもっています。社長自身が語るビジョンや哲学、社会貢献への意識に共感できるかどうかが、大きな判断材料になります。

    採用担当者に求められる資質とは

    採用担当者に求められる資質とは何でしょうか。それは以下の4つです。

    • 人事以外の仕事で十分な実績があること
    • 会社の事業計画、展望、ビジョンを魅力的に語れること
    • コミュニケーション能力が高いこと
    • 社長や経営層と緊密に連携がとれること

    候補者が「この人と一緒に働きたい」と思うような、活躍中のエースをアサインしましょう。 逆に、そのような人物であれば、人事未経験者でもかまいません。

    採用担当者になるメリット

    社内で活躍中のエースに採用業務を頼むと、最初は「本来の業務に支障が出る」と嫌がられるかもしれません。 しかし、「採用担当になる」「面接官になる」ことが、一つのステイタス、会社から評価されている証だという認識が共有できれば、モチベーション向上につながります。 採用に関われば、自社の魅力について、社外の人に説明する場面が多くなります。つまり、採用担当者になることで、社員自身も、自社で働く価値や意義、魅力を再確認できるというメリットがあります。

    さらに、人に自信をもって勧めるためには、それだけの「真に魅力のある会社」でなければいけませんから、会社の現状を冷静に分析したり、課題に気付くことができます。 より理想的な会社にコミットするためのきっかけにもなります。 つまり、採用担当者になることは、経営戦略と組織運営に携わること。 経営者の視点で会社に関わることでもあります。会社の将来を考えることは、目の前の業務を長期的、多角的な視点でとらえる機会にもなりますから、自身の仕事にも思いのほか成果をもたらすでしょう。

    採用担当者の姿勢・心構え

    採用担当者は候補者にとって、最初に接する、会社の顔となる人物ですから、それにふさわしい人物であることが求められます。 面接や選考は、会社が人材を選ぶプロセスであると同時に、会社が人材から選ばれるプロセスでもあります。未来の同僚に対する敬意や親しみをこめた接し方を心がけましょう。 自身も転職経験者であれば、なおさら、候補者がどんな情報を求めているのか、何を不安に感じているのかも察知できるでしょう。

    また、中途入社組の先輩として、職場で活躍している姿を見せることは、何よりの説得力となります。 結果的に今回は不採用とすることになっても、将来、また別のかたちで関わる可能性があることを考慮すべきです。 丁寧な対応を心がけるようにしましょう。 現代はSNSを通じてすぐに情報が広まる時代です。

    採用担当者の印象が、そのまま会社の好感度アップにつながることもあれば、逆に、ちょっとした言動がきっかけでイメージダウンになることもあります。その点にも気をつけて、会社のブランディングに貢献できるように意識しましょう。

    2. 採用方針、採用基準を決める

    採用面接の担当者が、それぞれバラバラの基準や思惑で候補者を審査しているとうまくいきません。 営業、マーケティング、エンジニアなど、それぞれの職種によって、専門分野の基準で応募者を判断するのは当然ですが、それとは別に、採用の担当者全員で、採用方針や採用基準を共有できていることが、一貫した採用活動をおこなうためには重要です。

    採用に関する具体的な例や指標を共有する

    言葉で「リーダーシップがある」「コミュニケーションのスキルが高い」といった基準を定義したとしても、解釈は人によってかなり幅がありますから、具体的な例や指標があると共有しやすくなります。 そのためにも、採用プロセスの全履歴を記録するシステムが有効です(採用プロセスの履歴については、4章「目標達成の分析」をご参照ください)。 できればトップ自身が採用方針と採用基準をもち、それを採用担当者はもちろん社員全員で共有できれば理想的です。

    トップが採用基準を明確にもつ

    トップ自身が採用基準をもって成功している例を見てみましょう。 たとえば、株式会社カルビー会長兼CEOの松本晃さんは、試行錯誤を重ねて確立した、自分なりの採用基準として、

    また、株式会社DeNAの創業者で取締役会長の南場智子さんは、求める人材について

    • 自分よりも優秀な人
    • 心から尊敬できる人 とし、意中の人材は何年もかけて追いかけ、折に触れて口説く努力を続けると語っています(東洋経済オンライン「南場さん、DeNAも『肉食採用』なんですか?」 [http://toyokeizai.net/articles/-/39679])

    トップが自ら、こうした採用基準を明確に掲げて、採用プロジェクトを率いることで、メンバーにも価値観が共有され、目標達成が近づきます。

    3. 採用計画を立てる

    採用計画は、中長期の経営戦略、事業計画に基づくもの。社長もしくは経営陣が事業計画を立てていることが大前提です。

    事業計画・自社の情報を把握する

    自社の情報を以下のような観点でまとめると良いでしょう。

    • 人員構成(部署ごとに年齢別でまとめる)
    • 経済力
    • 強み
    • 社風 客観的な現状分析と情報整理 が必要です。その上で、現状と将来の事業計画を比較し、そのギャップを埋めるためには、どのような人材が、何人必要なのか、洗い出す作業をおこないます。 ライバル企業や採用で成功している企業がどのような採用方法をとっているのか。学ぶところは学び、差別化するところは差別化して、独自の採用計画を立てましょう。

    採用目標を設定する

    まずは採用目標を明確にしましょう。

    • 職種
    • 採用ポジション
    • 人数
    • スケジュール
    • 採用予算

    の5点は少なくとも洗い出しましょう。同じ職種の募集でも、採用したいのが1人なのか10人なのかにより、効果的な採用方法はちがってきます。

    もし特定のスキルや資格をもった人材を求めているのであれば、人材データベースを利用したダイレクト・リクルーティングが最適です。 ただし、ダイレクト・リクルーティングを成功させるためには、採用担当者にもスキルが必要です。そのスキルがない、もしくは時間がないという場合であれば、転職エージェント(人材紹介会社)に依頼するのが現実的かつ効率的と言えます。 会社に知名度があり、複数名の採用であれば、求人媒体(転職サイト)に求人広告を出すことが効果的かもしれません。 とにかく、採用目標を明確にすることが、その後の採用活動のベースになっていきます。

    コラム02. 採用予算の決め方

    採用予算はどれくらいを見込んでおけば良いのか。代表的な採用ツールごとに、おおよその費用を見てみましょう。

    求人媒体

    求人媒体は掲載料として数10万円から100万円以上かかります。ただし、採用できる保証はありません。

    転職エージェント

    転職エージェントは成功報酬型で、採用できるまでは費用(手数料)がかからないことが多いです。ただし、ターゲットの想定年収の30~40%とコストは高め。エンジニアなど獲得競争が激化している職種については割高となっています。

    リファーラル採用(社員紹介)

    それ自体にコストはかかりませんが、面談のための飲食費を負担したり、インセンティブの会食費などを含めて数万円~数十万円することが多いでしょう。なお、社員紹介の際のインセンティブについては、紹介手数料として金銭的な報酬を支払うと、労働基準法や職業安定法に抵触するおそれがあり、注意が必要です。

    よい人材の採用のため、十分な予算を

    費用を削ることよりも、よい人材の採用を優先したいもの。採用予定人数の全員を転職エージェント経由で採用しても大丈夫な予算を確保しておけるとベストです。 

    4. 採用したい人物像を定義する

    ここまで準備をしたら、次はターゲットの設定です。あなたの会社が必要としている人物像を明確にしましょう。

    人物像はスペックとタイプを明確にする 求める人物像は、2つの要素から構成されます。

    • 人材スペック……学歴、職歴、スキル、能力、資格など
    • 人物タイプ……志向、性格、行動特性など

    職種やポジションにより、必要とされる職歴やスキルがあります。 それとは別に、企業文化にマッチする資質やキャラクターがあるでしょう。 所属部署の責任者や同僚となる人々、採用担当者、社長や役員まで含めて意見を出し合い、多角的な視点から検討し、求める人材像を明確にしていく作業をおこないます。

    欲しい人物を社内メンバーに重ねてイメージするのも有効

    すでに社内にいるメンバーで「○○さんのような人がほしい」というイメージを共有するのも有効です。 欲しい人材のイメージを具体的に描く作業を通して、会社が求める理想的な人材イメージ、ロールモデルを想定できるというメリットもあります。 この人材像の共有ができていなかった場合、担当部署がぜひ採用したいと思った人物が、役員面接で落とされるといった問題がおこりがちです。

    【参考】求める人物像を定めるためのポイント

    4章 中途採用のプロセス——母集団作成

    採用計画ができましたので、ここからは実際の募集を作成していきます。採用候補者という母集団を形成する、極めて重要なプロセスです。

    5. 募集要項を作成する あらかじめ以下を用意しておきましょう。

    • 自社のビジョン
    • ミッション
    • 強みと魅力(企業文化や福利厚生など)
    • 入社後のキャリアパス(得られるスキル)
    • 社会貢献
    • トップからのメッセージ
    • 活躍する社員紹介 アピールポイントを洗い出しておきましょう。これらをもとに募集要項を作成します。

    募集内容はペルソナに響く内容にする

    仕事内容や給与の表記方法は、求める人材像に合わせて魅力的な伝え方にすることが重要です。 キャリア人材の関心を引く内容を心がけましょう。たとえばエンジニアを採用したい場合は、社内のエンジニアに書いてもらうなど、ペルソナに響く内容にします。

    クリエイティブにこだわる

    文章だけではありません。写真や動画など、ビジュアル要素も非常に大事です。応募者が「ここで一緒に働きたい」とモチベーションが上がるようなクリエイティブを工夫しましょう。

    募集媒体の特徴に合わせてアレンジをする

    ベースとなる原稿を作成したはいいものの、すべての媒体に同じ文章を載せていませんか? 掲載する媒体に応じて、効果的な表現や内容をアレンジしましょう。 たとえばWantedlyなどの採用広報ツールを見て、どのような内容が効果的なのかリサーチすることも大切です。人気のある会社はどのようにアピールしているのか、学べるところは学び、その上で自社のオリジナリティを出すようにしましょう。

    コラム03. 成功のカギは採用広報にあり

    採用活動は、企業のブランディング、広報活動でもあります。会社の知名度が上がれば、優秀な人材にアプローチしやすく、母集団形成もスムーズになりますし、ブランド力が高まれば、採用力も高まります。採用活動と企業のブランディングは前輪と後輪のような関係で、両方を一緒に進めてこそ成果がはっきり出ます。

    採用広報にも予算をかける

    ネット環境が普及したいま、転職希望者は、求人媒体だけを見て判断するわけではなく、その会社のコーポレートサイトを見たり、会社の紹介記事や経営者のインタビュー記事をネットで検索して、会社に関する情報や評判をリサーチします。ですから、せっかく予算をかけるのであれば、自社サイトで求人情報のコンテンツを充実させたり、採用広報に力を入れることにも地道に取り組んだほうがいいでしょう。

    採用広報のコツはタッチポイントを増やすこと

    自社のコーポレートサイトをはじめ、Facebook、InstagramなどSNSで、継続して情報を発信しましょう。採用情報はもちろんのこと、自社の商品やサービス、社長のメッセージ、社員紹介、イベントの告知、新商品の紹介、キャンペーン告知など、なるべく話題になりそうな、つまりSNSで拡散しやすいようなコンテンツをつくり、発信します。 予算と余力があれば、オウンドメディアを運営するのも効果的です。コンテンツ・マーケティングによって、潜在顧客とのタッチポイント(接点)を増やすのと並行して、潜在的候補者と接触回数を増やす作戦です。

    自社サイト訪問は入社後のギャップを防ぐ

    自社サイトを見てくれる人が増えれば、求人媒体やエージェントを通さずに直接、自社への応募者を増やせます。そうしたコンテンツを見て、価値観や文化に対して魅力を感じて応募してくれる人が増えれば、入社後のカルチャーギャップは生まれにくくなります。

    地道な広報施策が必要

    最近は、人事ニュース(若手の大抜擢、メディアで注目される人材の移籍などをメディアに売り込み取り上げられること)を社外広報に活用する会社も増えています。柔軟で先進的な企業としてのブランドイメージの向上だけでなく、社外からも注目されることで、社員本人のモチベーションアップにもつながります。 社内で交流イベントやセミナーを頻繁に開催して、潜在候補者との接点を増やすことも大切です。そして、そのイベントやセミナーの様子をレポートする記事を自社サイトのコンテンツとして発信することで、次回のイベントへの集客にもつながり、相乗効果を発揮します。 こうした施策は、効果が出るまでに時間がかかりますが、長期戦の覚悟で、地道にコツコツ取り組んでください。 

    6. 母集団を形成する

    求人媒体、転職エージェント(人材紹介会社)、人材データベースなど、各種の採用ツールを利用したり、Facebookやinstgram、TwitterなどのSNSを駆使して、採用のベースとなる母集団を形成します。 求人媒体や転職エージェントは有料のサービスなので、費用対効果をよく考えて利用する必要があります。 一方、ハローワークは無料で利用できますが、自社のニーズに合った母集団を形成できるかという点では、期待が薄い面があります。 自社のコーポレートサイトやFacebookページに求人情報を掲載するのであれば、コストはかかりません。こまめな情報発信に手間はかかりますが、こうした手段を使わない手はありません。

    ここでは、 求人媒体(応募型) 求人媒体(スカウト型) 転職エージェント リファーラル採用(社員紹介) それぞれのケースの母集団形成方法を見ていきましょう。

    A1. 求人媒体(応募型)での母集団形成 

    現在、日本の多くの企業において主流となっている採用ツールが求人媒体です。求職者からすると「転職サイト」と言うほうが一般的でしょう。基本的には、インターネット上の求人媒体に、一定期間、広告枠を買い、求人情報を掲載してもらうサービスです。従来は新聞や求人情報誌などの紙媒体に広告を出していましたが、インターネットの普及により、Web上へと求人媒体もすっかり移行しつつあります。

    求人媒体(応募型)のメリット

    • 不特定多数の目に触れるので、大きな母集団を形成するのに向いている
    • 求職者が自ら選択して応募してくる仕組みなので、自社への転職意向が高い人材を集めやすい

    求人媒体(応募型)のデメリット

    • 初期コスト、および、ランニングコストがかかる
    • 採用できるか不確実
    • 採用できなくても、費用はかかる
    • 年齢、性別などの条件の記載ができないため、ターゲット以外からの応募も多い
    • 多数の応募者から人材を選定するのに、時間と手間がかかることがある
    • 大企業や有名企業には大量に応募者が集まるが、スタートアップや中小企業では応募者が少ないこともある

    主な媒体

    • リクナビNEXT
    • DODA
    • マイナビ転職
    • @type
    • イーキャリア
    • GREEN
    • キャリアトレック
    • Wantedly
    • ピタジョブ

    A2. 求人媒体(スカウト型)での母集団形成 

    求人媒体の多くは、求職者からの応募を待っているだけではありません。登録者のデータベースの中からスクリーニングしたターゲットに、スカウトのメールを送れるサービスもあります。 スカウトメールにも何段階かあり、一定の条件を満たした人にテンプレート文面を送る通常のスカウトメールと、ぜひ面接に進んでほしい人材に送るプレミアメールがあります。後者の場合は、ターゲットの心に響く文面にすべく、工夫をこらす必要があります。

    スカウトメールのコツ

    返信率を高めるためには、このようなスカウトメールが効果的です。

    • ターゲットの心を動かすラブレターを書くつもりで書く
    • 「なぜあなたなのか」という理由を伝える
    • 価値を認められて嫌な気がする人はいないので、その人の長所を適切に評価する
    • 会社のビジョンや方向性を魅力的に伝える
    • 任せたい仕事のやりがいを伝える
    • 一度であきらめずに、何度も送る

    求人媒体(スカウト型)のメリット

    • 特定の候補者の目に触れるため、特別感を演出できる

    求人媒体(スカウト型)のデメリット

    • (応募型と併用する場合)追加コストがかかる
    • 採用できるか不確実
    • 採用できなくても、費用はかかる
    • 年齢、性別などの条件ので狙い撃ちできないため、ターゲット以外を外すことも多い
    • 多数のスカウト候補者から人材を選定するのに、時間と手間がかかることがある
    • 大企業や有名企業はスカウトの反応率が高いが、スタートアップや中小企業では反応率が低いことがある

    主な媒体(応募型で挙げたサイト以外)

    • ビズリーチ
    • 日経Bizキャリア
    • Switch
    • MIIDAS(ミーダス)
    • meeta

    コラム04. 最適な求人媒体の選び方 

    数ある求人媒体の中から、どれを選ぶべきか、最初は迷うと思います。もちろん予算との兼ね合いがあるので、価格は重要ですが、採用したい人材要件や人数によっても変わってきます。

     

    また自社の規模、業態、知名度などによっても、適する媒体はちがってきます。 まずは、採用要件(ポジション、人数、期限など)を明確にした後、いくつかの求人媒体の営業マンに、採用ポジションに該当する登録者数や、自社の条件と近い過去の掲載事例と成果について質問して、その回答を比較検討するのが賢明です。その際に、営業マンの対応もチェックします。その上で、どの媒体がいいのか吟味しましょう。

     

    有名な求人媒体は、登録者数も多いのはいいのですが、どうしても有名企業にばかり応募が集中し、知名度が低い会社の場合には、埋もれてしまいがち。そうなると、せっかく広告費をかけて求人情報を掲載しても、希望するような人材からの応募はなく、採用ゼロで終わってしまう可能性もあります。 そのため、採用したい人数が少ない場合や、ピンポイントでハイスペックな人材を求めている場合は、求人媒体よりも、以下で触れる転職エージェントを利用するほうがリーズナブルかもしれません。 

    C. 転職エージェントでの母集団形成

    転職エージェントは、厚生労働大臣の許可を受けた人材紹介会社が企業から依頼を受け、求人要件に合った候補者を紹介するサービスです。 幅広い業種・職種を扱う総合型と、エンジニアやクリエイター系など特定の業種や職種に特化した専門型があり、自社の業種やニーズに適したエージェントを見極める必要があります。 担当の人材コンサルタントに人材要件を伝えることにより、要件に合った人材を推薦してもらえます。基本的に成功報酬型のため採用が決まるまで費用がかかりませんが、金額は比較的高くなります。

    【参考】人材紹介会社とは?メリット・デメリットと利用時のポイント

    転職エージェントを利用するメリット

    • 必要な人材の条件をコンサルタントに詳細に伝えることで、ターゲットとなる人物のみ紹介を受けられるので、書類審査の手間が省ける
    • 面接日程の調整から給与や待遇の交渉まで、プロセスの大部分をコンサルタントに任せられる
    • 採用に関するさまざまなアドバイスをコンサルタントから受けられる
    • 他の採用方法では面接を重ねても応募者の本音が聞き出せない場合があるが、エージェントを仲介することで、かえって本音を聞き出しやすい
    • 公表前の新規事業や組織変更にともなう採用案件を、内密に依頼できる
    • 採用に成功したときにだけ紹介手数料を支払えばよい(ただし、エグゼクティブクラスのエージェントでは、年間のコンサルタント料がかかる場合がある)

    転職エージェントのデメリット

    • 想定年収の30~40%と紹介手数料が高い
    • 企業からの成功報酬で成り立っているため、人材と企業のベストなマッチングより、高い報酬が約束されている大企業に優秀な人を紹介しがちな傾向がある(中小企業やスタートアップには不利な傾向がある)
    • 求める人材要件が担当のコンサルタントに的確に伝わっていないと、なかなか採用に至らない場合がある

    ヘッドハンティングにはリテーナー型を使うと良い

    転職エージェントの中でも、リテーナー型は、難易度の高い人材をヘッドハンティングするサービスです。 依頼時に着手金(リテーナーフィー)が発生し、採用に至った段階で、残りの紹介手数料を支払います。 エグゼクティブクラスや、ハイスペックな技術者の求人に適しています。 採用したいターゲットを追い続け、アプローチから意向上げ、条件面での交渉などを代行してもらえますが、その分、通常のエージェントの料金よりも高く、採用できなくても着手金や月額費用がかかります。

    エージェント経由で採用に成功する秘訣

    コンサルタントとの間で意志の疎通ができていないと、ミスマッチがおこるので、注意が必要です。採用がうまくいかないときは、「どういう人材を求めているのか」がコンサルタントに伝わっていない可能性があります。

     

    「採用要件が曖昧になっていないか。明確に伝わっているか」を確認してください。 また、推薦された候補者の合否の理由を、きちんとフィードバックすることが重要です。不合格にする場合には、どういった点が希望と違っているかを詳しく説明することで、ミスマッチをなくしていくことができます。 コンサルタントにとっては、いつも返事の遅い企業より、レスポンスの早い企業のほうがありがたいので、選考スピードを速くするなど、コンサルタントとの信頼関係をきちんと築くことも大切です。

    主な転職エージェント

    • リクルートエージェント
    • マイナビエージェント
    • パソナキャリア
    • type転職エージェント
    • JAC Recruitment

    C. リファーラル採用(社員紹介)

    近年、SNSの発達にともない、従来とはちがう採用チャネルの利用が活発になりつつあります。 それがリファーラル採用。社員の人脈を介した紹介・推薦による採用活動です。

     

    リファーラル(referral)は「紹介、推薦」という意味。経営層や社員からの紹介だけでなく、社外関係者からの紹介も含みます。 「人づて」というと、いわゆる「縁故採用」「コネ採用」と似ているように思うかもしれませんが、従来の縁故採用は、取引先から頼まれて断れずに必要ではない人材を雇うといったネガティブな面がありまし。 現在のリファーラル採用は、会社の発展のために必要な人材を採用するために、社員のネットワークを活用するものです。 SNSのおかげで優秀な人材にアプローチしやすくなりました。連絡先がわからなくても、名前を知っていれば、LinkedInやビズリーチなどの人材データベースを利用してコンタクトがとれます。他社に勤める人材を結果的に引き抜くこともあるので、ヘッドハンティングやスカウトに近いケースもあります。

    【参考】リファラル採用の意味とは?メリットや組織に根付かせるポイントを解説

    リファーラル採用のメリット

    • 書類選考などの手間を省ける
    • 転職マーケットに出てこない転職潜在層の優秀な人材を採用できる
    • 前職での経験・スキルを把握しやすく、適した人材を採用できる可能性が高い
    • 自社のカルチャーをよくわかっている社員などからの紹介なので、入社後のミスマッチが少ない
    • 採用飲食費の補助やインセンティブ(食事会など)を支給するにしても、コストは低い。
    • 社内に知人がいることで、入社後、比較的早く会社になじむことができ、早期離職を防げる
    • 採用活動を通じて、既存社員が自社の価値について正しくプレゼンできるようになる

    リファーラル採用のデメリット

    • 以前からの知り合いの場合、条件面などをビジネスライクに詰めにくいことがある
    • 社員の友人の候補者を不採用にした場合、友人関係が気まずくなることもある

    リファーラル採用を成功させる秘訣

    • 社外の友人知人を気軽に誘えるミートアップ・イベントを開催したり、社外からも関心の高いスキル、ノウハウをもった社員によるセミナーや勉強会を定期的に開催する
    • 友人を紹介する心理的ハードルを低くする。セミナーやイベントに誘うところまでは各自社員にやってもらい、あとのアプローチは採用担当者がおこなって、紹介した社員が関与するのは最初だけにするなど、心理的な負担を軽減する
    • 採用会食の奨励をおこなう。紹介につなげることを目的とした会食は、採用費として会社が負担する
    • 社内啓蒙の徹底。社員紹介の促進にあたって、社長自らが率先して動くとともに、会社の成長のためには採用活動が非常に大切であること、全社員に協力してほしいことを繰り返し語る
    • 採用への貢献度を、人事評価に反映する
    • インセンティブの設定

    採用が決まったら、紹介者には、ご褒美として社長と豪華ディナーができるなどのインセンティブを設ける(紹介手数料として金銭的な報酬を支払うと、労働基準法や職業安定法に抵触するおそれがありますので、注意してください。

    転職顕在層へアプローチするにはダイレクト・リクルーティング

    求人媒体や転職エージェントは、現在もっともポピュラーな採用チャネルではありますが、それらを経由して形成する母集団は「転職顕在層」。転職の意欲がすでに高い人がいる転職潜在層に対して、転職市場にほとんど現れない「転職潜在層」にこそ優秀な人材が多数隠れています。 採用市場で勝者となるためには、この潜在層も取り込んだ母集団を形成する必要があります。転職潜在層にアピールするためには、社員紹介や人材データベースを利用したダイレクト・リクルーティングが有効です(ダイレクト・リクルーティングについては、コラム「ダイレクト・リクルーティングとは?」をご参照ください)。 それぞれのツールやサービスのメリットとデメリットを理解した上で、アプローチしたいターゲット層に合ったチャネルを使い分けて、自社に適した母集団をつくっていくことが重要です。

    5章 中途採用のプロセス——採用選考

    実際の採用選考の流れを見ていきましょう。

    7. 書類選考

    中途採用の場合、選考は面接のみという企業が多いのですが、近年は適性や能力を見るための適正検査や筆記試験を併用するケースも増えてきています。 合否判定に使うだけでなく、入社後の配属や管理・育成に生かすという観点から導入する企業もあります。

    応募への対応

    応募受付を行った日時、連絡処理事項などが記入できる一覧表を作成し、応募者への連絡ミスをなくします。 また、採用担当者不在のときに備えて、あらかじめ、応募者からの問い合わせにどのように答えるかのマニュアルを作成しておくといいでしょう。 面接日程の連絡などは、可能な限り早く行うことが大事です。時間の経過は、応募者を不安にさせます。

    書類選考のコツ

    アピールポイントが伝わりにくい職務経歴書であっても、職務経歴書の作成能力と業務上の能力は必ずしも一致しないことを念頭に置きましょう。 応募書類から、候補者が何を求めて転職するのか、どのように活躍したいのかを読み取りましょう。

    8. 面接と面談

    「面接」は、応募者の選考をするための場。 基本的に、応募者は「入社したい」という意欲をもって面接に臨んでいます。 それに対して「面談」は、企業と候補者がお互いの理解を深めるための機会であり、企業側が候補者に自社の魅力をアピールし、選考ステップに進んでもらうことをめざします(面談については、コラム「『面談』というアプローチを効果的に使う」をご参照ください)。 【参考】面接と面談の違いを理解し使い分ければ、採用は劇的に変わる

    面接官を決める

    面接官は採用担当者と同様に、「誰を面接官にするか」戦略的に考える必要があります。候補者にとっては面接で会った人の印象が、そのまま企業の印象に繋がります。 応募者に企業の魅力を効果的に伝えられる人物を起用すべきです。 ビズリーチでは、効果的な面接のために、面接官の役割を

    • インパクター
    • フォロワー
    • モチベーター
    • クローザー

    の4つに分けています。 インパクターは、面接においてインパクト、つまり新たな視点や気づきを与える人です。会社の魅力に気づいてもらう役割を担います。 フォロワーは、さまざまな不安や疑問を持っている応募者に寄り添い、安心してもらったり、フォローする人で、採用担当者が兼務することもあります。 モチベーターは、面接を通じて入社したいというモチベーションを上げる人です。「あなたなら当社でこんな役割を担っていただけます」と動機づけをすることで、会社に対する志望度を上げて、次につなぎます。 最後のクローザーは、営業においてのクロージングと同様に、応募者の気持ちを見定めて決断を問い、内定へと導く役割です。 このように面接官の適正をしっかりと見極めるのもたいへん有効です。

    質問項目とチェックポイント

    課題解決能力や任務遂行能力を見極めため、

    • 現在の職について
    • 転職理由
    • 志望動機
    • キャリア目標 といった質問を行います。 自社のビジョンや社風に候補者が合っているかどうかを判断します。 候補者が何を求めて転職しようとしているのか、また、現在の会社ではどんな点に不満を感じているのか、本音を聞き出すことも大切です。

    面接のタブー

    面接にはタブー行為もあります。

    • 基本的人権に関わるような質問をしない(思想信条、支持政党、宗教、生い立ちなどを聞くのはタブー)
    • パワハラと受け取られる言動に注意(高圧的な態度をとらない。不必要な圧迫面接などを行わない)
    • セクハラと受け取られる言動に注意(未既婚、出産予定、外見に関することなど) 不採用となってしまった場合にも、場合も誠意ある対応を心がけましょう。

    コラム05. ターゲットの転職意欲を上げる「面談」というアプローチを効果的に使う

    優秀な人材の採用に成功している企業の多くは、候補者の状況によって、

    • 面接……応募者を選考するための場
    • 面談……企業と候補者がお互いの理解を深めるための場

    を使い分けています。 スカウトメールを送った人や、社員紹介によるリクルーティングで声をかけた人に対しては、まずはお互いを知るための「面談」から始めます。

     

    現時点では転職の意向が低い人にも「まずは面談して、情報交換だけでも」というアプローチで会い、少しずつ意向を上げていきます。 気をつけたいのは、「面接」と「面談」はちがう、ということ。

     

     スカウトメールを送って来てもらった候補者に対して、いきなり「面接」というスタイルで入ってしまわないように注意しましょう。

     

    「自分は応募したのではなく、スカウトされた」と思っている候補者の気持ちを冷ましてしまいます。 面談の目的は「自社の魅力を効果的に伝え、候補者の転職意欲を高めること」です。「在籍企業よりも、もっといい会社があれば転職したい」と考えている潜在的な転職希望者に対しては、「自社に入社したい」という意欲を喚起させないといけません。

    ですから、面談担当者に必要なのは、候補者に自社のファンになってもらえるように説得するコミュニケーション力です。

     

    候補者が何を求めて転職しようとしているのか、本音の部分を聞き出し、もしくは察知して、それを自社であればどう提供できるのかをアピールします。社長自身が事業計画やビジョンを語ることは、たいへん有効です。

     

    最初にコンタクトをとる際に、面談担当者の情報も伝えます。できれば、その担当者の魅力が伝わるインタビュー記事や、コーポレートサイトの社員紹介ページのリンクを送ります。その段階で、候補者に「こんなに優秀な人、魅力的な人と一緒に働ける会社なんだ」と思ってもらえたら、大きなアドバンテージです。

     

    面談時にも、選考の場ではないことをはっきりと伝えオフィスを案内したり、会社紹介の動画を見せたり、候補者が構えずリラックスして話せる雰囲気づくりをします。

     

    事業の内容と今後の見通し、スカウトしたいと思っているポジションの業務内容を説明して、関心をもってもらうことから始めます。また、面談の場に、ひとりだけではなくて複数の社員が参加すれば、候補者が社内の雰囲気をつかみやすいだけでなく、入社してからも現場になじみやすくなります。 

    9. 面接結果・合否の伝え方について

    不安な気持ちで待っている応募者の心理を考慮し、できるだけ早く通知を出しましょう。 迅速な対応は、誠意のあらわれとして応募者に映ります。理由もなく何週間も待たせるのは、いい印象を与えません。 正式には、給与金額などの条件面を明示した内定通知書を交付しますが、内定の連絡を電話でおこなった時点でも、労働契約の意思表示をしたことになります。

    なお、採用内定通知を出すにあたっては、労働基準法によって定められた明示すべき労働条件があります。

    採用内定通知と労働条件通知は分けて出す

    労働条件通知は、会社から労働者に明示する法定書面。 労働基準法で労働契約を締結する際に書面で明示すべきと定められています。 採用内定通知と、労働条件通知は分けて出すと良いでしょう

    採用内定通知に盛り込むべき内容

    • 契約期間
    • 入社年月日
    • (ある場合)試用期間
    • 就業の場所
    • 所属/職務
    • 雇用形態
    • 勤務時間
    • 労働契約の期間
    • 始業・終業時刻
    • 所定労働時間を超える労働の有無
    • 休憩時間
    • 休日、休暇
    • 賃金
    • 交替制勤務をさせる場合は就業時転換(交替期日あるいは交替順序等)に関する事項
    • 賃金の決定・計算・支払方法
    • 賃金の締切り・支払の時期に関する事項

    10. 応募者の意向上げ

    内定の受諾については、候補者の事情を考慮しながら、回答期限を区切り、なるべく早く返事をもらうようにしましょう。 内定通知から1週間以内という設定が一般的です。

    在職中人材は入社までに1〜2ヶ月必要

    在職中の人材の場合、内定が確定してから退職交渉に入り、さらに引き継ぎ期間も必要になりますので、少なくとも入社までに1~2カ月はかかります。その期間中もこまめに連絡をとり、退職手続きの進捗状況を確認するなど、コンタクトを絶やさないようにしましょう。 いったん内定を受諾した後でも、さまざまな理由で辞退になることがありますから、油断は禁物です。 転職活動中は、内定をもらうという目的に向けて進んでいた人も、内定をもらって、入社するまでの間に、迷いが出てくることがあります。いざ結婚が決まると、「本当にこの相手でいいのだろうか」と不安が膨らむマリッジブルーと同じです。

    内定辞退になる理由と対策

    なぜ内定辞退となってしまうのでしょう。主な理由は以下の通り。

    • 現在の会社からの強い引き留めがあった
    • 他社からも内定が出て、そちらを選んだ
    • 家族から反対され、転職を思いとどまる
    • 条件や待遇に、実は不満や不安があった

    対策としては、メールや電話でこまめに連絡をとるほか、会食やオフィス見学に誘い、配属先のメンバーともコミュニケーションをとってもらい、不安を解消できるようにします。 条件や待遇面で本人と合意が得られているかどうか、コミュニケーションで解決できる問題です。また、業務内容に納得しているか、提示した待遇に満足しているかといった点をしっかり確認しましょう。

    11. 入社手続き

    内定受諾後、相談して入社日を決めます。そして、出社日に必要な持参物(源泉徴収票、年金手帳、雇用保険被保険者証、健康診断書など、企業により異なる)を連絡しておきます。

    入社前の準備を行う(期限:入社前までに)

    雇用が決まったら、やらなくてはいけないことがたくさんあります。入社前に社内の受け入れ準備を整えましょう。

    • 従業員に人事関連の情報を確認する
    • 備品を用意する
    • ツール(メールアカウント等)の設定をする
    • 名刺を手配する
    • 座席を確保する
    • 組織図を更新する

    法定三帳簿を作成する(労働者名簿/賃金台帳/出勤簿)(期限: 入社前日まで)

    従業員を雇用する場合には、

    • 労働者名簿
    • 賃金台帳
    • 出勤簿

    の作成が義務づけられています。これらを総称して法定三帳簿といいます。

    労働基準法では各事業所ごとに、各労働者について作成することが義務づけられており、社会保険や雇用保険の手続きの際に提示が求められます。 これらの法定三帳簿は、労働者の退社後も3年間の保存義務があります。

    入社後の社内手続きを行う(期限: 入社後5日以内)

    従業員が入社したら必要情報の収集や書類への署名捺印をもらうなどの対応を行いましょう。

    • 労働条件通知書を作成し本人に署名捺印をもらう

    • 扶養控除等(異動)申告書を作成し本人に必要事項を記入してもらう

    • 誓約書に署名捺印をもらう

    • 必要書類を本人から受け取る

    12. 入社後のフォロー

    中途入社者はいくら即戦力とは言え、実力を発揮できるようになるまでは、ある程度、会社側からのフォローが必要です。

    • 書類の書き方
    • 提出方法
    • 社内ルール
    • 使用するコンピュータの機種違い

    などなど、枚挙にいとまがありませんが、細かな部分で前職とのギャップに戸惑い、新しい環境に適応して本来のパフォーマンスが発揮できるまでに時間がかかります。 また、働き始めてみて、入社前に聞いていた仕事内容や待遇と違ったり、会社側との認識のずれがあったことに気づくこともあります。

    しかも、新卒と違って同期もいないのが中途採用。悩みを相談したり、本音で話せる人もいません。 このようなストレスから早期退職につながらないように、近くに世話係を配置したり、人事との面談を定期的に行ったり、中途入社者が会社に早くなじめるように気を配りましょう。 候補者が入社したら、採用担当者のミッションは終わりではなく、人材の引き留め(リテンション)、すなわち離職率を下げることにも注力することが大切です。

    6章 目標達成の分析、KPI管理をする

    候補者を採用したらそれで中途採用活動終了だと思っていませんでしょうか。KPI管理が次の採用活動を助けます。

    採用面接履歴を残す

    採用の成功は、目標人数をクリアすることだけではありません。入社後、その人材が中長期的に活躍してこそ、成功したと言えます。 では、どうしたら成功率を高められるのか。有効な方法は、候補者へのアプローチから採用にいたるまで、すべての工程を可視化することです。 具体的には、面接でのやりとりや所感をすべて履歴として残し、入社後にどのような活躍をしたかをトラッキング(追跡)して記録するシステムを構築しましょう。 そういった追跡調査をして初めて、その採用が成功だったのかが判断できます。 以下のような履歴を残しておくと良いです。

    • 誰がいつ面接したか?(面接官と面接日時)
    • 応募者が面接に来てくれた理由(志望動機)
    • 応募者の仕事上の実績(キャリアと実績)
    • 応募者は自社の事業について、どう考えているか?(事業の理解)
    • 応募者は今後、何をやっていきたいと考えているか?(キャリアのビジョン)
    • 面接者の所感
    • 次回の面接で確認してほしいこと

    面接の内容を詳しく記録し、次の面接官への申し送りを書いておきます。ちょうど営業マンが記す「営業日報」や、会議の「議事録」のようなものを、採用活動についても記録するようにします。

    採用面接履歴を残すメリット

    こうした履歴を残すことは、面接官のスキルの向上に役に立ちます。自分自身の面接を振り返って文章化していくことにより、どんな言葉が相手の心に響いたのか、何がよくなかったかなどの反省をして、よりよいアプローチを探ることができます。 また、複数の面接官のあいだで、採用基準を共有しやすくなります。ほかの人が面接でどんな質問をしているのか、どのような判断基準をもっているのかを知ることができます。 こうしたデータの蓄積、分析により、会社としての基本的な判断基準、姿勢にブレがなくなります。

    目標達成の分析をする

    採用のプロセスごとに、具体的な数値目標を設定し、採用に至るまでの数字を追う、つまり、KPI管理(Key Performance Indicator。目標の達成度合いを測る指標の管理)をすることが大切です。 アプローチから採用に至るまでのプロセスを可視化し、数値管理を行い、その結果を分析することで、今後の確実な採用へと結びつけることが可能になります。

    チャネルごとに数値管理を行う まずは、すべての採用チャネル(求人媒体の違い)ごとに、

    • 過去数年分の応募数
    • 書類選考通過数
    • 面接通過数
    • 内定承諾数
    • 入社数

    を把握し、その割合を出してみることから始めてください。 「どんな方法で何人にアプローチできたのか?」「その結果、採用面接に何人が受けにきたのか?」「そのうち何人に内定を出したか?」「入社したか?」と、それらの数値を把握すれば、逆算して、最初にどのくらいの母集団を形成すればいいかもわかります。

    数値目標を立てる

    次に、それぞれのプロセスにおいて数値目標を立てて、今後の活動でクリアするようにします。 採用チャネルごとのパフォーマンスを計測することで、自社に適した採用チャネルがはっきりしてきます。 前年と比較してどこかの移行率が落ちていたとしたら、そこには何らかの原因があるはずですから、仮説を立てて対策を講じ、ていねいに検証を重ねることで、改善が可能になります。 採用がうまくいっている企業では、このような採用プロセスの数値管理をしていることが多くなっています。

    最近は、こうした採用管理ツールのクラウドサービスもありますので、利用してみるのも一考です。

    タレントプールにも役立つ

    先にも触れましたが、肉食採用に不可欠な「タレントプール」という考え方がありますが、こうした履歴を残すことで、2度目、3度目のラブコールも可能です。

    これまでに接点をもった優秀な人材に対するトラッキングも大切です。採用工程のすべてのデータを詳細に管理していれば、新たな求人が出たときに、以前、内定を辞退された方々から条件に合う人を見つけ出して、コンタクトをとることができます。 それが可能になるのは、その人は面接でどんな話をしていたか、なぜ内定を辞退したのか、現在はどの会社でどんな仕事をしているのか、などの記録があるからです。

    時間が経って状況が変わったことにより、入社のベストタイミングが訪れたということもよくあります。 優秀な人材との出会いは、大切に育ててこそ「縁」になります。貴重な出会いを無駄にしないために、面接履歴は詳細に残しましょう。

    人事管理に活用する

    この履歴は、採用が決まった段階で終了ではなく、入社後1年後、3年後、5年後の活躍ぶりをトラッキングして記録します。 「採用時の評価」と「勤務後の人事評価」を照らして分析することで、今後の採用に活かすことができます。 入社した人材は、3年後、5年後、どんな活躍をしたか。こうした人事評価を分析して、評価が高い人は入社時にどのようなことを言っていて、どのような評価だったのかを比較してみると、そこには何らかの特徴や傾向が見えてくるはずです。 こうした振り返り、分析から得た情報を再び採用活動に生かせます。

    コラム06. 中途採用を成功させるポイント——ありがちなミスとその対策 

    ここでは中途採用でありがちなミスを取り上げます。

    1. 求人媒体からの応募が少ない。

    求める人物像があいまいなので、ターゲットに届いていない可能性があります。欲しいのはどういう人材か、その人材にとっての自社の魅力は何かを明確にするのが大事です。

    2. 採用活動に十分な人的リソースを割いていない

    採用の重要性について社内の認識を合わせましょう。

    3. オペレーションに時間がかかりすぎて候補者の意向が下がっている

    タイミングを逃さないよう、臨機応変かつスピーディーな対応をしましょう。

    4. 候補者の意向上げができていない

    採用担当者や面接官は、適任者をアサインしているか、確認しましょう。

    5. 目標が達成できない

    採用管理システムを導入すると良いでしょう。プロセスを記録し、どのステップ、どのチャネルに問題があるかを特定。目標とのギャップを可視化し、改善しましょう。

    6.人材が 定着しない。離職率が高い

    自社の欠点を隠して、美化したイメージを伝えても、入社後、すぐに幻滅されているのでは? 候補者には自社の課題を率直に伝え、それを理解した上で入社してもらうと良いでしょう。 

    終わりに 草食採用から、肉食採用の時代へ。

    予算がない、ブランド企業でもない……といった採用弱者でも、インターネットが強い味方に、情報リテラシーが武器になってくれるので、採用強者への道をめざしましょう。 SNSはもちろん、クラウドサービスなどの新しいツールを賢く利用して、「攻め」の採用スタイルで優秀な人材を確保することが、これからの企業には求められているのです。

    中途採用の関連記事

    827件中 1 - 5件

    中途採用の関連記事をもっと読む

    中途採用に関連するおすすめコンテンツ

    中途採用の記事を読む

    ニュースや勉強会の情報を受取る

    フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
    フォローを管理する

    目次

    フォローする

    このページの目次