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2018年10月14日(日)更新

キャリア採用

人口減少社会に突入した日本において、優秀な人材の確保は企業にとって急務となっています。そういった背景から、大手企業を中心に「キャリア採用」という新たな用語が登場し、求職者を募る動きが増えています。今回はキャリア採用の意味や違い、導入背景、メリット・デメリットについて、ご紹介いたします。

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キャリア採用とは?

キャリア採用とは、企業が求める職種や職務内容に、一定の知識や経験を有する人材を確保するための採用活動です。一生涯、一つの企業に勤め上げることが常識ではなくなり、転職市場の盛況や転職支援を行なう企業の登場により、転職活動も一般的となりました。そのため、企業にとっても幅広い能力を持つ人材の確保が容易となったといえます。

IT技術の発達や経済のグローバル化により、柔軟で迅速な事業運営が求められる中で、新たな消費者市場の拡大や新規事業への進出が不可欠となっています。そのため、企業戦略に合った人材の確保を行なうため、キャリア採用という用語を使用する企業が増えています。

キャリア採用は大学卒業予定の新卒者を対象とした新卒採用と異なり、通年採用活動が可能で、即戦力となる人材を獲得できるメリットがあります。今後も企業に必要な人材が多様化していくことが予想されます。そのため、キャリア採用は特定分野の人材の獲得はもちろん、需要の高いグローバル人材の獲得にも活用されています。

キャリア採用の導入の背景とは?

幅広い能力を持つ人材を獲得できるキャリア採用は、時代の流れとともに働き方や雇用形態の変化、法令の基づく採用強化によって、生まれたとされています。

中途採用との違いは?

キャリア採用は、職種や職務内容に豊富な知識や経験を有する人材が対象となっているため、実質的には中途採用と変わりません。

ビジネスの世界では中途採用は即戦力となりえる人材が対象となります。そのため、優れたキャリアを持つ人材を獲得する上で、中途採用という表現は不適切であるという見解が示されました。優れた経験を持つ人材を指す「キャリア組」に倣って、キャリア採用という名前が定着していったものと考えられます。その他、実際に求職者を募る際に、中途採用よりもキャリア採用と表現した方が求職者に好感を持ってもらいやすい傾向もあります。

雇用形態の多様化による再定義

小泉政権が実施した労働者派遣法改正を皮切りに多様な働き方が生まれ、今後も政府が推進する「働き方改革」はどんどん広まることが予想されます。そのため、今まで一元的にまとめていた中途採用の対象者が幅広くなったこともあり、中途採用の再定義が必要となりました。

例えば、外資系企業やIT業界、ベンチャー企業では時間給ではなく、成果に応じた働き方が重視され、その分、裁量権を与える組織文化が一般的です。裁量権を得る人材は成果を出せる優秀な人材に限られるため、他の採用枠と区別する必要性が生じ、「キャリア採用」という新たに定義付けされたとも考えられます。

法令による採用強化の流れ

厚生労働省が実施している「三年以内既卒者等採用定着奨励金」は、第二新卒を対象にした採用強化を促す法令のひとつです。日本企業の多くは、新卒一括採用での採用を行い、若い人材(新卒者)を確保しています。しかし、新卒一括採用は多くの人材への一括アプローチ、人事管理の一本化、教育コストの軽減などのメリットがある反面、ミスマッチによる早期離職を生じやすいデメリットがあります。

この「三年以内既卒者等採用定着奨励金」は、生涯に1回だけの新卒採用ミスマッチを起こしてしまった新卒者を積極的に採用するように政府が後押しする政策であり、第二新卒採用を行なう企業も増えています。

しかし、第二新卒採用はキャリア採用とは異なる採用プロセスを踏むため、従来の中途採用を再定義する運びになりました。このように、新卒者や既卒者を対象とする採用活動を活性化させる法令が出されたことも、キャリア採用導入の要因と考えられます。

【参考】厚生労働省 三年以内既卒者等採用定着奨励金

採用(新卒採用・第二新卒採用・派遣/アルバイト採用)の定義とは?

前述どおり、雇用形態が多様化した今、求職者の属性に応じた採用の再定義が必要となっています。それぞれの採用方法の定義を再認識することで、効果的な採用活動を行なうことができます。

新卒採用とは

新卒採用とは、大学や専門学校などを卒業したばかりの学生を対象とした採用活動を指します。企業側にとっては、自社の企業文化に根ざした人材の育成が可能となります。また、将来の経営者を含む幹部候補の人材獲得、従業員の年齢構成比のバランス最適化、組織の活性化などのメリットも得られます。就職活動を行なう学生にとっても、就業経験のない中、大企業や上場企業に就職できる機会ともなり、自身が望む環境でキャリアを積むことができます。

その反面、採用・教育コストの増加や入社後のミスマッチによる早期離職、景気動向により人材確保の状況が変わりやすいなど、企業側にはデメリットも存在します。年功序列終身雇用を前提としている企業も多いため、未だに採用されている採用方法です。

【関連】新卒採用のメリットとは?企業における新卒採用の意義を徹底検証 / BizHint HR

第二新卒採用とは

第二新卒とは、大学卒業後、一度は企業に就職したものの3年以内に退職した人材を対象とした採用活動を指します。平成7年以降、3年以内に退職した第二新卒は3割以上と推移しており、平成25年度の第二新卒の数は約13万人となっています。また、近年では第二新卒を積極的に採用する企業も増加傾向にあり、早期離職者の補填としても活用されています。

第二新卒は新卒入社の人材に比べても適応能力が高く、採用後早期戦力化できる、教育コストがかからないなどのメリットがあります。一方で、新卒採用と同様に早期退職のリスクやモラルの低下などのデメリットも指摘されています。キャリア採用が即戦力重視型の採用であれば、第二新卒は育成型の中途採用と定義づけることができます。

【参考】厚生労働省 新規学卒者の離職状況

【関連】第二新卒の意味とは?新卒や既卒との違いは?採用媒体も一挙ご紹介 / BizHint HR

派遣/アルバイト採用とは

派遣社員は、派遣元企業と雇用契約を結んだ従業員が派遣先企業に出向き、業務を行なう社員を指します。派遣社員の求人を出す場合、派遣会社と契約を結ばなければならず、新卒採用やキャリア採用とは異なる採用プロセスを踏む必要があります。

また、派遣社員を求める企業では派遣社員の給与や福利厚生勤怠管理などの義務はなく、業務を指揮・命令を行なうのみとなります。

アルバイト採用はキャリア採用などの採用活動と同じ求人方法、採用プロセスを踏みます。しかし、待遇面では新卒採用第二新卒、キャリア採用の対象者とは異なるのが特徴的です。

しかし、2016年10月1日より「週30時間以上労働」のアルバイトにも厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入が義務付けられ、さらに労使合意(従業員500人以下の企業の場合)による加入も可能となりました。そのため、アルバイト採用を行なう場合は社会保険等の適用も考慮した上で採用活動を行なう必要があります。

【参考】政府広報オンライン パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています

【関連】アルバイト採用を成功させるコツとは?求人や面接で注意すべきポイントをご紹介 / BizHint HR

キャリア採用のメリット・デメリットとは?

キャリア採用は新卒採用第二新卒とは異なるメリットとデメリットがあります。メリット・デメリットをしっかりと理解しておくことで、優秀な人材の確保につながります。

キャリア採用のメリットとは?

キャリア採用によるメリットは以下の項目が考えられます。

即戦力となる人材の確保

キャリア採用は即戦力重視型の採用活動となるため、企業戦略に基づいた職種・職務能力を持つ人材を獲得できます。そのため、入社後、即戦力となる活躍が期待できるため、企業目標の早期達成が見込めます。

また、社会人としてのマナーや常識、高度なコミュニケーション能力も有しており、新卒採用第二新卒採用で獲得した人材よりも教育コストがかからないメリットがあります。

広範囲の業務をカバーできる

キャリア採用で獲得できる人材は管理職経験を持つ方も多く、即戦力となる業務遂行能力の他、組織のマネジメントを担うなど幅広い業務をカバーすることができます。そのため、欠員補充として最適の採用活動と位置づけることが可能です。

また、キャリア採用では企業が求める経験やスキル、資格を自由に設定ができるため、より具体的な能力を持つ人材の確保が期待できます。

組織の新陳代謝を促せる

目まぐるしく変化する経営環境に適応するためには、組織内に新たな考え方や発想、価値観を取り入れる必要があります。既存組織の考えや発想を転換させる有効な手段の一つが、新たな人材の投入です。キャリア採用で獲得した人材は、新規事業の立ち上げや組織改革の担い手として採用されることが多いため、組織の新陳代謝を促す効果が期待できます。

また、転職者の多くは向上心が高く、課題解決能力に長けている方なので、積極的に既存組織に介入し、能力を発揮してくれます。

採用から入社までの期間が短い

新卒採用は内定後の半年から1年後の入社が一般的となっており、タイムラグが発生します。しかし、キャリア採用においては、採用段階で他社に勤務していたとしても採用通知から1~2ヶ月で入社が可能なため、迅速な従業員の補充が可能となります。また、募集告知、選考、内定出しまで2週間から1ヶ月以内で行なうことができ、採用期間の短縮化も見込めます。

キャリア採用のデメリットとは?

キャリア採用には広範囲をカバーできる即戦力の人材の確保、通年採用、採用期間の短さなどのメリットがある反面、デメリットも存在します。

離職による採用コストの負担増加

即戦力となる人材は給与水準も高くなり、採用コストも新卒採用第二新卒採用よりも負担額が大きくなります。キャリア採用で確保した転職者がミスマッチを起こし、早期退職するリスクは低いですが、可能性はゼロではありません。万が一、ミスマッチにより数ヶ月で退職に至った場合は、大きな時間的・金銭的損失が発生してしまいます。

大量一括採用ができない

キャリア採用を希望する求職者は転職時期、活動時期も異なり、景気や社会情勢によってもその数が左右されます。そのため、必要となる人材を一度に大量に採用することができないばかりか、希望する人材が見つからないケースも考えられます。

さらに成果を残している優秀な人材ほど在籍企業でも優遇を受けていることが多く、そもそも転職を希望していないことも考えられます。そのため、新卒一括採用と異なり、大量に一括採用ができないデメリットがあります。

現場が混乱する可能性もある

キャリア採用は、退職による人員補充を目的としている一方、新規事業や新プロジェクトの立ち上げに適した人材の確保を目的にしている場合があります。その際、企業風土に染まっていない転職者が入社することにより、企業風土に馴染めない、事業環境に打ち解けられない可能性があります。

また、新サービスの立ち上げを目的に入社した転職者は、既存の社員との衝突や摩擦のきっかけともなり、現場を混乱させる要因にもなり得ます。そのため、採用する企業は採用段階から希望する人材をしっかりと明記し、面接などで担うべき役割を十分に説明するなど、意思疎通が必要不可欠となります。

キャリア採用で心がけたいポイントとは?

キャリア採用で優秀な人材を確保するためには、募集要項の書き方や募集しやすい職種・職務、キャリア採用で注意したいポイントを心得ておく必要があります。

キャリア採用の募集要項の書き方

優秀な人材を確保するためには、給与や福利厚生などの待遇面をしっかりと明記する必要があります。なぜなら優秀な人材ほどワーク・ライフ・バランスを重視しているからです。そのため、休日休暇の内容も特別休暇や介護休暇、女性求職者向けの産前産後休暇など、休暇内容の詳細を記載しておかなければいけません。

また、商社など転勤が多い企業に至っては、社宅・独身寮の有無、転勤時の別居手当など職種や業務内容に見当たった待遇がなされているかを記載するように心がけましょう。

さらに求める人材像や経営理念、事業紹介の他にも選考プロセスを記載することも大切です。これらの記載は求職者の心理的ハードルを下げ、面接時に企業・求職者ともに情報の相互発信のきっかけとなります。また、選考プロセス上で想定される自社への質問と応答については、「F&Q」や「よくある質問」などに掲載しておくことで、貴重な面接時間を浪費せずに済みます。

キャリア採用は募集職種に自社が求める知識・経験などのスキル、保有資格を自由に設定することができます。人気企業であればあるほど、キャリア採用を希望する求職者も多く、人事の負担も大きくなります。そこで、確保したい人材の保有スキルを明記しておくことで、求職者の選抜を行なえます。

キャリア採用で募集しやすい職種とは?

キャリア採用は即戦力となる優秀な人材を確保するための採用活動です。そのため、専門性の高い職種が対象になりやすいといえます。事業戦略の中核を担う経営企画職は将来の企業のトップを担う幹部候補となる人材として採用されることも多く、優秀な人材が対象となります。また、ベンチャー企業やスタートアップ企業においては、若い世代で経営企画を担える人材が少ないため、経営企画職のニーズが高いといえます。そのため、キャリア採用で募集しやすい職種といえます。

人事職は、採用活動はもちろん、従業員の生産性向上労働生産性の向上策も担う重要な職種であり、経営環境にも深く影響を与えます。そのため、経営資源の一つであるヒトを扱う職務は長年の知識と経験が不可欠のため、人事職もキャリア採用の対象となりやすい職種といえます。

同じコーポレイト部門の財務職も企業経営の生命線となる資本を管理する重要な職種のため、知識・経験を重視する傾向にあります。その他にも、専門性の高いソフトウェアエンジニアやゲーム開発エンジニア、DCGデザイナー、大手商社でニーズが高い事業部長以上の役職経験を持つ人材なども、キャリア採用の対象となりやすいといえます。

キャリア採用での注意したいポイント

キャリア採用は新卒採用第二新卒採用と異なり、知識・経験豊富なキャリアを持つ求職者が対象です。そのため、書類選考や面接では注意しておきたいポイントがいくつかあります。

ジョブホッパーの対応について

ジョブホッパーとは、2~3年という短期間に転職を繰り返す求職者、また明確なキャリアパスを持たずに転職を繰り返す求職者を指します。従来、短期間に転職を繰り返す求職者は否定的な見方がされていましたが、肯定的な見方もされるようになりました。

短期間で転職を繰り返す求職者には、主に3種類あります。以下のような人材です。

  1. キャリアビルディングを志した成長の早い人材
  2. 企業の倒産や家族事情によって退職を余儀なくされた人材
  3. 明確なキャリアパスを持たずに就職活動を繰り返す人材

1の求職者は短期間で成果を上げる、即戦力化になる、フットワークが軽い、論理的思考力があるなどの特徴があります。そのため、採用後も即戦力となる優秀な人材である可能性が高いといえます。

2の求職者は優秀な人材である可能性もありますが、家庭事情による退職であれば、特殊な条件(介護や育児など)での採用を求める方もいらっしゃるので、面接時に確認しておくと良いでしょう。

3の求職者に関しては、面接時に論理的な回答ができるかどうかで1、2との差を見極めることができます。前職の退職理由がネガティブな理由である、他責にする、回答に一貫性がないなどの特徴があれば、採用を見送るべきといえます。

学歴重視による選考

大手企業では学閥が未だに存在しており、年功序列の縦社会構造になっている企業も多い傾向にあります。そのため、職務経歴書よりも学歴を重視してしまう採用担当者も少なくありません。

しかし、学歴はビジネス上の仕事力や地頭力とは関係がなく、高学歴だからといって優秀とは限りません。キャリア採用では即戦力となる人材が対象となるため、学歴は参考程度にしておき、職務経歴書や達成した成果に基づいた採用を行ないましょう

面接時の姿勢に要注意

採用担当者がキャリア採用の面接に望む際は、面接時の姿勢に注意を払う必要があります。特にキャリア採用の対象となる人材は、競合他社はもちろん、現在勤めている企業にとっても必要な人材です。自社に来てもらうためには、採用担当者を通して、自社の魅力を伝えなければいけません。

それは面接時の会話内容だけでなく、採用担当者の態度や口調、姿勢にも顕著に表れます。自社が求める求職者でなかったとしても、相手を見下したような態度や口調、表情は自社のマイナスイメージを与えてしまいます。

さらに不採用となった人材が自社の取引先や競合他社に転職する可能性もあります。面接中・面接後の対応次第では、企業の実績にも悪影響を与えることもあると肝に銘じておきましょう。

まとめ

  • 時代の流れや雇用形態の多様化により、優秀な人材の確保が急務となっており、キャリア採用は欠かせない採用活動に位置づけられています。
  • 採用担当者は複雑化する採用の定義をきちんと理解し、優秀な人材を確保する経験値を蓄えなければいけません。
  • 今後もキャリア採用の対象となる求職者は増加すると考えられ、転職サイトや転職エージェントの活用も検討しながら、より精度の高いキャリア採用を行なわなければいけません。

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