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2018年11月21日(水)更新

採用手法

企業における人材不足が深刻化を増しています。団塊世代が労働市場から退く一方、少子化によって労働市場に入ってくる若い世代は減っており、かつてと比較すると市場が大きく変化しています。 また、PCやスマートフォンが普及し、インターネットを使うことが当たり前になった現代は、就職活動や人材採用に用いるツールが多様になってきました。 そこで、労働市場の変化と、多様化している採用の手法、また、面白い採用方法を手掛けている事例をご紹介します。

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採用手法の変化

人材不足の現代は、企業よりも学生や中途採用者の方が有利な「売り手市場」と呼ばれています。以前と比較すると、人材採用の市場ではどのような変化が起こっているのでしょうか。

待ち→攻めの採用

優れた人材を確保するために、各企業の採用活動はかつての「待ちの姿勢」から、積極的に行う「攻めの姿勢」へと変化しています。

HR総研の「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果によれば、学生の約半数が2社以上から内定を得ているのに対し、企業は多くの学生から内定を辞退されてしまい、採用予定人数を確保できていない現状があります。そのため、企業の採用行動は、求職者の行動に頼る「待ちの姿勢」から、企業側からも積極的にアプローチする「攻めの姿勢」へと変化しています。

【出典】「逆OB訪問」「逆求人」、就活戦線に異変あり

エントリー型採用からオファー型採用

これまでの採用形態は、企業に対して求職者がエントリーするのが一般的でした。一方、現代は求人サイトに登録されている人材を検索し、企業からオファーする逆求人の採用形態をとる企業も増えてきています。

例えば、株式会社i-plugが運営する「OfferBox」では、さまざまな条件でニーズやターゲットにあった求職者を検索でき、一人一人のプロフィールをじっくりみながら求職者を選ぶことができます。また、求職者と直接コンタクトができ、会うことができるのも特徴です。

【資料ダウンロード】新卒ダイレクトリクルーティングサービス OfferBox(オファーボックス)の特徴

短期決戦

応募から内定までの学生と企業の負担を軽減するため、採用活動の短縮が行われました。経団連参加企業の会社説明会など、採用活動の解禁は3月1日で、面接など選考の解禁は6月1日です。採用活動が3カ月という短期決戦となっており、各企業も対策を行っています。

早期接触

採用活動が短期決戦になることから、早く接触することで企業を知ってもらい興味をもってもらうことを目的に、インターンシップによる職業体験など学生への接触を前倒しで行い、早く内定を出して囲い込もうとする企業が増えています。

レジェンダ・コーポレーションの「新卒採用担当者調査」によれば、2014年にインターンシップを導入している企業の割合は43.8%だったのに対し、2015年には52.8%に増加しています。

【出典】「インターンシップ」の現状と課題 【前編】

都市部→郊外や地方

近年の新卒採用では、都市部の企業が郊外や地方の学生を積極的に採用するようになってきています。また、地方の企業もUターンやIターンを積極的に進めています。企業単独ではなく、行政機関とタイアップして、地方出身者の地元回帰や、都市部の学生を地方に呼ぶために積極的な採用活動が行われています。

例えば、大阪経済大学では、例年1~2割程度の学生が地元へのUターン、または、地方へIターンして就職することを視野に学生の就職活動を進めています。

【出典】No.6 地方企業のUターン・Iターン採用が積極化

母集団形成の難航

優秀な人材を効率よく採用するためには、採用を希望する一定数の母集団を形成する必要がありますが、売り手市場であり、若い世代の人口が減少している現代は母集団の形成が難しくなっています。

新卒採用の場合は大学にアプローチしたり、求職サイトに登録したりすれば一定数の母集団は形成できます。一方、中途採用は求職者がどこにいるのか定かではありません。求職サイトに情報を求めればある程度の母集団にアプローチできますが、求める人材がどれだけいるかは不透明です。

採用ブランド力

学生側が企業を選択する際の基準は、「人気企業ランキング」に掲載されているような有名企業であることが多いのが実情です。採用ブランド力がない中小企業にとって、優秀な人材の確保が難しくなっており、「優秀な人材」の採用を巡って企業間で激しい争奪戦が繰り広げられています。

採用ブランド力を上げるために、近年では「自社メディア」を運営する企業が増えています。例えば、サイボウズ株式会社では、「サイボウズ式」という自社メディアを運営しています。 ウォンテッドリーが提供する、人事・採用担当者向けの情報発信メディア「人事アンテナ」の「オウンドメディアは、最高の採用ツールでもある。『サイボウズ式』初代編集長・大槻幸夫氏に訊く(前編)」によれば、「『サイボウズ式』を見て、それをきっかけに来てくれる学生さんが明らかに増えました」とし、2016年採用では3,000人ほどの応募者に対し、37人が「サイボウズ式を知っていた」と答えています。

【出典】「サイボウズ式」初代編集長・大槻幸夫氏に訊く(前編)

HR Techの活用

後述に上げている採用手法の多岐化も含め、求人倍率が上昇し続け労働人口も減少の一途をたどる中、より採用活動を効率化しようと採用領域にもテクノロジーを活用する波が訪れています。

具体的には、面接日程の調整など、採用活動中重要なオペレーション業務について自動化を行う他、採用手法毎のROI(投資対効果)を計算し、自社に合った採用手法がわかり、最近ではAI(人工知能)が搭載され書類選考の通過確率が自動で出てくるような採用管理システムが誕生しています。

これにより人事担当者は面接や面談など、候補者と相対するようなコア業務や、投資対効果の向上を図るような戦略の策定・改善の業務に従事する時間を捻出する事ができる他、情報が一元管理され面接内容の最適化など、採用力強化をはかることができるようになりました。

【関連】いま「HRテック」が注目される背景と、これからの人事に求められる役割/BizHint HR

手法の多様化

従来、採用といえば求人情報誌や求人広告、合同説明会などが一般的でしたが、インターネット時代に入り、求人サイトやSNSの活用、インターンシップ制度など、求人採用における手法やツールが多様化してきています。 それぞれの手法には特徴があり、活用する学生のニーズも異なるため、状況やニーズに合ったツールの選定が大切です。

また、必ず効果検証のできるように、前述のような採用管理システムの導入は必要不可欠になりつつあります。

【関連】企業の人材確保に必要な、新卒採用の様々な方法と新しいトレンドを紹介/BizHint HR

採用手法一覧

それでは、実際の採用手法をご紹介していきます。

①求人媒体の活用

就職情報誌や新聞などの紙面や、Webなどの求人媒体を使う方法です。 かつて、就職情報誌は有料のものが一般的でしたが、近年は駅やコンビニエンスストアなど、フリーペーパーによる求人広告が数多く配布されています。ビジネス誌などはホワイトカラーやマネジメント職などを募集しており、フリーペーパーはサービス業のアルバイトやパート系の求人募集が多く掲載されている特徴があります。

また、近年はWeb求人媒体が充実しています。その種類は多種多様で、「新卒採用向け」「若手採用向け」「女性の採用向け」「エンジニア向け」「ガテン系向け」「クリエイター向け」「高額報酬向け」など、さまざまな求人サイトがあります。

【関連】求人媒体とは?求人媒体って効果あるの?比較と一覧! / BizHint HR

②ダイレクト・リクルーティング

ダイレクト・リクルーティングは、求職者に対し、企業から積極的に声をかけたり、スカウトしたりする「攻め」の採用方法です。

例えば、株式会社ビズリーチの「Bizreach」や株式会社リクルートキャリアの「リクナビNEXT」などのサービスでは、求職者が登録したデータベースをもとに、企業が求めている人材に対してスカウトできる仕組みがあります。 また、LinkdInはビジネスに特化したSNSで、オープンな「自己紹介ツール」です。履歴書や職務経歴書に書くような情報が公開されているため、採用したい能力を持った人材に直接アポイントを取ることができます。

【関連】「ダイレクト・リクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ / BizHint HR

③ハローワーク

厚生労働省が管轄している人材紹介サービスを利用する方法です。 所定の求人票を提出すれば無料で利用することができます。求人者との最初の接触はハローワークが行うため、手間がかからないメリットもあります。また、ハローワーク経由で採用すると助成金や給付金が適用されるケースもあります。 雇用の確保を目的とした機関であるため、「失業者が多い」のが特徴です。

④人材紹介・ヘッドハンティング

人材紹介会社のサービスを利用する方法です。 人材紹介会社に「こういう人材を採用したい」と条件を伝え、紹介してもらいます。求職者とのやりとりは人材紹介会社が行う分コストは掛かりますが、面接や選考など、採用に至る手間は軽減できます。

また、新規事業や新拠点など、求人を社内外に知られたくない非公開の採用も、人材紹介会社を利用すれば可能になります。 優れた人材を採用するためには、人材紹介会社との出会いが必要です。

【関連】人材紹介会社とは?メリット・デメリットと利用時のポイント / BizHint HR
【関連】「ヘッドハンティング」とは?外資系や大手などを取り扱うヘッドハンティング会社を徹底比較 / BizHint HR

⑤人材派遣

人材派遣会社が雇用している人材を派遣してもらう方法です。 給与や社会保険の支払いは人材派遣会社が行い、企業側は「時給×実労働時間」の派遣料金を支払います。専門的な職種ほど派遣料金は高くなります。人材の年齢や性別、特定の人の指定は認められていません。

人材派遣の活用方法としては、ITや医療関係など、専門性が高く既存社員を教育するのが難しい領域で活用する方法と、逆に、研究や商品開発など、企業のコアとなる専門性が高い業務は社員が行い、ルーチンワークは派遣社員にお願いする方法などさまざまです。人材派遣会社のコンサルタントと相談することで、適材適所に派遣社員を配置することができます。

⑥ソーシャルリクルーティング

FacebookやTwitterなどのSNSを活用して人材を採用する方法です。 企業がSNSで公開している採用情報を求職者が参考にしたり、求職者が公開している強みやスキル、考え方などを企業が参考にしたりと、お互いがコミュニケーションを図り、理解を深められるのが特徴です。 近年では、Facebookに採用専用ページを設置している企業も少なくありません。

【関連】ソーシャルリクルーティングとは?事例やメリットをご紹介! / BizHint HR

⑦リファラルリクルーティング

社員が持っている人脈やネットワークを元に、人材を紹介してもらう方法です。すでに社員との人脈や信頼関係があることから、紹介を受けた時点で企業とのマッチングが良好である可能性が高く、人柄的にも期待できます。

株式会社メルカリでは、リファラル採用に積極的に取り組んでいます。入社してほしいと思う友人と食事をする際は料金を会社が負担するなど、「ゆるやかに応援してくれる人」を増やし採用につなげています。

【参考】メルカリのぶれない採用基準とは / サイボウズ式

【関連】リファラル採用の意味とは?メリットや組織に根付かせるポイントを解説 / BizHint HR

⑧自社採用ページ

企業のホームページで採用の告知を行う方法です。求人サイトや検索による流入、SNSのリンクなどが求職者との接点です。 就業時間や労働条件など、一辺倒な情報しか掲載することができない外部の求人サイトと異なり、企業の思いや入社後のイメージ、従業員のインタビュー記事など自由に掲載できるため、コンテンツの作り方によって求職者の興味を引いたり、採用ブランド力を高めたりすることができます。

⑨縁故

取引先や地域の有力者、親族など、企業と何らかの関わりがある人からの紹介で人材を採用する方法です。 「コネ採用」とも呼ばれ、「公平性に欠ける」という意見もあり、大企業や公務員では禁止しているところもあるものの、積極的に取り入れようとした企業もあります。

岩波書店は2013年度の採用に縁故採用を取り入れ、物議を醸しました。学生からは「不公平だ」という意見も寄せられ、厚生労働省も調査に乗り出しました(その後、「問題ではない」と判断を示しました)が、「『ハードルがあるなら超えてやろう』とする、学生の熱意や意欲を把握するのには効果的」との意見もありました。

【参考】岩波書店の“縁故採用宣言”が、「なるほど納得」な理由 / BLOGOS

⑩合同説明会

複数の企業がブースを出展し、就職希望者に会社を説明することによって採用機会を作る方法です。ハローワークや商工会議所など公的機関が開催するものから、地域の企業団体や転職メディアが主催するものまで、さまざまな合同説明会があります。 求職者と直接接触できるため、企業の魅力や働きやすさなどを積極的にアピールできる他、求職者からみても企業で働く人から直接話を聞き、雰囲気を感じられるメリットがあります。

【関連】新卒採用で合同説明会に参加!メリットや説明会の種類とは/ BizHint HR

面白い採用手法

これまで紹介してきた方法以外にも、近年はさまざまな採用手法に取り組む企業が増えています。話題性があることから採用ブランド力の構築につなげることもできます。いくつかの事例を紹介しましょう。

面白法人カヤック/1社だけの合同説明会

株式会社カヤックでは、「1社だけの合同説明会」というイベントを開催しています。社員が各自でブースを出展し、自社の仕事やサービス、働き方など、社員から直接聞くことができるイベントです。 2017年のイベントでは「新卒が語る『ここがダメだよカヤック』」「新入社員のとき、1年間毎日何か作品を作っていたら好きな案件に関われるようになった」など、新入社員が入社後に抱きそうな悩みが先輩社員から聞くことができます。 過去のイベントでは、参加者から「具体的な仕事内容とかよく分かった」などの声がTwitterに上がっています。

【参考】1社だけの合同説明会/面白法人カヤック

サイバーエージェント/弟子入り採用

株式会社サイバーエージェントでは、経営陣や子会社の社長など、次世代の経営者人材を師匠として「弟子入り」し、ビジネスの現場を体験し、先行で選ばれた候補者を採用する「弟子入り採用」というプログラムを開催しています。 「広告」「ゲーム」「メディア」「スタートアップ」など、さまざまな分野の師匠のオフィスに出向き、2日間弟子入りします。師匠に密着し、会議への同席、アシスタント業務などを行いながら、師匠から課されたお題に対しアウトプットを提出します。 師匠から「優秀」と選ばれると、求職者は最終面接に進み、弟子入りした部署で働く機会を得ることができます。

【参考】弟子入り採用 / 株式会社サイバーエージェント

ビースタイル/変態×真面目採用

株式会社ビースタイルでは、「変態×真面目採用」という取り組みを行っています。 働いた経験が少ない新卒者を採用してきた経験から、「一緒に働いてみないと分からない」「面接慣れした演技ではぴったりなマッチングが不可能」だとし、履歴書や面接を廃止。「課題制作」「適性検査」「飲み・ランチ」「プレゼン」といった、面接以外の方法で、「見て聞いて体験して、自分で選ぶ就職活動」を行っています。

【参考】ビースタイルの新卒採用。すべてお見せします。

三幸製菓/日本一短いES

三幸製菓株式会社では、「日本一短いES」という取り組みを行っています。 エントリーシート(ES)に対し「最初に必要なのは連絡先だけで十分」とし、一般的なエントリーシートで用いられている個人のプロフィール・連絡先・志望理由・取組みなどなどを一切削除。特設サイトで「おせんべいは好き?」「ニイガタで働ける?」というシンプルな質問に「Yes」と答えると、メールアドレスを入力できるようになっています。

キャリコネニュース「10秒で終了する『日本一短いES』 三幸製菓『エントリー時に志望動機を聞くのはナンセンス』」によれば、公開から数日で数百件の応募が寄せられたそうです。 また、Twitterでは「何に使うかよくわからないES書かされるよりは100倍マシだわ」「実際必要量はそんなに多くないよね」「おもしろいことやってたんだな~」などの声が上がっています。

【参考】10秒で終了する「日本一短いES」 三幸製菓「エントリー時に志望動機を聞くのはナンセンス」

サイボウズ/複業採用

サイボウズ株式会社では、本業を持ちながらも複業で働く人を積極的に採用しています。 「Sub」という意味での「副業」ではなく、「Multi」という意味での「複業」なのが特徴で、サイボウズ青野社長が「note」に出稿した「『副業禁止』を禁止しよう」という記事によれば、企業側のメリットとして、「人材不足解消」「生産性向上」「マネジメント力の向上」「ベテランの再活躍」「イノベーションの創造」「個人の自立を促進」などがあるとしています。

【参考】複業採用 :サイボウズ 採用情報(新卒・キャリア) / サイボウズ株式会社

まとめ

  • 現代は人手不足が叫ばれる「売り手市場」。「待ちの姿勢」から「攻めの姿勢」になっている
  • インターネットやSNSなど、求人におけるさまざまなツールを使えるようになってきた
  • 市場やツールの変化によって採用の手法も多様化してきている。状況に合った採用方法を選ぶ必要がある
  • 他社が行っていない「面白い採用方法」を用いることで、採用ブランド力を構築でき、期待する求職者と出会うことができる

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