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2019年9月27日(金)更新

構造化面接

「構造化面接」とは、あらかじめ定められた同一の評価基準や質問を用い、マニュアルに沿って進める画一的な面接のことを言います。これにより、面接官の主観やバイアスによって評価が左右されることが減り、候補者の合否を正当に判断できるとされています。そして、マニュアル化や一律の評価基準により、面接だけでなくその後の評価の管理などの効率化にもつながるなど、新たな手法として、近年注目を集めています。本記事はこの「構造化面接」について、そのメリットやデメリット、そして導入する際のポイント、活用事例まで詳しくご紹介します。

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構造化面接とは

「構造化面接」とは、応募者に対し、あらかじめ定められた同一の評価基準や質問を用い、マニュアルに沿って進める画一的な面接のことを指します。あらかじめ決まった質問事項はあっても、その場でのコミュニケーションから生まれる派生的質問や対話などを用いて進められる一般的な「面接」とは、真逆とも言えます。

近年では、Google社などでも採用されていることからも注目を集めている、面接手法の一つです。

なぜ構造化面接が注目されているのか?

それでは、なぜ構造化面接は注目されているのでしょうか?

一般的な採用面接では、大枠の評価基準や必須の質問項目などは決まっているものの、担当する面接官の主観や心理的作用によって、その評価にばらつきが出てしまうこともあります。

その点、マニュアル通りに一貫した面接を行う「構造化面接」では、その公平性が保たれ、本当にその職種に適した人物かどうかを客観的に見極めることが可能となるのです。

構造化面接のメリット・デメリット

それでは、構造化面接を実施するメリット、そしてデメリットについても詳しく見てみましょう。

構造化面接のメリット

まず、メリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 面接官の主観により、評価が左右されにくい
  • 雇用のミスマッチを防げる
  • 面接官のスキルを問わず、一貫した面接を実施できる
  • 面接後の評価管理もしやすく、業務効率化も可能
  • 入社後のパフォーマンスを予測しやすい

人事評価を行う際、無意識に対象者の出身大学や過去の成績などのスペックに強い印象を受け、能力以上の評価を与えてしまう等、様々な「人事評価エラー」が発生することがあります。しかし構造化面接は、このような面接官の主観やバイアスに影響されにくく、統一された質問項目を用いて画一的な面談を実施可能です。それにより、雇用のミスマッチも防ぐことができると言われています。さらに、一般的な面接より「入社後のパフォーマンスを予測しやすい」とされる研究結果もあります。つまり、構造化面接を導入することにより、採用確度を高められるのです。

また、面接官のスキルを問わないため大人数の面接にも対応しやすい、指標が一貫しているため評価の管理や分析がしやすいという側面もあります。これらのシステム化により、業務効率化やコストダウンにも繋がるでしょう。

【参考】ガイド: 構造化面接を実施する”Googleの社内調査結果を読む”/Google re:Work

構造化面接のデメリット

次に、構造化面接のデメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 得られる情報が限定される
  • 応募者の見えない一面や、人となりを把握しにくい
  • 機械的な雰囲気の面接となり、応募者にマイナスイメージを与えることも

質問内容が事前に決まっているため、それ以上の情報が得にくいことや、応募者との自然なコミュニケーションから得られるであろう人となりや履歴書上では分からない一面などの発見が難しい事が挙げられます。

また、マニュアルに沿って進められる面接は、どこか機械的な印象を与え、「社員との人間関係」や「社風」を気にする人材にとっては、マイナスの印象に働く場合もあります。

構造化面接を取り入れるにあたってのポイント

それでは、構造化面接を取り入れるには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。

1.求める人材の要件を明確化する

まず、自社がどのような人材を求めているのかを明確にすることからスタートします。現場ではどのような人材が必要なのか、人材採用についてどのような課題を持っているのか、社内で実際に成果を挙げている人はどのような行動特性を持っているのかなど、多角的に現状を分析し、採用基準を固めます。

その上で、例えば「リーダーシップ」「自社の社風とのマッチング」「業務に必要なスキル」などの大枠を定め、さらに詳細で具体的な要件を策定します。その際、現場や人事担当者のみで進めるのではなく、経営陣を含め、皆が納得感のある人物像を作り上げることが重要です。

【関連】求める人物像を定めるためのポイント/BizHint

2.「行動特性を知る質問」「仮説をもとに行う質問」を使い分ける

人材の要件が確定したら、その要件を知るためにどのような質問が有効かを検討します。

構造化面接で用いられる質問には、「行動特性を知る質問」「仮説をもとに行う質問」の大きく2種類があります。まず「行動特性を知る質問」は、過去に業務上で応募者がとった行動について尋ねるもの。そして「仮説をもとに行う質問」は、あらかじめ設定した仮説において、応募者ならどのような行動を取るのかを問うものです。

行動に関する質問は、例えば「過去に、あなたの行動が組織にポジティブな影響を与えた経験はありますか」というような、シンプルに過去の経験を問うもの。「仮説をもとに行う質問」は、「あなたは、○○というサービスを提供しているチームリーダーです。︎◻◻のような状況になった場合、あなた自身はどのように行動し、メンバーにはどのような行動を促しますか?」など状況を仮定した上での行動を問う質問です。

自社の要件と照らし合わせ、どちらの質問を利用するのか、どのように組み合わせるのかなどを検討しましょう。

【参考】人材開発研究大全:中原淳 著/東京大学出版会

3.起点となる質問とフォローアップの質問を用意する

具体的な質問を作成する際には、判断したい要件ごとに、まず「起点」となる質問と、そこから派生し、回答によってある程度調整が可能な「フォローアップ質問」を用意しましょう。情報量が限られるという点がデメリットとして挙げられる構造化面接ですが、このフォローアップ質問をうまく活用することにより、詳細な情報を引き出すこともできます。

例えば、構造化面接を積極的に取り入れているGoogle社の、構造化面接のガイドを見てみると、以下のような質問の組み合わせが例示されています。

【起点となる質問】

  • あなたの行動がチームに良い影響を与えたときのことを話してください

【フォローアップ質問】

  • あなたの第一目標は何でしたか?
  • その目標を立てたのはなぜですか?
  • 同僚はどのように反応しましたか?
  • 今後はどのような計画がありますか?

【出典】ガイド: 構造化面接を実施する”行動についての質問と仮定に基づく質問の違いを理解する”/ Google re:Work

4.判断基準を明文化する

最後に最も重要なのは、得られた回答に対する「評価」の公平性です。大枠の評価基準や質問内容を決めてマニュアル通りに面接しても、その回答に対する評価を面接官に委ねては、一般的な面接と変わらない結果を招いてしまいます。

まず、規定の質問に対し、想定される回答を考察します。その回答に対し、4〜5段階の評価を設定。何ができるのか、どのようなプロセスで業務を行うのかなど細かい状況を想定し、誰が見ても迷わず評価を選べるよう、明確で公平な評価基準を設定する必要があります。

Google社では、「水中用籠編み職人」を面接する際の評価基準を、例として以下のように設定しています。評価項目3つ・判定4段階で、例えばその製作のステップにおける計画性や配慮、そしてそれが結果どうなったのか、マイナスな部分もどこまでが許容範囲なのか等という部分が細かく設定されています。

【出典】ガイド: 構造化面接を実施する”ルーブリック(評価基準表)を使用する”/Google re:Work

構造化面接法の導入・活用事例

最後に、構造化面接法が導入された事例を紹介していきます。

とある大手金融系企業A社は、もともと別な企業であった2社が合併することによって誕生しました。2社間では採用に関するスタンスが異なっていたため、このA社で新たに新卒採用や中途採用をおこなうにあたり、評価基準や選考フローなどの統一が必要になったのです。

そこで、それまで「自社の雰囲気に合うか」といった抽象的な基準で採用していた方法を取りやめ、「成果を出せる人材」「ストレス耐性の高い人材」に共通した明確なコンピテンシー(行動特性)を評価基準として採用。評価基準をもとに質問例を考案し、面接者に対するレクチャーやトレーニングを経て、構造化面接を導入しました。

その結果、A社を志望する候補者へ「何が求められているのか」が明確に伝わるようになり、A社が求める人材の志望度が上昇し、採用確度が高まったとのことです。

まとめ

  • 構造化面接は採用確度を高めるのはもちろんのこと、マニュアル化やシステム化によるコストダウンも期待できます。
  • 構造化面接を取り入れる際には、まず自社の現状を分析し、実際に成果を上げている人材の行動特性などを把握。求める人材要件を、詳細に設定するところから始められます。
  • 構造化面接で使われる「行動特性を知る質問」「仮説をもとに行う質問」、またその質問において「起点」となるものと、それをフォローアップする質問など、あらかじめ質問内容を綿密に精査しておくが必要です。

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