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働き方改革のメリット・デメリットは?抑えておくべきポイントも解説

Logo markBizHint 編集部 2019年2月25日(月)掲載
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「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」として政府が推進する「働き方改革」に関して、企業が対応する上ではそのメリット・デメリットの双方を把握することが重要です。本記事では、働き方改革のメリット・デメリットを企業側・従業員側から見た上で、働き方改革を企業が成功させるために留意すべきポイントについて解説します。

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そもそも「働き方改革」とは?

「働き方改革」とは、少子高齢化や生産性の低迷といった日本経済の課題を解決するための、政府が推進する「働き方や労働のあり方」における抜本的な改善・改革を指しています。

日本の総人口は2050年には1億人を下回り、高齢者の増加や低い出生率を背景に、今後ますます労働人口が減少することが予想されます。働き手である若者の人口が減ることは、国としての生産性や経済力も低下していくということです。

将来的な生産年齢人口減に伴う労働力不足の解消のためには、次の3点を実現していく必要があります。

  • 労働市場に参入していない高齢者や女性を活用し、働き手を増やす
  • 出生率を改善し、将来の働き手を増やす
  • 労働生産性を上げる

これらを実現するため、働き方改革では以下を3つの柱としています。

  • 長時間労働の是正(労働生産性の向上、ワークライフバランスの改善)
  • 正規・非正規の格差改善(労働生産性の向上)
  • 単線型のキャリアパスの見直し(ライフステージに合った働き方の実現)

つまり、働き方改革とは、日本が抱える将来的な労働力不足という問題を踏まえ、少ない生産年齢人口の中でも日本経済を回していくために、労働環境を整えていく改革です。

【関連】働き方改革とは?目的や背景、今後の施策や企業事例まで徹底解説/BizHint

「働き方改革関連法」は2019年4月に施行

2018年6月には、8つの労働関係法の改正法である「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下、働き方改革関連法)」が成立、そして2019年4月1日から順次施行されています。

具体的な内容としては時間外労働の上限規制の導入、年5日の年次有給休暇の取得義務化同一労働同一賃金の導入などが含まれています。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。
【関連】働き方改革関連法案の概要や成立までの流れ、施行時期などをご紹介/BizHint

働き方改革のメリット

それでは、働き方改革を推進していくことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

企業側と従業員側とで、それぞれ見ていきます。

企業側のメリット

企業側のメリットとしては、生産性の向上、人材の確保・離職防止、従業員の健康管理などが挙げられます。

企業全体の生産性向上

働き方改革では長時間労働の見直しが含まれています。従来の業務を残業に頼って終わらせるのではなく、業務効率化によって所定の労働時間内に行うことが求められます。

結果として、社員一人ひとりの業務意識の改善や労働生産性の向上につながり、企業全体としての生産性も向上していきます。

【関連】生産性向上のために企業が行うべき施策や取組事例をご紹介/BizHint

優秀な人材の確保と離職防止

多様で柔軟な働き方ができる企業体制が整えば、企業イメージのアップにもつながり、優秀な人材の確保・維持に効果的です。

企業から引く手数多な優秀な人材にとって、給料の大きさはもちろんですが、自分の希望する働き方ができるのかは重要なポイントとなるでしょう。大企業に優秀な人材を取られがちな中小企業にとっても、人材確保のための有効なアプローチとなります。

離職防止の面でも、出産・育児といった社員のライフスタイルに合わせた働き方が実現できれば、社員の定着率の改善につながります。

【関連】「採用戦略」とは?自社の求める優秀な人材を採用するための4ステップ/BizHint
【関連】社員の離職を防止するために、企業としてできる対策法をご紹介/BizHint

従業員の健康管理

従業員に健康な状態で働いてもらってこそ、会社の生産性を保つことができます。

長時間労働が是正されていけば、過労死といったリスクが軽減されます。身体面だけでなく、労働時間の削減や有給休暇の取得により、うつ病の抑止やストレス軽減といったメンタル面の健康においてもプラスとなります。

【関連】健康経営とは?社会的背景やメリット、取り組み事例まで徹底解説 /BizHint

従業員側のメリット

従業員側のメリットとしては、ワークライフバランスや多様な働き方の実現、非正規労働者の改善待遇が挙げられます。

ワークライフバランスの実現

長時間労働が是正され、柔軟な働き方ができる職場であれば、従業員はより最適なワークライフバランスを追求することができます。

具体的には、ノー残業デーやフレックスタイム制を活かし自由時間に社外の習い事に通う、有給休暇を取得して旅行を楽しむといったことが可能になります。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?正しい意味や取り組み、企業事例などご紹介/BizHint

ライフスタイルに合わせた多様な働き方

各従業員が多様な働き方ができれば、それぞれのライフスタイルに合わせて仕事に取り組むことができます。

例えば、女性が結婚・出産を機に退職せずとも、同じ会社で働き続けることができます。仕事と育児の両立が実現も可能です。

【関連】働き方改革を推進して生産性向上に繋がる「働き方」とは?/BizHint

非正規労働者の待遇改善

働き方改革では「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」も大きな施策の一つです。主に非正規労働者の処遇改善が求められることになります。

これまで雇用形態の違いだけで正規労働者との賃金格差に苦しんでいた人たちが、より安心・安定的に働き続けられる環境が作られます。

働き方改革のデメリット

メリットに続いて、働き方改革のデメリットも見ていきます。デメリットを把握した上で、長期的な視野で改革を進めていくことが必要です。

企業側のデメリット

企業側のデメリットとしては、管理職への負担増大、各種制度整備の必要性、法律違反のリスクなどがあります。

管理職への負担が増える可能性がある

同じ業務量かつ同じ人員で、短絡的に労働時間だけを減少すれば、その分のしわ寄せは誰かがカバーしなくてはなりません。そのしわ寄せ先となる可能性が高いのが管理職であり、結果として管理職に負担が集中します。

労働時間の短縮は、社員の業務効率化に先立って、あるいは並行して行うことが重要です。

各種制度の整備が必要になるケースも

働き方改革による多様で柔軟な働き方を導入するためには、企業側は制度を見直し整備する労力が必要になるケースがあります。例えば、「たくさん残業をしている社員を頑張っている・優秀とする」体制ではなく、「より仕事の内容・結果で評価できる」体制づくりや、人事評価制度を考える必要が出てくるかもしれません。

また、フレックスタイム制やテレワークを導入しようとすれば、それに合わせた勤怠管理のアップデートや仕事の取り組み方の見直しが必要になるでしょう。

【関連】人事評価制度とは?評価対象や評価手法、企業事例などもご紹介/BizHint

法律違反のリスク

働き方改革関連法では、罰則が設けられている内容もあります。

たとえば時間外労働(残業)の上限規制では、違反した場合は「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。

その他、有給休暇の年5日取得義務化でも、改正内容に従わなかった使用者に対しては、労働基準法違反として30万円以下の罰金刑に処せられることがあるため、注意が必要です。

企業は、しっかりと法律内容を理解し、遵守する必要があるのです。

【関連】「時間外労働の上限規制」をわかりやすく解説!罰則や施行開始時期は?/BizHint
【関連】【有給休暇の取得義務化】企業が把握すべき内容と対応法を徹底解説/BizHint

従業員側のデメリット

従業員側のデメリットとしては、給料の減少、モチベーション低下といった可能性があることです。

給料が減るケースもある

残業代を見込んだ給料で生活水準を保っていた社員にとっては、残業削減によって給料が減ってしまうことになります。結果、その従業員の転職につながってしまうおそれがあります。

モチベーション低下の原因になりうる

従業員に向けて、ただ単純に長時間労働の是正や残業削減を訴えると、それがモチベーションの低下につながることも考えられます。

業務のやり方や人員数を見直さなければ、仕事のできる誰かにしわ寄せが行ったり、「無理を言うな」といった不満が溜まったりしてしまいます。また、無理な残業削減は、人件費の削減が狙いではないかといった社員からの疑心を生むことになりかねません。

【関連】モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介/BizHint

働き方改革の進め方とポイント

働き方改革は法改正を伴う政府主導の施策であり、企業としても対応が不可欠となります。

実際に企業に導入して成功させるためには、留意すべきポイントがいくつかあります。それらのポイントについて言及します。

目的を明確にする

企業によって、従来の働き方のどこに課題を感じていて、どのように改善していくかは異なるため、まずは働き方改革を導入する目的を明確化することが大切です。「政府によって推進されるため仕方なく従う」といった姿勢や助成金目当てで導入を進めると、「22時には全社消灯」のような形だけの施策が先行してしまいがちです。結果、自宅やカフェに持ち帰って仕事をしているというケースも起こっています。

例えば、人材不足で時間内に仕事が回っていない現状があるのであれば、働き方改革の目的は「人材不足の解消による仕事量の適正化」のようになるでしょう。多様で柔軟な働き方を実現するための意識改革や制度の立案、業務フローの棚卸しによる業務の可視化・改善といった施策は、その目的を実現するためのものです。

社内の意識改革

働き方改革は短期的に実現できるものではなく、社内の意識改革を伴う長期的な取り組みであることを留意しなくてはなりません。残業が習慣化している会社で、いきなり定時退社を促す施策を打ち出しても、思うように浸透していかないでしょう。まずは、社員の持っている従来の意識を変えていく必要があります。

社員の意識改革のためには、経営者や管理職が率先して「新しい」働き方(無駄な会議を減らす、時間内に業務を終わらすなど)を実践し、従業員の模範となることが効果的です。

【関連】「意識改革」の意味とは?社員の意識を変える目的や方法、リーダーの役割を解説/BizHint

従業員エンゲージメントを高める施策

働き方改革は労働力不足への対策のひとつと言えますが、従業員エンゲージメントを高めることも重要です。「従業員エンゲージメント」とは、従業員の企業に対する愛着や絆、貢献したいと思う意識を指しています。従業員の職場での居心地の良さを表す「従業員満足度(ES)」とは異なります。

「社員一人ひとりが充実感・高い士気を持って仕事ができている=従業員エンゲージメントが高い企業」では、当然、労働生産性が高く良いパフォーマンスにもつながりやすいことが期待できます。

従業員エンゲージメントを向上させるには、福利厚生や賃金の充実では叶いません。社内コミュニケーションの活性化による信頼感の醸成、チーム・個人における目標設定とフィードバックといった現場のマネジメントが肝要です。

【関連】従業員エンゲージメントとは?企業の取組事例や向上施策、メリットまで徹底解説/BizHint

ITツールの導入・活用

ITツールの導入・活用は、働き方改革に必要となる業務の効率化を後押ししてくれるでしょう。ここでは、2つの事例を紹介します。

RPA(業務ロボット)を導入する

RPAを導入すれば、経理業務や勤怠管理といったバックオフィスのホワイトカラー業務も自動化することができます。

【関連】RPAとは?仕組みやメリット、導入方法や事例、ツールまで徹底解説/BizHint

社内SNSを導入する

社内のコミュニケーションをメールではなく、社内版SNSなどのチャットツールに切り替えることも有効です。

ビジネスチャットツールをを使えば、チームごとのグループ作成や「いいね!」による反応の容易化・可視化など、メールよりも柔軟な機能を扱え、コミュニケーションを円滑にすることができます。

【関連】社内SNSとは?メリットや無料・有料サービスを徹底比較《23選》/BizHint

他社の事例から学ぶ

働き方改革の導入の形は企業によって様々であり、多くの企業が働き方改革の事例を公開しています。自社と近い状況にある企業の先行事例を見ることで、参考になる部分があるかもしれません。

【関連】【働き方改革 成功事例18選】テーマ別に企業の取組内容をご紹介

まとめ

  • 働き方改革にはメリット・デメリットの両面があり、デメリットを把握した上で、長期的な取り組みとして改善を進めていくことが重要です。
  • 働き方改革のメリットには、企業側としては、企業全体の生産性向上、優秀な人材の確保・離職防止、従業員の健康管理などが挙げられる。従業員側としては、ワークライフバランスの実現、ライフバランスに合わせた多様な働き方、非正規労働者の待遇改善などがあります。
  • 一方、働き方改革のデメリットには、企業側としては、管理職への負担集中、各種制度の整備の必要性、時間外労働の法律違反のリスクが挙げられる。従業員側としては、残業削減による給料低下、モチベーション低下のおそれがあります。
  • 働き方改革を成功させるためには、働き方改革の目的の明確化や社内の意識改革の実施、従業員のエンゲージメント向上のための施策実施、ITツールの導入などがポイントです。

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