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2019年8月16日(金)更新

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

【5分で読める解説PDFもご用意】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ルールエンジンやAI、機械学習などの認知技術を取り入れたソフトウェア型のロボットを利用して、これまで人間が行ってきた業務の自動化や効率化を図るものです。本記事では、RPAの基本の仕組みから注目が集まっている社会的背景やメリット、導入方法やツール選定のポイント、導入事例まで分かりやすく解説します。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション) に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ルールエンジンやAI、機械学習などの認知技術を取り入れたロボットを利用して業務の自動化や効率化を図る取り組み全般を指す言葉です。業務の標準化やデジタル化を推進することで、バックオフィスにおけるホワイトカラー業務をはじめとする多種多様な業務を代行させることができます。

近年では高度なAI(Artificial Intelligence=人工知能)を搭載し、人間の反応や判断、挙動の再現が可能なRPAソフトウェアロボットも登場しています。このようなRPAソフトウェアロボットは、人間を補完する形で業務を遂行できることから、デジタルレイバー(仮想知的労働者) と呼ばれることがあります。

●RPAの導入事例をお探しの方は、こちらのページからもご確認いただけます。
RPA導入事例6選【企業や自治体の導入実例を導入効果別にご紹介】/BizHint

●RPAツールをご検討中の方は、こちらのページもぜひご覧ください。
今注目の「RPAツール」比較13選!ツール選定ポイントも/BizHint

RPAの強み

RPAの最大の強みは、作業精度と安定性の高さです。 人間とは違い、長時間労働による集中力の低下もないため、導入部門の生産性を最大限にまで高めることができます。事務作業やルーティンワークが多い部門であれば、 これまで数人がかりで行っていた仕事をたった1台のRPAに任せることも可能です。

各業務における人間とRPAの作業速度の比較やヒューマンエラー(人為的ミス)の多い業務の見極めなど、 RPAに適した業務の洗い出しを行うことで、より効果的にRPAを活用することが可能 となります。

RPAで自動化できる業務一例

RPAで自動化できる業務の一例として、以下のようなものが挙げられます。

業務内容 一例
経理業務 ・会計システムへの売上伝票や領収書、請求書データなどの処理業務
データ分析 ・過去データの分析と予測による受発注業務
・アンケート用紙のデータ入力作業と集計作業
人事業務 ・従業員の勤怠管理や長時間残業に対する警告の自動実行
・派遣社員やアルバイトスタッフの雇用管理
顧客対応 ・問い合わせフォームに対する自動応答と自動処理
営業活動 ・名刺のスキャニングと既存システムへの登録作業
・ライバル製品のWebサイト巡回による情報収集とマーケティング
・顧客情報の管理分析
・見込み客の洗い出しと購買意欲を高めるメッセージの自動作成

RPAに注目が集まっている社会的背景

RPAに注目が集まっている社会的背景には次のようなものがあります。

働き方改革に有効な手段としての期待

【出典】1 高齢化の現状と将来像|平成28年版高齢社会白書(全体版)/内閣府

2015年から2060年にかけて生産年齢人口がおよそ3290万人減少していくと予測されている日本。この予測に対して国全体が大きな危機感を抱いた結果、国内のあらゆる場所で働き方改革という言葉を耳にするようになりました。

働き方改革とは、限られた労働力を有効に活用し、生産性向上を実現させるための取り組みを指します。少人数でより多くの成果を生み出すことができるというRPAの特性が日本政府の提唱する働き方改革の目的に合致することから、近年RPAに多くの注目が集まっているのです。

デジタルデータに関する周辺環境の整備

これまで紙媒体として扱われることが多かった契約書類やアンケート用紙、会議資料などが多くの組織でデジタル化(電子化)されていることもRPAに注目を集める一因となっています。

ITインフラの普及やクラウドシステムの登場、情報通信機器や大容量メディアの低価格化など、 中小企業でもデジタルデータを扱いやすい環境が整備されたことによって RPAの活躍機会が一気に拡大したのです。

RPAの仕組み

RPAは、人間がパソコン上で行っていた業務をソフトウェアのロボットに覚えさせ、そのプロセスを実行していくという仕組みです。一度RPAに業務をインプットさせれば、次回以降はその内容に従い、自動で業務を遂行してくれます。

そのため、簡単なPC作業や大量のデータを用いる事務仕事をはじめとした、定期的に発生する業務の効率化に最適です。業務の標準化を推進することでRPAを広範囲に適用することが可能となります。

この数年の間に高度な認識技術やAIを搭載した製品も登場していることから、従来では難しかった人間同様の判断が必要となる業務への適用など、今後さらに活動の幅が広がっていくことが期待されています。

RPAにできること一例

現在、多くの企業で導入されている一般的なRPAツールには、次のような機能が備わっています。

  • キーボードやマウスなどのパソコン操作の自動化
  • 画面に表示された文字列や図形、色の判別
  • アプリケーションの起動や終了
  • IDやパスワードなどの自動入力処理
  • スケジュールの設定と自動実行
  • 蓄積されたデータの整理や分析
  • システムの異なるアプリケーション間でのデータの受け渡し
  • 社内システムと業務アプリケーションのデータ連携
  • 条件分岐設定やAI機能による適切なエラー処理や自動応答

RPAの特徴

RPAは従来のシステムとは大きく異なる3つの特徴を持っています。

直感的にボットが作成できる

RPAツールの多くはフローチャート形式など視覚的に分かりやすい形で自動化プログラムであるボット(bot)を作成できるようになっています。

また、認識や判定、実行、繰り返しなどの各アクションを、それぞれに対応したアイコンのドラッグアンドドロップだけでフローチャート上に追加することができるなど、直感的に操作することが可能となっています。

既存システムに影響を与えない

新しく何かを導入する際、最も慎重に検討しなければならないのが既存システムへの影響です。

導入効果よりもリスクの方が上回るような事態だけは避けなければなりませんが、RPAであればそのような心配をする必要はありません。RPAツールはHTMLタグやUIタグ、画像認識など多様な方法で情報を取得することができるため、 既存システムに一切変更を加えることなく導入、運用することが可能 なのです。

現場主導での導入が可能

RPAはユーザビリティが高くコーディング技術が不要であるため、 プログラミングの経験がない従業員であっても数週間程度のトレーニングを受講することで、オリジナルのボット作成や部署内の業務自動化に取り掛かることができます

このように導入ハードルが低いため、現場主導によるRPAの新規導入も可能です。

RPAの3つのクラス

RPAは搭載された機能や適用対象となる作業の難易度に応じて3つのクラスに分けることができます。

その中でも、クラス2とクラス3のRPAにはマシンラーニング(機械学習)と呼ばれる自動学習機能が備わっているため、判断や検討を伴う高度な作業を担当させることができます。高クラスになるほど複雑で高度な作業を行わせることができますが、それに比例する形で導入コスト(イニシャルコスト)や運用コスト(ランニングコスト)も増加してしまいます。

そのため、RPAに与える仕事の難易度や求められる判断レベルに応じて適切なクラスのRPAを選択しなければなりません。

クラス1:RPA(Robotic Process Automation)

RPAはこれまで人間が行ってきた定型業務を的確にこなすソフトウェアロボットであり、 複数アプリケーションの連携を必要とする単純作業を得意 としています。

ルールエンジンや画像認識、座標取得、業務フロー管理などの機能が搭載されているRPAは、判定基準や対処方法を細かく設定しておくことである程度のイレギュラーにも対応することができます。

しかし、設定されていないイレギュラーには一切対応することができないため、リスクの洗い出しや分岐条件の設定、対処方法の設定などを十分に行った上で導入しなければなりません。

クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)

EPAは紙媒体によるアンケート用紙の集計や自由記述式による問い合わせ内容の分析など、 非構造化データを扱う作業のシステム化を得意 としています。また、イレギュラーに対しても柔軟かつ的確な対応を取ることができるため、RPAが苦手としていた非定型業務を任せることができます。

問い合わせ内容に対する自動回答や複数データの分析による売上予測など、EPAの導入によって人材活用や経営戦略の幅は飛躍的に拡大することでしょう。

クラス3:CA(Cognitive Automation)

CAは 情報の整理や分析だけではなく意思決定まで行うことができる自立度の高いソフトウェアロボット です。

予め与えられた大量の情報を元に自主的な学習と成長を続けるディープラーニング(深層学習)は、常に最良の判断を導き出すだけではなく、作業プロセスの分析や評価、改善方法の検討、再実施なども可能にします。

CAを導入することで、相手の感情や置かれている状況に配慮したメッセージの新規作成や気候変動に合わせた仕入れ量の調整など、人間とほぼ同じ水準のサービス提供や意思決定を再現することができるでしょう。

従来の業務効率化の手法との違い

ホワイトカラーの業務効率化ツールとして、Excelマクロが挙げられます。RPAツールとの違いは、Excelマクロは単一アプリケーションにおける業務を自動化するプログラムである一方、RPAは複数のアプリケーションをまたいだ業務の自動化を実現させるプログラムという点です。

従来、生産性向上や業務補助を目的に活用されてきたアウトソーシング(外部委託)や派遣社員は人材があって初めて成立するものです。超人材不足時代に突入した今、安定して業務委託や派遣を利用できる保証はありませんが、RPAは24時間365日安定的に働き続けてくれます。

また、専門性が非常に高く現場レベルで開発や改善が難しいITシステムに比べ、ノンプラミングで扱えるRPAであれば、細かな仕様変更に対しても現場で柔軟に対処することができます。

RPAとAIの違い

RPAとAIを直訳すると RPAは「ロボットによる手順の自動化」 に、 AIは「人工知能」 になります。 人工知能とは「人間の知能を人工的に再現する」ということです。

つまり、「予め与えられた情報だけを判断基準にするのではなく、それをベースにして自らも情報を収集し、考え、判断する」ことができるか否かがRPAとAIの境界線であるといえます。

クラス1(RPA)ではこのような高度な知的活動を行うことはできませんが、自動学習機能が備わっているクラス2(EPA)とクラス3(CA)であれば行うことができます。 このことから、クラス1(RPA)はAIではなく、クラス2(EPA)とクラス3(CA)はAIの一種であるといえるでしょう。

【関連】人工知能(AI)とは何か?歴史や種類、メリット、仕事アプリをご紹介 / BizHint

RPAにできないこと

RPAはライン業務を行うロボットのようにロボットアームなどの専用ハードウェアを持ち合わせていないため、 物を運んだり組み立てるといったアナログ作業を行うことはできません

また、ディープラーニングを導入した人工知能による意思決定を必要とする作業に関しても、実用化に向けた取り組みが進められていますが、現時点ではまだ一般的に使用できる段階まで至っていません。

RPA導入による3つのメリット

RPAを導入した企業は、3つのメリットを得ることができます。

メリット1:労働力の強化

どのような企業にも必ずPCを用いた単純作業や定形作業は存在します。それらの作業をRPAに担当させることで、人材の確保や育成、適正配置といった手間をかけることなく現場単位で労働力を強化し、慢性的な人手不足を解消することができます。

RPAツールの中には安価に導入できるものもあるため、事業規模の小さな企業であっても導入を前向きに検討できるのも大きな魅力でしょう。

メリット2:リスクマネジメント

RPAはヒューマンエラーによる機密情報や個人情報の外部流出を未然に防ぎ、 個人従業員の偏見と独断によるコンプライアンス違反などのトラブルを防止することができます

また、作業品質の向上や問い合わせ内容に対する迅速かつ適切な自動レスポンスなど、顧客満足度を高め、クレームの原因を生み出さないように努めます。

メリット3:アグレッシブな経営戦略の構築

RPAの導入と業務の自動化によって、それまで担当していた 従業員は業務オペレーションから解放される ことになります。

これらのヒューマンリソースを最大限活用することで、 新たなイノベーションの創出や価格競争への積極的参加 など、これまで以上にアグレッシブな経営戦略の構築が可能となるのです。

RPAによる業務自動化の導入事例

RPAは導入組織に対して業務改革のきっかけと今後更に厳しさを増していくであろうビジネスの世界を生き残るために必要な力を与えてくれる素晴らしいパートナーです。実際にRPAを組織内に導入したことによって多くの効果を生み出すことに成功した、3つの導入事例を紹介致します。

事例1:作業レベルの均一化と大幅な人員削減

RPA導入企業

大手通信会社

企業が抱えていた課題

  • システム上で『顧客ステイタス』を変更するために30~40もの画面遷移が必要
  • 顧客からの問い合わせに対して1件あたり約20分の時間がかかっている
  • 数多く存在する選択肢から瞬時に最適解を導き出さなければならないためミスが多発している
  • 熟練スタッフと新人スタッフの処理速度に大きな差がある
  • 新人スタッフの教育に時間がかかるため、人手不足が常態化している

RPAの組織内活用方法

  • 『顧客ステイタス』変更時の画面遷移をRPAによって自動化
  • 多数の選択肢から最適解を自動で導き出せるようにするための分岐条件設定

RPA導入による効果

  • 『顧客ステイタス』を変更するための画面遷移を3つに減少
  • 1件あたりの処理時間が1分に大幅短縮
  • 設定されたルールに従ってRPAが最適な条件を導き出すことでミスが消滅
  • 待ち時間とミスの減少によりクレーム数が激減
  • これまで熟練スタッフ10名を要していた作業が新人スタッフ1名で対応可能に

【参考】RPA(ロボットによる業務自動化)とは/RPA テクノロジーズ株式会社

事例2:速度と精度を両立した作業環境の構築

RPA導入企業

国内生命保険会社

企業が抱えていた課題

  • 解約返戻金の算出などの事務処理に多くの時間を費やしている

RPAの組織内活用方法

  • 解約返戻金および契約者貸付算出プロセスの自動化

RPA導入による効果

  • 証券1件あたりの処理時間が2分から2秒に短縮
  • ミスすることなく半年で37000件の処理を行える作業環境の構築

【参考】RPA(Robotic Process Automation)導入支援/PwCコンサルティング合同会社

事例3:作業担当者のストレス軽減と保有スキルの活用

RPA導入企業

流通業界経理部門

企業が抱えていた課題

  • 毎日100件以上発生する入金情報を確認しながらの自社会計システム上データの消しこみ作業によって、作業担当者がストレスを感じている
  • ストレスの直接的原因となっているヒューマンエラーを排除し、作業時間を短縮したい

RPAの組織内活用方法

  • インターネットバンキングからCSVファイルをダウンロードする作業を自動化
  • CSVファイルに必要な情報を追加したExcelファイルを自動作成
  • Excelファイルの自社会計システムへのインポートを自動化

RPA導入による効果

  • 作業時間の大幅短縮
  • 作業担当者のストレス軽減
  • 作業担当者が保有しているスキルの他業務への有効活用

【参考】RPA業務自動化シリーズ導入事例のご紹介/アイティフォー

●RPAの導入事例については、こちらのページでもご覧いただけます。
【関連】RPA導入事例6選【企業や自治体の導入実例を導入効果別にご紹介】/BizHint

RPAの導入方法

組織に多くのメリットをもたらしてくれるRPAですが、本格導入に向けた事前準備や自社業務に適したRPAの選定など、正しい導入プロセスを踏まなくてはその効果を十分に得ることができません。

組織力の向上や大幅なコスト削減、労働環境の改善や人材リソースの再配置など大規模な業務改革(業務変革)を実現させるためにも、RPAの組織導入を成功へと導いてくれる8のプロセスについて順に学んでいきましょう。

1.導入目的の明確化

最初のプロセスは導入目的の明確化です。 しっかりとした目的意識を持って取り組むことで、効果測定時に使用する指標の洗い出しやRPAに置き換える業務の選別、RPAツールの選定をスムーズに行うことができます。

【導入目的の一例】

  • コスト削減によって商品やサービスの価格を引き下げたい
  • 労働生産性を高め、リードタイム(作業期間)や時間外労働時間を短縮したい
  • 入力ミスや認識ミス、情報管理ミスなどのヒューマンエラーを無くしたい
  • 定型処理作業を担当している従業員の保有スキルを最大限に活用したい
  • BPOなど外部に委託していた業務の内製化を図りたい

2.ホワイトカラー業務の洗い出し

ERPへの入力や事務処理、請求処理や経理業務など、手作業で行っているホワイトカラー業務を業務部門ごとに分けてまとめていきます。 なお、この時点ではまだ細かな選別や適用後のシミュレーション(効果予測)を行う必要はありません。

3.RPAに置き換える業務の選別

RPA対象業務のリストが完成したら、その中からRPAに置き換える業務の選別を行います。この際、作業熟練者やベテラン社員など、長期にわたり実務に携わってきた人物の意見に耳を傾けることで、導入後のイメージを描きながら選別作業を進めることができます。

ただし、部門間の連携や他部門への影響、既存環境とのシステム連携などの諸条件も加味して検討しなければならないため、一部の意見に影響を受けすぎないように注意しましょう。

【業務選別時のチェックポイント】

  • 定型業務か非定型業務か
  • その業務に関わる担当者は何人か
  • どのようなアプリケーションを使用しているか
  • 一度の作業にどれだけの時間を費やしているか
  • 業務に関連するアナログな情報や資料を今後どこまでデジタルデータ化(IT化)できるか

4.RPAツールの選定

ボットの開発や修正、運用を行う操作画面のユーザーインターフェース(UI)の使用感や、安定稼動に求められるITシステム環境や要件など、RPAツールによってセールスポイントや特徴は大きく異なります。

最初からRPAベンダーを数社に絞り込むのではなく、幅広く情報を収集し、試用と検討を重ねた上で導入するRPAツールを決定するようにしましょう

5.エラーやトラブルの予測と対処方法の検討

導入するRPAツールを決定したら、導入後に発生しうるエラーやトラブルの洗い出しと対処方法の検討を行います。

この際、各従業員が保有するITスキルや社内の連携体制を加味した上で具体的な対策を講じることにより、損失と業務停止期間の最小化を図ることができます。

6.パイロット導入(試験的導入)と分析

思いがけないエラーやトラブルにより、業務遂行に致命的なダメージを受けることがないようにするため、本格導入時よりも小規模かつ短時間でのパイロット導入を実施します。

パイロット導入の目的は予想外のエラーやトラブルの洗い出しであるため、業務難易度を下げたりプロセスを簡略化することはほとんどありません。パイロット導入で得られた情報を活用し、更なる対策を講じることで本格導入後のリスクを最小化することが可能となるでしょう。

7.本格導入

どれだけ入念に準備をしていても、不測の事態は発生するものです。本格導入後は次のような点をチェックしながら運営管理するように心掛けましょう。

  • 設定した通りの挙動や処理が行われているか
  • 作業性の更なる向上を実現させる改善点はないか
  • RPAツールの作業レベルや設定台数がRPA管理者のキャパシティを超えていないか
  • 組織内に存在する全てのRPAを正しく認識、管理運営できているか(野良RPAを生み出していないか)
  • 人間とRPAの連携や部門間連携、既存システムとの連携は正しく行えているか

8.RPA導入効果の検証と見直し

RPA導入効果の検証や見直しでは、数値化することができる項目を中心に見ていきます。

以下は検証や見直しの際に用いられる指標の一例です。

  • 人件費およびRPA関連費の総コスト(円)
  • データ処理量(件)
  • エラー発生件数(件)
  • データ1件あたりのリードタイム(分または時間)
  • 部門内総残業時間(時間)
  • 1人あたりの平均残業時間(時間)
  • クレーム件数(件)
  • 新規アイディア提案数(件)
  • 従業員満足度(%)
  • 顧客満足度(%)

RPAツールの選び方と導入のポイント

RPAツールの選定時や導入時に押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

従業員のITスキルに合ったRPAツールを選択する

Excelマクロの作成やシステム開発よりもハードルが低いと言われているRPAですが、ツールの基本操作やパソコンに関する基礎知識など、一定のITスキルは必要です。

「導入したものの現場で全く活用されていない」という結果にならないよう、現場従業員が適切に扱うことのできるRPAツールを選択するように心掛けましょう。

現場をサポートする体制を整えておく

導入部門では解決できない問題が発生した場合に備え、組織全体でサポートする体制を整えておくことは非常に重要です。

組織内人材で十分なサポート体制を構築することが難しい場合には、RPAの新規導入から運用までトータルにサポートするサービスが含まれたRPAソリューションを選択すると良いでしょう。

機能や価格を比較する

一口にRPAツールと言っても、備わっている機能や価格設定は多種多様です。

「絶対に必要な機能」と「備わっていると嬉しい機能」を明確に線引きし、イニシャルコストやランニングコストとのバランスを意識しながら比較することで、費用対効果の高いRPAツールを見極めやすくなります。

●個別のRPAツールに関する紹介や比較については、以下のページをご覧ください。
業務効率化を推進するRPAツール比較13選【フリーソフトウェアもご紹介】/BizHint

RPAが人間の仕事を奪うという誤解

【出典】日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に/野村総合研究所(NRI)

AI技術の進歩やオフィスのデジタル化に伴い、RPAの持つ力を活用できるビジネスシーンは日々増加しています。しかし、ここで1つ誤解を解いておかなければならないことがあります。それは『 AIやロボットが人間の仕事を奪う 』というものです。

確かにAIやロボットは人間よりも素早く正確に業務を遂行します。ですが、 その能力を最大限に活かすためには人間によるサポートやメンテナンスが欠かせません 。また、RPAに業務を引き継ぐことによってフリーとなった従業員を活用することで、 更なるビジネスチャンスを生み出す こともできます。

【人間とRPAの共存例】

  • RPAにバックオフィス業務全般を任せて、従業員を顧客サポートに注力させる
  • 人手不足を理由に二の足を踏んでいた新規事業開発や新プロジェクトに着手する
  • 創造的業務を人間が担当し、入力業務や管理業務、判断業務をRPAが担当する

従業員のRPAに対するイメージを『仕事を奪う侵略者』や『仕事を奪い合うライバル』といったネガティブなものから 『支えあう良き同僚』というポジティブなものに変えておくことはとても重要です

人間とRPAの良好な関係を構築することで、RPAの持つ可能性を最大限に引き出し、人間とRPAが助け合いながら多くの成果を生み出す未来を実現することができるでしょう。

【参考】日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に/野村総合研究所(NRI)

まとめ

  • RPAとは、高性能な認知技術の活用による業務自動化や業務効率化に向けた取り組みとRPAソフトウェアロボットの両方を指す言葉です。
  • 業務の標準化やデジタル化を推進することで、多種多様な業務をRPAに代行させることができます。
  • RPAは働き方改革に有効な手段として近年多くの注目を集めています。
  • 高クラスのRPAは、ルーティンワークだけではなく詳細分析や自己決定といった高度な作業も行うことができます。
  • 目的意識を持って組織全体で取り組み、自社に最適なRPAツールを選択することによって、RPAの導入効果を大幅に高めることができます。

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