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人手不足への対策方法は?具体的な施策と業界別の対策まとめ

BizHint 編集部 2019年4月3日(水)掲載
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近年、多くの企業で人手不足が深刻化しています。企業の人材不足の現状やその対策を、特に人材確保が難しい中小企業を中心に見ていきます。また、従業員確保が困難な業界について、課題や対策もご紹介します。

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人手不足の現状。企業規模に関わらず人手不足感が強い

帝国データバンクが2019年1月に行った人手不足に対する企業の動向調査によると、正社員については53.0%、非正社員についても34.4%の企業が人手不足を感じています。

【出典】人手不足に対する企業の動向調査(2019年1月)/帝国データバンク

また、企業規模別に正社員の不足度を見ると、大企業で62.4%、中小企業で50.6%、小規模企業で45.6%の企業が不足感を感じています。これらは、いずれも過去の同月(1月)としては最悪の数値であり、人手不足の深刻さがうかがえます。また、企業のコア人材不足が顕著になっているようです。

【出典】人手不足に対する企業の動向調査(2019年1月)/帝国データバンク

人手不足が各所で起きている原因としては、労働人口の減少や、売り手市場の採用現場による有効求人倍率の高騰が挙げられます。

また、雇用のミスマッチや労働環境の改善を行っていないことにより、離職率が上がってしまっている状況は企業側の責任もあると考えられます。そのような企業は定着率の改善が必須です。

【関連】人手不足はなぜ起きる?影響が深刻な業界と現状、原因、対策までご紹介/BizHint

では、多くの企業が感じている人手不足を解消するためには、どのようなことに取り組んでいくべきなのでしょうか。以降で企業が検討すべき人手不足対策を見ていきます。

人手不足対策①:労働環境の改善や社内制度の見直しによる離職防止

人手不足が起こると、必然的に一人あたりの業務量は多くなり、労働環境は悪化します。退職率が高まり、さらに人手不足になっていく、「負のスパイラル」に陥りかねません。そうならないためにも、まずは退職者を出さない方策を考えていく必要があります。

労働環境の改善

まず、すぐに着手できて効果が出やすい方策としては、待遇や労働時間・休日取得などの、「目に見える」労働環境の改善です。働き方改革関連法が成立し、世の中が注目している今こそ、真っ先に改善が必要です。

具体的には、長時間労働の是正が急務です。業務内容を分析し、必要のない残業は排除していかなくてはいけません。待遇面においては、同業同規模他社とも比較しながら自社を見直してみましょう。

労働環境の改善は、中小企業にとっては困難を伴うこともあります。しかし、働き方改革関連法案では、労働時間や休日などは規模を問わず必須の改革項目となっています。国の助成金や社会保険労務士等の専門家のアドバイスも受けながら、実行していかなければなりません。

【関連】働き方改革関連法案の概要や成立までの流れ、施行時期などをご紹介/BizHint

人事制度方針の抜本的な改革

日本企業の人事制度の基本的な考え方は、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」という三本柱がベースになっています。この考え方は、今でも多くの企業に根付いています。

しかし、史上最悪の求人難の中、新卒を一括採用してじっくり育てていくという「単一的人事制度」は崩壊していくでしょう。今後は、多様な層から優秀な人材を確保するための「複線的人事制度」や「仕事内容を評価する人事制度」などが求められていくと考えられます。

こういった変化に対応し、より多様な人材を適切に評価する制度を構築することが、企業の魅力に繋がります。人材不足の中でも労働者に選ばれるためには、状況の変化に応じた制度の改革が必須です。

【関連】人事制度とは?設計・構築のポイントやトレンド・事例をご紹介/BizHint

人手不足対策②:労働生産性の向上

人手が不足していて、かつ人員の補充も難しい場合、効率化によって少ない人数で対応できる仕事量を増やす、「労働生産性」の向上が必須です。特に日本企業は付加価値に対する労働力の投入が過剰で、世界的に見ても生産性の低さが課題になっています。具体的な生産性向上対策を見ていきます。

【関連】労働生産性とは?定義と計算式、向上のためのポイントを徹底解説/BizHint

業務効率化

一定量の業務を少ない人員で回していくには、「職務分析」と「多能工化」、「自動化」が有効です。

【関連】業務効率化とは?目的や進め方・ポイント、事例からツールまでご紹介/BizHint

職務分析

まず、職務分析を行い、重複している業務、時間がかかり過ぎている業務、特定の部署や従業員に集中している業務などを洗い出します。

その中で、重複している業務は一つの部署に集約したり、時間がかかり過ぎている業務の工程を見直したり、決裁ルートを単純化したりして、業務の無駄をなくします。

多能工化

また、特定の従業員に特定業務が集中している場合、ほかの従業員でもその業務ができるようにして、業務量の平準化を図ることが必要です。これが多能工化であり、レストランを例に挙げると、調理・ホール係・レジ担当などの職能を全てのスタッフができるようにしていくということです。

【関連】多能工化の意味とは?メリット・デメリットと進め方/BizHint

自動化

さらに、従業員の労働力そのものを補う手法として、機械化が有効です。肉体労働を伴う単純作業は、工程のオートメーション化やフォークリフト等のハードウェア機器活用、知的作業を省力化するためには、グループウェア、ナレッジの共有化ツールといったITツールの導入・活用が有効です。

【関連】【用途別】業務効率化ツール12選!導入ポイントもご紹介/BizHint

ノンコア業務のアウトソースによる生産性向上

自社の業務の生産性を向上するためには、思い切った業務の取捨選択も必要です。自社製品やサービスの品質を落とさないことを前提として、中小企業においても、自社内でしかできないコアな業務以外は、費用対効果を考えてどんどんアウトソーシング(外部委託)すべきです。

業種業態にもよりますが、具体的には、物流や事務処理等の間接業務はすぐにでも検討を始めるべきです。また、どうしても社内での業務が必要であり、コア業務でない場合は、一時的に派遣社員の活用も検討してみましょう。

そして、その企業でしかできない業務に特化し、より差別的優位性を発揮することで、知名度を上げ、受注や従業員の応募増加にも繋がります。

【関連】アウトソーシングとは?派遣との違いやメリット、業務例までご紹介/BizHint

人手不足対策③:採用活動の見直し・強化

人手不足の昨今、多くの人事担当者から「募集しても集まらない」という声をよく聴きます。求人誌やナビサイト、ハローワークなどの従来型の求人方法では、中々応募すら少ない状況が続いています。広告費用などのコストもかさむことから、新たな手法も積極的に活用したいところです。

その一つの方向性として注目されているのがインターネット上のSNSや動画配信サイトの活用です。あまりコストを掛けることなく、自社のPRを兼ねて情報発信ができます。自社に好意的な層から応募者を募ることができるため、効率の良い募集が可能です。

【関連】ソーシャルリクルーティングとは?事例やメリットをご紹介!/BizHint

さらに、社員の友人や知人などのルートを活用したリファラル採用も有効です。

リファラル採用は、紹介してくれる社員の目を通して一定のチェックがかかっているため、採用ステップを省略でき、専門性の高い人材をコストかけずに調達できる有効な手法です。特にニッチな産業やアートな分野など人材会社に情報が乏しい業界には重要な手段となります。

【関連】リファラル採用の意味とは?メリットや組織に根付かせるポイントを解説/BizHint

今後は、「待ちの募集」から、新たな手法をトライ&エラーしつつ「攻めの採用」への転換を図ることが重要です。

【関連】「ダイレクトリクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ/BizHint

【業界別】人手不足の現状や課題、対策がわかる記事まとめ

ここまで様々な人手不足対策をご紹介してきましたが、有効な対策は業界によっても異なります。各業界の個別の状況や考えられる対策を記事でまとめていますので、より自社に合った情報を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

建設業

建設業の人手不足の現状と理由、解消への対策方法と事例をご紹介

製造業

製造業は人手不足?製造業の課題や人手不足対策、成功事例までご紹介

飲食業

飲食業界が人手不足である理由と改善策を徹底解説

ホテル・宿泊業

ホテル業界の人手不足は深刻?原因と対策を解説

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介護業界の人材不足は解消できる!原因と2025年問題に向けた対策

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運送業界の人手不足問題、原因と対策は?

まとめ

  • 帝国データバンクが2019年1月に行った調査によると、53.0%の企業が正社員、34.4%が非正規社員の不足を感じています。
  • 人手不足対策のうち、労働環境の改善やエンゲージメント向上による退職防止という面では、待遇改善や長時間労働の是正などによる労働環境の改善や、人事制度方針の抜本的な改革、労働者の欲求に基づいたエンゲージメントの向上などが有効です。
  • 人手不足対策のうち、労働生産性を向上させるという面では、「職務分析」・「多能工化」・「機械化」を通じた業務効率化や、ノンコア業務のアウトソースによる生産性向上などが有効です。
  • 人材を集めるためには、採用手法の見直しが必要であり、SNSやリファラル採用などの攻めの方法を取り入れることも検討すべきです。

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