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2018年11月21日(水)更新

ハラスメント

近年、職場におけるハラスメントは社会問題となっており、各企業では予防に向けた対策が急がれる重要課題のひとつです。そこで今回は、人事担当者が押さえておきたい「ハラスメント」の問題についてご紹介します。職場内でハラスメントの被害を出さないためにも、ぜひご一読ください。

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ハラスメントの意味

ハラスメントとは、行為者本人の意識の有無に関わらず、相手を不快にさせたり、自身の尊厳を傷つけられたと感じたりさせる発言や行動を指します。

その中でも職場で行われるハラスメントは、被害を受けても仕事を続けることを優先させた場合には泣き寝入りすることとなり、結果として表面化せず深刻化するケースも少なくありません。

ハラスメントで注意したいのは、「被害者が不快に感じる」など相手がどのように感じたかによって該当しうる ということです。たとえば、「彼氏いるの?」という言葉を相手が不快に感じたとすれば、その発言は「セクハラ」とみなされることがあります 。つまり、行為者が「そんなつもりはなかった」といっても、受け取り手の主観が重視されるため、どのような言動がハラスメントに当たるのかを理解することが大切 です。

ハラスメント防止の重要性

ハラスメントの防止は企業が取り組むべき重要課題のひとつです。その重要性を再確認しておきましょう。

社員や企業にとって大きな損失に

ハラスメントが行われることによって被害を受けた人が心身の不調に陥り、休職や離職に追い込まれることも少なくありません。また被害者個人が受けるダメージは非常に深刻な問題ですが、ハラスメントは業務に悪影響が及ぶこともあるので、企業にとっては大きな損失につながる可能性もあります。

また、折角獲得した優秀な人材を失いことになり、採用や教育にかけたコストなども無駄になってしまうでしょう。

コンプライアンスの遵守

また、男女雇用機会均等法などの法律によって、使用者にはハラスメントの防止措置を講ずることが義務付けられています。そのため、コンプライアンスの観点からも、ハラスメントが起きない環境づくりが必要なのです。

もし、職場内でハラスメントが発生し、被害者が精神障害を発症した場合には労災を請求したり、裁判に発展したり、極めて深刻な場合にはマスコミに取り上げられることもあるでしょう。ハラスメントの事実が社外に伝わると被害者や加害者個々の問題に留まらず、企業のブランドイメージも大きく失墜させることにもつながり、事態はより深刻になります。

【関連】企業コンプライアンスとは?意味や重要性、違反事例と対策方法まで徹底解説 / BizHint HR

ハラスメントの防止は企業経営にも不可欠

ハラスメントの防止は、適切な就労環境にすることによって社員の健康を維持し、生産性の向上にもつながるため、企業経営を円滑に進める上でも重要なことです。企業のトップがハラスメント防止の必要性を理解し、防止措置について意思表示をすることはハラスメント対策を進める上で重要なステップとなります。

人事担当者としては、ハラスメントについて自分が理解するだけでなく、管理者をはじめとする社員への教育も大切な仕事です。また、就業規則を改定してハラスメントに関する罰則を強化することも検討すべきでしょう。さらに、相談窓口を設けてハラスメントの問題をいち早く把握し、迅速に、かつ適切な対応や措置ができるようにマニュアルを整備しておくことも重要です。

【関連】日本経済の課題「生産性向上」の意味や改善方法、取り組み事例をご紹介 / BizHint HR

ハラスメントの種類

ハラスメントには様々な種類がありますが、特に職場で問題になりやすいのが以下の4 種類のハラスメントです。

パワーハラスメント(パワハラ)

パワハラとは、職場内で地位が高い、あるいは立場が強い上司や先輩など「優位性」のある人 が、立場の弱い人に対して行うハラスメントを指します。

たとえば、無理難題を押し付けたり、私生活に介入したり、中には人権侵害に当たるような嫌がらせを繰り返して被害者を休職や退職に追い込んでしまうケースもあります。ただし、被害を受けたという人からみると「上司の指導が厳しすぎる」と感じたとしても、上司の指導が「業務の適正な範囲内」と認められればパワハラには当たりません。

そのため、業務の範囲を明確にし、どんな発言や行為がパワハラに当たるのかを社員に指導や教育をするときには具体例を示す方が理解しやすいでしょう。

なお、厚生労働省のパワハラに関するボータルサイト 「あかるい職場応援団」では、パワハラの基礎的な知識や具体的な対策などをわかりやすく紹介しています。

【参考】パワハラボータルサイト「あかるい職場応援団」

【関連】「パワハラ」と「モラハラ」の違いは?対処法や防止法、判例を交えてご紹介 / BizHint HR

セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクハラも職場内で起こりやすいハラスメントの一つです。

たとえば、性的な言動に対して拒否反応を示したことにより、降格や解雇などの不利益な扱いをされたという事態が実際に起きています。また、セクハラによって職場内の環境が悪くなり、そのことによって被害者が本来の能力を発揮することができなくなるといったケースも多いです。しかし、このような状況になっても被害者はなかなか相談できず、その間にセクハラがエスカレートしてしまうことも珍しくありません。

人事担当者は研修などを通して社員がセクハラについて知る機会を設け、「不快に感じる行為」をされたら相談できるように窓口を整備し、利用を促すための周知を図りましょう。また、セクハラの対象者は異性との間だけではなく、同性同士でも対象になるので注意が必要です。

【関連】【社労士監修】セクハラの意味とは?定義とどこから基準を超えるか/ BizHint HR

モラルハラスメント(モラハラ)

精神的な暴力によって、被害者の不安をあおり、加害者の意のままに操ろうとするモラハラは、上司と部下だけではなく同僚や同期の関係でも起こることがあります。

職場内のいじめ問題は、被害者が心の病にかかってしまうケースが多いため、それを防ぐには問題の発生初期にいかに発見し、迅速かつ的確な対応をとれるかが重要です。

マタニティハラスメント(マタハラ)

近年、職場内で報告されているのが、妊娠や出産などに関するマタハラの問題です。

男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の改正によって、2017年1月から「マタハラ防止措置」が使用者の義務に加わりました。今回の法改正によって、使用者の発言や行為だけでなく、上司や同僚の言動もマタハラと判断される可能性が生じています。

また、従来の法律でも、妊娠や出産、育児などを理由に解雇するなどの不利益な取り扱いをすることは禁止されていました。しかし、改正法では解雇を示唆するような発言、さらに、産前休業などの制度利用に関する嫌がらせなどの言動もハラスメントとされる点に違いがあります。

なお、マタハラ防止措置を講ずるべき労働者は、正規雇用の社員だけではありません。パートや契約社員などの非正規の社員、また、派遣社員の場合は派遣元と派遣先の両方で防止措置が必要です。

ハラスメントのない職場環境を作るためには

ハラスメントのない職場にするためには、ハラスメントに関する知識を提供する研修などを設けることはもちろん大切ですが、その他にどのような点を考慮すべきなのでしょうか。

多様な価値観を認められる職場環境作り

ハラスメントのない職場環境を作るには、それぞれの社員が多様な価値観を持っていることを、まず認めることが大切です。

言葉や行為に対する捉え方は時代や文化などの影響を受けて変化し続け、また、一人ひとりの受け止め方にも非常に幅があります。「こんなことは昔ならよくあったこと」などの捉え方で周囲がみてしまうと、ハラスメントを見逃すことにもなるでしょう。ある人にとっては「こんなことくらい」と思うことでも、ほかの人にとっては不快で苦痛に感じることもあるのです。このような各々の受け止め方の違い、価値観の多様性を理解してハラスメントを防止しましょう。

人事担当者は上司から報告される内容だけでなく、定期的に面談するなど社員の抱えている問題にいち早く気が付くことができる体制をつくるとよいでしょう。

相談できる窓口を

また、万が一ハラスメントが起きてしまったときの対応として、相談窓口を設ける必要があります。また、実際に相談窓口の機能を果たせるようにしっかり広報を行いましょう。被害を受けた人が不快に思うこと自体が「ハラスメント」に該当する可能性もあります。

しかし、「本当にこれがハラスメントなのかな?」「相談した内容が他に漏れたらどうしよう」といった迷いや不安のために相談できない人も少なくありません。そのため、相談窓口を安心して利用できるようにプライバシーに配慮し、情報管理を徹底した体制をつくり、その旨を社員に周知して利用を促しましょう。

企業の強い意思が大切

ハラスメントに対する事後の対応としては、迅速かつ的確に対処することが求められます。被害が長期化・深刻化してしまう前に、改善できるように教育・指導体制を整えましょう。企業のトップが「ハラスメントを許さない」という企業としての強い意思を示し、環境を構築することが被害を未然に防ぐための重要なポイントになります。

そして、使用者と社員がともにハラスメント防止に取り組めるように労使協定などによってルールを明らかにし、また、罰則規定の適用条件なども明確にしておくことが大切でしょう。

まとめ

ハラスメントに該当するか否かは、被害にあった人が不快に感じたかどうかが重要といわれています。ハラスメントはどの企業でも起こりうる問題で、企業の体質が浮き彫りになるだけではなく、対応力が求められる問題です。

職場で問題になるハラスメントとして、大きくは以下の4つがあります。

  • パワハラ : 共通の理解ができるように、具体例を示して指導・教育を行うことが大切
  • セクハラ : 異性との間だけでなく、同性の発言や行為も対象になる
  • モラハラ : 上司だけではなく、同僚や同期、部下との関係でも起こりうる
  • マタハラ : 事業主に限らず、上司や同僚からの言動も対象となる

被害を防ぎ、深刻化させないためには、ハラスメントについて社員が正しく認識できるように日頃からしっかりと教育をしましょう。

また、ハラスメントの問題が生じた場合に被害者が安心して相談できる窓口なども整備し、より迅速に、適切な対応をすることが重要です。

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