はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月15日(木)更新

給与計算

給与計算とは、従業員に支給する給与を計算する業務です。毎月、同じような計算や確認を行う、ある意味ルーティンワークになりますが、労働契約で定められた給与を誤りなく計算し、期日どおりに支給する責任を負っています。給与計算担当者はその事を十分に理解したうえで、必要となる知識を深め、効率的に取り組んでいかなければなりません。

給与計算 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

給与計算について

給与計算は、各従業員の総支給額から控除額をひいた 差引支給額 を算出する業務です。

【差引支給額】=【総支給額】-【控除額】

具体的には、下記5つのステップで進めます。

  1. 総支給額の算出
  2. 総支給額に対する控除額の算出
  3. 算出された控除額を元に、差引支給額の算出
  4. 従業員への給与支給手続き
  5. 税金や社会保険料等の納付手続き

給与計算業務は、従業員ごとに決められた給与をそのまま支給して完了するものではありません。所定の手順に従い支給額を算出する過程では、膨大な勤怠集計や複雑な計算への対応を伴います。実際に取り組んでみると、非常に手間のかかる業務であることに気が付くでしょう。

給与計算の重要性と必要な知識

毎月の給与は従業員の生活に大きく関わるものであることから、給与計算業務にミスは許されません。万が一、給与計算に誤りがあったり支払遅延が生じたりすれば、 会社に対する信頼の失墜従業員のモチベーション低下 を招く原因となります。その結果、労使関係そのものに悪影響が及ぶこともあります。

給与計算の担当者は、計算業務に関わるノウハウはもちろんのこと、給与計算に深く関わる「労務」「税務」「情報漏洩」について、正しい知識をもって実務に従事する必要があります。

  • 労務:労働基準法の知識と自社の就業規則に関わる理解
    ※特に、変形労働時間制を含む労働時間の考え方や割増賃金や社会保険料の算出方法に関する知識は必須
  • 税務:所得税や住民税のしくみや納付に関わる知識
  • 情報漏洩:その重要性とリスクに関わる十分な理解

給与計算の手順

ここからは、給与計算業務をより具体的に理解するために、冒頭で確認した5つの手順をさらに細かく見ていきます。

  1. 勤怠の集計
    従業員ごとに、出勤日数、勤務時間、残業時間、欠勤・遅刻・早退等の勤怠を集計
  2. 人事データ、営業データの確認
    基本給や各種手当、通勤交通費等固定給について、各人の人事データを確認。加えて、出来高給やインセンティブを導入している会社では、営業データから業績を確認し、変動給の算出根拠となる情報を収集
  3. 不就労による控除額の計算
    集計した勤怠を元に、欠勤・遅刻・早退等による控除額を算
  4. 総支給額を決定
    固定給と変動給、不就労による控除額から、その月の総支給額を計
  5. 控除額の計算
    社会保険料や税金の法定控除額、会社独自の天引き額をそれぞれ計算 その後、すべての控除の総額を算出
  6. 差引支給額を計算
    それぞれの項目で算出した額を「差引支給額=総支給額-控除額」の計算式に当てはめて求める
  7. 給与明細の作成
  8. 賃金台帳への記録
  9. 各従業員への振り込み手続き(金融機関への振込の場合)
  10. 各従業員へ給与明細の配布(現金支給の会社は、併せて支給)
  11. 社会保険料、税金の納付

給与計算業務に伴うやるべきことは多いですが、手順自体は毎月定型です。給与計算に必要な事前準備、手順、そして各項目の計算のポイントについて正しく理解し、毎月ミスのない処理を目指しましょう。

給与計算を行うための準備

給与計算を進めるための準備として、計算基準としての規程の整備や従業員情報の整理、また、労働時間を把握するためタイムカードなどの導入などが必要になります。

就業規則等の整備

給与がどのように計算されていつ支給されるのか、どのような手当があるのかなどは、従業員にとって重要な問題であるため、就業規則に記載して周知しておかなければなりません。(就業規則ではなく、給与規程などの別規程にすることもできます。)

就業規則は、常時10人以上の従業員がいる場合に作成義務があるものですが、従業員10人未満の場合で就業規則を作成してないような場合には、上記の内容について従業員に十分な説明が求められます。

【関連】就業規則とは?作成~届出までの手順・ポイントをご紹介/BizHint HR

従業員情報の整理

給与を計算するにあたっては、各従業員について、基本給の額やどのような手当を支給することとされているのか、また、保険料の控除に影響のある生年月日や交通費の計算根拠となる住所、家族手当や年末調整などに影響のある家族構成などをデータ化し、すぐに閲覧できるようにしておく必要があります。

このため、人事担当部署と従業員情報を共有できる体制を整える必要があります。

注意点

給与計算は、会社が把握する従業員情報を元に行われます。従業員情報は、「人事マスタ(社員マスタや人事台帳等、会社によって名称が異なる場合あり)」の登録内容に基づきます。下記は、給与計算に必要な項目の一例です。

  • 基本給
  • 通勤経路・・・通勤手当の算出根拠
  • 扶養家族・・・家族手当等の算出根拠
  • 年齢・・・介護保険料等、一部の社会保険料の控除開始または停止の根拠

この他、会社独自で特別な手当を設けている場合には、その算出根拠となる情報を正しく把握しておく必要があります。

上記のうち、「年齢」については年度によって一律管理することができます。一方、「基本給」「通勤経路」「扶養家族」等については、従業員ごとに最新情報を収集し、適正な形にまとめておかなければなりません。

労働時間の把握

労働時間を適正に管理することは会社の義務ですが、給与計算の観点からも各従業員が給与計算期間中に何日出勤し、何時間の残業があったのかなどを正確に把握できるようにしておかなければなりません。

労働時間を把握するためには、従業員の自己申告やタイムカードなどによる方法がありますが、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、従業員の出退勤時刻を自己申告による労働時間を把握することはあいまいな労働時間管理となりがちであるため、原則としてタイムカードやICカード、また、パソコンの使用時間の客観的な記録などにより管理すべきこととされています。

【参考】労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン/厚生労働省

給与の計算方法

給与計算の基本は、各従業員についての総支給額を求め、そこから社会保険料や所得税、住民税などを控除して差引支給額を算出することです。差引支給額が決定すれば、銀行への振込みや、控除した社会保険料や所得税、住民税を納付する手続きも必要になります。

なお、以下で説明する割増賃金や社会保険料などについては、給与計算ソフトを導入していれば自動的に計算されますが、割増賃金率や保険料率の設定を誤る可能性もありますので、基本的な仕組みは知っておく必要があります。

①総支給額の計算

総支給額は、給与として会社が支払うすべての項目の合算です。社会保険料等を控除する以前の金額を指します。

総支給額=基本給+手当+割増賃金

【出典】厚生労働省:モデル就業規則

総支給額の内訳は会社によって異なるため、必ずしも「モデル就業規則」上の賃金体系と一致するわけではありません。給与に関わる各項目は、就業規則や給与規程、労働条件通知書、雇用契約書等に明記されています。

基本給

基本給とは、毎月固定で支払われる給与のことです。労働時間数や営業成績等の影響を受けず、基本給としては毎月一定額が支給されます。「本給」という言葉で表されることもあります。

基本給は、従業員の年齢や勤続年数、学歴等をベースに、職務内容、責任度合、努力といった要素が加味され、従業員ごとに決定されます。給与計算の実務上、昇給や降給に伴う定期的な見直しが必須です。

各種手当

ひと口に「手当」といっても、その種類は様々です。精勤手当や役付手当等の就労状況に基づき支給される手当の他、通勤手当や家族手当、住宅手当、資格手当等の労働との関係が薄く、従業員個々の事情に基づいて支払われる手当もあります。具体的にどんな手当がどのような要件で支給されるかは、就業規則や給与規程に定められています。

手当には改廃が生じることがあるため、社内規程の改定時には、各従業員の要件や支給額、支給の有無を見直す必要があります。

【関連】給与における諸手当とは?主な種類や見直し方法、所得税や社会保険料との関係までご紹介/BizHint

残業等の割増賃金

残業等に伴う割増賃金には、「残業手当」「休日手当」「深夜手当」の3種類があります。

【出典】【東京労働局】しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編

残業代等の算出は、上記の種類に応じた割増率に基づいて行います。具体的な計算式は、下記の通りです。

割増賃金=1時間あたりの賃金×割増率×時間数

1時間当たりの賃金(月給からの算出方法)は、以下の方法で求めます。

  1. 1年間における1ヵ月平均所定労働時間を求める
    1ヵ月平均所定労働時間=((年間の暦日数-年間所定休日日数)×1日の所定労働時間)÷12
  2. 基本給と手当(※)の合算を、1ヵ月平均所定労働時間で割る
    1時間あたりの賃金=(基本手当+手当)÷1ヵ月平均所定労働時間
    ※労働基準法上、割増賃金の基礎となる賃金を算出する際には、次に掲げる賃金を算入しないこととなっています(家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金)

割増率について、複数の種類が重複する場合には、それぞれ合算される点に注意が必要です(下記の図中、黄色マーカー部分参照)。

【出典】東京労働局:しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編

②控除額の計算

控除額は各項目従業員ごとに異なり、毎月の給与額に応じて変動するものもあります。

  • 法定控除
    健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税等、法律に定められる控除
  • その他の控除額
    寮・社宅費、生命保険料、財形貯蓄、組合費等、労使協定に基づく会社独自の控除

以下より、それぞれの項目に関わる控除額の算出方法を確認していきましょう。

健康保険料

健康保険料=標準報酬月額×保険料率

全国健康保険協会や各健康保険組合のウェブサイトにある「保険料額表」では、標準報酬月額から労使の負担額を確認できます。

※ 標準報酬月額
原則「4月、5月、6月の給与(総支給額)の3ヵ月分の平均額(報酬月額)」を元に、保険料額表から決定されます

<注意点>

  • 健康保険料は「労使折半」「翌月徴収」が原則です
  • 健康保険料率は都道府県ごと(協会けんぽの場合)、健康保険組合ごとに異なります
  • 健康保険料率は「3月分(4月納付分)」から変更となるため、該当月の控除額算出時には注意が必要です
  • 40歳以上65歳未満の従業員は介護保険料の控除対象となり、それ以外の従業員とは健康保険料率が異なります
  • 健康保険料は、月初に送付される納付書を使い、毎月10日までの間に納付します

【参考】全国健康保険協会:都道府県毎の保険料額表

厚生年金保険料

厚生年金保険料=標準報酬月額×保険料率

厚生年金保険料率は全国一律で18.3%となっており、全国健康保険協会ウェブサイトにある「保険料額表」から、標準報酬月額ごとの労使の負担額を確認できます。

<注意点>

  • 厚生年金基金に加入している場合は、基金が定める免除保険料率(2.4~5.0%)を控除して計算します
  • 厚生年金保険料は、毎月20日前後に送付される保険料納入告知書を使い、その月の末日までに納付します

雇用保険料

雇用保険料=給与(総支給額)×雇用保険料率(労働者負担分)

<注意点>

  • 雇用保険料は「労使一定割合ずつの負担」「当月徴収」が原則です
  • 雇用保険料率は「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建設の事業」によって異なるため、事業の種類に応じた保険料率を適用します
  • 雇用保険料率は「4月分(4月徴収分)」から変更となります
  • 雇用保険料の納付は、例年6月1日から7月10日にかけて行われる労働保険の年度更新時に、労災保険料と併せて行います

【参考】厚生労働省:雇用保険料率について

所得税

従業員ごとの所得税の算出は、下記の2ステップにて行います。

  1. 社会保険料控除後の金額を算出
    給与の総支給額-(健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料)
  2. 算出した金額を「源泉徴収税額表(月額表)」にあてはめて、源泉徴収税を算出

<注意点>

  • 給与の総支給額からは、通勤手当等の非課税所得を控除します
  • 「源泉徴収税額表(月額表)」を確認する際、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある場合は甲欄、提出がない場合は乙欄を使います
  • 「源泉徴収税額表(月額表)」の甲欄を使う場合、扶養親族等の人数に応じて額が異なります
  • 所得税は原則、従業員の給与から控除した月の翌月10日までに納付します。ただし、従業員数10名未満の場合、「納期の特例」の承認を受けることで半年に一度の納付が可能となります
  • 所得税に関わる給与計算業務には、毎月の給与からの天引きの他、従業員の年間給与が確定する年末に行う「年末調整」の2種類があります

【参考】国税庁:源泉徴収税額表
【参考】国税庁:年末調整がよくわかるページ

住民税

特別に会社で計算する必要はありません。毎年5月に従業員が居住する市区町村から送付される納付書の内容に従い、6月から翌年5月にかけて支給される給与から、所定金額を控除します。

<注意点>

  • 住民税は、従業員の給与から控除した月の翌月10日までに納付します
  • 退職する従業員の住民税の控除については注意が必要です 1月から5月までに退職した場合、退職月から5月までの住民税を一括して給与から控除します 6月から12月までに退職した場合、退職月から翌年5月までの住民税を一括控除するか、退職月分のみを控除するか、従業員が自由に決められます

その他の控除額

これまでご紹介してきた社会保険料や所得税、住民税の控除は「法定控除」といわれ、法律によって控除が認められる項目です。

一方で、会社独自の控除についてはあらかじめ労使協定を締結し、その詳細を取り決めておく必要があります。会社は、労使協定の定めに応じて控除額を算出し、給与からの天引きを行います。

③差引支給額(手取り金額)の決定

差引支給額(手取り金額)=「総支給額(基本給+手当+割増賃金)」-「控除額(法定控除+その他の控除)」

この差引支給額が、実際に従業員に支給される手取りの給与額です。

差引支給額確定後の流れ

ここでは、支給額が確定したあとの流れについてご説明します。

賃金台帳への記録

賃金台帳については、労働基準法においてその作成が義務付けられているものであり、具体的な記載事項としては、次のとおりとされています。

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外・休日・深夜労働時間数
  7. 基本給、各種手当などの種類毎の額
  8. 賃金の一部を控除した場合にはその額

賃金台帳の様式は、労働基準法施行規則において次のものが示されており、月毎の支給状況を1行に記入していく形になります。(必要項目が網羅されていれば、まったく同じ形式でなくても構いません)

なお、この賃金台帳は、最後の記入をした日から3年間保存しなければならないこととされています。

【賃金台帳】

【出典】【電子政府の総合窓口e-Gov〔イーガブ〕】労働基準法施行規則 様式第20号(第55条関係)

【関連】賃金台帳とは?記載事項や様式、保存期間、記入例・ひな形もご紹介 / BizHint HR

給与振込手続き

給与の振込み手続きについては、現在ではインターネットバンキングに従業員の口座を登録しておき、毎月、振込み額を入力して振込むことが一般的です。

なお、給与は労働基準法において、原則としてその全額を現金で支払わなければならないとされており、従業員の同意を得た場合のみ銀行振り込みができるようになっています。このため、会社側から一方的に銀行の指定などはできませんし、同意を得て銀行振り込みとなった場合でも手数料は会社で負担すべきものです。

所得税の納付

従業員の給与から控除した所得税を源泉所得税と言いますが、給与支払い月の翌月10日(土曜日、日曜日または祝日、休日の場合には翌営業日)までに所得税徴収高計算書(用紙は税務署で入手可)を作成し、税務署または各金融機関で納付します。

原則としては、毎月納付になりますが、給与の支払いを受ける従業員の人数が常時10人未満の場合には、申請により、1月分から6月分を7月10日まで、7月分から12月分を翌年1月20日までの納付期限とする年2回の納付にすることもできます。また、一定の手続きを行えば、国税電子申告・納税システムであるe-Tax(イータックス)でも納付できるようになります。

【参考】e-Tax 国税電子申告・納税システム:電子納税をご利用の方/国税庁

住民税の納付

従業員の給与から控除した住民税は、給与支払い月の翌月10日(土曜日、日曜日または祝日、休日の場合には翌営業日)までに、市区町村から送付された納付書により金融機関で納付します。

原則としては毎月納付になりますが、給与の支払いを受ける従業員の人数が常時10人未満の場合には、申請により12月10日と翌年6月10日の年2回の納付にすることもできます。また、一定の手続きを行えば、地方税ポータルシステムであるeLTAX(エルタックス)でも納付できるようになります。

【参考】eLTAX 地方税ポータルシステム:電子納税とは/一般社団法人 地方税電子化協議会

健康保険料・厚生年金保険料の納付

従業員の給与から控除した健康保険料(介護保険料を含む。)・厚生年金保険料は、月末(土曜日、日曜日または祝日、休日の場合には翌営業日)までに、日本年金機構から送付された納入告知書により金融機関で納付します。

その他の納付方法としては、インターネットバンキングを利用した電子納付(Pay-easy:ペイジー)も利用でき、年金事務所(旧社会保険事務所)で手続きを行えば、口座振替による納付に変更することもできます。

なお、雇用保険料と労災保険料については、毎年6月1日から7月10日までの間に、金融機関や都道府県労働局、労働基準局などで、前年度の保険料の精算と当該年度の概算保険料を納付することになりますので、毎月納付する必要はありません。(これを年度更新と言います。)

【参考】納付方法/日本年金機構

給与計算業務を効率化するやり方

正確に行われて当たり前、間違いがあれば大問題ともなり得る給与計算は、いかに効率良く、そしてミスなく遂行できるかが重要視されます。しかしながら、その業務スケジュールは非常にタイトで、毎月の勤怠締め日翌日から支給日までの限られた期間にすべての処理を完了させなければなりません。

給与計算業務を迅速に、そして正確に行う上では、勤怠管理システムや給与計算ソフトの導入が有効です。また、社内での対応が難しい場合にはアウトソーシングの活用も視野に入れ、御社の業務効率化を検討しましょう。

勤怠管理システムの導入

従業員の労働時間の把握に役立つ勤怠管理システムは、給与計算業務の効率化を図るツールとしても重宝します。メリットとしては、第一に「労働時間の自動集計が可能」となることが挙げられます。給与計算ソフトを活用する会社では「給与計算ソフトとの連動」により、効率化が見込めます。

ただし、勤怠管理システムが会社の勤務体系に対応しない、もしくは勤怠管理システムが会社の給与ソフトに連動できないことがあるため、導入に先立ち十分に確認しておく必要があります。

【関連】勤怠管理システムの主な機能と、選定時の比較ポイントをご紹介/BizHint

給与計算ソフトの導入

給与計算に伴う定型業務の大部分を自動化してくれる給与計算ソフトは、企業においては勤怠管理システムと並んで、導入実績の高い業務支援システムです。活用のメリットといえば「給与計算の効率化」や「計算誤り等の人的ミスの防止」ですが、その他にも、給与計算業務特有の属人化を防止できる、年度ごとに生じる保険料率の修正対応等が不要になる等の利点もあります。

一方で、「会社に合ったソフト選び」や「バージョンアップやバックアップへの対応」、「セキュリティの問題」について検討する必要があること、「基本操作の習得」に時間を要する場合があること等、給与計算ソフトの活用が軌道に乗るまでは何かと手間取る場面も少なくないでしょう。

アウトソーシングの活用

社内の業務効率化を図るために、給与計算代行業者を活用すべきケースもあります。給与計算業務のすべてを税理士や社会保険労務士、代行会社に委託することで、会社の主力業務に注力できる他、給与計算業務に必要な人員やノウハウの準備に対応する必要がなくなる等のメリットが期待できます。

しかしながら、業務を外注することと「従業員情報の漏洩リスク」は表裏一体です。また、給与計算業務に関わるノウハウが社内に蓄積されないため、会社が存続する限り永遠にアウトソーシング費用がかかり続けることにも留意しなければなりません。

【関連】アウトソーシングとは?メリット・デメリットや対象業務まで徹底解説/BizHint

給与計算に関する資格

会社に給与ソフトが導入されているとしても、割増賃金の計算方法や社会保険料や所得税、住民税などについての理解がなければ、臨機応変な対応ができません。

日々、実務を経験していくことで徐々に理解は深まりますが、次のような給与計算に関する検定試験を受検することで、より効率的に正しい知識を得ることができます。

給与計算実務能力検定試験

代表的なものとしては、実務能力開発支援協会と職業技能振興会が共同で実施している給与計算実務能力検定試験というものが挙げられます。

これは、給与計算担当者としての実務能力を測るための試験で、1級と2級があり、1級は給与計算業務のリーダークラス、2級は一般担当者を対象としています。試験内容はともに、基礎知識、法的知識、演習問題(実際の給与計算)で構成されています。

【参考】給与計算実務能力検定試験とは/一般社団法人 実務能力開発支援協会

給与計算士検定

もうひとつ挙げるとすれば、日本経営教育センターが実施している給与計算士検定というものがあります。こちらは、実務能力を測るというよりも、給与計算に求められる必要な知識の修得を目的としたもので、これから給与計算業務を担当するという方であれば、こちらの方が受検しやすいかもしれません。

1級から4級まであり、1級は「人件費マネジメントに係る総合的な知識及び能力」、2級は「給与計算に必要な計算実務等」、3級は「給与計算に必要な法令等の知識」が検定内容になっており、4級については、基礎的な問題をインターネット上で無料で受検できるようになっています。

【参考】給与計算士検定のすすめ/一般財団法人 日本経営教育センター

まとめ

  • 給与計算は、労働契約で定められた給与を誤りなく計算し、期日どおりに支給する責任を負っている業務である。
  • 給与計算の基本は、各従業員についての総支給額を求め、そこから社会保険料や所得税、住民税などを控除して差引支給額を算出することである。
  • 給与計算が完了したあとは、銀行への振込み手続きや、控除した社会保険料や所得税、住民税を役所に納付するなどの一連の付随作業もある。
  • 給与計算は、給与ソフトなどを導入することで効率化を図ることができるが、給与計算担当者は、割増賃金や社会保険料、所得税、住民税などの仕組みを理解しておかなければならない。

<執筆者>
丸山博美 社会保険労務士(HM人事労務コンサルティング代表)

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。一般企業(教育系)勤務時代、職場の労働環境、待遇に疑問を持ち、社会保険労務士を志す。2014年1月に社労士事務所「HM人事労務コンサルティング」を設立 。起業したての小さな会社サポートを得意とする。社労士業の傍ら、cotoba-design(屋号)名義でフリーライターとしても活動中。


注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計180,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

給与計算の関連キーワードをフォロー

をクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードフォローの使い方

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次