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2018年11月20日(火)更新

離職率

景気回復や少子高齢化に伴う人手不足が深刻化する日本企業において、従業員の離職率は、重要な経営課題のひとつといえます。離職率が高い会社は優秀な人材の流出や採用・教育コストの増加などさまざまなデメリットが発生します。今回は離職率の定義や算出方法、離職率の現状から、離職率の高い企業・低い企業の特徴、離職率の改善ポイント、企業事例までご紹介いたします。

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離職率とは

離職率の改善は、企業と従業員双方にメリットを生み出し、政府主導で進められている「働き方改革」や「女性活躍社会の推進」にも大きく関わっています。離職率の定義や算出方法、離職率の現状を知ることで、理解を深められます。

離職率の定義

離職率とは、ある企業の一定の雇用期間の間に「その会社に在籍している人の中で、どれだけ退職していったか」を示す割合を指します。一般的に1年、または3年の期間を設定し、算出されます。

離職率の対象はすべての離職者が含まれていますが、新卒入社社員の離職率は比較する期間の範囲や基準が異なり、その他の退職者と分けられることが一般的です。

離職率の計算方法

自社の離職率の把握は、離職率改善の目標値にも設定でき、「働きやすい職場環境」を外部に発信する効果的な情報にもなり得ます。

一般的な離職率の計算は、以下の方法で簡単に行えます。

(離職率(%)=期間内の離職者数÷期間の初めにおける在籍従業員数×100)

新入社員の離職率に注目が高まっている

近年では、新入社員の早期退職やミスマッチ、また価値観の多様化による世代間のギャップなどが注目されており、新卒入社社員の3年以内の離職率が大きくクローズアップされる傾向がみられます。新卒入社社員の採用は、採用・教育コストだけでなく、その後の人材育成戦略にも大きく関わる重要な経営課題であり、離職率の改善は優秀な人材の獲得にもつながるとあって、多くの経営者や人事部が離職率の改善に取り組んでいます。

新卒採用者の離職率を調べる場合は、一般的に以下の計算式方法を採用しています。

(新卒入社社員の離職率(%)=期間内の新卒入社社員÷期間の初めにおける在籍新入社員数×100)

入社タイミングが見極めやすい新卒入社社員の離職率とは異なり、中途採用を含む全従業員の離職率の計算は、従業員により入社日が異なるため、離職までに要した日数に誤差が出てしまいます。そのため、近年では年度や期初を設定するのではなく、勤続年数(就労期間)別に従業員をセグメントし、離職率を計算する方法を採用するケースが増えています。勤続年数毎で離職率を計算することで、在籍期間毎の採用・教育コストの無駄の把握が可能となり、離職率の高い在職期間の社員に向けた効果的な施策を実施することができます。

離職率が高いことによる影響

「離職率が高い企業=多くの人が退職している企業」という印象があり、あまりよいイメージはもたれません。実際にどのような影響がでるのか、整理してみました。

  • 企業のイメージダウン
    いわゆるブラック企業のイメージがつきやすく、企業全体の印象に悪影響を及ぼします
  • 優秀な人材の流出
    離職率が高いことは社外だけではなく、社内でも悪影響を及ぼします。企業内の優秀な人材が流出してしまう可能性が高まります
  • 採用コスト・教育コストの増加
    離職が多いほど、その分を補充するための採用コストや教育コストがかかってきてしまいます

離職率の平均値

厚生労働省の全国で行った「平成29年雇用動向調査結果」によると、平成29年1年間の離職者数は7,345.0千人で、離職率は14.9%でした。平成28年と比べると0.1ポイント減少していますが、一般労働者絞ってみてみると、昨年より0.2ポイント上昇しています。

【出典】平成29年雇用動向調査結果/厚生労働省

離職率と関係が深い「従業員エンゲージメント」

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の間に信頼関係を構築し、お互いに貢献し合う企業と従業員の愛着心、またはその概念を指します。従業員エンゲージメントと離職率との関係性は、アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社、CEB社(Corporate Executive Board)の「Driving Performance and Retention Through Employee Engagement」で「従業員エンゲージメントと離職率は半比例関係にある」と明確に示されています。

従業員エンゲージメントの向上は、社内のコミュニケーションを活発化し、対人関係の改善や仕事のやりがいを明確化できます。また、従業員エンゲージメントの向上施策には、ワーク・ライフ・バランスの実現と、適切な人事評価制度の構築、タレントマネジメントの実施も含まれるため、必然的に離職率の改善にもつながります。

【関連】従業員エンゲージメントの意味とは?影響する要素、高めるポイントをご紹介/BizHint

離職率の現状

少子高齢化や景気回復の影響により、人手不足が深刻となっている一方で、産業や業界によって、離職率が大きく異なる傾向がみられます。今回は産業・業界や企業・規模による離職率の違いをご紹介いたします。

産業・業界による離職率の違い

厚生労働省が毎年2回実施している「雇用動向調査」によると、平成29年1年間(1月から12月)の産業別入職率・離職率は以下のように算出されています。

【図表1】産業別入職率・離職率(平成29年)

【出典】厚生労働省:平成29年雇用動向調査結果の概況

※入職率とは、ある期間(この場合平成29年の1年間)における増加労働者数を在籍労働者数で割った値。

離職率に注目すると、宿泊業、飲食サービス業が30.0%と最も高く、次いでに生活関連サービス業、娯楽業が22.1%となっています。総じて、小売業、卸売業、医療、福祉などが比較的離職率の高い産業であることがわかります。

一方で、安定性の高い保険業や郵便業、建設業や製造業といった第二次産業では、離職率は低くなっています。サービス業などの離職率の高さは前年以前の離職率と比べても変化がなく、慢性的に離職率が高い傾向が続いているといえます

企業の規模による離職率の違い

中小企業庁が発行する「中小企業白書(平成27年版)」では、日本における企業規模別の離職率推移は発表されています。

【図表2】企業規模別常用雇用者の離職率の推移

【出典】中小企業庁:2015年版 中小企業白書 第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍

長年、大企業よりも中小企業の方が高い離職率で推移しています。また、中小企業は中小企業、中規模企業、小規模事業者の3つに分けられ、それぞれの離職率にも違いがみられます。

【図表3】中小企業における就業者の離職率(3年目)

【出典】中小企業庁:2015年版 中小企業白書 第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍

入社後3年間の離職率では、中規模企業と小規模事業者の間で中途採用者の離職率に大きな差はなく、一方で新規学卒者(新卒入社)は、中規模企業では約4割、小規模事業者では約6割と非常に高い離職率となっています。このことから新規学卒者の離職率は、企業規模によって、影響を受けやすいとことがわかります。

深刻な人手不足を解決し、日本経済を活性化させる上では、日本企業の99.9%を占める中小企業の離職率をどのように改善するかが鍵となります。

新規学卒者・新入社員の3年以内離職率

厚生労働省では「新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移」では中学卒、高校卒、短大等卒、大学卒毎の新卒社員の3年以内離職率の推移を発表しています。

直近の平成26年入社の新卒入社の離職率は、それぞれ中学卒が67.7%、高校卒40.8%、短大卒等が41.3%、そして大学卒が32.2%となっています。新卒一括採用の対象となることが多い大学卒に至っては、当時の経済動向によって、多少の増減は見られるものの、全体的に3年以内離職率は3割前後で推移していることがわかります。

【出典】厚生労働省:「新規学卒者の離職状況(平成 26 年3月卒業者の状況)を公表します」資料全体版

離職率が高い企業、低い企業の特徴

離職率の高い企業と低い企業には明確な特徴が見られ、企業側はそれらの特徴を把握しておくことで、離職率の改善に役立てられます。また、求職者にとって、特徴を把握しておくことは、面接や面談を通して、希望する企業の現状を見極めらるのに役立てられます。

離職率が高い企業の特徴

離職率の高い企業の特徴は、退職理由とも密接に関わっており、退職理由を確認することで、その特徴を捉えられます。

厚生労働省が発表している「平成29年雇用動向調査結果の概要」では、「転職入職者の状況 転職入職者が前職を辞めた理由」では、どの年代・性別においても「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」、「給料等収入が少なかった」が上位を占めており、心身ともに消耗させるブラック企業体質や公正・公平な評価体系が確立されていないことがわかります。また、これらの原因には「人を育てる環境がない」、結婚・出産・介護による退職を許容できる多様性の働き方ができない職場環境が強く影響していると考えられます。

【出典】厚生労働省 平成29年雇用動向調査結果の概要「転職入職者の状況 転職入職者が前職を辞めた理由」

離職率が低い企業の特徴

離職率の低い企業は、離職率の高い企業の特徴を改善している企業です。休暇が取得しやすく、良好な人間関係を保てる風通しの職場環境を積極的に作り出している企業は、前述の退職理由の防止ができており、必然的に離職率が低下します。また、ミスマッチよる採用を極限に減らすために選考精度を高め、選考段階で、業務内容や経営理念の説明の強化に努めている企業も多いといえます。

さらに公正公平な評価制度の確立は、企業の将来性や給与などの収入面での不安を取り除くことに効果的なため、しっかりとした評価制度が示されている企業ほど離職率が低いと考えられます。

離職率の高低での判断は慎重に

離職率の高低が従業員の満足度を高める要因のひとつになっていることは事実ですが、離職率の高低だけで企業の良し悪しは判断できません。離職率が高い企業の特徴には、労働時間や収入面などの問題が顕著ですが、離職率が低い業界においても同様の特徴を持った会社も存在しています。一般的に新卒社員を含む離職率が低い企業には、メーカーやエネルギー、インフラを担う安定性の高い業界が多く、就職活動生が就職したい人気企業の多くが所属しています。

しかし、今後はAIやロボット技術の発展に伴い、従来の雇用体制や業務内容を抜本的に見直す動きも加速しており、「離職率が低い」といえども給与面に大きな変化が起きることが予想されています。そのため、従業員の将来と企業・業界の安定性が直接リンクしなくなり、従業員個人においても相応の努力がもとめられていくこととなります。

離職率改善のための具体的な取り組み例

離職率の改善のためには、「従業員にとって、働きやすい労働環境の構築」と「マネジメント管理体制の整備」、そして「評価制度・教育体制の見直し」が欠かせません。また、採用時のミスマッチを減らすことも重要です。

働きやすい労働環境への改善

離職率の改善には、従業員が「この会社で働き続けたい」と思える、働きやすい労働環境を提供することが求められます。給与や待遇、働く場所などの労働環境や、労働時間や有給休暇取得率などの労務環境に注目し、ひとつひとつ改善していくことが大切です。中でも「ミレニアル世代」と言われる1982年~1996年生まれの社員は、今後、企業を支えるエース社員やコア社員となっていくため、収入面の安定性だけでなく、休暇の多さや余暇の時間の長さなどの労働条件を整備することが効果的といわれています。 働きやすい労働環境への対策として、効果的な施策は以下が挙げられます。

  • ワークスタイルの改善
    労働者の事情に合わせた働き方を支援するフレックスタイム制、育児・介護休暇制度、時短勤務制度、在宅勤務、テレワークの導入など
  • 企業内保育所の設立
    待機児童問題の解決策として近年取り組む企業が増えており、女性活躍社会の実現や離職率の低下、ロイヤリティの向上に効果が期待できる
  • 風通しの良い職場づくり
    所属部署や役職を横断し、画期的なアイデアの創出や社内コミュニケーションの活性化に効果的。フリーアドレス制度の導入やコミュニケーションツールの導入、オフィス改革なども有効

マネジメント管理体制の整備

離職率の改善には、社員のモチベーションやストレス管理が欠かせず、それらを担う管理職のマネジメント能力の強化も欠かせません。退職理由の多くが労働条件ややりがい、人間関係に偏っていることから、社員が最適な環境で働ける適切なマネジメント管理体制を築くことが大切です。離職率を改善するマネジメント管理体制の整備に効果的な対策は、以下に挙げられます。

  • モチベーションマネジメントの実施
    主要な離職原因のひとつである「従業員の働く意欲」を向上させるマネジメント。適材適所の配置、合意の下での作成された具体的な目標設定、評価プロセスの明確化、外的報酬のアップなどが効果的
  • ストレスマネジメントの実施
    ンタルヘルスに関する社員教育やコミュニケーションツールの利用、ストレスチェック制度の充実などが効果的
  • 社員の状況把握・調査
    仕事や業務負荷の度合い、処遇などを定期的に把握し、離職の原因を突き止め、改善策を実施。従業員満足度調査や従業員アンケート、ヒアリング(人事や上司と1対1での面談など)、メンター制度の導入などが効果的
  • 管理職のマネジメント能力の強化
    「尊敬できる人がいない」、「社内にロールモデルとなる人材がいない」などの離職理由を防ぐ上でも中間管理職(ミドルマネジメント)を中心にマネジメント能力の向上が必要

【関連】マネジメントの意味とは?ドラッカー理論・役割・各種マネジメント法まで徹底解説/BizHint

評価制度・教育体制の見直し

企業で働く社員は、賃金や生活のためだけでなく、自己実現や自己成長を仕事に求めています。企業が積極的に社員の自己実現を支援することは、離職率の改善のみならず、創造性の向上や人材の能力発揮など、様々なメリットを企業にもたらします。そのため、評価制度や教育体制が求められ、以下の施策が効果的といわれています。

採用ミスマッチの回避

採用のミスマッチは新規学卒者の早期離職の大きな原因となっており、採用・教育コストが無駄になってしまう他、新たな人材の獲得にも動かなければならない深刻な課題といえます。中でも給与や待遇、労働時間などの労働条件の相違は早期退職にもつながりやすく、採用時にしっかりと労働条件などを共有しておく必要があります。

以下のタイミングやプロセスで労働条件を提示することが、ミスマッチを防ぐことにつながります。

  • 入社者の想定不足を解消できるよう、最終面接などで仕事の内容や労働条件について再確認する
  • 採用プロセスの中で、給与や待遇、有休取得率や残業時間などの労働条件を公表し、求職者にしっかり伝える
  • 採用プロセスの中で、人事評価を気にせず、労働条件の話ができるように、先輩社員との面談機会を設ける

また、新入社員研修を経て配属先が決まる際、就業者が事前に希望していた職種や部署に配属されず、退職してしまうケースも見受けられます。そのため、近年では入社時に従事する職種を決める「職種別採用」を実施する会社も増えています。その他にも、ジョブローテーション制度や社内FA制度を整備し、社員が多様なキャリアプランを描けるような社内制度を構築することも効果的です。

これらのミスマッチにおける対策を施したとしても、会社の適正に合わない社員を雇ってしまうマッチングミスが発生してしまうことも考えられます。その場合、企業が獲得したい人材が明確になっていないことも考えられるため、採用活動自体を見直す必要があります。こうしたマッチングミスを防ぐ有効な人材採用手段として、自社の社員を通して、優秀な人材を獲得するリファラル採用が注目されており、ミスマッチを防ぐ高い人材採用方法として評価されています。

【関連】『ミスマッチ』とは?企業にとっての意味やアンマッチとの違い、原因・対策をご紹介/BizHint

離職率改善施策を実践している企業事例3選をご紹介

近年、働き方改革が注目される中、多くの企業や経営者が離職率を改善するために具体的施策を実施しています。今回は離職率の改善に大きな実績を出した、代表的な企業事例をご紹介いたします。

離職率が28%から4%へ改善!サイボウズ株式会社(Cybozu, Inc.)

コラボレーションツール事業を展開するIT・WEB業界を牽引するサイボウズ株式会社(以下、サイボウズ)では、過去最高の離職率28%を記録した2005年以降、ワーク・ライフ・バランスの導入(育児・介護休暇制度や選択型人事制度、ウルトラワーク、副業許可、子連れ出勤制度など)や、社内コミュニケーションの活性化(部活動支援、仕事Bar、感動課の設置など)を実施することで、離職率4%という驚異的な改善を達成しました。

「社員が自分らしく働き、経済的・精神的に自立する」という目的の下、社員が働きやすい労働環境づくりに邁進しており、子連れ出勤制度や在宅勤務などを最新のワークスタイルを導入しています。

【参考】サイボウズ株式会社(Cybozu, Inc.) ワークスタイル

ワーク・ライフ・バランス推進室を設置した、株式会社レオパレス21

アパートの賃貸・開発事業を手掛ける、株式会社レオパレス21(以下、レオパレス)では、2014年1月にワーク・ライフ・バランス推進室を設置し、リフレッシュ休暇や時間単位年次有給休暇制度、テレワーク制度といった従業員が働きやすい環境を構築してきました。2017年には、男性の育児休業取得率を21.43%(前年:2.88%)にまで向上させ、女性社員を対象としたキャリア啓発研修や育児・介護の両立支援制度の導入などにも積極的に取り組んでいます。

その結果、直近3年間の離職率は8%台を低い水準を維持しています。

【参考】株式会社レオパレス21 データで見るワーク・ライフ・バランス

『人を大切にする企業の実現』を目指す、清水建設株式会社

日本を代表する大手総合建設会社の清水建設株式会社(以下、清水建設)では、『人を大切にする企業の実現』を目指し、現場の週休2日制推進や女性育児休職取得率100%達成、介護休暇、リフレッシュ休暇などライフステージに合ったワーク・ライフ・バランスの実現に向けた施策や、40歳以上従業員の人間ドック必須や休職者職場復帰支援プログラムの実施などの健康の保持増進を積極的に推進しています。

その結果、直近の離職率は1.0%前後という高い水準を維持しています。

【参考】清水建設株式会社 人を大切にする企業の実現

新卒社員の早期退職について

将来の会社を担い、新たな企業価値を生み出していくためには、新卒社員の採用は欠かせません。一方で、日本独自の新卒一括採用の弊害により、新卒社員のミスマッチや早期退職が問題となっています。

早期退職のメリット・デメリット

社会人経験が少ない新卒社員にとって、早期退職にはメリット・デメリットが挙げられます。また、企業側としても、早期退職のメリット・デメリットを押さえておくことで離職率の改善にもつなげられます。

【企業側】

  詳細
メリット ・生産性の低い、または就労意欲の低い従業員(問題社員)が自発的に退職していく
・人員補充による即戦力の人材確保のチャンス
・将来の教育コストの削減
デメリット ・今までの採用・教育コストの無駄が発生
・採用した年代と同じ人材確保が難しい
・次年度の新卒社員確保に影響が出やすい

【退職側】

  詳細
メリット 第二新卒として、再就職がしやすい
・自分の気持ちややりがいにマッチした企業への就職に再チャレンジできる
・劣悪な労働環境からいち早く脱することができる
デメリット ・適応能力や業務に対する意欲が少ないと判断されやすい
・貯蓄の少なさから経済的困窮に陥りやすくなる
・1年以内の早期退職の場合、失業保険や退職金制度が受けられない可能性がある

近年では、第二新卒を積極的に採用しようとする動きが増加しており、1回の就職活動でミスマッチを起こしてしまった新卒早期退職者にとって、再就職しやすい状況となっています。一方で、1年以内の早期退職は金銭的困窮に陥りやすく、日本的慣習が強い傾向にある大企業では、「適応能力や業務に対する意欲がない」と判断されることも少なくありません。そのため、短期間の早期退職であっても目に見える形での実績やスキルが必要とされます。

また、BizHintでは「若者の早期離職の理由と対策・防止策をご紹介」において、早期離職者のメリットやデメリット、若者の早期退職への対策・防止策を詳しくご紹介しておりますので、こちらも併せて、ご参照ください。

新卒社員の早期退職の原因

独立行政法人 労働政策研究・研修機構では新卒社員の早期退職の原因を発表しており、最新のデータとして、平成28年度2~3月に実施したデータを公表しています。

新卒社員の早期退職理由として、最も多い項目が「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」であり、次いで「肉体的・精神的に健康を損ねたため」、「人間関係がよくなかったため」となっています。また、「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」という理由も高く、ミスマッチの原因と指摘されている新卒一括採用の見直しが急務と考えられます。

【出典】独立行政法人 労働政策研究・研修機構 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)第5章 「初めての正社員勤務先」を離職した理由と相談相手

新卒社員向けの早期離職対策

新卒社員の早期離職を防ぐためには、企業や職場の人間によるフォローが欠かせません。中でも離職率改善に効果がある施策は以下が考えられます。

メンター制度の導入

メンター制度とは、新入社員のサポート役を比較的年齢の近い先輩社員が担い、仕事の指導や教育、悩み相談などのフォローを促す制度を指します。また、メンター制度はOJT(On-the-Job Training)とは異なり、職場の外からメンティーである新卒社員を見守り、メンタル面でのフォローの意味合いが強い制度と言われています。

上司と部下といった関係ではなく、利害関係の少ない斜め上の先輩が新入社員と関わることで、社員同士が気兼ねなくコミュニケーションをとれる関係を作ることが可能です。

【関連】メンター制度導入!メンターの持つ意味と役割とは?/BizHint
【関連】OJTの意味とは?計画~実行までのフロー、失敗例まで徹底解説/BizHint

フォローアップ研修の実施

フォローアップ研修とは、新入社員研修がひと通り終了してから、一定期間経過した後で行う研修を指します。研修終了後の新入社員を継続的に追いかけ、実際に業務を経験してみての感想や結果を振り返り、研修の成果を確認することで、新入社員の能力を向上させていきます。

新入社員の中には、「うまく能力を発揮できない」、「不安を抱えている」などの悩みを持っているメンバーも少なからず存在します。人事部や管理職が新入社員の現状を確認し、必要に応じて個別面談を実施するなど適切な対策を実施することで、早期離職の予防につながります。

【関連】フォローアップ研修とは?目的・対象者やタイミング・実施内容例や研修会社までご紹介 / BizHint

まとめ

  • 離職率は、ある一定期間内に退職した人の数を、期間の初めに在籍していた従業員数で割ることで求められる。
  • 産業や業界、事業規模ごとに離職率の高低には差がある。
  • 離職理由には労働時間の長さや休日の少なさ、肉体的・精神的な健康問題、人間関係、仕事内容のミスマッチなどが挙げられる
  • 離職率の改善には、働きやすい労働環境への改善や、マネジメント管理体制の整備、評価制度・教育体制の見直しを行い、労働条件やワークスタイルの改善を通して、さまざまな施策を組み合わせていかなければならない。

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