連載:第4回 「幸福経営」の先駆者ネッツトヨタ南国 「社員が幸せだから業績が上がる」
うつの社員ゼロ、離職率1%、女性が大活躍する「心理的安全性」の高い職場
「全社員が人生の勝利者になる」。ネッツトヨタ南国の経営理念です。別の言い方をすれば、すべての社員が幸せな会社、ということでしょう。離職率が1%、うつの社員がゼロの職場、という数字がそれを表しています。保育園が併設されているなど、女性スタッフが結婚、出産後も働きやすい環境も整っています。なによりも、困っている人や悩んでいる人がいたら手を差し延べ、互いに助け合う組織風土になっているから、最終的に落伍者が出ないのです。この心理的安全性の高い職場をどうやって作り上げてきたのか。創業オーナーの横田英毅相談役と伊藤俊人社長(下写真)、同社スタッフの方に話を聞きました。
ネッツトヨタ南国相談役/ビスタワークス研究所顧問
横田英毅(よこた ひでき)さん
1943年生まれ。日本大学理工学部卒業後、カルフォニアシティカレッジに留学。西山グループ系列の宇治電化学工業、四国車体工業を経て、1980年トヨタビスタ高知発足と同時に副社長に就任、87年代表取締役社長。2007年代表取締役会長、10年取締役相談役。愛媛トヨタ自動車の代表取締役も務める。著書『会社の目的は利益じゃない』。また、横田さんの経営哲学を解説した著書に『「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学』(天外伺朗著)がある。
ネッツトヨタ南国代表取締役社長
伊藤俊人(いとう としひと)さん
立命館大学法学部卒業。1988年トヨタビスタ高知(2004年ネッツトヨタ南国に改称)入社。営業担当(中古車営業、その後新車営業)として経歴を重ねる。2005年にネッツトヨタ南国初の営業所「あさくら太陽店」の店長に就任。2013年取締役、2016年常務取締役、2017年より代表取締役社長。
うつの社員がいない、離職率もゼロに近い。その理由とは
――伊藤俊人社長にお尋ねします。自動車ディーラーといえば、離職率が高い業種の一つとも言われています。ネッツトヨタ南国の離職率は、創業以来どのように推移してきたのでしょうか?
伊藤俊人さん(以下、伊藤): 私がこの会社に入ったのは1998年ですが、当時は、人の出入りが激しかったです。社員80人くらいのところ、年間で10人以上は辞めていました。それも優秀な営業スタッフからいなくなっていきました。他社からの引き抜きとか、事業を立ち上げるとか、理由はいろいろでした。ほかのディーラーと同じような定着率だったのではないでしょうか。
それが新卒採用を続けて、生え抜きの社員が育ってきたこともあり、最近は離職率1%くらいで推移しています。もちろん、実家が整備会社で家業を継ぐためとか、ご主人が県外に転勤することになったといった理由で退職する社員はいます。ただ、会社に不満があって辞めていく社員はいません。女性社員は結婚、出産後も、ほとんどが働き続けています。
整然と話が進んでいく全体朝礼会(月1回開催)。前月の販売実績や車検・点検実績などが共有される場。
――メンタルヘルスのことについてお尋ねします。社員の相談窓口を設けたり、産業医を常駐させるなどの対策をしている会社が少なくありません。御社はどのような状況でしょうか?
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