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2017年8月31日(木)更新

リテンション施策

リテンション施策とは、企業によって行われる転職などによる人材流出の防止策のことです。企業に利益をもたらす優秀な人材を見極め、彼らの組織に対するエンゲージメント(親近感や愛着)を高めることで良好な関係を維持し、長く働いてもらうことを目的とした施策です。あらゆる業界で人材獲得難が叫ばれる中で優秀な人材を手放さないための施策も注目されているのです。この記事では実際のリテンション施策の概要から具体的事例にも言及していきます。

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1.人材獲得競争で注目される「リテンション施策」とは

リテンション施策とは、企業によって行われる転職などによる人材流出の防止策のことです。

企業に利益をもたらす優秀な人材を見極め、彼らの組織に対するエンゲージメント(親近感や愛着)を高めることで良好な関係を維持し、長く働いてもらうことを目的とした施策です。

あらゆる業界で人材獲得難が叫ばれる中で優秀な人材を手放さないための施策も注目されているのです。この記事では実際のリテンション施策の概要から具体的事例にも言及していきます。

2.リテンション施策の背景と概要

「リテンション施策」が注目される背景

企業が競争に勝ち続けるためには優秀な人材の獲得が欠かせません。しかし同時に、様々な要因によって労働市場は流動化しており、優秀な人材が転職などで企業を離れるケースも増えています。

特に日本国内では、バブル崩壊後にこの傾向が強まりました。

それまでの終身雇用や新卒一括採用という慣習が崩れつつあり、働き盛りでの転職に対するネガティブな捉え方は薄れています。

結果として優秀な人材の中途採用がしやすくなる一方、自社の優秀な人材が流出するリスクも高まっているのです。

多大な時間的・金銭的コストを投じて育成した人材が、外部に流出してしまうことは企業にとって大きな損害です。

そのため「いかに優秀な人材の流出を抑え、組織力を維持するか?」というリテンション施策が重視されるようになったのです。

ビジネスにおける「ヒト」の重要性の高まり

リテンション施策が注目される理由を、もう少し深く考察してみましょう。

ITの発達などによりビジネスにおける変化のスピードが速くなり、また異業種からの参入などもあってビジネス環境の不確実性が増しています。

企業の持続的な成長には、変化への対応力や柔軟性、優れた発想力を持った人材が今まで以上に必要になっているのです。

企業を構成する3要素として「ヒト・モノ・カネ」の重要性が古くから言われてきました。

特に、自動車に代表される製造業など、第二次産業中心の経済では生産設備への投資をはじめとした「モノ・カネ」こそが、企業の強さと強く相関していたと言えるでしょう。

これに対し、現在の経済は「ソフト化」していると言われています。

ソフトウェア企業、インターネット企業に代表されるように、少数の優れた人材のアイディアが、ITの発達によって世界中に影響を与え、短期間に莫大な利益を生み出すように成っているのです。

企業にとっは、従来の「モノ・カネ」を中心とした経済に比べ、圧倒的に「ヒト」の重要性が高まっています。

しかも均質的な労働者の人数では無く、いかに優秀な人材を獲得できるか否かが、企業の命運を左右するように成っています。

人材流出による企業への影響

この様な状況では、採用・育成した人材が退職、流出してしまうことのリスク、穴埋めのためのコストも拡大しています。

転職市場でなかなか採用できない、優秀な人材の代わりは短期間では見つかりません。

短期的な業績への影響はもちろんですが、新サービス開発の成否など、より中長期にわたって影響する機会損失も考えられます。

日本ではもともと労働市場の流動性が低いうえに、今後の少子高齢化によって優秀な人材の獲得が更に難しくなると予想されており、このこともリテンション施策への注目に繋がっています。

3.リテンション施策において重要なこととは?

単なる引き留めよりも予防策を

リテンション施策の要は、実際に退職や転職に至る前の「予防策」にあるといえます。

優秀な人材であればあるほど、自らのキャリアについても深く考え、慎重に転職・離職の判断をする傾向にあります。

したがって本人の意思が固まり、退職の相談を受けてからそれを覆すことは非常に困難なのです。

普段から優秀な人材が仕事へのモチベーションと、組織へのエンゲージメントを感じてくれる職場づくりに取り組むことこそが最大の予防策だと言えます。

多様化するモチベーションの源泉を理解することが必要

かつての日本や新興国では、優秀な人材のモチベーションの源泉は金銭面での報酬や、権限を伴うポジションなど、比較的シンプルでした。

しかし現在の日本のような成熟した経済では、人々のモチベーションの源泉は多岐にわたります。

例えば企業が「世の中をどの様に良くしようとしているのか?」といったミッション、ビジョンへの共感や、優秀な同僚と働くことのできる環境など。

また女性の社会進出が進み、男性の育児参加も増えつつある中、ワーク・ライフ・バランスや柔軟な働き方に対する許容度なども重視されるようになって来ています。

これからの企業には、優秀な人材ができるだけ快適に仕事を進め、パフォーマンスを発揮できる環境づくりに注力することが求められているのです。

継続的なコミュニケーションによって、社員のエンゲージメントを高める

また待遇やオフィス環境といった、いわば制度面、ハード面での施策だけでなく、組織内のコミュニケーションの改善も重要です。

そのための施策の例が、近年のパフォーマンスマネジメント改革に代表されるような、上司と部下の頻繁な接触によるコーチングやフィードバックです。

コーチングやフィードバックは部下の能力を引き出し、パフォーマンスを上げることだけに役立つわけではありません。

自分が適切に評価されている注目されているという意識(企業側からのレコグニション)が、企業に対する社員のエンゲージメント(親近感や愛着)を高めるのです。

また、待遇の向上や明確なキャリアパスの提示、積極的な能力開発の機会提供もリテンション施策として有効です。

これらは、タレントマネジメントの考え方に通じています。優秀な人材(タレント)を魅了し続けるような機会・環境を意識することによって、人材の流出を防ぎつつ企業体力を高めていけるのです。

引き止めからキャリア・成長支援への変化

また優秀な人材に対する企業のスタンスとしては、リテンション施策に目が行きがちですが、あえて強引な「引き留め」をせず「卒業生」としての活躍を促すというのも一つの選択肢です。

退職の理由が十分な検討に基づくものであり、本人の成長にも繋がると考えられる場合、過剰であからさまな引き留め策は逆効果となってしまうことも考えられます。

退職・転職の決意がどうしても変わりそうにない場合には、退職後も「アラムナイ(卒業生)」としての関係を維持し、将来的にビジネスパートナーとなるよう、人材の成長を後押しするような行動を心掛けたいところです。

マッキンゼーやリクルートなど、卒業生の活躍によって「人材輩出企業」として、採用市場で高い人気を得ている企業は少なくありません。

優秀な人材ほど成長に対して貪欲な傾向にあるため、成長を支援する姿勢が企業の評判にプラスの影響をもたらすのです。

もちろん、本人にとって会社に残るほうが成長に繋がると考えられる場合、一定期間の引き留めを図ることは積極的に行われるべきでしょう。

重要なことは企業側の代表であるマネージャーや人事担当者と社員が定期的にキャリアプランについて議論し、信頼関係を築きながら、合意のもとに雇用関係を維持することだと言えます。

離職リスクの高い人材を選考段階でスクリーニングする

入社後の話とは異なりますが、入社後の早期退職リスクの高い人材については面接等の選考段階でスクリーニングできることが望ましいでしょう。

具体的には早期退職してしまった人材の選考時面接データを集約した上で、人材のタイプ別に事前に聞いておくべき質問事項、伝えておくべき情報を整理しておくことが重要です。

また、入社後継続して活躍が目覚ましい人材についても同様に、どのような点を選考段階から評価していたか等を紐解くことで採用力は飛躍的に向上します。

こうした選考情報の分析にあたっては、情報を一元管理することのできる採用管理システムが大変有用です。

人事向けニュースサイト「BizHint HR」編集部では、独自調査を行い、国内で提供されている採用管理システムの比較一覧を作成しましたので、リテンション施策と合わせてご活用いただければと思います。

4.データ分析による離職リスク予測

人事領域におけるテクノロジーの発達により、データ分析による「離職リスク予測」も、リテンション施策として注目されつつあります。

これは例えば勤怠管理システムのログや、他の社員とのコミュニケーションのログなどのパターンから社員の行動を分析し、過去に離職した社員のパターンとの類似性に着目することで離職を予測しようとするものです。

より具体的には、勤怠状況に問題があったり、業務以外のコミュニケーションが多い社員、周囲と孤立しておりコミュニケーションの量が減っている社員などは、企業への愛着や仕事に対するモチベーションが低下している可能性が考えられます。

このような人材の流出をあらかじめ想定できてきれば、上司とのコミュニケーションの頻度を上げたり、配置転換することなどで離職を予防したり、かりに退職が防げない場合でも予め代替要員の採用に向けて動くことでリスクを最小化することができるのです。

5.まとめ

リテンション施策は人材マネジメントにもつながる

リテンション施策は、単なる人材の引き留め対策ではありません。優れた人材と企業の良好な関係を維持し、企業全体のパフォーマンスを維持・向上させるための人材マネジメントといえます。

その中には、タレントマネジメントの強化や職場環境と待遇の改善、成長機会の提供といた複合的な対策が含まれているのです。

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