はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月16日(金)更新

介護離職

介護離職とは、親など家族の介護のためにやむを得ず離職することを言います。40代から50代の社員を数多く抱える会社の人事担当者の中には、介護離職を検討している社員に対して頭を悩ませているという方もいらっしゃるでしょう。介護離職が大きな問題となり始めている今こそ、介護離職の基本を学んだうえで、自社の社員が最適な決断を下せるようにサポートしていくことが求められます。

介護離職 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

介護離職とは何か?

介護離職とは、主に親の介護をきっかけとして現在の仕事を離れてしまうことを言います。

介護休業法によって労働者には一定期間、家族の介護のために休業することが認められていますが、介護の長期化や介護すべき親が遠隔地に居住している場合など、やむなく離職を選択する労働者は今後増えると予想されており、労働力確保の観点からも対策が必要と考えられています。

なぜ介護離職が発生するか

介護離職が発生する最大の理由は、両親のうちどちらかが介護を行うなどの場合に、いわゆる「老老介護」になってしまう、という点にあります。「老老介護」とは、要介護状態の高齢者を、65歳を越えた方が介護している状況を言います。少子高齢化や核家族化の影響により、実質的に介護の担い手が子供しかいない状態の家族が、この状況に陥るのです。

また、現状においては働きながらの介護が難しいことも、介護離職に拍車をかけています。現状では介護休暇などの制度を十分に運用できている企業は少なく、日中の介護を行いながら働くことは難しくなっているのです。

介護離職の問題点

介護離職を検討する年代は、親の介護を行う40代から50代の方が中心です。この年代の社員は管理職などの形で企業の中核を担うことも多く、そのような人材が流出することは企業にとって大きな痛手となります。

個人にとっての介護離職の問題点

再就職の厳しさ

40代などの方は一旦介護離職を経験すると、年齢的にも再就職をすることに困難が伴います。正社員として再就職することが難しい場合も多いため、介護の必要がなくなった後も収入が少なくなってしまい、生活が厳しくなってしまうースもあるのが現状です。

年収の激減

介護離職は収入源を絶たれてしまうことにつながるため、これまでと同様の生活を送ることは難しくなってしまいます。加えて、前述した再就職の厳しさも相まって生活が苦しい状態が継続してしまいがちになるのです。

メンタル的なダメージ

収入減と介護による負担が重くのしかかった結果、メンタルへの影響から体調を崩してしまう方も数多くいらっしゃいます。社会からの孤立感を抱えてしまうことで、精神的に不安定になる介護離職者も多いのが現状です。

厚生労働省による介護離職対策

介護離職問題の対策として、厚生労働省では以下のような制度を運用しています。しかし、これらの制度は適切に運用されているとは言い難いのが現状です。

・介護休業 ・介護休暇 ・介護による時短措置

【参考】厚生労働省/育児・介護休業法について

介護離職経験者の声

仕事をしていない罪悪感

実際に介護離職を経験した方によると、介護が理由での離職により、仕事をしていないという罪悪感にさいなまれることがあるようです。加えて前述したような収入減の問題や生活の厳しさに直面し、同居する家族、そして介護をしなければならない自分の親とも、確執ができてしまう場合もあります。

社会から置き去りにされる感覚

1日の生活が介護を中心として回っていくために、時間的・精神的余裕は持てない日々が続きます。排泄の介護のため夜中も頻繁に起こされることが多く、睡眠時間を削られる毎日が続きがちです。

1日の生活の主軸が介護になるため、外に出ることも少なくなり、介護離職者は社会からの孤立を深めていってしまいます。その結果、介護対象者である親を虐待してしまったり、ストレスからうつ病を患ってしまったりすることも珍しくないのが現状です。

介護離職を防ぐために求められる企業の対応

相談とコミュニケーションが気軽にできる体制づくり

介護離職をするか否かは最終的には本人の判断になりますが、判断を下す前に十分に人事などと相談を行い、時間をかけて検討可能な仕組み作りが必要です。

また、社内の人事だけでは難しい場合も多いため、社外の社会的資源を活用し、介護に関する専門的なアドバイスを受けられる体制づくりも必要になります。加えて、介護離職を検討していない方であっても、人事などから一定年齢以上の社員に対しては、人事や管理職の方から親と介護に関して相談やコミュニケーションを行わせるなど、働きかける必要もあるでしょう。

まとめ

  • 介護離職とは、親の介護などを理由に現在の仕事を退職してしまうことであり、介護休業制度などが充足していないことから起こってしまっている
  • 企業にとっては社内の中核的人材が流出してしまうことが問題であり、個人にとっては収入源からメンタル的な不安定さを抱えるようになることなどが問題である
  • 介護離職を防ぐために、企業には介護離職に関する相談を社内、そして社外で気軽に相談できる体制を作ることが必要である

介護離職でいわゆる「働き盛り」の社員が退職してしまうことは、企業自体にとっても問題であり、ひいては社会全体にとっての損失でもあります。人事担当者は介護離職について基本を理解し、介護離職を防いでいく取り組みを実際に行っていきましょう。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計60,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 厳選されたビジネス事例が毎日届く
  • BizHint 限定公開の記事を読める
  • 実務に役立つイベントに申し込める
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次