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新卒採用はいつ始まりどう変わってきたか?日本独自スタイルの歴史と背景

BizHint 編集部 2016年12月1日(木)掲載
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日本の新卒採用のシステムは独特です。4月から新年度が始まる慣習など、海外からは驚きの目で見られる日本の就活ですが、新卒採用はいつ頃からあったものでしょうか。独自の進化を遂げてきた新卒採用の流れが国の歴史や経済とどう関わっているのかを紐解けば、今日に至る道筋を理解することができます。近代からつながる新卒採用の歩みを見ていきましょう。

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新卒採用はいつ頃始まったのか

新卒就職第一号は明治時代

明治期の旧帝大出身者は、社会の超エリートとしてほとんどが官僚への道をたどりました。大卒者が実業界に行くことが稀だった時代にあって、1875年慶応義塾の卒業生が三菱に入社します。厳密にはこれが新卒採用の第1号といわれています。

企業側が新卒採用を本格的に開始したのは、1879年の三菱からです。

新卒一括採用の開始は大正期

高等教育を受けた人材の需要が高まる中、1918年の「大学令」が公布され、大学入学が一般化していきます。大学卒業者は増加し、企業は優秀な人材を見定めて採用していました。

しかし、第一次大戦終結と関東大震災を受けた不況で、就職希望者が企業へと殺到したため、企業は応募者に対し選考を行なうようになりました。これが現在の、新卒一括採用につながっています。

就職協定の歴史

新卒採用のフライングには90年の歴史がある

企業による採用活動が本格化するにつれ、より優秀な人材を獲得するため、採用活動は次第に早期化していきました。これが問題視され、1928年には政府指導の就職協定に先駆け、大手銀行主導での「協定」が結ばれます。

当時の文部省を含め、大手企業・大学関係者なども参加し、採用選考時期は「卒業後」と定められました。

ある程度の抑止力は見られたものの、次第に先駆けを行なう企業が増加し、1935年に協定は廃止となります。

新卒採用の就職協定開始は1953年

1997年まで続いた「就職協定」の開始は、1953年です。1950年に勃発した朝鮮戦争の特需景気により、新卒採用が激化。これを受けて当時の文部省・労働省は正式に採用活動解禁日を制定します。

当時の内容は、「選考開始を卒業年度の10月1日以降とする」というものです。

しかし、優秀な人材を確保したい企業側の協定破りは横行し、青田買いに歯止めがかかりませんでした。多くの企業が選考開始前である夏頃には内定を出していたようです。

昭和期の新卒採用と社会経済

売り手市場のバブル期

1950年以降の高度経済成長期には、高卒以上の新卒者の取り合いとなり、地方からの集団就職の風景は上野駅の日常となりました。

1973年のオイルショックで一端その勢いが失われたものの、1980年代半ばから1991年に掛けて日本社会はバブル景気に湧きます。

それに従って企業は新卒者を大量に採用、企業側の売込みによる就職という構図が展開され、現在から見ると破格の待遇での新卒採用が行なわれました。

不景気による就職氷河期の到来

1991年株価や地価などの大暴落が起こり、バブル経済が崩壊します。企業の業績悪化により景気は後退、採用活動は縮小化していきました。

大がかりなリストラが敢行される中、高卒・大卒の新卒者に対しても採用削減が行なわれます。

経済自体は1993年に一度持ち直しを見せ、ゆるやかではありながらも回復傾向となります。それに伴い1997年卒の新卒採用状況は好転が見られました。

しかし、同年の消費税引き上げ、アジア通貨危機、不良債権処理問題などから再び景気が落ち込み、新卒採用についても悪化の一途を辿ります。この時期を総称し、就職氷河期と呼びます。

まとめ

  • 現代の新卒一括採用方式は大正期が起源
  • 就職協定には100年近い歴史がある

近代以降、高等教育の発展と共に新卒採用の歴史が重ねられてきました。時代の変化と経済に大きく影響を受けながら現代の新卒採用に至ります。

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