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2019年11月26日(火)更新

採用コスト

採用コストは、新卒採用や中途採用、募集するポジション、保有している知識やスキル、経験、国籍など、求める人材要件によって大きく増減します。まずは、採用コストの計算方法と平均採用コストを理解し、自社の現状を整理することが重要です。本記事では、採用コストを下げるための方法や助成金情報までお伝えします。

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採用コストとは

採用コストとは、企業の存続や発展のために必要不可欠な人材を雇用する際にかかる費用のことです。

採用コストは、新卒採用や中途採用、募集するポジション、保有している知識やスキル、経験、国籍など、求める人材要件によって大きく増減します。また、採用市場は景気や需給バランスの影響を受けながら常に変化し続けているため、採用コストは年度や採用活動を行う時期によっても変動します。

採用コストの計算方法

採用コストは、面接や採用を行う際の労力や時間など社内で発生する「内部コスト」と、求人メディアの広告費や人材紹介費用など社外に対して支払いを行う「外部コスト」に大別することができます。

そのため、採用に関する全てのコストを可視化し、下記の計算式に当てはめることで採用コストの総額を算出することができます。


採用コスト総額=内部コスト+外部コスト


そして、採用コストという指標を扱う上で大切なのは、総額だけではなく採用者一人あたりのコスト(採用単価)についても正しく把握しておくことです。採用単価は、採用コストの総額を採用人数で割ることによって簡単に導き出すことができます。


採用単価=採用コスト総額÷採用人数


採用コストの内訳/内部コストと外部コスト

先述した内部コストと外部コストについて、もう少し具体的に見ていきます。

内部コスト

内部コストに代表されるものは、人事採用の遂行に関する人件費です。面接や企業説明会の運営、求職者とのやりとりなど、採用業務対して支払われる経費となります。採用担当者の残業代や出張時の宿泊費、交通費なども含まれます。

そのほかにも、以下のようなものも内部コストに含まれます。

  • リファラル採用など、社員紹介に対するインセンティブ
  • 応募者の交通費
  • 採用者の引越し費用

外部コスト

外部コストには次のような経費が含まれます。

  • 求人広告費
  • リーフレットや会社案内、特設サイトなど採用ツールの制作費
  • 外部企業への人材紹介手数料
  • 合同会社説明会への参加費
  • 入社説明会や選考に使用する会場のレンタル費用
  • 採用関連のアウトソーシングにかかる費用

【新卒・中途・アルバイト別】採用コストの相場

他社は採用コストに一体どれほどの金額を費やしているのでしょうか。調査結果などのデータを元に新卒採用時、中途採用時、アルバイト採用時それぞれの採用コストの平均値を紹介します。

新卒の平均採用コスト

株式会社マイナビの「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、新卒採用時の採用コスト総額の平均は557.9万円、採用単価の平均は48.0万円だといいます。しかし、採用コストは会社の知名度や業種によっても大きく変動するため、自社と厳密な比較を行う場合には更に細かなデータをチェックしなければなりません。

【参考】2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

前述の調査結果では、上記のように「上場の有無」や「製造業か否か」といった視点でも採用コスト総額や採用単価をまとめています。この調査結果から、上場していない企業や製造業に属する企業は採用単価が高くなる傾向にあることが分かるでしょう。

【関連】新卒採用とは?メリット・デメリット・最新スケジュールを徹底解説/BizHint

一番高い採用コストは広告費

新卒採用の採用コストの中で最も大きな割合を占めるのが、求人媒体に支払う広告費です。 上場企業では約31%(1783.9万円のうち550.6万円)、非上場企業では約47%(375.1万円のうち175.2万円)が広告費となっています。

【参考】2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

採用人数と採用者一人あたりの広告費は反比例の関係にあります。それはつまり、採用予定人数が少数の企業は採用者一人に対して多くの広告費を投じなければならないということです。深刻な人手不足や売り手市場に苦しむ中小企業は、認知度やネームバリューだけでなく、コスト面でも不利な戦いを強いられています。

【関連】【人事必見】新卒採用の1人当たり採用コストを削減する方法/BizHint

中途の平均採用コスト

株式会社マイナビの「中途採用状況調査(2018年)」の結果によると、中途採用時の採用コスト総額の平均は716.9万円となっています。また、従業員数別で見ると、従業員数60人未満の企業は209.0万円、従業員数60~299人の企業は396.7万円、従業員数300人以上の企業は1290.5万円となっています。

【参考】中途採用状況調査(2018年)/マイナビ
【関連】中途採用とは?意味や母集団形成、面接のポイント総まとめ/BizHint

職種別に見た採用コスト

社会人経験のない新卒者を採用して自社で育成を行う新卒採用に対し、即戦力を求める中途採用では採用コストの大部分を人材紹介手数料や求人広告費が占めます。

以下の表は職種別に中途採用者一人あたりの求人広告費をまとめたものです。

【出典】中途採用状況調査(2018年)/マイナビ

「コンサルタント・金融・不動産専門職」「 ITエンジニア」の求人広告費が特に高いことが読み取れるほか、職種別によって採用コストが大きく異なることがわかります。

アルバイトの平均採用コスト

株式会社ツナグ・ソリューションズが行った調査によると、2009年時点で約2.9万円だったアルバイトやパートの平均採用単価は、2013年までのわずか4年の間に1.7倍の約5.2万円にまで増加したといいます。

また、総務省の調査では若年層(15~34歳)のパート・アルバイト従事者および希望者が、2013年以降ずっと減少し続けていることが明らかとなっています。

この2つのデータから、2013年以降もアルバイトの平均採用コストは年々増加し続けていると考えられます。

【参考】アルバイト・パート1名の採用コストは4年で1.7倍上昇! 人材確保のポイントは「応募時の対応」。/ツナグ・ソリューションズのプレスリリース
【参考】労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果のポイント、概要、統計表等/総務省

採用コストを削減するための5つのポイント

採用コストの削減は全ての企業に共通する課題です。これから紹介する5つのポイントを意識しながら採用活動を行うことで、採用コストの削減を実現させることができるでしょう。

採用業務の効率化

採用業務の効率化は、採用コストの削減を図る上でとても効果的です。採用フローや各プロセスの見直し、マニュアルの作成、採用管理システムの導入などの取り組みを実施することで無駄を省き、生産性を高めることによって内部コストの最小化を実現できます。

【関連】採用業務とは?フローを見直し効率化を図るための方法をご紹介/BizHint

採用管理システムの導入

採用管理システムとは、採用活動の中で取得する多種多様な情報を一元管理できるシステムです。

採用管理システムは主に事務作業時間の短縮を目的として導入されますが、取得した膨大なデータを分析することで採用手法ごとの成果や費用対効果を可視化し、高い精度で採用手法の見直しを行うこともできます。

【関連】「採用管理システム」導入メリットと、比較・検討のポイント/ BizHint
【関連】採用管理システム徹底比較!【2019年最新版】無料プランのツールも紹介/ BizHint

採用手法の見直し

重要なポイントであるにもかかわらず、見落としがちなのが採用手法の見直しです。一度決めた採用手法を一切見直すことなく、慣習のように何年も実施し続けている企業は決して少なくありません。

採用トレンドは年々大きく変化しています。この新たなトレンドを積極的に取り入れながら採用手法を定期的に見直すことで、採用活動全体の費用対効果を最大化し、採用単価を大幅に下げることが可能となります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、FacebookやLinkedInなどのSNSや人材データベースを活用し、人材要件にマッチしている人材に対して企業側からアプローチをかける「攻めの採用手法」です。ダイレクトリクルーティングを行うことで、転職市場には出てこない転職潜在層や人材紹介会社から紹介されにくい人材など、待っているだけでは出会うことのできなかった人材との接点を作り出すことができます。

ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、より多くの学生や転職希望者と接点を持てるように、最初からターゲットを絞り込み過ぎないことが重要です。雇用するごとに成功報酬金が発生してしまうスカウト型サービスだけではなく、無料で利用できるSNS上でのダイレクトリクルーティングも併用することで、大幅なコスト削減を図ることが可能となります。

【関連】「ダイレクトリクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ/BizHint

マイクロリクルーティング

マイクロリクルーティングとは、無駄を徹底的に省いたジャストフィットで行う採用手法です。従来の採用手法のような母集団形成などは行わず、自社で活躍できる人材だけが応募してくれる仕組みを構築します。

マイクロリクルーティングを成功させるためには、「自社なりの優秀人材の定義」が必須です。この定義を明確にした上でマイクロリクルーティングを実施することで、中小企業や地方の企業など「採用弱者」と呼ばれるような企業であっても、採用コストを抑えながら条件に合う人材を獲得することができます。

【関連】今、中小企業が選択すべき採用方法「マイクロリクルーティング」とは?/BizHint

広告媒体の見直しも有効

広告費は新卒採用と中途採用のいずれにおいても大きな割合を占めています。そのため、自社の求人情報を掲載する広告媒体の選定と適切な予算配分を行うことで、外部コストの大幅な削減を実現させることができます。

応募や問い合わせの数は多いのに採用まで至らない広告媒体や、支払っている広告費に対して応募や問い合わせの数が少ない広告媒体は要注意です。出稿回数、出稿タイミング(時期)、応募者数、応募者のセグメントなどを意識しながらPDCAサイクルを回し、広告費の費用対効果を最大限にまで高めましょう。

リファラル採用(社員紹介)の活性化

リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介、推薦してもらう採用手法です。リファラル採用では社員一人ひとりが情報の発信源となり、自社の強みや魅力、ミッション、求めている人物像、仕事内容、業界の現状など自社理解を深めるために必要な情報を周囲の人間に対して発信します。

広告費が一切かからず、募集から面接までのプロセスを簡略化できる上、エンゲージメントの向上や離職防止効果も期待できるリファラル採用は、採用コストの削減にとても有効な手段です。食事補助制度やインセンティブ制度の導入など、社員たちが自ら動きたくなる環境を構築することによって、リファラル採用の形骸化を防ぎ、活性化を促すことができます。

【関連】リファラル採用の意味とは?メリットや組織に根付かせるポイントを解説 / BizHint

ミスマッチの削減

どれだけ採用コストを抑えて人材を雇用できたとしても、短期間ですぐに退職してしまっては何の意味もありません。逆に、雇用した人材が自社内で長期に渡って活躍してくれれば、翌年以降の採用コストを削減し続けられることになります。

このように、ミスマッチと採用コストは密接な関係にあります。採用コストの最小化を実現させるためには、ミスマッチの削減にも目を向けなければならないのです。

【関連】雇用のミスマッチの意味とは?現状を踏まえた原因と対策・解消法 / BizHint

新卒採用には内定者フォローとインターンシップが有効

新卒採用の場合、早期離職だけでなく内定辞退というリスクも存在します。

【出典】辞退の心理 [増補改訂版] 選考・内定辞退を減らす!すぐ真似できる16の手法も紹介!/人事のミカタ by エン・ジャパン

内定辞退の理由は上記のように実に様々ですが、人事担当者や先輩社員による適切なフォローアップや情報共有といった内定者フォローを行うことで、認識のズレが原因となっている内定辞退を減少させることができます。

【関連】内定者フォロー、正しくできていますか?内定辞退を減らす方法とは/BizHint

しかし、職場の雰囲気や社風といった目に見えない要素を言葉や資料だけで正しく伝えることは困難です。そのため、近年では内定辞退やミスマッチの削減、相互理解の促進、エンゲージメントの向上などを目的として、様々な形式のインターンシップを実施する企業が増えています。

【関連】インターンシップの意味とは?実施の目的やメリットをご紹介/BizHint

助成金の活用

厚生労働省は、積極的に雇用を行う企業に対して数多くの助成金を用意しています。 以下は、雇用に関する助成金の一例です。

  • 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
    離職を余儀なくされた労働者を早期に雇い入れた場合に支給
  • 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
    中途採用を拡大した場合に支給
  • 特定求職者雇用開発助成金
    特定の条件に該当する人材を雇い入れた場合に支給
  • トライアル雇用助成金
    特定の条件に該当する人材を試行的に雇い入れた場合に支給

助成金ごとに支給要件が異なるためにややこしく、申請書の作成など手間もかかりますが、公的助成金はいずれも返済不要なので、受けることができれば採用コストの大幅な削減を実現することができます。

雇用に関する助成金の詳細については、リンク先にてご確認ください。

【参考】事業主の方のための雇用関係助成金/厚生労働省

まとめ

  • 上場していない企業や製造業に属する企業は新卒採用時の採用単価が高くなる傾向にあります。
  • 中途採用者一人あたりの求人広告費は職種によって大きな差があります。
  • 採用コストの削減を実現させるためには、採用業務の効率化や採用手法の見直して、ミスマッチの削減など多角的に取り組むことが必要です。
  • 採用管理システムを用いたデータ分析を行うことで、採用手法や広告媒体の見直しが容易となります。
  • ダイレクトリクルーティングやマイクロリクルーティングなど、最新の採用手法を積極的に取り入れることにより、少ないコストで自社にマッチした人材を確保することができるようになるでしょう。

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