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2017年4月27日(木)更新

採用コスト

「採用コスト」とは、企業活動に必要な人材を獲得するためのコストのことであり、採用のための総経費を採用人数で割った「採用単価」が尺度として良く用いられます。採用コストは求人サイトや人材紹介会社など、採用チャネルの見直しやダイレクト・リクルーティング、リファラル採用の導入などによって適切な範囲に抑えることが可能です。この記事では採用コストの相場や、優秀な人材をコストを抑えて採用するための具体的な打ち手についてご説明します。

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優秀な人材を採用することと、採用コストを適切な範囲にコントロールしていくこと。この2つを両立させていくことが人事の使命です。

採用コストの削減と優秀な人材の採用を両立させる効果的な方法を、採用コストの相場やコスト削減のポイントと共にご紹介します。

1.採用コストとは?

採用コストの意味と平均的な採用コスト

「採用コストを削減したい」「採用コストがかかりすぎた」などとよく聞きます。

この「採用コスト」とは、企業の存続と発展のために必要不可欠な「人材を採用するための経費」=採用費のことです。

採用コストは新卒採用と中途採用、さらには管理職やエンジニアなどのハイスペック人材、外国人などのグローバル人材など「求める人材」のタイプやや労働市場の状況などによって変動するコストです。  

自社が1人当たりいくらの採用コストをかけているか知りたい場合は、採用にかけた費用を項目別に算出し、その総経費÷採用した人数で計算することができます。

平均的な1人当たりの採用コストは新卒採用で50万円ほど、中途採用で80~300万円程度と言われています。

採用コストの項目。内部コストと外部コスト

採用コストの中身をご説明します。

まず、採用コストには、外部へ依頼する求人メディアの広告費や人材紹介費用などの「外部コスト」と、面接や採用を行う際の労力や時間に代表される「内部コスト」があります。

次に企業が採用コストとして見ている費用の項目です。

一般的な採用コストの内訳は「求人広告費」「会社案内などの採用ツール制作費」「入社説明会などの会場費」「内定者などの研修費」「エントリーに必要な通信費」「人事採用の遂行に関わる人件費」「縁故紹介のインセンティブ」「採用コンサルタント依頼費」など、となります。

また、特に地方の企業などでみられる採用コストとしては「応募者の交通費」「採用後の引っ越し代」があります。

2. 採用コストの相場

さて、採用コストとして各企業がいくらかけているのかも気になるところです。

採用コストを抑えて優秀な人材を確保したければ、費用対効果を見据えて採用戦略を練ることが課題となります。採用コストは欲しい人材や手法によって違いが出てきます。目的別に採用コストをご紹介します。

新卒採用

新卒を多く採用したい場合、採用コストは多額になります。

2016年新卒採用に関する「マイナビ企業新卒内定状況調査」によると1社当たりの新卒採用費総額の平均は556.0万円、1人当たり45.9万円となります。

実感としては、1人当たり50~60万円というのが人事担当や採用コンサルの感想のようです。

新卒採用コストで注目すべきは、欲しい人材と企業の特性によってはコスト高を考慮する必要があるという点です。

例えば「理系の優秀な学生が欲しい」場合は採用コストが多くかかります。

また、無名な企業は有名企業に比べると優秀な人材が集まりにくいため、採用コストが上がる傾向にあります。

・マイナビ企業新卒内定状況調査(シート86が記事内の費用データ箇所)

https://saponet.mynavi.jp/release/naitei/data/naitei_2016.pdf

中途採用

即戦力となる中途採用の場合は、業種・分野により採用コストに差があります。

業種別に中途採用を見ると、「流通・小売」「サービス・インフラ」業界は人材の需要が他の業界より高いため、採用コストも高くなります。

しかし「広告・出版・マスコミ」や「金融」は、転職希望者に人気が高い業界なので、採用コストが低く済みます。

なお、中途採用のコストでは広告費用約227万円、人材紹介費用約561万円、1人当たりの求人広告費は約40万円とのデータがあります(マイナビ「2014年中途採用状況調査」より)。

・参考 2014年中途採用状況総括

http://news.mynavi.jp/series/tensyoku2014/001/

http://news.mynavi.jp/photo/series/tensyoku2014/001/images/002l.jpg

採用コスト高はエンジニアなどの技術者

職種別に採用コストを見ると、特に採用コストが高いのはエンジニアに代表される技術職の人材です。

機電系、IT、建築・土木の技術者は需要と供給のバランスが悪く、常に人材が不足しているので採用コストが高額になりがちです。

また、技術者に関わらず、求める分野に精通している人材ほど絶対数が少なく、市場にいる期間も短いため、必然的に採用コストが上がってしまいます。

採用コストでは広告費が最も高く、次は人材紹介

採用で最も費用がかさむのは転職サイトなどの求人媒体に支払う「広告費」です。

例えば大手求人サイトの場合、2週間の掲載期間で120~150万程度かかります。

各企業とも採用コスト削減を目指し、広告費をカットして優良な人材を確保しようと画策していますが、やはり広告費の占める割合が採用コストの中で最も高くなります。

次いで採用費用がかかるのは人材紹介サービスです。人材紹介会社への支払いは入社が内定した人材の年収の20~30%にあたる成果報酬を支払うため、かなりの出費になります。

上記以外では説明会の開催費用があり、都市部で平均150万円ほど、地方ならこの半額程度かかります。

・参考 リクナビNEXT(広告代理店使用)

http://www.tag-group.co.jp/chuto/rikunabi_next/

3.優秀な人材を獲得し、かつ採用コストを抑える5つのポイント

広告費削減のポイント。PDCAと媒体選定

採用コストの中でも最も費用がかかるインターネット求人などの広告費を削減するポイントは、PDCAと媒体選定です。

ムダな広告費の削減を目標に、PDCAサイクルを用いて求人広告をデータ管理し、広告の効果を測定します。

例えば応募が多く一見効果はありそうに見えるものの、実際の採用に繋がっていない媒体、優秀な候補者からの応募が少ない媒体などは無いでしょうか?

出稿回数、出稿タイミング(時期)、応募者数、応募者のセグメントなどを調べ、効果のある戦略的な広告へシフトさせて、採用コストダウンを図ります。

出稿媒体の見直しも効果的です。媒体費用がカットできれば、広告費を削減できます。現在では、無料または格安の新しい媒体が次々生まれています。

また、こうした優秀な人材の採用に寄与していない媒体の見極めに関して、採用管理システムを使うことをおすすめ致します。

採用管理システムとは欧米では応募者管理システム(Applicant Tracking System)」と呼ばれ、候補者の選考進捗を非常に簡単に管理することができる他、どの経路(採用手法)からの応募が最も費用対効果が高いかを分析することができるため、採用活動の改善において今後必要不可欠と言われているツールです。

内定承諾率の向上。内定者フォロー

近年、人材獲得競争で問題となっているのが内定承諾です。やっとみつけた優秀な人材に内定を出したら、辞退されないよう手を打たねばなりません。

ジョブセンスが行った「内定承諾率の調査(2015年)」やマイナビの「2016年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、平均的な内定の辞退率は25~30%です。

自社の内定辞退率がこれより高い場合は、なにか対策を行う必要がありそうです。

内定承諾率を上げるためには、内定後のフォローが大切です。

内定辞退は早くするべきと言われていますが、法的に内定辞退が許される期間は入社2週間前までです。具体的に内定フォロー期間を決め、スケジュールを組みましょう。

フォロー内容は①企業と内定者②内定者同士の2つのコミュニケーションを高める施策にします。

企業理解を深める情報を積極的に伝える、ソーシャルメディアを用いたコミュニティを作る、ランチに行く、社長懇親会を催すなどオリジナリティのあるプランを考えましょう。

社内に憧れの先輩を作らせるなど「一緒に働きたい人がいる企業」であることを訴える策も効果的です。

・マイナビ「2016年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」

https://saponet.mynavi.jp/release/naitei/

・ジョブセンス「内定承諾率の調査(2015年)」

http://company.jobweb.jp/research/a-118156

社員紹介への注力。「リファラル採用」

リファラル採用(リファーラルリクルーティング)とは、社内外の人材紹介や推薦を基にする、ひとづての採用方法です。

この採用方法は近年アメリカで非常に盛んになり、日本でもスタートアップ企業などを中心に普及しつつあります。

紹介や推薦で優秀な人材の採用に至れば、広告費や募集~面接のプロセスを省略または簡略化でき、採用コスト削減が実現します。

また一般的に、リファラル採用で入社した社員は、社内に知人がいることや企業文化に対する理解度・マッチ度が高いことなどから離職率が低いと言われており、その点でも採用コスト削減に繋がっています。

リファラル採用には社内制度の整備とSNS運用が効果的です。ただ「誰か人材を紹介してほしい」と社内一斉メールをするよりは、社員に紹介採用報奨金を出す制度を導入した方が社員のやる気を促進します。

また、FacebookなどのSNSで企業情報を発信して社外とのつながりを深め、欲しい人材を紹介してもらう方法(ソーシャルリクルーティング)も「まだ見ぬ優秀人材」に直結する手段です。

採用の内部コスト。最適化、個性的な手法

採用の内部コストが高い企業は面接時間や面接プロセスの見直しが必要かもしれません。面接や採用に関わる業務のムダやムラを無くし、ムリのない最適化を考えます。

実は人事、総務、経理などの事務部門は生産部門に比べて効率化が遅れていると言われています。

「業務の役割分担をチェックし、役割を明確化して生産性を向上させる」「業務のスケジュールを作り、管理を容易にする」「報告書などを見直し、作成もチェックも容易なものにする」「会議時間を設定し、長引かせない」なども立派な効率化になり、採用コスト削減につながります。

また、人事部の業務を社内で共有することでコスト削減を図るという手段もあります

。Yahoo!でも取り上げられ2014年に話題になった面白法人カヤックの「ぜんいん人事部化計画」は社員全員を人事部員にしたことで採用コスト25%カットに成功した事例です。特別な例かもしれませんが、参考になる点も多くあります。

ダイレクトリクルーティングで採用コスト削減

ダイレクトリクルーティングは企業が人材を積極的に取りに行く「攻めの採用方法」です。

人材紹介会社などのアウトソーシングを使わず、自社で人材データベースをやSNSを活用し、採用したい人材を発見して、スカウトから面接、入社までのプロセスを遂行します。

ダイレクトリクルーティングは上手く使えば採用コストを大幅に削減することができる方法です。

人材を発見するために、優秀な人材がその企業に興味を持ってくれるようにような情報発信を行います。

この企業からの情報はいつも面白いと思った人は企業のファンになり、同時に潜在的な人材層になります。そして、この企業の求人なら応募してみようという気になるのです。

4. まとめ

他部署との連携改善でも採用コストが変わる

採用コストに関していろいろご紹介しましたがいかがでしたか?

コスト削減を目指して採用方法を見直す場合は、社内で協力を仰ぐこともヒントになります。

例えばダイレクトリクルーティングを始め、マーケティング部署や広報との連係プレーが有効な採用方法が多いのに気づいていただけたでしょうか。

自社の魅力をよく知る広報と共に採用業務を行うと、ターゲットの人材に企業メッセージを伝えやすくなるのです。

マーケティング部と共に採用戦略を行うのも良策です。優秀な人材とひとくちに言っても、その時により欲しい人材は違うはずです。

しかし人材モデルはある程度分類でき、ペルソナを設定することもできるでしょう。欲しい人材の行動特性に合わせた情報発信を行えば人材集めがラクにでき、かつ、採用に有効な企業ブランド戦略にもなります。

採用は人事だけの問題ではありません。自社に合うコストパフォーマンスの良い採用方法をみつけ、人材獲得を確実に成功させていきましょう。

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