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解雇

2019年1月9日(水)更新

ドラマのワンシーンでは労働者をいとも簡単に解雇する場面がありますが、実際に使用者が従業員を解雇するためには相当の理由や手続きが必要です。解雇に伴う労働基準法違反や労使トラブルの発生を回避するため、解雇の種類や解雇が認められる例、解雇予告・解雇通知の手順等、会社側が知っておくべきポイントを解説します。

解雇とは

労働者が自らの意思で退職をする権利があるのと同様に、会社側もまた、労働者に対し、一方的に労働契約の解約を言い渡すことができます。映画やドラマで、社長が「君はクビだ」等と宣告するシーンがありますが、まさしくこの「クビ」が解雇を意味します。

解雇の意味

「解雇」であれ一般的な「退職」であれ、結果的に「退社」の扱いとなるものの、両者は同義ではありません。「どうせ辞めるなら、退職も解雇も同じではないか」と考える使用者もいるかもしれませんが、通常の退職と解雇とでは、労使双方にとって様々な違いがあります。

退職事由として解雇扱いとなれば、労働者側にとっては「経歴にキズがつく」「退職金が減額または不支給となる場合がある」ことが想定され、一方で会社側にとっては「労使トラブルの火種となる」「雇用関係助成金の支給に影響が生じる」等のリスクを挙げることができます。

このように、労使双方の今後に爪痕を残す可能性のある解雇は、“どうしてもそうせざるを得ない場合の最終手段”として位置付けるのが望ましいと言えます。

解雇の理由

解雇は、労働者側に重大な規律違反や非行があった場合や、会社の経営悪化等によりやむを得ず人員整理を行う場合でも、労働契約法16条に「客観的かつ合理的理由があり、なおかつ社会通念上相当と認められなければ、権利濫用として無効とする」旨が規定されています。

つまり、会社側には解雇権があるとはいえ、いつでも自由に労働者を解雇できるわけではなく、必ず労働基準法や社内規程の枠組みの中で適切に行われる制度でなければなりません。

万が一、解雇について客観的合理的理由が不十分と判断される余地がある場合、労働者は退社後に、労働組合を通して解雇撤回を求める団体交渉を申し入れてくる可能性があります。さらに、交渉によっても解決が難しい場合には、労働審判や訴訟に発展することがあります。事態の悪化を避けるためにも、解雇の妥当性への判断や手続きについて、会社側は慎重に慎重を重ねた対応を心がけるべきであると言えます。