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2016年12月27日(火)更新

人工知能

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目次

    インターネットの普及・ビッグデータの解析、そして人口知能の進化により企業を悩ます人事面での仕事も大きく変わろうとしています。人工知能の今を探り、HRテックの適用について考えていきます。

    1. 人工知能とは

    進化した人工知能が人類を脅かすという、近未来を描いた「ターミネーター」は1984年の映画です。人工知能とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。

    1-1. 人工知能とは

    人工知能とは人間が知能によって行う作業をコンピュータに再現させようとしたものです。明確な定義は存在しませんが、研究者たちの言葉をまとめると「人間の話す言語を理解したり論理的に考えたりする。また、経験から学習することもできる」コンピュータということになります。英語ではArtificial Intelligenceと言います。

    1940年代から研究が始まり現在が3度目のブームと言われています。2011年「Watson」(IBM)がクイズ番組でクイズ王に勝利、2015年「AlphaGO」(Google)が世界トップクラスのプロ棋士、イ・セドルに勝利したことは人工知能の進歩を如実に表すものとなっています。

    人工知能は特定の分野の作業をこなす人工知能と人間のように考え学びさまざまな状況に対応できる人工知能とに分けて考えられます。特定の分野の作業をこなす人工知能は既に実用段階であり、さまざまな場所で目にすることができます。しかし、人工知能の研究者たちが求める人間のような知能を持つ人工知能は未だ研究段階です。

    シリコンバレーではGoogleをはじめAppleやFacebookなどさまざまな企業が人工知能研究に力を入れています。日本でもリクルートホールディングスの人工知能研究機関Recruit Institute of Technologyが研究開発拠点をシリコンバレーに新設、またトヨタ自動車もシリコンバレーに人工知能研究のための新会社Toyota Research Instituteを設立しています。その他、YAHOO、楽天なども自社ビジネスの成長に役立てるため人工知能研究所を開設しています。

    2. 人工知能の種類

    人工知能は種類分けすることができます。二通りの分類についてみていきましょう。

    2-1. 強いAIと弱いAI

    ジョン・サールは特定の課題を解決する人工知能を「弱いAI」、人間のように心をもつ人工知能を「強いAI」と位置づけました。「弱いAI」はプログラムされたことのみを行うことから、人間の知能を部分的に再現した人工知能といえるでしょう。具体的には囲碁・チェス・将棋などをするコンピュータが挙げられます。

    「強いAI」は自ら学び意思決定を行う人工知能のことを指します。。具体的にはSF映画に登場するロボットのように人間のような知能を持った機械が挙げられます。

    まとめると以下のようになります。

    弱いAI:囲碁・チェス・将棋などのように特定の課題を解決する、自我を持たない 強いAI:人間のようにあらゆる状況を認識・理解・判断・実行する、自我を持つ

    「強いAI」(strong AI) と「弱いAI」(weak AI)という概念は哲学者でありカリフォルニア大学教授であるジョン・サールの“Minds, Brains, and Programs”という論文に由来します。論文内「中国語の部屋」の思考実験ではコンピュータを如何に改良しようとも人間の知能レベルになることは実現しないとしています。コンピュータが人間のような知能を持つかどうかという論争に用いられる言葉でもあります。

    2-2. 特化型AIと汎用型AI

    人口知能には個別領域に特化して能力を発揮する特化型AI(narrow AI)と異なる領域で多様な問題を解決する汎用型AI(AGI:artificial general intelligence)があります。

    特化型AIは人間がコンピュータに学習させ特定の任務を遂行するように作られた人工知能です。例えば、チェスをしたり囲碁を指したり、自動運転するといった行為は特化型AIによるものです。iPhone(Apple)のSiriやGoogleの 自動運転車、IBMのWatsonも特化型AIによるものです。

    **特化型人工知能の一例

    • Google検索エンジン:検索ワードにマッチする情報を素早く検索
    • amazonレコメンド機能:購入履歴をもとにおすすめ商品を提案
    • iPhone(Apple):話しかけるとSiriが回答
    • 掃除ロボット「ココロボ」(SHARP):掃除だけではなく話をする(関西弁にも対応)
    • 自動運転車(Google):シリコンバレーでは車道での実験段階**

    汎用型AIは人間のように自力で学習するタイプの人工知能です。現時点で身近にある機械や開発途中の機械に搭載されている人口知能は特化型AIといえます。汎用型AIの開発は研究中ではありますが実現はしていません。汎用型AIには外部からの情報を意味のあるものとして認識する能力が不可欠であり、実現には時間がかかるといわれています。しかし、ここ数年のディープラーニング技術の進化により新たな次元の人工知能の開発が囁かれています。

    3. 人工知能はなぜ注目されるのか

    人工知能は、今、なぜ注目されるのでしょうか。その歴史を振り返ってみましょう。

    3-1. 人工知能の歴史

    1940年代、電子計算機がプログラム可能になったことを受けて、人間のように思考することができる機械を作れるのではないかという議論が始まりました。脳内の神経は脳内の電気信号を化学物質に変えて伝達します。この働きを機械で再現しようとしたのが人工知能研究の始まりでした。

    3-1-1. 第1次ブーム

    第1次ブームと言われる1950年代後半から1960年代では、難解な定理を解読するようになりますが、コンピュータとしての能力の限界が見え始め冬の時代を迎えます。

    3-1-2. 第2次ブーム

    1980年代にはさまざまな経験値を「if then」で表現し意思決定を試みようとした「エキスパートシステム」が登場し第2次ブームを迎えます。人間の知識をすべて記憶させ推論できるシステムを目指しましたが、やはり理想だけが一人歩きし限界を迎えていきます。

    3-1-3. 第3次ブーム

    2010年以降は第3次ブームとなります。高度な処理を可能にしたコンピュータにビッグデータを処理させ、ルールを生成させようとする機械学習が登場します。さらに脳科学を取り入れた機械学習であるディープラーニングへと進化していきます。ディープラーニングは画像・音声・言語認識などの分野でも画期的な働きをすることから、汎用型AIの実現へ期待が高まっています。

    3-2. 2045年問題とは?

    2045年はシンギュラリティ、つまり人工知能が人間の知能を超えると予測されている年です。シンギュラリティ(Singularity)は直訳すると、「特異点」という意味になります。人工知能が人間の知能を超える瞬間がシンギュラリティ(技術的特異点)であり、2045年にその瞬間が訪れるというものです。人工知能研究の権威レイ・カーツワイルは著書『The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology』の中でその時を予測しています。

    カーツワイルによれば、2045年以降、人工知能が人工知能のプログラムを改良し続け、猛スピードで進化を遂げていきます。そのため、2045年以降の未来を予測することは難しいといわれています。つまり、人工知能の発明こそが人類最後の発明ということになるのかもしれません。

    4. 人工知能により仕事がなくなる?

    例えば、無人運転車が普及することによりタクシーやバスなど公共交通は無人化される可能性があります。結果としてタクシー運転手やバスの運転手は失業することになります。人工知能の進化は「職業」にどのような影響を与えるのかでしょうか。人工知能を仕事という観点からみていきましょう。

    4-1. 人工知能の得意なこと、苦手なこと

    人工知能が得意とすることはデータに基づいた識別や予測であり、苦手とすることは過去のデータが役に立たないことです。具体的な内容を以下にまとめてみました。

    ・人工知能が得意なこと 大量のデータの整理・分析 ・人工知能が苦手なこと 前例のないこと・デザインや創作など創造性が必要なこと

    人工知能が得意な分野においては人間の能力を既に超えているといえます。例えばGoogle検索で「AI」と入力します。検索結果とともに「約 1,960,000,000 件 (0.48 秒) 」などと表示されるのが見えるでしょう。これはわずか0.48 秒で約 1,960,000,000 件の人工知能に関する情報を抽出したことを意味します。人間の能力では到底かないません。

    しかし、想像力を必要としたり臨機応変な対応を求められたりするような分野は人工知能には苦手なことといえます。

    4-2. 人工知能によりなくなる仕事

    野村総研では10~20年後には労働人口の49%の職業がなくなると推計し、「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」(NRI)を発表しています。主なものを以下に挙げてみました。

    一般事務員・警備員・スーパー店員・タクシー運転手・給食調理人・銀行窓口係・行政事務員(国・県市町村)・電子計算機保守員・ホテル客室係・レジ係・スーパー店員・自動車組立工など

    この研究は英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士らとの共同研究によるものです。米国の場合は702の職業をクリエイティビティ、知覚、細かな動作などの項目によりチェックし10年後の消滅率を算出しました。野村総研の調査も同様のアルゴリズムを用いて601の職業についてデータ分析したものです。

    データの分析や秩序的なパターン化しやすい仕事・規則的な仕事はとくに人工知能が得意とする分野です。事務職、製造や販売関連の職業は人工知能に取って代わられる可能性が高くなります。一方で創造性の高い職業や心理的理解など、過去のデータがあまり役に立たない職業は人工知能に代替される可能性は低いと言いえるでしょう。

    4-3. 雇用はどうなる?

    経済産業省は人工知能などの技術革新をうまく取り入れなければ2030年時点で735万人の雇用が失われると予測しています。しかし、産業の再編や連携などにより雇用の減少を161万人まで抑えることも可能としています。

    スーパーのレジなど人工知能に取って代わられる可能性の高い職業も存在する一方、高度なコンサルティングなどを伴う業務は雇用が増加する可能性も高いとされます。また、新しいサービスの創出に伴い、その技術を使いこなす人材が必要となります。

    産業の改変期に伴う企業の動きが雇用のカギを握ることになります。大企業の動きが時代の流れに追い付いていないという声もある中、企業やベンチャーの活発な動きが期待されます。

    5. 人工知能、人事領域への適用

    会社の人事というと、なにかと不透明なイメージがあります。何をどのように評価し昇進や配属が決まるのか、またそれが適正なものか否か、疑問は尽きません。HRテックは人事関連業務に人工知能を取り入れたものです。HRテックについてみていきましょう。

    5-1. 進むHRテックの適用

    HRテックはビッグデータの解析や人工知能など最先端の技術を使用し、採用・育成・タレントマネジメント・評価・業務改善など人事関連業務を行う手法です。アメリカでは高い認知度を得ているHRテック、国内でも徐々に関心が高まりつつあります。

    HRサービス業界やベンチャー企業などが次々と新しいサービスを開発し、人事労務一般を取り扱うサービスも登場しています。労務管理に関する煩雑な手続きをWEB上で行うサービスでは社員の入退社から年金事務に至るまで一元管理することができます。HR業界やIT業界をはじめHRテック関連のサービスの急成長が予測されます。

    採用に関するHRテックの適用例

    「採用」について考えてみましょう。HRテックの適用により以下のようなこともコンピュータでスピーディーに行うことができます。

    ・人材に関するデータを出身大学・経歴・属性などでスコアリングする。 ・企業のデータと人材データをもとに最適な人材を選択する。

    企業にとって応募者が多いということは喜ばしいことですが、採用担当者からみると決して楽な作業ではありません。HRテックの導入により母集団から候補者の絞り込みがスムーズにできます。また、ミスマッチを減らすという効果も期待できます。HRテックの適用が人事の仕事を簡略化してくれることは間違いないでしょう。

    5-2. HRテックの適用が進む場面

    人材管理から福利厚生まで、HRテックは様々な場面で適用が進んでいます。具体例を挙げてみましょう。

    ○採用 ・採用関連のスケジュール管理、コスト管理を行う ・求人票作成から応募者管理を行う ・就活者のバッググラウンドや志向などを詳細に分析、企業と就活者をマッチングする

    ○育成 ・個人のデータを詳細に評価分析、最適な研修メニューを提案

    ○配属 ・特性をスコアリング、適材適所を提案しリテンションにつなげる ・スキルや経験プラス本人へのアンケートをデータ化、マネジメントや人材配置に活用

    ○評価 ・パフォーマンスや目標に向けての進捗を数値化し評価、モチベーションアップや仕事効率化につなげる

    ・個々が業務目標を設定、フィードバックにより実現に近づける ・個々をスコアリング、私情が入らない正当な評価を提案

    ○タレントマネジメント ・タレントやスキルなどを一元管理、人材配置や人材開発に役立てる

    ○労務管理 ・スマートデバイスなどを活用することによりテレワークにも対応した勤怠管理を実現 ・残業の時間数などから働きすぎかどうかを分析、健康管理に役立てる ・健康診断や生活習慣に関する分析、病気や離職のリスクを軽減 ・人事考課から昇進、昇給、賃金などを一元管理 ・社会保険の手続きを簡略化

    HRテックにはさまざまなサービスが登場しています。個々の社員の採用プロセスや社内での業績などあらゆるデータを人工知能が分析、最適な答えを導き出します。HRテックの適用は人事の仕事を大きく変えていくでしょう。

    6. 企業経営には新しいテクノロジーへの対応が必須!

    • 人口知能は人間が持つ知能を、コンピュータを使用し再現しようとしたものである
    • 2045年、人工知能が人間の知能を超えるといわれている
    • 人工知能の発達により雇用が変わる
    • 人材管理から福利厚生まで、HRテックの適用が進んでいる

    HRテックの適用が進む中、こうしたテクノロジーをいかに使いこなすかが求められています。倫理面や安全面などさまざまな問題が考えられますが、人工知能の活用は企業が成長していくために不可欠な要素と言えます。企業経営には新しいテクノロジーに適応していくことが求められているのです。

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