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2017年8月30日(水)更新

テクノ失業

テクノ失業の意味とは、人工知能(AI)やロボットなどの導入に伴い人間の職が失われてしまうことを言います。アメリカなどではテクノ失業は既に進行しており、ベーシックインカムなどの対策が既に取られている地域もあります。そのような時代の流れの中で失われていく職業や、生き残っていく企業や人材とはどういったものなのでしょうか。

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テクノ失業とは?

テクノ失業とは、人工知能(AI)やロボットが人間の労働力の代わりになることで多くの人の仕事が失われることを言います。18~19世紀の産業革命以降、世の中のコスト・人権費削減という流れが広まりました。すると、先進国を中心とした世界中の経営者たちは工業用ロボットや掃除用ロボット、さらには接客ロボットまでもを人間の代替とするようになりました。こういった流れにより、近い将来、人工知能やロボットの発達によって現在日本にある職業の49パーセントが代替されるということも推計されています。

加速するテクノ失業

作業のオートメーション化によって世界中の国でテクノ失業は既に起こっています。ITが発達したアメリカでは、オバマ大統領による失業率低下政策とは裏腹に、テクノ失業が既に社会問題になりつつあります。例えば、テラーと呼ばれる銀行の窓口係の業務がネットバンクに代替された事により、アメリカのテラーの数は2001年~2010年にかけて約70万人も減少しました。また、同時期には工業用ロボットなどの導入によって製造業の作業員約270万人の仕事が失われました。こういった流れは現在、IT先進国アメリカだけには留まっていません。世界中14カ国に生産拠点をもつ鴻海(ホンハイ)精密工業でも、江蘇(コウソ)省の工場において”6万人の作業員をロボットに置き換える”と海外メディアは報じました。もうテクノ失業は遠い未来の話ではないのです。

参考記事 : オバマ大統領がAI未来戦略発表。テクノ失業、ベーシックインカム、マトリックスの卵など語る

テクノ失業の職種別影響

ロボットやコンピュータは同じ作業を繰り返すルーティーンワークがノンルーティーンワークに比べて得意とされています。しかし、現在では単純作業を中心とする工業作業員だけでなく、一昔前は素人には難しいとされていたカメラマンや料理人などの仕事もテクノロジーの進化によって職を奪われる可能性が出てきました。こういったテクノ失業の脅威はどの職種まで飛び火するのでしょうか。そこで、オックスフォード大学のレポートを参考に作った以下の職種別のテクノ失業可能性と雇用者数のグラフをもとに見ていきましょう。

参照 : THE FUTURE OF EMPLOYMENT

テクノ失業の影響が大きいと予測される職種

グラフからも読み取れる通り、将来消滅可能性の高い職種はアメリカのデータでも47%を占めています。特に消滅可能性の高い職種には”事務仕事”や”製造業”,“運送業”が入ってきているのが分かります。この原因として考えられるのは前述のとおり、「製造・事務業にはルーティーンワークが多い事」また、「運送業では車や電車や航空などの運送の無人化によって大幅なコスト削減が起こるかもしれない事」が失業可能性を引き上げていると考えられます。

機械に当面は代替されないであろう職種

失業可能性が高い職種とは反対に、”教育”や”エンジニア”,”アーティスト”,”弁護士”はテクノ失業可能性が低くなっています。こういった職業に共通して見られる特徴は、”クリエイティブさ“・”ヒューマニティー”が求められる仕事であるという事です。たとえどんなにテクノロジーが発達し、人工知能やロボットが労働の大半を占める日が来ても”ヒューマニティー”や”創造力”は人間最後の武器になるでしょう。また、細かい職人技術が必要な職業も当面人間が機械に負けることは無いとされています。技術的に機械が人間に追いついても、コストが人件費より低くなければ機械導入のメリットは無いからです。

テクノ失業に負けない人材

人工知能(AI)やロボットは、プログラムにインプットされた事や描かれたシナリオを除いては自分自身に”なぜなのか”という疑問を問うて解決する事はできません。しかし、人間にはそれができるのです。また、人類は何もないゼロからアイデアを構築する創造性や、他の人間と切磋琢磨してお互いの能力を向上させる力、さらには他の人間との関係を築くコミュニケーション力を持っています。今後テクノロジーが進んでいく中でも、こういった”いい意味での人間らしさ”は人類のみが持つことができる特別な能力であることに変わりはありません。よって、この人間らしさが生む能力を持つ人であれば、テクノ失業に負けない人材として活躍し続けられることでしょう。

ベーシックインカムは効果的な対策といえるのか

全世界で何億人もの人が失業した場合に備え、有力な解決策として挙げられるのが「ユニバーサル・ベーシックインカム」(UBI)です。日本名は「全国民向け最低賃金保証」であり、名前の通り全国民は所得水準や就業状態に関係なく政府から一定額を受け取るという仕組みになっています。また、この支給額は生活に最低限必要な額でないといけません。この政策は、テクノ失業が顕著なアメリカのアラスカ州などで既にテスト実装されており、結果として最終的に1万人以上の雇用が生まれています。また、ベーシックインカムの話が挙がると、必ずと言っていいほど「人間の働くことへの欲求が失われてしまうのではないか」という議題が浮上します。この答えは端的に言ってそうではないといっていいでしょう。それは、アラスカ以外にベーシックインカムのテストが実施されているナミビアなどでも、犯罪率低下や所得水準向上といった良い結果を生んでいるからです。こうしたテクノ失業に対する対策を踏まえて、テクノ失業は国・個人共に大きな問題になっていくことは間違いありませんが、人間それぞれが自分らしさを求めるきっかけになるともいえるでしょう。 参照: 日本経済新聞

まとめ

  • テクノ失業とは、AIやロボットの導入よって引き起こされる失業のこと。
  • 高い職人技術やクリエイティブな能力が必要な仕事は当分代替されない。
  • テクノロジーに負けない人材とは、人間らしい能力を備えた人物である。
  • ベーシックインカムは、現時点で有効な対策の一つであるといえる。

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