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2018年8月10日(金)更新

グローバリゼーション

技術革新により、国・地域という物理的な枠組みを超えて、経済の自由化や人的交流を可能とするグローバリゼーション。日本社会に生きる私たちにもさまざまな恩恵を与えてくれると同時に、脅威にもなりつつあります。今回はグローバリゼーションの定義や課題、メリット・デメリットから企業事例まであわせて、ご紹介いたします。

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グローバリゼーションとは?

国や地域などの枠組みを超えて、あらゆる分野で統合(画一化)が可能となるグローバリゼーション。経済学や社会学でも議論・普遍化されることも多いことから、その定義も曖昧になりがちです。グローバリゼーションの定義や出現した背景、国際化との違いを知ることで理解を深めることができます。

グローバリゼーションの定義(意味)とは?

グローバリゼーションとは、ヒト、モノ、カネが国・地域という枠組みを超えて、活発に移動し、政治や経済、文化が地球規模で拡大する現象、または用語です。

グローバリゼーションの事例としては、資本主義・自由主義(もしくは社会主義国の経済特区)を採用した新興国や発展途上国が「経済の開放」などの市場化改革に乗り出し、他国の産業や文化を自国の発展に活用する動きが挙げられます。一方で、資本力の高い多国籍企業の進出により、自国の産業や農業の停滞、自国民の雇用機会の喪失、または政治的に利用されるデメリットもあり、地域主義または自国発展主義(ナショナリズム)の拡大につながると警鐘を鳴らす経済学者も存在します。

今後、イノベーションがもたらす技術革新により、グローバリゼーションが活発化することが予想され、日本企業の多くがグローバル化(地球規模化、世界化)に対応したビジネスモデルの創出や、人事制度の改定(グローバル人事の導入やダイバーシティの尊重など)が急務となっています。

その他、地球規模での社会的経済・生産基盤が構築される上で、地球温暖化や自然破壊といった環境汚染問題、人的交流の拡大によるパンデミック(感染症の世界的流行)の発生が、グローバリゼーションが生み出す副産物として、指摘されています。そのため、国際機関を通じて、各国が協力することが重視されています。

グローバリゼーションが出現した背景とは?

グローバリゼーションの歴史は古く、その始まりは16世紀ヨーロッパの大航海時代といわれており、1760年代に起きた産業革命から一気に拡大したと考えられます(諸説あり)。その後、第一次・第二次世界大戦時の停滞期を迎えるも20世紀後半から21世紀にかけて、さらに拡大していきました。鉄道や飛行機といった交通・輸送手段が移行したことに加えて、インターネットサービスをはじめとするテクノロジーの発展が、ヒト、モノ、カネを流動的にさせたと考えられます。

同時に、従来の先進国から先進国へ、もしくは新興国へと商業を拡大していく体制から、アジアを中心とした新興国に生産・研究開発拠点を設け、リバース・イノベーションの実現や地域密着型のグローカリゼーションという新たな現象や考え方も生まれています。

今後、AI・ロボティクス産業が発展していく中で、今までにないスピードでグローバリゼーションが拡大することが予想されます。不確実性が増す世界経済において、行政・企業が協力体制を築きながら、自国の国際競争力を高めていくことが求められます。

グローバリゼーションと国際化との違いとは?

国際化とは、「国際的な視点に立って、地球規模で行動する」という概念を指します。経済学の分野では、「国際的な規模の拡大」と解釈されることも多く、海外事業の立ち上げやローカライズを前提にした事業展開とも認識されています。また、国際化は国境線を前提とした国同士の活発な相互作用を促すものであり、国が管理する政策や規制に大きく依存し、2国間以外からの影響は受けにくい特徴があります。

一方で、グローバリゼーションは国・地域をはじめ、あらゆる枠組みから外れ、ヒト、モノ、カネ、情報までも交互に行き来し、世界規模での統合が図られていく現象です。そのため、経済、文化などの分野において、相互連鎖関係が構築され、間接的な影響を受けることも珍しくありません。1997年のタイを中心として起きたアジア通貨危機や、2008年のリーマン・ショックによる世界経済危機は、まさにグローバリゼーションの影響を示した事例といえます。アメリカの地方を対象とした金融商品だったにも関わらず、世界経済に大きく関与する証券会社大手リーマン・ブラザーズ社の経営破綻により、製造業を生業とする日本経済にも影響が表れ、日本経済全体が落ち込む事態にまで発展しました。

このようにグローバリゼーションは広い分野において、複雑かつ密接に絡み合っており、地球規模でさまざまな影響を生み出す現象ともいえます。経営者は海外進出を単なる事業の国際化として捉えるのではなく、海外進出を行うことで、自社にどのような影響がもたらされるかを精査しなければいけません。

グローバリゼーションの本質を理解し、自社にとってのメリット・デメリットを把握・理解した上で、事業展開を図る必要があります。

グローバリゼーションの企業事例とは?

戦後、高度経済成長を経験した日本では、 グローバリゼーションの恩恵を受け、製造業を中心にグローバル企業として活躍している企業が多数存在します。今回は日本企業だけでなく、グローバリゼーションにおいて、目まぐるしい活躍をしている企業事例をご紹介いたします。

トヨタ自動車株式会社によるグローバル基準での品質確保

日本を代表するグローバル企業であり、自動車メーカーの大手であるトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)では、「グローバル基準での品質確保(均質化)」を目指し、約170以上の国と地域において、生産拠点の現地化を進めています。生産体制の構築において、「どこで作っても同じ品質」というグローバル基準の品質確保を掲げており、「Made by TOYOTA」の実現に向けたグローバリゼーションを展開している良き企業事例といえます。

「トヨタウェイ」というトヨタ独自のモノづくりの考え方を現地に浸透させ、各拠点の自立化を促進して、現地の経済発展にも寄与しています。

【参考】トヨタ自動車株式会社 モノづくりのグローバル化と現地化

P&G Japanによるグローバル組織体制の転換

世界最大の一般消費財メーカーである米P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の日本法人P&G Japan(以下、P&G)では、グローバリゼーションによる経営環境の変化を受けて、「多様性を尊重する企業文化」、「多様な人材・働き方を支える制度」、「多様な社員が活躍するためのスキル」という3つの推進の柱を掲げ、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)を推進しています。

グローバリゼーションのメリットを活かす上でもグローバル基準の組織体制の転換は必要不可欠です。P&Gでは、経営陣をトップとし、人事統括本部を中心としたダイバーシティ・マネジメント施策を推進しており、世界180カ国で自社製品(商品)の展開強化につなげています。

【参考】P&G Japan ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)

塩野義製薬株式会社によるグローバル新薬の開発

医療用医薬品の製造・販売を手掛ける塩野義製薬株式会社(以下、シオノギ製薬)では、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という理念の下、グローバル新薬の開発・販売を行なっています。米国では積極的なライセンス活動を実施し、欧州の研究開発拠点Shionogi Limitedでは、新薬開発のスピード化と販売パートナーの選定、大学などの現地研究機関との共同開発に取り組んでいます。

新市場であるアジア圏においては、傘下グループのC&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited(C&O社)を中心に、中国市場に向けた事業展開を行なっています。グローバリゼーションを背景に、事業のグローバル展開を企業の持続的成長における中長期戦略として捉えています。

【参考】塩野義製薬株式会社 グローバル化への取り組み

日本IBM

次世代人工知能ワトソンの開発で注目を集める米IBMの日本法人、日本IBM(以下、IBM)では、事業や地域の横断を前提に経営資源(ヒト、モノ、カネ)を一元化したグローバル企業を目指し、世界中の活動拠点を統合・最適化のためのガバナンス強化を促進しています。

生産性の向上・コスト削減を目指したグローバル基準でのコントロール体制、情報の品質向上を前提とした意思決定、付加価値の高い経済活動などの迅速な事業遂行を目指した21世紀型グローバル企業の実現を、ソリューション事業としても取り組んでいます。

【参考】日本IBM 真の「グローバル統合企業」となるために

日本におけるグローバリゼーションの課題とは?

高度な技術力を背景に、自前主義(クローズド・イノベーション)を前提とした経済活動を推し進めてきた日本では、グローバリゼーションによる国際競争力の低下が指摘されています。グローバリゼーションのメリット・デメリットをご紹介しながら、日本が抱える課題をご紹介いたします。

グローバルゼーションのメリットとデメリット

地球規模で相互連鎖関係が構築され、さまざまな影響があるグローバリゼーションでは、メリットとデメリットが存在します。

グローバリゼーションによるメリット

グローバリゼーションの拡大は、経済・ビジネス上でのメリットが多く、先進国の資本や技術を投入、もしくは受け入れることで自国の発展に寄与でき、グローバル経済の発展が可能です。

先進国の企業では人件費を含む生産コストの高騰を抑えるだけでなく、海外進出をはじめとした国内市場経済の縮小への対応策としても活用できます。また、環境問題が地球規模で拡大する中、国際的な協力が不可欠となり、地球環境における問題意識や関心を世界規模で高めるメリットもあります。

インターネットサービスの発展やデジタル化は、金融のグローバル化(地球規模化)を促進させ、企業・個人問わず、対外金融資産への投資を活発化させたこともグローバリゼーションの良い影響といえます。

グローバリゼーションによるデメリット

グローバリゼーションは国・地域という枠組みを超えて、さまざまな分野で世界的規模での相互連鎖反応をもたらします。

従来であれば、局地的な災害や疫病の発生は、その地域内で完結させられる事態でした。しかし、生産拠点の構築や航空機を中心とした輸送インフラの発展といったグローバリゼーションの影響により、局地的な被害が自国の経済にも打撃を与える事態に発展するようになってしまいました。投資信託や外貨預金をはじめとした家計の対外金融資産への投資を向上させる一方で、資金が海外に流れ、国内産業の空洞化にもつながるという副作用も生じています。これらグローバリゼーションの影響により、自国内の雇用の損失が生まれ、失業者の増加や雇用保険の適用による財政圧迫にもつながっています。

また、多種多様な価値観を持つ人的交流(移民政策など)は、文化上の衝突や対立の原因ともなり、有権者の懸念から、移民削減、保護主義の台頭、国家管理の強化といった閉鎖的な地域主義の誕生のきっかけにもなります。近年では、インターネット技術の発達やデジタル化により、大企業や行政機関を標的にした、海外からのサイバー攻撃も問題となっています。これらのサイバー上の脅威もグローバリゼーションが生み出した負の副産物のひとつとして、議題に挙げられています。

グローバリゼーションと生産性向上とのバランス

製造業を中心に国際貿易が盛んな日本において、マイナス金利政策などの金融緩和は為替レートを円安に誘導し、国内企業の利益率の底上げに一定の成果を出せました。さらに、アジアを中心とする新興国での生産体制の構築は、原材料調達費・人件費などのコスト削減につながっています。一方で、国内では雇用機会の損失にもつながっており、「第四次産業革命への対応」を含めた「生産性の向上」と「新たな付加価値の創出」の遅れが指摘されています。

生産性向上が急務とされている日本において、自国の貿易財セクターの生産性上昇は、実質為替レートが上昇(円高)する傾向がみられます。そのため、円安の恩恵を受けやすい輸出産業は、生産性の向上に伴う円高と、円安を前提とした運用体制とのバランスをその都度、見直さなければいけません。

【参考】経済産業省 :第二節グローバル化と日本経済
【参考】経済産業省 製造業をめぐる現状と課題への対応

グローバル人材の不足

日本経済の再成長を目指す上で、日本企業のグローバル人材の確保が急務とされています。しかし、日本のグローバル人材の教育政策は遅れており、TOEFLの国別ランキングにおいても、日本人の英語力は163カ国中135位、アジア内では30カ国中27位と低水準となっています。

また、企業が求める若手社員のグローバル人材に求める能力として、「外国語で商談・会議が行なえる」という一般業務スキルと、「外国人とともに課題の発見・改善活動ができる」という業務遂行能力を挙げています。一方で、中堅社員以上のグローバル人材には、海外拠点の管理職、複数の海外拠点管理・ビジネスの拡大といったマネジメント能力が求められます。

しかし、日本人の海外留学者数の推移は2004年から減少しており、企業が考える「海外拠点の設置・運営にあたっての課題」では、「グローバル化を推進する国内人材の確保・育成」が74.1%(2010年3月調べ)と、日本におけるグローバル人材の教育システムの不備が見て取れます。このように、日本全体の課題として、グローバリゼーションに対応できるグローバル人材の不足が指摘されています。

【関連】グローバル人材とは?定義、必要性、採用や育成のコツをご紹介/BizHint HR

【参考】経済産業省 第4章 外との繋がりによる日本経済の新たな成長に向けて

価値観の多様性への対応不足

国や地域に囚われず、ヒト、モノ、カネ、そして情報の往来を可能とするグローバリゼーションにおいては、人材マネジメントの分野での課題が指摘されています。各国ではその地域に根付いた宗教観、歴史的経緯によって、価値観が形成されると考えられています。そのため、価値観の異なる派遣元の幹部社員と現地社員との間に溝が生まれやすく、適切なマネジメントが実施されない事態が生じてしまいます。

日本に限らず、多くの先進国企業において、現地の経営人材の登用や、多種多様な価値観を尊重する姿勢が求められおり、世界規模での評価体制や人事制度を導入するとともに、経営層の「多様性への理解」がグローバル展開を成功させる鍵となります。

グローバリゼーションへの日本政府の取り組みとは?

日本の国際競争力の強化と国内産業の活性化に向けて、政府はグローバリゼーションに関するさまざまな促進政策を発表・施行しています。今後、グローバリゼーション関連に注力したいと考える経営者や経営企画室担当は知っておくべき情報でもあるので、ぜひ確認してみてください。

国際化指標2010の策定

国際化指標2010とは、経済社会環境がグローバル化する中で、日本企業が抱える「人材の国際化」という課題に対して、グローバル人材の教育や人材マネジメントに対する具体的な取り組みを記した指標を指します。2008年に起きた世界金融危機であるリーマン・ショック以降、グローバル化社会で日本企業がさらなる成長を実現する上でも国内外の人材が活躍できる組織作りを重視した指標です。

国際化指標は、全85項目から構成されており、「グローバル人材の選抜・配置等」、「人材の採用・育成」、「業務プロセス」の3つの領域で、大きく分けた18の項目に分類されています。「グローバル人材の選抜・配置等」では人事部門の戦略的な位置付けや、職務・キャリアパスの明確化などの項目が、「人材の採用、育成」では国内外での外国人・新卒採用及び人材の育成の項目、「業務プロセス」では企業理念の浸透、技術・ノウハウの共有などがそれぞれ記されています。

【参考】経済産業省 日本企業の人材マネジメントの国際化度合いを測る指標(国際化指標2010)

対内直接投資の推進

グローバリゼーションのメリットとして、潤沢な資本と高度な技術を持つ外国企業の誘致がもたらす自国産業の発展が挙げられます。、優れた経営手法や技術を持つ外国企業の誘致は、同じく優れた技術を持つ日本の中小企業との共同開発や、国内企業のグローバル市場への展開が見込めます。

しかし、日本の「対内直接投資残高の対GDP比」は、2016年時点で対内直接投資残高27.8兆円(対GDP比率5.2%)までに拡大したものの、世界198ヶ国中189位と、まだまだ低水準といえます。日本政府では2020年までに対内直接投資残高35兆円を目指しており、投資案件の発掘・誘致活動の司令塔機能の構築、制度改革、規制・行政手続きの見直し、高度外国人材の在留資格制度の緩和、英語化対応の促進、日本人の英語教育の強化といったさまざまな取り組みを促進しています。

【参考】経済産業省 第5節 内なるグローバル化の推進

オープン・イノベーションの促進

オープン・イノベーションとは、外部の研究機関・大学・企業などから新たな発想や技術を募集し、次世代のビジネスモデルを開発するイノベーションを指す用語です。

自前主義(クローズド・イノベーション)を得意とする日本の大企業は、「経済のグローバル化に伴うプロダクトライフサイクルの短期化や顧客ニーズの多様化に対応できていない」と指摘されています。オープン・イノベーションは事業推進のスピードアップや外部の新たな知識・技術の獲得、短期間・抵コストでの研究開発が期待できます。グローバリゼーションは生産拠点の構築によるコスト削減といった経済面やリバース・イノベーションをはじめとしたイノベーションの在り方さえも変化させます。

そのため、日本政府でも「オープンイノベーション白書」を発行し、オープン・イノベーションの取り組みの現状の可視化、関連データの集約、企業事例の紹介などを行っています。

【関連】「オープン・イノベーション」とは?定義やメリット、課題や企業事例までご紹介/ BizHint HR

日本企業が取り組むべきグローバリゼーションへの対応とは?

自前主義を前提に経済発展を遂げてきた日本企業は、グローバリゼーションへの対応が遅れ、さまざまな分野において、諸外国に差をつけられています。今後、日本企業が国際競争力を高めていく上で実施しなければいけない対応をご紹介いたします。

リスクマネジメント体制の構築

10年後も高い競争力を維持する上でもグローバル化への対応を課題として認識する企業の割合は68.9%と高く、年々上昇している傾向がみられます。同時に事業活動の比率の拡大、M&Aを前提とした海外市場の獲得、海外に研究開発拠点を設ける動きも加速しています。

そのため、企業は国内事業とは異なるリスクマネジメント体制の構築を重要視しており、経営者を含む企業人材は高度なリスクマネジメントが求められています。リスクマネジメントの対象となる項目として、進出先の法規制などの監視強化、マーケット分析、情報セキュリティ・リスク対応、想定外リスクの認識・報告体制または組織文化の構築が挙げられます。

中でも有価証券報告書やCSR活動レポート関連のコンプライアンス遵守、災害に対するBCP(事業継続計画)の整備など、グローバルを意識したリスク管理体制の構築を重視しなければいけません。

【参考】経済産業省 第3節 グローバル経営力の強化のために

グローバル人事の導入と整備

グローバル人事とは、進出先の現地従業員に対して、公平公正な人事評価を行うことで、能力・モチベーションの向上をさせ、自社の国際競争力を高める人事制度を指します。経済産業省が実施した人事マネジメントのアンケートによると、海外拠点を持つ企業の中で、人事部門が海外事業・グローバル人事にコミットする割合は28.5%しかなく、人事部門が海外事業にほとんど関与していない割合が27.4%も占めています(39.4%が人事部門と海外事業部門の連携を実施)。

また、海外拠点の経営トップに外国人社員を登用し、権限譲渡を行なっている割合もわずか14.3%に留まっています。さらに海外拠点を持つ企業のうち、「グローバル人材の行動特性・能力要件を定義している」と答えた割合はわずか19.6%しかなく、72%の企業が「特に定義していない」と答えています。

このように、ほとんどの日本の企業がグローバル人事の導入と整備が遅れている現状がわかります。日本企業には、日本人の海外赴任後のキャリアパスの明確化やグローバルリーダー候補社員の早期選定と育成プログラムの整備、全世界共通の人事評価の策定といった迅速なグローバル人事の導入と整備が求められています。

【関連】グローバル人事とは?求められるグローバル人事制度と人事戦略/BizHint HR

【参考】経済産業省 平成 22 年度総合調査研究等委託事業 企業の人材マネジメントの国際化に関する調査 第3節 国際化指標に関する結果概要 問10

ダイバーシティ・マネジメントへの強化

グローバリゼーションのメリットを活かす上では、国・地域毎に異なる消費者ニーズと価値観を捉え、多様性を尊重するダイバーシティの考えが必要不可欠です。日本において、ダイバーシティは女性の活躍、年齢・性別に焦点があてられがちですが、地球規模でイノベーションを興すためには、さまざまな国籍や価値観を持つ人材が意見を尊重する真の意味でのダイバーシティが求められます。

そのような労働環境を構築するためには、労働者の多様性を尊重し、組織力を高めるダイバーシティ・マネジメントの構築が必要不可欠です。日本企業の多くは同一性を重視する傾向が強く、職場の混乱を招くことを嫌う傾向がみられます。しかし、グローバリゼーションによる顧客ニーズの多様化が進む市場では、多様な価値観を持つ人材の能力を活かす必要性が増し、国内外の優秀な人材を活かさなければいけません。

ダイバーシティ・マネジメントは組織的な問題可決能力、創造力の向上につながり、多様化する顧客ニーズにへの柔軟な対応が見込めます。また、従業員にとっても自らの市場価値を高め、自身のアイデンティティの構築や将来の可能性にもつながるメリットがあります。

【関連】ダイバーシティ・マネジメントの意味とは?女性活躍の企企業事例など/BizHint HR

グローカリゼーションの推進

グローカリゼーションとは、グローバリゼーションとローカライゼーションの2つの概念を組み合わせた造語です。先進国で生まれた商品や技術を、そのままの状態で発展途上国や新興国に流通するビジネスは既に限界を迎えており、現地のニーズに沿った商品・技術開発が求められています。新たな消費者市場を求める企業にとっても、地域研究に基づいた製品(商品)の提供・サービス化が、長期的かつ安定的なビジネス戦略となります。

このように、グローバル化経済を前提とした海外進出は、グローバリゼーションと逆の概念である地域の多様性を尊重・迎合していく、ローカライズとの併存が求められます。そのため、グローバリゼーションのメリットを活かしたい企業は、ローカライズを視野に入れたグローバル戦略を推進しなければいけません。

【関連】「グローカリゼーション」とは?メリット・デメリットや事例、導入方法、課題に合わせて紹介/BizHint HR

まとめ

  • 技術革新によって、実現されたグローバリゼーションは、政治、文化、そして経済分野においても多種多様の恩恵と影響をもたらしました。
  • 日本企業においても国内市場経済の縮小に伴い、新たな消費者市場の開拓は必要不可欠です。
  • 今後も自由貿易を前提とした市場経済化が進行していく中で、日本企業が存在感を発揮するためにも迅速なグローバリゼーションへの対応が求められます。

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