はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月20日(火)更新

電子決済

Suicaを始めとする交通系電子マネーの登場から日本でも広がりを見せている電子決済。 2019年の消費税増税に伴う軽減税率導入にあたり、キャッシュレス支払いに対する優遇を計画していることから最近より注目を集めています。 今回は日本の電子決済の事情を事例中心にまとめ、実際に店舗に導入する方法や手軽に導入できるツールをご紹介します。

電子決済 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

電子決済とは?

電子決済とは、通常現金を通して行われる「支払い」の取引を電子的サービスで代替することを指しており、Suica等の電子マネーによる決済はもちろん、第三者機関であるカード会社が間接的に電子的な取引をしているクレジットカードによる決済も広義での電子決済に当たります。 つまり電子決済=キャッシュレス支払ということになります。

電子決済の種類

電子決済の方法には大きく分けて、Suicaやクレジットカードに用いられているICチップ方式と、LINE Payなどに用いられているQRコード決済があります。

ICチップ

カードに埋め込んだチップを媒介し、決済を完了させる方法です。
Suicaをはじめとする交通系電子マネーは、事前に現金をチャージするプリペイド式をとっており、機器に近づけるだけで決済を完了させる非接触による通信を採択しています。

対してクレジットカードは、カード会社が決済を代行して行った後、購入者に請求をする後払い方式(ポストペイ式)をとっています。

またクレジットカードは機器に挿入して通信する方法が一般的ですが、QUICPayなど一部のサービスでは交通系と同じように非接触による通信を用いている場合があります。

QRコード

LINE PayやAlipay、楽天Payなどが採用しているバーコードによる決済は、あらかじめアプリのアカウントとクレジットカード情報や口座情報を紐づけておくことで決済を可能にしています。

QRコード決済はICチップ決済と比較すると新しい決済方式であり、近年のインターネット技術が進歩したことで可能になった仕組みです。

QRコード決済はスマートフォンやタブレットのカメラを使用し情報を照会するため、ICチップ決済よりも導入時の初期費用を抑えられるなどのメリットがあります。

電子決済の現状と今後の予想

次第に注目を集めるようになった電子決済、日本では今どのような状態にあるのでしょうか。

日本の現状

国際決済銀行が行った調査によると、2016年の日本のキャッシュレス支払いは全体の約20%であることが判明。現金以外の決済方法が浸透しつつあるが、いまだ現金志向が根強い状態にあると発表しました。

さらに携帯電話を介した電子決済に着目すると、携帯電話・スマートフォンに搭載されているタッチによる決済機能を使ったことがある人は日本銀行が行った「生活意識に関するアンケート調査」(第68回)にて全体の6%しかいないことが判明。

またQRコードによる決済サービスを利用したことがある人はデロイトトーマツ監査法人が行った調査によって、10%にとどまることが明らかとなりました。

【参考】「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」の発表/デロイトトーマツ

※これらの調査は独立して行われているため、回答が重複している可能性があります。

海外の現状

一方で海外に目を向けると、日本のキャッシュレス比率は先進国の中で低い水準にあることがわかります。前述した国際決済銀行が行った調査にて、各国のキャッシュレス決済の比率は、

  • 韓国 96.4%
  • オーストラリア 59.1%
  • アメリカ 46.0%
  • スウェーデン 52.5%
  • インド 35.1%
  • 日本 19.8%

となっており、まだまだキャッシュレス決済については発展途上であるといえます。 キャッシュレス先進国がここまで普及率を伸ばした背景には、政府による旗振りの影響が強く表れています。

特に、韓国とスウェーデンはその影響が色濃く出ています。 韓国は消費者向けの税還付制度を設けることで消費者の使用を促しています。 スウェーデンは国全体がキャッシュレス社会の実現を目指しており、町の店舗では一部「現金お断り」の案内を掲げる店舗まで現れています。

これに対し日本政府は、2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%まで高める目標を掲げています。

これらを実現するために、政府は消費増税後の景気対策の一環としてキャッシュレス支払いに対するキャッシュバック制度を計画しています。 これらが実現すれば日本で電子決済がより浸透する可能性が高まることが予想できます。

【参考】Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries - Figures for 2016
【参考】「生活意識に関するアンケート調査」(第68回)/経済産業省

今後の予想

株式会社カード・ウェーブと株式会社電子決済研究所、山本国際コンサルタンツは調査によって、2020年に電子決済の比率が30%まで向上、さらに市場規模は87兆円を突破する見通しであることを発表しました。

またクレジットカード、電子マネーによる決済の比率は年々上昇しており、今後も上昇を続ける見込みとなっています。

決済における電子決済の比率が上昇すれば、消費者からのニーズも高まります。 そのため今後企業や店舗はキャッシュレス決済対応する必要性が高まってくるでしょう。

【参考】2020 年の国内電子決済市場は 87 兆円を突破 電子決済比率は 30%へ

電子決済を導入するには?

ここまでで紹介したように、日本での電子決済の比率は依然低い状態にあり、同時に今後ニーズが高まっていくことが予想できます

しかしながら様々な課題により導入できていない企業も多くあります。 そんな中、対応してきた企業はどのように電子決済を導入してきたのかを事例を中心に説明していきます。

株式会社杵屋とヤマトシステム開発の事例

杵屋は新宿・銀座エリアの商業施設及びビルテナントを中心に飲食店を展開している会社です。

周辺店舗との競争が激しいため価格や品質だけでなく、店側の設備や使い勝手でも選ばれる店舗を目指していました。
そんな中周辺の競合が電子決済を導入したことで同社も電子決済を導入します。

導入したことで顧客の動きに明らかな変化が起きました。競合はSuicaをはじめとする交通系ICに対応していなかったことに対し、交通系ICカードに対応した端末を導入したことでランチタイムでの利用率が大きく上がりました。

また、電子決済の導入によりレジ業務のオペレーションが向上する効果も表れました。
お釣りの受け渡しが不要になったことややレジ機械の操作性向上によりスムーズな決済を実現しました。

【参考】導入事例(お客様の声)株式会社グルメ杵屋 様

和ごころとAirPAYの事例

和ごころは家族で経営しているゲストハウスです。インバウンドの高まりを受け、外国人観光客対応のため電子決済への対応は必須要件でした。

そんな中、リクルートが提供しているAirPAYを導入します。AirPAYは手のひらサイズの小さな専用端末とiPadがあれば利用できる電子決済サービスで、顧客の目の前で操作することが可能な決済方法です。

小さなゲストハウスであったため顧客に対して透明性のある決済を保証したいというニーズがありました。 そのため端末が小さいAirPAYは目の前で操作できることが大きなメリットになっています。

また、従業員に対しても操作が簡単な設計となっているためパソコンが苦手な従業員でもスムーズに決済できることからお客様の安心感につながっています。

【参考】導入事例 和ごころ/AirPay

電子決済のメリット・デメリット

ここまで現状や導入事例を説明していましたが、実際に企業が電子決済導入を導入するにあたって考えることはそのメリットとデメリットです。

では電子決済を導入すると、どのようなメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。

メリット

販売機会の増加

電子決済を導入するとまず考えられるメリットが販売機会の増加です。

クレジットカード決済サービス会社であるSquare株式会社が行った調査では、クレジットカード決済を導入していない店舗は1か月あたり1回以上クレジットカードをつかう顧客の21%の来店機会を喪失していることが判明しました。

また同調査でひと月に1回以上カードを利用する人の74%が、カードが使えるかどうかをお店選びの基準にしていることも判明し、クレジットカードをはじめとする電子決済の導入は顧客の来店機会の増加につながることがわかります。

【参考】Square調査、カード決済非対応が店舗経営の機会損失につながることを明らかに/Square株式会社

顧客一人当たりの単価上昇

日本クレジットカード協会が実施した調査するとクレジットカードでの支払いは、現金での支払いと比較すると顧客単価が平均約1.7倍高い傾向にあります。 電子決済の多くはクレジットカードを中心に利用されているため、電子決済を導入すると客単価が上昇するメリットがあるといえます。

【参考】観光立国実現に向けたクレジットカード業界としての取組に関する調査/日本クレジットカード協会

会計管理の簡略化

電子決済を導入し現金を扱う機会を減らすことで受け取った現金の数え間違いやつり銭の受け渡しのミスを削減することにつながります。

また重要な業務の一つである会計の締めの作業も電子決済の導入で簡略化が期待できます。

電子決済により扱う現金が減りデータ化すれば、集計の工数が削減できます。工数削減ができれば結果的にコスト削減につながり、利益も向上します。

デメリット

導入時のコスト

電子決済を導入するには、一般的なレジのほかに電子決済用の端末が必要な場合が多く、その導入に費用が掛かります。

金額はサービス提供会社により異なりますが、近年導入費用は低下しており、一部のサービスでは無料のものも出ています。

決済手数料

電子決済には決済手数料がかかります。こちらも会社により異なりますが基本的に3~5%の手数料を支払わなくてはなりません。

また決済手数料とは別に月額料金や振込手数料などの経費が掛かる場合もあります。

所持する現金が減少する

電子決済による支払いが多くなれば、一時的に手元に残る現金は減少します。
商品代金はカード会社等に一時的に預ける形となるので一定のサイクルで自分の元に入金される形となります。

そのためサイクルを考えた資金繰りを行わなければ突然の出費などに対応できなくなってしまう可能性があります。

従業員への教育

新しい決済を導入する為には従業員に対してその使用方法を指導する必要があります。

サービスによっては操作の習得に時間がかかってしまい、会計の効率化を図ったつもりが逆効果になってしまう場合もあります。

電子決済を導入するには自社の状況とビジネスモデルに合わせて、これらメリット・デメリットを考慮して最適なサービスを選ぶ必要があります。

手軽に利用できる電子決済サービス4選

顧客獲得などのメリットのメリットがある反面、デメリットもある電子決済。

しかし近年のIT技術の発展によりデメリットを抑え、簡易的に導入できるサービスが続々と登場しています。中でも手軽に導入しやすい4つのサービスをご紹介します。

①AirPAY

AirPAYは先ほども登場したリクルートの提供する電子決済サービスです。

iPadもしくはiPhoneと専用端末のみで電子決済を導入することができます。
初期費用は0円で(2018年10月現在)月額利用料もかからず、振込手数料もかかりません。
決済手数料も3.24%~3.74%と低額に抑えられています。

アプリ操作による直感的な操作で従業員にも優しく、操作習得も容易です。

【参考】AirPAY/Recruit

②楽天ペイ

楽天ペイは楽天の提供する電子決済サービスです。 基本的にはAirPAYと同様に専用端末とiPad/iPhoneがあれば導入できます。

楽天ペイは顧客が専用の決済アプリを使うことでバーコードによる決済が可能になり、顧客にカードを提示させる手間を省くことも可能になります

【参考】楽天ペイ

④Coiney

Coineyは株式会社コイニーの提供する電子決済サービスです。

AirPAYと基本機能は同様ですが、特徴としてWeChat Payに対応している点があげられます。
WeChat Payは中国が多く利用する電子決済サービスで、訪日中国人の観光客に対応することが可能になります。

【参考】Coiney

③KAZAPI

KAZAPIはPKBソリューションの提供する電子マネーに特化した電子決済サービスです。

クレジットカードによる決済はできませんが、各種交通系ICカードや楽天Edy、docomoIDなど、クレジットカードと連携した電子マネーによる決済が可能です。

また初期費用等のコストも抑えられ、導入しやすいサービスになっています。

【参考】KAZAPI/PKBソリューション

このように、先に述べたデメリットを克服するサービスも多く登場しています。

今後ますます需要の増加する電子決済サービスに対応するために、これらの新しい決済サービスを検討してみるのも手段の一つです。

まとめ

  • 日本で電子決済は少しずつ拡大しているが、海外と比べると低い水準にある。
  • 今後電子決済の需要は増加し、2025年には決済全体の40%まで引き上げる目標を政府が立てている
  • メリット・デメリットがあるが、最近ではデメリットを抑えたサービスも登場している。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計200,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次