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マーケティング

2019年10月3日(木)更新

美容室はオープニングが10割。一生通える店作りは、立地と浪花節のチラシから

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「一生、来ていただける美容室」を目指して誕生したデレディール。フランチャイズを含め、これまでに7店舗を展開していた同社は今年、インドネシア・バリ島にも進出しました。同社の「一生、来ていただける」という価値の追求は、店舗の立地から集客施策、スタッフ教育、社内ルールにまで及びます。今回、美容室の立地やオープニング集客への並々ならぬこだわりを代表取締役の小山一彦さんに聞きました。

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【プロフィール】
有限会社デレディール
代表取締役 小山一彦さん

大阪府出身。高校卒業後、美容専門学校入学。24歳で大阪狭山市の住宅街に美容室をオープン。美容室、移動美容室、エステサロン、アイラッシュサロン、ネイルサロンを手がけ、フランチャイズ店を含め、関西とインドネシア・バリ島に8店舗を展開。美容師育成のための職業訓練校も開校。

起業を見据え、5年で6店を経験。一生来てもらえるお客様は、住宅街にいた

ーー美容室を起業された経緯を教えてください。

小山一彦さん(以下小山): 1995年、阪神・淡路大震災があった年に24歳で大阪狭山市で起業しました。今年で26年目になります。高校卒業後、美容学校に進み、19歳で卒業しましたが、その時から独立・起業を考えていました。独立までの5年間で美容院を6店経験したのですが「もうここで経験を積めることはない」と思ったら転職していました。完全指名の店や年中無休の店、価格が安い店、高い店、ミナミ(難波、大阪の繁華街)も行きましたし、住宅地も行きました。いろいろな店で働いて、それぞれのノウハウや考えたことをメモに残していきました。

その結果、 自分が店を持つなら住宅地だという結論に至った んです。

ーーなぜ住宅地なのでしょうか?

小山: 当初から 『お客様に一生来てもらえる美容院』を作りたいと思っていた からです。東京もそうだと思うのですが、難波や梅田などの繁華街・ビジネス街にある美容院は仕事帰りのお客様が多いと思うんです。転職や結婚など様々な生活の変化があった場合に、どうしても足が遠のいてしまいます。

しかし、住宅街では事情が全く異なります。 お客様に一回気に入って貰えると、たぶん一生来てもらえる んですよ。すでにそこに家庭・生活基盤がある方々ですから。お母さん、お父さん、おばあちゃん、娘さん、息子さん、孫まで紹介してくれる。実際に家族でうちの美容院に来てくださっているお客様も多くいらっしゃいます。

ですので、当社は新規出店にあたり一貫して住宅街を狙っていきました。その上で、その地域のお客様としっかりとした関係を作る仕掛けを整えていったのです。

美容院はオープニングが10割。浪花節の集客チラシ

オープン時の集客チラシは、店長やスタッフからの手紙風。スタイル写真が多い他の美容室とは一線を画す

ーーお客様との関係づくりについて教えてください。

小山: これまでの経験から確信していることなんですが、 美容室はオープンに全てが掛かっている んですよ。もうほんと10割、全部といって良いです。オープンでしくじったら、後々しんどくなります。売上が上がっていきません。美容院は何より、オープンに合わせていかにマーケティングを仕掛けるか?ということに尽きます。

まず、当社の美容室に来て頂きたいのは、ちょっと品のあるお客様です。そういった方々が、「ちょっと行ってみたいな」と思うようなチラシを作ります。多くの美容院でもチラシはやっていますが、きれいなスタイル写真ばかりを載せています。しかし、当社はスタイル写真はほとんど載せません。当社では、 チラシを「手紙風」にしています。 私たちからの手紙を、将来のお客様の自宅のポストに投函するのです。

ーー手紙風のチラシとはどのようなものでしょうか?

小山: まず、「ここでオープンさせていただく、店長の〇〇です。」という自己紹介で始まります。そして、当社の美容院でどのように成長してきたか、どんな経緯で今回店長になったか、美容師を志したきっかけや挫折、親にかけた苦労など、 読むと思わず涙が出るような文章が綴られています。 このチラシ作りは、私が長年積み重ねてきたものです。 新規オープンの前には、私自ら、添削して書き直すようにしています。

ーー反応はいかがですか?

小山: 店長に一気に予約が入ります。お客様は来店早々「なあ!あんた大変やったんやなぁ!」と優しく声をかけられ、「もうあなたの苦労も何もかも知ってるよ」という感じでねぎらってくれます。 お客様はすでに、来店前に店長のファンになっているんです。

よく、気持ちを伝えるには「手書きがよい」と言われますが、実際に手書きだと読みづらいので、手書き風のフォントにしています。ほかにもいくつかオープニングの施策はありますが、この「手紙」は反響が大きいです。これも住宅街のお客様の特性かと思います。

ーーオープニングで失敗したことはあるのでしょうか?

小山: 一軒だけ、神戸のオープンは失敗でした。外部の方から「神戸は大阪とは違うから、これはダメ、あれもダメ」と。結局、よくある普通のチラシになってしまい、オープニングの集客に失敗しました。その後、いつもの手紙のチラシを入れると、お客様が入るようになりました。結局のところ、大阪も神戸も住宅街のお客様の気持ちは同じだということを私たちも学びました。

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