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連載:第12回 組織作り その要諦

全国一の自動車教習所は究極のボトムアップ組織だった。人的余裕が施策を生みだす好循環。

BizHint 編集部 2019年8月19日(月)掲載
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一般的に自動車教習所というと、不愛想な教官、飾り気のない建物、運転免許を取るために仕方なく行く場所という印象を持つ方が多いもの。しかし、(株)コヤマドライビングスクールは、そんな従来の教習所のイメージとはかけ離れた「明るく・楽しく・お洒落」をモットーにした自動車教習所を運営し、若者から圧倒的な支持を得ている。その入校者数は、東京都全体の20%を占め、全国一を誇ります。 業界全体が縮小傾向にある中で、2015年度の売上は約63億、2018年度は約66億と着実に成長を続ける同社の強みは、社員から生まれるアイディアや要望を積極的に取り入れる経営方針にあります。社員の半数以上が参加する、20を超える委員会・プロジェクト活動によって、日本初の英語教習や手話教習などの取り組みが実現。教習所を1日解放して定期イベントを開催するなど、地域住民との交流も活発です。働きやすい環境の整備や、同社のブランディングの礎として機能する「ボトムアップ型」の組織運営について、代表取締役社長、福島清次氏にお話を伺いました。

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【プロフィール】
株式会社コヤマドライビングスクール
代表取締役社長 福島 清次 さん

1947年埼玉県生まれ。66年富士銀行(現みずほ銀行)入行。5店舗の支店長を経て、本店審議役を歴任。2000年2月に(株)コヤマドライビングスクール入社。取締役財務部長、専務取締役事業本部長および二子玉川校・成城校校長等を経て2018年6月より3代目代表取締役社長に就任。

業界発の取組みを次々と。お客様・従業員満足の根幹をなす「委員会活動」

――縮小傾向がある業界で、なぜ貴社が選ばれているのでしょうか?

福島清次さん (以下、福島):みなさんご存知のように、自動車の運転免許証というものはどこの教習所で取得しても価値は同じです。教習所を選ぶ基準には、価格や距離もありますが、一番影響が大きいのは、やはり口コミになります。お客様から支持されるためには、ハードとソフトの両面から、品質を向上させ続ける必要があると思います。 当社は、40年以上前からCI(コーポレートアイデンティティ)として、CS(顧客満足)とES(従業員満足)を設定して活動してきました。この方針が結果的に、他社に先駆けた取組みを生み、お客様にご満足いただけるサービスに繋がり、評価・口コミに寄与しているものと思います。当社で様々な取り組みを行うにあたって、外せないのが「委員会・プロジェクト活動」というものです。

――「委員会・プロジェクト活動」とはどのようなものでしょうか?

福島: 社員が様々な課題に対して自主的に取り組む組織活動です。テーマは様々で、『祭事委員会』や『広報企画委員会』『女性活躍推進委員会』など、全部で20くらいあります。 委員会は、社内的には決定権限をもたない諮問機関として位置付けられていますが、「マナー向上委員会」は他社でいう所の「人事部研修課」、「施設・グリーンキープ委員会」は同じく「管財部」という具合に、部署機能に代わるものもあります。上下関係が一切なく、全員が横のつながりで活動しています。どの委員をやるかは社員の選択制で、希望が多ければ抽選となります。任期は基本的に1年ですが、半数は留任し、それぞれの委員会の継続性を担保しています。

委員会の狙いはいわゆる経営への全員参加です。 「社員の満足なくして、真の顧客サービスはあり得ない」 という当社のモットーを実現するために、『社員が満足できる教習所・サービス』を社員の手で作りあげることを目指しています。自分たちで作り上げるからこそ、愛社精神も生まれます。

広報企画委員会のアイディアで始まった「教習所ふきだしコンテスト」には全国から応募が集まる人気だ。(写真は社員の作品)

――その他、委員会活動のメリットはありますか?

福島: とくに若い社員にとって、委員会活動は思考力や創造力を養う場になっていると感じます。学生生活には答えがあり、その答えを出すことで偏差値が決まり、進学先が決まるという環境の中で生きてきたわけですが、社会に出たら答えはありません。自分の頭で考え、創り上げていく必要があるのです。インストラクターとしての仕事をする一方、一つのテーマについて意見を出し合い、答えを導き出すことが求められる委員会活動は、社会性や当事者意識、愛社精神の育成につながっていると思います。特に、30代までの若手社員の参加意欲は非常に高いですね。私もたまに参加しますが 「社長はあまり発言しないように」と会長から釘を刺されています(笑)

――委員会活動からどのようなものが生まれたのでしょうか?

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