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部下が辞めていく上司・企業の特徴と、目指すべき姿・改善策をご紹介

BizHint 編集部 2017年7月7日(金)掲載
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採用計画に基づいて優秀な人材を採用しても、数年で辞められてしまうのは企業としては大きな痛手です。部下が辞めていくには理由があり、またその上司にも一定の特徴があります。それぞれの傾向と人材流出を防止する改善方法についてご紹介します。

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部下が辞めていく理由とは

終身雇用が崩れたとはいえ、アメリカのように転職するのが当たり前の状況ではなく、できるなら同じ会社で長く働きたいと多くの人が考えます。そのため、会社を辞めるには辞めるなりの理由が存在します。

正当な評価がされない

部下は上司からの評価が正当でないと感じことがあります。例えば、「なぜあの人が?」と誰もが思うような人が昇進すれば、勤勉な部下ほど不満が溜まります。自分自身の評価や、同僚の評価にも疑問を感じた場合、不公平感だけでなく、ともすれば、自分の未来も潰されかねない不安感も抱きます。自分自身を守るため、自分が思い描く未来へ近づくため、正当な評価をしてくれると思われる別の場を求めてしまいます。

上司や会社が合わない

上司との相性が合わない場合、それを理由に簡単に異動してもらうことはできません。相性が合わないと感じる中には、上司の態度や指示に理不尽さを感じていることが多く含まれます。同じように、特定の上司ではなく会社の社風として理不尽さや、活気のなさなど、自分の能力を活かせない環境であると感じることで「合わない」と感じ、我慢の限界になった場合は退職を願い出ることになります。

チャレンジする機会を与えてもらえない

スキルアップを望んでいるにもかかわらず、チャレンジする機会を与えられなければ、せっかくの向上心が行き場を失ってしまいます。マンネリ化した仕事から抜け出せず、正当な理由もなく新しいことへチャレンジする機会すら与えられなければ、別の会社へ活躍する場を求めていくこともあります。

意見を聞いてもらえない

「このような改善をしたらいいのでは?」など、部下が積極的にクリエイティブな意見を出してくれることは企業にとって本来望ましい状態です。しかし、上司が正当な理由もなく意見を押さえつけ、従来のやり方や習慣に固執した回答しかもらえない場合、部下はモチベーションを著しく落としてしまいます。

思考や工夫を必要としない環境では、部下は自分の存在意義を感じません。また、そのような環境では企業自身も成長していかないことから、会社に残っても自分の未来はないという判断につながっていきます。

休みがなかなか取れない

会社の就業規則には、「完全週休2日」「有給休暇年間XXX日」といった規定があります。しかし、業務多忙により「有給休暇が取れない」「休日出勤が多い」状況が続くことも。繁忙期など一時的なものは仕方ないことですが、常時このような状態では心身が疲弊してしまい、部下が会社を辞める原因になります。

また、急ぎや、少々難しい仕事が発生した場合、優秀な部下に仕事が集中することが多いため、常に業務に追われがちです。給与など待遇が同じ他の同僚と仕事量に差があった場合、不公平感から優秀な部下が辞めていくことになります。

部下が辞めていく上司の5つの特徴

同じ会社内であるにもかかわらず、部下の離職率が高い上司が存在することがあります。そのような上司の特徴についてご紹介します。

①部下の状況を気にかけずフォローしない

上司が部下を気にかけず、フォローがない状況では、部下は安心して上司の元で働くことができません。上司への不信感から部下の業務効率が低下し、部署の生産性にも影響し、いずれ部下が辞めていきます。

②高圧的な態度で部下に接する

部下の指導のつもりであっても、今は昔ながらの鬼上司は認められなくなっています。業務上必要な指示や指導の大半は高圧的な態度を取る必要はありません。また、行き過ぎた叱咤激励はパワハラになる可能性があります。

③部下の力量・状況を考慮せず仕事を押し付ける

部下に面倒な仕事を押し付け、部下が残業しているにもかかわらず上司は早めに退社するなど、自分の生産性だけを考えます。この場合、得てして部下のフォローをすることがありません。

④自分の価値観を押し付ける

上司が自分の経験と成功体験から、部下に良かれと伝えようとしているものの、部下の多様性を受け入れることができず、結果的に自分の価値観を押し付けてしまうケースが見受けられます。

⑤発言がコロコロ変わる

状況の変化により発言内容が変わることがありえますが、上司が自分の発言内容を覚えていない、明確な理由もなく意見を変えた、などの状況であれば、部下は上司を信頼できなくなります。

社員が辞めていく企業 4つの特徴

社員が辞めていく原因は、上司ではなく組織の体質や習慣にある場合も。社員が辞めやすい企業の4つの特徴も一緒にご紹介します。

①他の部署と交流がない

細分化された役割をそれぞれの部署が担当しているため社員からは会社の全体の動きが見えにくく、部署間の交流がなく閉鎖的なため、社員が停滞感やマンネリ感を抱くことがあります。

②同じレベルの仕事ばかりに従事させ成長の場を与えない

社員を成長させるにも職場の協力が必要なため、業務が多忙であることを理由にセミナー研修やOJTを受けさせないケースがあります。

③上司ごとに評価レベルが違う

職種によって評価基準が違うことはありますが、同じ職種の部署にもかかわらず、評価基準が違うなど評価基準が完全にブラックボックスとなっていることがあります。評価の不透明さから、社員が会社に対して不公平感を募らせることがあります。

④立場や権限を与えない

業務上の立場や権限与えず、同じ立場や権限といった小さな枠の中に押し込めることで社員の成長を阻害してしまうことがあります。常に同じ枠の中に閉じ込められていては、社員の仕事に対する情熱を削いでいきます。

目指すべき上司・企業の姿とは

部下が辞めていく理由やその上司や企業の特徴を挙げましたが、では、目指すべき上司や企業の姿とはどの様なものでしょうか。

円滑なコミュニケーションによる良好な人間関係

上述の離職の理由や特徴の大半は上司とのコミュニケーション不足からくるものと考えられます。業務を通して、あるいは業務から離れたところでちょっとした声かけや気遣いなど、部下とコミュニケーションが円滑に取れる上司であることが大切です。

また、上司だけではなく、横との関係性も含め人間関係全般が良好であれば、社員は安心して前向きに働くことができます。良好な人間関係によって業務効率の向上も期待できることから、社員にとっても企業にとっても望ましい状態です。

【関連】なぜ社内コミュニケーションが重要なのか?改善施策・事例まとめ10選 / BizHint

信頼できる上司

部下が上司に抱く不満の根底は、部下と上司との間で信頼関係が欠如していることも大きな要因の一つです。

例えば、部下が提案等をしてきた場合、部下の意見をまずは受け止めた上で、冷静に意見が言えること。その内容が部下の意見と違っても、明確な理由を用いて説明をすることができるなど、日常の言動が部下から信用・信頼され、部下が今後目指すキャリアモデルとなることが重要です。

周りの反応を気にすることなく、ありのままの自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のことを「心理的安全性」と言います。この心理的安全性を高めることで、深い信頼関係で結ばれたチームの形成が可能となるでしょう。

【関連】心理的安全性とは?Googleが発見したチーム生産性を高める唯一の方法 / BizHint

公平な人事評価

不公平さを感じる不満は、評価の不透明さからくるものです。安心して業務を行うために、公平な評価を誰もが望んでいます。上司からの評価が納得いくものであること、また、上司一人の感情で左右されにくいことなど評価方法を工夫し、公平である必要があります。

成長やチャレンジチャンスが多い

研修や新たな業務へのチャレンジ、権限の拡大など、社員の経験やスキルの段階ごとに適切な成長チャンスを与え、フォローできる体制によって社員の成長を促す機会があることは、社員にとって刺激的であり魅力的です。

ワークライフバランスがとれた企業

長時間残業や休日出勤、残業代未払いなど、ブラック企業と呼ばれる状態では長く働くことは困難です。プライベートの時間も取れ、仕事も意欲的にこなすことができる環境を備えた企業が求められています。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?企業の取り組み事例と実現のポイント / BizHint

成長する活気ある企業

因習にとらわれた業務や成長意欲のない会社は、社員に将来性への不安を植えつけます。経営者が考える会社の今後のビジョンが明確であり、具体的な計画と目標によって実現に向かって社員が一丸となって進められるような将来性を感じられる会社は、誰もが望む理想的な企業の姿と言えます。

企業が行うべき職場の改善方法

部下が辞めていく職場環境の改善として、「職場快適度チェック」のチェック領域を参考にしつつ、具体的な改善方法をご紹介します。

事前チェック:職場快適度チェックとは?

職場が健全で社員にとって快適な場所であれば辞めていく社員は少なく、社内でその力を十分に発揮してもらうことができます。職場環境の快適度合いは、厚生労働省の「職場快適度チェック」を用いることで、自社の現状を把握することが可能です。

「職場快適度チェック」は、平成4年に快適職場指針の公表後に、ストレスや疲労の少ない職場職場のソフト面の現状を把握するため製作されたものです。

【参考】厚生労働省 こころの耳:職場の快適度チェック

改善領域1:キャリア形成・人材育成

社員の育成の一つとして、管理職を含む中堅社員をキャリアモデルとなるようにすることで、若手社員が将来に希望を持つことができます。

具体的なキャリア形成・人材育成の方法としては「ブラザー・シスター制度」「メンター制度」など、上司には相談できないような不安や疑問の相談や、メンタル面のサポートも可能な人材育成制度があります。このような制度の活用効果としては、研修後もつながりが継続するケースが多々あるなど、上下間での信頼関係を築くことができることも大きな魅力の制度です。

また、オフサイトミーティングのような日常の業務から離れた研修によって、活発に自由な意見交換をし、企業風土の固定化を防ぐ方法もあります。このような研修を実施することで、閉塞感を払拭し、社員が将来に希望を見出せるようにすることで、会社を辞めていく状況を防止することができます。

改善領域2:人間関係

職場がいかに快適となるかは人間関係が大きな影響を及ぼします。会社を辞めていく理由や人事異動を希望する理由としても、人間関係が原因としてあげる人が多く、企業での働きやすさを左右するものの一つです。ザイアンスの法則のように、接触回数が多いほど好印象となっていく効果などの存在からも、コミュニケーション量が人間関係の良し悪しに影響する側面があると考えられます。

接触回数を多くし、社内コミュニケーションを活性化する方法として「フリーアドレス制度」や「社内部活動」などの活用が注目を浴びています。これらの方法を活用することで、円滑なコミュニケーションによる良好な人間関係を築くことが期待できます。

改善領域3:仕事の裁量

同じ企業内であっても、職種によって裁量の大小はありますが、主体的に改善や工夫をしていくことは常に必要であり、それらが働きがいを高めることにもつながります。仕事の裁量を改善するには、現場の裁量を拡大していくことと、権限移譲の方針を明確化することが必要です。これにより社員の成長機会がわかりやすくなります。

また、業務改善提案制度などの実施により社員が意見を言いやすく、ボトムアップな方法により会社の経営に参加してもらうことができます。これにより「意見を聞いてくれない」といった離職理由の防止策となります。

【関連】権限委譲の意味とは?責任や権限の委譲などの正しい方法 / BizHint

改善領域4:処遇

給与などの報酬水準の見直しや給与体系の見直しが必要なケースよりも、「正当な評価がされない」という離職理由からも評価の見直しが必要なケースが多いと思われます。

どのような考え方で、どのように評価するのか、評価ポイントは何があるのかなど、社員からも納得できるような評価システムであること、また見える化していくことで公平な評価となってきます。また、多面評価を導入し、上司だけでなく周囲からの評価も取り入れることで、評価者の私情が反映しにくく、より公平な評価が可能になります。

評価システムの内容だけではなく、運用していくには評価者の教育も必要です。「部下が辞めていく上司の特徴」にあるような特徴は、評価基準に曖昧さがあるまたは評価方法が徹底されていないため、上司個人の資質に委ねてしまうことで起きている可能性があります。評価システムに対する理解と評価能力など管理能力向上のため、管理職研修などで評価者を教育していくことで、問題となる特徴は目立たなくなってきます。

【関連】人事評価制度とは?評価対象や評価手法、企業事例もご紹介 / BizHint

改善領域5:社会とのつながり

社会とのつながりとは社外のイメージがありますが、社内でも社会性を問われるものとしてコンプライアンスが徹底されているかという観点があります。社会的責任が問われる機会が増えている昨今、上司や企業がコンプライアンスを遵守していることが、社員の安心感、信頼感となります。

また、自社サービスの社会的価値を認識させることで、社員が業務に誇りを持つことにつながります。

【関連】コンプライアンスの意味とは?違反事例や企業の対応策、背景まで徹底解説/ BizHint

改善領域6:休暇・福利厚生

休日出勤が多い、有給休暇や代休や振替休日の取得がしにくい、長時間労働が常態化しているなどの傾向があれば、快適な職場とは言えません。近年、プライベートの時間を大切にする傾向から、ワークライフバランスを考慮し、業務と、プライベートの両立が図れなければ、社員は離職を考えることになっていきます。

休暇を取りやすくするためには、休暇を取得した社員の業務リカバリー体制を整えます。

【関連】福利厚生とは?導入目的や種類、ユニークな企業事例までご紹介/ BizHint

改善領域7:労働負荷の改善

現在の状態を把握し、人員数や業務量から社員の労働負荷が大きい場合は採用計画によって人員を増やし、適切な業務量にします。また、人員を増やす以外にも以下のような観点と具体策の実施が考えられます。

  • 業務構造や業務実施体制の見直し
    アウトソーシングの検討、業務プロセスの見直し
  • 労働時間削減キャンペーンの実施
    ノー残業デーやノー残業ウィークなど
  • 勤務体制や勤務制度の見直し
    フレックス制度、みなし労働制や裁量労働制、テレワークなど

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まとめ

  • 部下が辞めていく理由には、「休みがなかなか取れない」「正当な評価がされない」「意見を聞いてもらえない」「チャレンジする機会を与えてもらえいない」「上司や会社が合わない」などがある
  • 部下が辞めていく上司や企業の特徴は人間関係や、人事に関するものが大半である
  • 職場が健全で快適であれば辞めていく社員は少なく、社内でその力を十分に発揮してもらうことが可能である
  • 快適な職場に改善することで、離職は防ぐことができる

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