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2019年4月9日(火)更新

時短勤務制度

「時短」とは、時間短縮の略で、時短労働、時短勤務などとも呼ばれています。通常の勤務時間よりも少ない時間での勤務を行う就業形態のことで、子育てや介護、体調などの理由でフルタイムでの勤務ができない人が限られた時間内での労働活動を行っています。育児休業法では、一定条件を満たす従業員の子どもが3歳になるまでの間は時短勤務に対しての措置を取ることが会社に義務付けられており、残業(時間外労働)についても制限を行うことがあります。

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1.「時短勤務」とは

「時短勤務」つまり、短時間正社員制度の導入について検討する企業が増えているようです。

厚生労働省も、企業側・労働者側双方だけでなく、社会的にもメリットが大きいことを掲げて人材活用上の問題解決に取り組むよう促しています。

短時間正社員とは、フルタイムで働く正社員と比較して週単位の労働時間が短い正社員のことで、企業と無期労働契約を結び、時間当たりの基本給および賞与や退職金等の算定基準がフルタイムの正社員と同等の扱いである正規型の社員のことをいいます。

2.時短勤務が注目される背景

女性の社会進出が増え、女性目線での仕事のニーズも高まる中、育児や介護などそれぞれのライフスタイルや抱える問題などにより、多様な働き方の選択ができる社会の必要性が増してきました。

さまざまな制約により就業を継続できなかった人や、その機会さえも得られずに諦めていた人たちの就業を可能にする働き方、それが「時短勤務」という制度ではないでしょうか。

また、それは企業側においても、少子高齢化により労働人口が減少しつつある中で、人材確保の解決策となり得るでしょう。

3.時短勤務の導入にあたって

時短勤務を実際に導入するには、その目的を明確化し、時短勤務社員の役割や労働条件等を検討する必要があります。企業側の人材活用と社員のニーズとがうまくマッチングすることが制度導入の決め手となるでしょう。

時短勤務の労働条件

項目 待遇
月次給与 同じ職種や職位のフルタイム正社員の基本給に対して、労働時間に比例して減額するほか、手当などの検討を行う。
賞 与 フルタイム正社員と同じ基準で支給することや、二重の減額にならないよう注意する。
人事評価 能力や行動評価はフルタイム正社員と同等評価基準にする。
退職金 制度利用中の勤続年数も通算する。

など、短時間でも正社員としての労働条件を踏まえて検討することや、教育訓練についてや制度利用期間終了後、フルタイム正社員への転換・復帰についても検討することなどの呼びかけも必要となります。

時短勤務制度導入のメリット・デメリット

企業・組織側のメリットとしては、労働意欲や能力の高い人材確保ができること、それにより業務効率化につながり生産性の向上が期待できます。また、社員のニーズに応えることにより満足度が向上し定着していくことが考えられます。 労働者側のメリットとして、これまでにない働き方(労働日数・時間)ができることにより、余裕が生まれます。仕事と私生活とのバランスが取れ、諦めていたキャリア形成の実現が可能になります。

デメリットとしては、時短勤務労働者の採用により人数が増えることになり、社員に対する必要経費が増えます。(企業側) また、フルタイム正社員と同等とはいえ、勤務時間が短いことにより対応に限界が生じることが考えられます。それにより、責任的立場の必要な仕事は、フルタイム正社員に任されるなど、フルタイム正社員の負担が増えることが懸念されます。(労働者側)

事由による時短勤務制度の考え方と留意点

制度利用対象者を目的別にみた場合、期待する役割がそれぞれ違ってくるので、その留意点についても整理しておきましょう。

  • 育児・介護支援、自己啓発・ボランティア支援 フルタイムへの復帰を念頭に置き、社員のニーズやキャリア形成、人材活用の点から適切な利用期間を設定。職務内容・労働時間は円滑な業務遂行の観点から柔軟な対応が必要。
  • 心身の健康不全対策 職務内容・利用期間・労働時間について、フルタイムへの復帰を視野に入れ、健康状態に応じて柔軟な対応が必要。制度利用者が健康状態を悪化させないよう、管理職等がフォローする必要がある。
  • 高齢者雇用 これまでの実績を考慮し、経験やノウハウを発揮できる職務内容を設定。社員のニーズ・企業のニーズを踏まえ、法律に基づいた適切な期間を設定。労働時間については柔軟に対応する。
  • パートタイム労働者 パートタイム労働者のモチベーションアップにつながるよう転換後の職務内容を設定。利用期間は特に設定せず、労働時間は柔軟に対応する。

4.「時短勤務」の活用例

例1) 社会医療法人天陽会中央病院

導入した背景

20年前位前から正社員でも短時間で働くことができていたが、制度として整備されたのは12年前。

制度の利用者

看護師で育児が中心。2013年は看護師221名のうち19名が利用。介護、自己啓発、健康不全対策、パートからの転換も認められている。

利用のルール

期間は特になし。お互い様精神で小学3年くらいまでが多い。給与・賞与・退職金については、短縮時間分は控除。評価はフルタイム職員と同様。全職員対象。

導入メリット

離職率の低下。2005年は20%を超えていたが、2009年は8.3%。取り組みが知れ渡るようになり、離職した看護師が復帰する例も多い。残業時間の減少という効果もあり。

今後の課題

制限を設けていないため利用者が増えすぎると混乱を招く恐れあり。目安は1割を超えない程度で運用。個人のキャリアアップのためにも長期化は避けたいところ。小学3年くらいまでというのが区切り。

例2) 株式会社高島屋

導入した背景

女性顧客が多く、質の高いサービスの提供には女性の感性や経験が必要。多様な働き方の人材が個々の力を発揮できるように1986年より育児休職制度や再雇用制度を整備。育児・介護の就労支援のため、短時間正社員制度は1991年より導入。

制度の利用者

総数1215名のうち、育児事由1214名、介護事由1名。

利用のルール

育児については、1人の子どもにつき生後1か月から4年生になるまでの期間、1日5時間勤務から7時間35分勤務まで8パターンの勤務方法を選択できるように設定。介護では、5時間から6時間45分勤務まで4パターンを選択できる。在籍中の通算ルールも設定。昇格試験も受験可能。

導入メリット

日経ウーマンで「女性の働きやすい職場」ランキング上位に位置づけされたこともあり、採用時の応募者の質・量ともに良好。離職率も他社と比較して低いことは、効果の表れと考えている。

今後の課題

女性社員が男性社員より多い会社なので、時短勤務からできるだけ早くフルタイムへ復帰してもらうことが求められる。フルタイムで働くことを支援する体制も整えていきたい。

5.まとめ

  • 求める働き方に応えられる「時短勤務」という制度は、労働者のワークライフバランス実現につながり、報酬だけでなく働く喜びを手に入れられる理想の制度ともいえます。
  • 企業側にとっても見逃していた優秀な人材を確保できることなど、解決できなかった問題を解消できる鍵にもなるでしょう。
  • 互いのニーズをマッチングさせるために、制度導入にあたって職場への周知を図るなど、必要な留意点を踏まえて計画を進めることが大切です。

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