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連載:第11回 成長企業 社長が考えていること

利益を追わずとも増収増益。「社員の幸せ」を追求し続ける伊那食品工業の秘密

BizHint 編集部 2021年2月17日(水)掲載
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トヨタ自動車やパナソニックなど、世界的大企業も見学に訪れる長野県の食品メーカー、伊那食品工業株式会社をご存知でしょうか。「かんてんぱぱ」ブランドで知られ、寒天の国内シェア80%を占める同社は、人も社会も幸せになる“年輪経営”を行いながら、末広がりの成長を続けています。同社の経営の礎を築き上げた塚越寛最高顧問の志を受け継ぎ、2019年代表取締役社長に就任された、塚越英弘さんにお話を伺いました。

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塚越英弘
塚越英弘(つかこし・ひでひろ)さん
伊那食品工業株式会社 代表取締役社長

1990年日本大学農獣医学部卒。1997年伊那食品工業入社。2005年専務取締役、2016年副社長。2019年より現職。


伊那食品工業株式会社について

1958年創業。「かんてんぱぱ」ブランドで知られる、長野県伊那市の寒天メーカー。人員整理を行わず、昇給・昇格は年功序列、人も社会も幸せになれる「年輪経営」を行っていることで高い注目を集め、毎年多くの企業が会社見学に訪れている。2007年グッドカンパニー大賞グランプリ、2018年日本でいちばん大切にしたい会社中小企業庁長官賞など受賞。敷地内は「かんてんぱぱガーデン」として一般開放されており、レストランやホールも併設。地域や社会にも貢献を続けている唯一無二の企業。

「利益」は「社員の幸せ」を実現するための“手段”でしかない

──伊那食品工業では『いい会社をつくりましょう』を社是に、利益を追わず、社員やパートナー、地域、皆が幸せになる社会を目指されています。

塚越英弘さん(以下、塚越): はい。 我々企業の目的は「社員や世の中の人々を幸せにする」こと。 企業が永続していくための「年輪経営」や、人員整理を行わない・年功序列などといった当社の経営方針も、すべて“人の幸せ”に繋がっているものです。

逆に、 「利益」は社員の幸せを実現するための手段でしかありません。 なので、利益は数字で追わないですし、それよりも「前と比べて幸せになった」「去年より良くなった」と感じられることを大切にしています。ただし、「良くなった」と感じることは、結果論として数字がついてきていると思っていますけどね。

──最高顧問の塚越寛氏が社長だった時代から一貫されていますね。ここをブレずに続けられている理由とは何なのでしょうか?

塚越: 「企業や会社、働くということをどう捉えているか」でしょうか。企業はついつい経済活動を最優先にしがちですが、 経済活動はあくまでも「人」のためにあるもの。 そのために働く「会社」があるんです。私たちは「人と人生」を軸にものごとを考えているので、理念がブレることはないのだと思います。

2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、減収減益の見通しです。しかし、ボーナスも給料も減らさず支給額も例年同様アップしました。会社の仕組みとして年功序列を採用していることもありますが、そもそも「幸せ」を考えるなら、給料は毎年増えた方が絶対嬉しいですよね、誰でも。だから社員にも、「今年は頑張ったんだけどしょうがない。これは不可抗力なので。だからちゃんと今まで通り増やします」と伝えました。

「経費を削減して経営をするならサルでもできる」

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