連載:第13回 成長企業 社長が考えていること
利益を追わずとも増収増益。「社員の幸せ」を追求し続ける伊那食品工業の秘密


トヨタ自動車やパナソニックなど、世界的大企業も見学に訪れる長野県の食品メーカー、伊那食品工業株式会社をご存知でしょうか。「かんてんぱぱ」ブランドで知られ、寒天の国内シェア80%を占める同社は、人も社会も幸せになる“年輪経営”を行いながら、末広がりの成長を続けています。同社の経営の礎を築き上げた塚越寛最高顧問の志を受け継ぎ、2019年代表取締役社長に就任された、塚越英弘さんにお話を伺いました。


1990年日本大学農獣医学部卒。1997年伊那食品工業入社。2005年専務取締役、2016年副社長。2019年より現職。
伊那食品工業株式会社について
1958年創業。「かんてんぱぱ」ブランドで知られる、長野県伊那市の寒天メーカー。人員整理を行わず、昇給・昇格は年功序列、人も社会も幸せになれる「年輪経営」を行っていることで高い注目を集め、毎年多くの企業が会社見学に訪れている。2007年グッドカンパニー大賞グランプリ、2018年日本でいちばん大切にしたい会社中小企業庁長官賞など受賞。敷地内は「かんてんぱぱガーデン」として一般開放されており、レストランやホールも併設。地域や社会にも貢献を続けている唯一無二の企業。
社是「いい会社をつくりましょう」に込められた想い
──伊那食品工業では『いい会社をつくりましょう』を社是に、利益を追わず、社員やパートナー、地域、皆が幸せになる社会を目指されています。
塚越英弘さん(以下、塚越): はい。 我々企業の目的は「社員や世の中の人々を幸せにする」こと。 企業が永続していくための「年輪経営」や、人員整理を行わない・年功序列などといった当社の経営方針も、すべて“人の幸せ”に繋がっているものです。
逆に、 「利益」は社員の幸せを実現するための手段でしかありません。 なので、利益は数字で追わないですし、それよりも「前と比べて幸せになった」「去年より良くなった」と感じられることを大切にしています。ただし、「良くなった」と感じることは、結果論として数字がついてきていると思っていますけどね。
──最高顧問の塚越寛氏が社長だった時代から一貫されていますね。ここをブレずに続けられている理由とは何なのでしょうか?
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バックナンバー (13)
成長企業 社長が考えていること
- 第13回 利益を追わずとも増収増益。「社員の幸せ」を追求し続ける伊那食品工業の秘密
- 第12回 労基からお声がけ!?常識破りの人材施策を進めたら「お手本の会社」になっていた話
- 第11回 中小企業こそITで業務効率化。50年連続黒字の社長に聞く「全体最適」の仕組み
- 第10回 大手からの開発パートナー指名は「長い〇〇」のおかげ。中小製造業、正しい枠のはみ出し方
- 第9回 職人技の8割は言語化できた。職人の父vs仕組みの息子。社運をかけた親子喧嘩5年。売上は9倍に
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