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連載:第2回 組織改革 その根幹

「イエスマンばかり」からはじまった社内改革。3K・ブラックな“ゴミ屋”を人が集まる企業に変えたリーダーの秘策

BizHint 編集部 2025年5月12日(月)掲載
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ワンマン経営に社員が萎縮し、人がどんどん辞めていく……。当時の状況を「イエスマンばかりになっていた」と振り返るのは、廃棄物処理業を営む株式会社エンタープライズ山要の山口玉緒社長です。2016年に社長へ就任して以降、数々の改革を推進。指示待ち体質を刷新させただけでなく、早期離職者を激減させることに成功しました。3K・ブラック企業から脱却した改革の軌跡と、「隠さず、かっこつけない、等身大を貫く」と語る、山口社長のリーダーシップに迫ります。

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意見すれば怒鳴られる…“イエスマン”ばかりの組織

――山口さんの入社当時の状況からお聞かせいただけますか?

山口 玉緒さん(以下、山口): 私は事務員として2000年に入社したのですが、その当時、私の父である先代社長のトップダウンで会社が回っていました。社長に意見しようとすれば意地悪をされたり、あえて大変な仕事に回されたりすることも…。社内には怒号が飛び交っているのが日常茶飯事で、社員は萎縮し、イエスマンとして振る舞うしかない状況。休みも全然取れなくて…まさに「ブラック企業」でした。

ただ、今振り返ると、父自身も「社長の仕事」が何なのかわからなかったのだろうと思います。創業者である祖父が急逝してしまったことにより、父は経営の知識も経験もないまま事業を承継したんです。昭和のワンマン社長だった祖父の姿を見て育った父は、「怒鳴るのが社長」「社長に従うのが社員の務め」と思い込んでいたのでは…と。

――当時、離職者も多かったのだとか。

山口: そうですね。当社は廃棄物処理業といういわゆる「3K」と言われる業種で、そのネガティブなイメージから、そもそも求人への応募すらほとんどなかったんです。その中でなんとか入社を決めてくれた人も、前述した通りのブラック企業っぷりに嫌気がさして、すぐに辞めてしまう人が大半でした。

また、育成体制も全く整っていなくて。新しく入ってきた人がミスをすると、上司が「注意しておきます」と言うだけで終わり、再発防止策を考えない。社員同士でトラブルが起きても、誰も仲裁したり相談に乗ったりしない。新人からしたら、教えてもらえる環境がないのに、ミスをすれば怒られ、相談先もない。頑張りたくても頑張れない…。それでは嫌になって辞めるのも当たり前ですよね…。

――山口さんは2016年に社長へ就任されていますが、約9年で大きな変化があったそうですね。

山口: はい。ここ2年ほどは入社半年以内の離職がゼロです。つまり、入社してすぐに辞めてしまう人がいなくなったということ。

同時に、採用にも大きな変化がありました。昔は求人広告にお金をかけても応募がほとんどなかったのに、今では求人にお金をかけなくても人が集まってくるように。応募してくれる人材の質も向上していますし、「頑張りたい人が全力で頑張れる組織」に変わってきたと感じています。

――貴社がそのような組織に変わった要因とは、何だったのでしょうか?

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