連載:第48回 組織作り その要諦
徳島で見つけた「月曜出社がワクワクする会社」。社員幸福度98%の大家族経営はここまでやる。
徹底して社員に寄り添い、弱者でも働きやすい環境を整え、自らの能力を発揮できるようにしているのが、西精工の大家族主義経営です。厚生労働省「プラチナくるみん」の認定を受けるなど、子育てする社員が働きやすい環境を整備。また、社員が病気になっても離職せずに働いていけるよう、社員一丸となって心温まる支援をしています。障碍者採用も法定雇用率を高く上回り、いかに活躍できるかというスキル向上の支援体制まで充実。社員幸福度は実に98%に達しています。設立以来黒字経営を続け、2023年に創業100周年を迎える同社・西泰宏社長に大家族主義経営を作り上げる道のりを聞きました。
西精工株式会社
代表取締役社長 西 泰宏さん
1963年徳島市生まれ。1988年神奈川大学を卒業。都内広告代理店の営業職を経て、1998年西精工株式会社に入社。08年同社代表取締役社長に就任。社員の幸せを追求した経営を実践。これまでに、「日本経営品質賞」、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞 中小企業庁長官賞」、「ホワイト企業大賞・大賞」、「稲盛経営者賞」など数多くの経営賞を受賞している。
前編はこちら:稲盛氏の痛烈な叱責で目が覚めた。「この会社、終わってる」からの同族企業改革
中編はこちら:「Googleより先にやっていた」心理的安全性を高める1時間の朝礼。徳島で設立以来連続黒字、社長はブレなかった。
がんになっても最後まで働きたい。その気持ちに全員が応える
――大家族主義経営を推進するなかで、弱者やハンディキャップのある人を手厚く支援する体制を作ってこられました。病気などになった社員に対する支援・体制について教えてください。
西泰宏さん(以下、西): もし社員が病気になっても、安心して通院・治療できる職場環境を整えてきました。病気療養中は、時差出勤もできるようになっています。また本人が望めば、出社も大丈夫です。病気を理由に退職せず、また出社できるように、現場の安全確保も進めてきました。社員もしっかり協力してくれています。
去年(2021年)の10月、社員ががんで亡くなりました。体力が徐々に落ちてきて、車を運転して出社するのも精一杯。彼は出社して、会社で機械を前に椅子に座っているだけでした。しかし、彼がそこにいるだけで、社員はよりいっそうがんばっていました。特に、彼の指導を受けて育った後輩たちは、ひときわ気持ちが入っていました。社員は彼を応援しようと、それまでと同じように声をかけていました。
そのうち、彼は出社も難しくなりました。
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