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連載:第18回 中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】

「自分とは違う見方を知ること」が世界を広げる【医療法人社団悠翔会理事長・佐々木淳さん】

Logo markBizHint 編集部 2019年3月27日(水)掲載
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「在宅医療サービス」は住み慣れた自宅で、充実した最期を迎えるための総合的ケアサービス事業。医師、歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、管理栄養士など多様なプロたちがチームを編成して、献身的なサービスを提供しつづけている「難しくもやりがいがある仕事」です。首都圏最大の在宅医療サービスを展開する医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長に在宅医療の現場について聞きました。後半では、在宅医療における「チームワーク」に焦点を当てます。

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医療法人社団悠翔会

理事長・診療部長 佐々木淳さん

1973年生まれ。筑波大学医学専門学群卒業後、三井記念病院内科、消化器内科にて勤務。井口病院副院長、金町中央透析センター長を経て2006年MRCビルクリニック設立・理事長。2008年医療法人社団悠翔会に法人化、理事長に就任。 編著に『これからの医療と介護のカタチ~超高齢社会を明るい未来にする10の提言』(日本医療企画刊)『在宅医療 多職種連携ハンドブック』(法研刊)『在宅医療カレッジ: 地域共生社会を支える多職種の学び21講 』(医学書院刊)などがある。


前編のポイント

  • 「病気」を治せないことは「人生の敗北」じゃない
  • 充実した最期を迎えるため「在宅医療サービス」は1つの選択肢
  • 在宅医療は医者、看護師、介護福祉士など多様なプロが集まる成り立つチームサービス
  • 多様なメンバーが集まるチームでは、1人ひとり対話することで進めることが肝心
  • 患者の自ら生きる力を奪わないよう、家族も患者も「人生の目的」を実現するためのチームメンバーにする
  • 多様なプロが集まるサービスでは、最終目的とプロセス、お互いの役割をちゃんと共有していることが大事

中竹竜二さん(以下、中竹):  さて、後編では2つのことをお伺いしたいと思います。1つは、在宅医療のお仕事の「やりがい」と「働き方」について。もう1つは在宅医療サービスの未来についてです。

在宅医療は、病院に通えなくなった方のご自宅に伺い、患者さんの介護・看護・治療する総合サービスです。病院の治療が「病気を治すためだとすれば、在宅医療はその人がより充実した最期の時間を過ごせるよう支援すること。佐々木さんの医療法人社団悠翔会では現在、11のクリニックがあり、現在4000人の患者さんがいらっしゃる。そのうち毎年1000人の方が亡くなっていると聞きました。メンバーが熱心にケアしてもいつかはお別れが待っている、というのは仕事とはいえ簡単に割り切れることではないとは思います。プロの方々はどうやって、悲しみを乗り越えているのでしょう。

「ありがとう」と言われる機会が多い仕事、言いたいことを言い合える関係に

佐々木淳さん(以下、佐々木): 実は、最近10年近くお付き合いしていた方が亡くなりました。覚悟していたとはいえ、やはり悲しいし寂しいです。患者さんとの別れはいつまでたっても慣れるものではありません。

ただ、それでも私は、主治医として「自分なりにやれることはできた」という想いもあるんです。 在宅医療の仕事は、患者さんやご家族から「ありがとう」と言われることが多い んです。病院に居た頃は、感謝される機会と同じだけ「苦情・クレーム」を受けていました。医者も看護師たちも本当に頑張って仕事しているんですが、どうも頑張っている方向が違うのか……。患者は不満を抱え、医者も苦情を受ける。「なんでこんなに頑張っているのに……」という残念な気持ちを抱いてました。

でも在宅医療では、生活の支援が中心です。「医師対患者」という関係性は、少しずつ「人間対人間」に、そして、 医師と患者は向かい合うのではなく、伴走するという形に変わっていきます。 何かを提供するのではなく一緒に手に入れる。ともにゴールを目指す仲間だから、連帯感も生まれる。だからこそ「ありがとう」といわれる機会が多いんだと思います。言いたいことを言い合える関係になるから、クレームも少ない。

世の中はツライ世界だけでできていない

バックナンバー (26)

中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】

  1. 第26回 ミスを「恥」と考える日本人 あなたは「自分の失敗」をネタにスタッフを指導できますか?
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  5. 第22回 自律型組織はタイヘン。自由闊達に動けるのは一生懸命話し合っているから【影山知明・クルミドコーヒー、胡桃堂喫茶店 店主(後編)】
  6. 第21回 「クルマではなく、植物を育てるように人に向き合う」逆三角形(▽)型の組織づくり 【影山知明・クルミドコーヒー、胡桃堂喫茶店 店主(前編)】
  7. 第20回 代ゼミ・高宮共同代表と語る「潜在的な能力を引き出す方法とは」
  8. 第19回 代ゼミ・高宮共同代表が語る、「教育改革」で本当に身につけたい力とは?
  9. 第18回 「自分とは違う見方を知ること」が世界を広げる【医療法人社団悠翔会理事長・佐々木淳さん】
  10. 第17回 専門家たちを集い、患者・家族を救う――在宅医療は究極のチームビルディング【医療法人社団悠翔会理事長・佐々木淳さん】
  11. 第16回 人を「やる気」にさせることは難しいが、「やる気」にさせる機会づくりはできる【森下仁丹・駒村社長】
  12. 第15回 脳みそパッカ~ン!グループでアイデアを生み出そう ヌーラボ・橋本正徳社長が語る「“ゆるふわ”自律型組織の作り方」
  13. 第14回 「サービスはワールドワイド、開発はホラクラシー」 ヌーラボ・橋本正徳社長が語る「“ゆるふわ”自律型組織の作り方」
  14. 第13回 目先の損得は判断を誤る、長期的な視点こそが正解に辿り着ける レオス・キャピタルワークス藤野社長のマネジメント術
  15. 第12回 「この会社では自由になんでもやっていいよ」究極の放任主義でもプロが育つ! レオス・キャピタルワークス藤野社長のマネジメント術
  16. 第11回 「強いチームは、試合の結果よりも選手の戦う姿勢を評価する」 千葉ジェッツ島田社長がたどり着いたトップチームの作り方
  17. 第10回 「活動理念」をつくったから、クラブは強くなりました 千葉ジェッツ島田慎二社長が語る「トップチームの作り方」
  18. 第9回 「成長したい」という若者、「挑戦する」中間管理職を支援。小田急電鉄の星野社長が問いかける「働き方改革」 
  19. 第8回 あなたはワクワクしていますか? 小田急電鉄の星野社長が問い掛ける「働き方改革」
  20. 第7回 ファミリーマート・澤田社長 先輩たちから学んだ「冷静な合理性」と「熱い情熱」
  21. 第6回 ファミリーマート・澤田社長が考える「リーダーの2つの仕事」
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  24. 第3回 パナソニック「粘り強く諦めない」文化を大事に-スポーツもビジネスも失敗から学び続ける姿勢がある人は強い
  25. 第2回 「敗戦」を経験し「自前主義」「完璧主義」を捨てたパナソニック-イノベーションを巻き起こすため技術トップが決断した3つのこと
  26. 第1回 強い組織をつくるために今求められる、新しいリーダーシップとは【日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター/株式会社チームボックス中竹竜二さん】

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