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連載:第58回 リーダーが紡ぐ組織力

人が辞めない組織のリーダー、唯一の責務。社員は仕事に誇りを持っていますか?

BizHint 編集部 2025年6月19日(木)掲載
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どうすれば社員が辞めず、仕事に誇りを持って働いてくれるのか――。この問いを紐解くヒントとなる企業があります。それが、ダイヤ精機株式会社。かつては、社員の6割以上が50~60代と高齢化が進み、3Kに「暗い」を加えた4K組織だったとか。ところが現在は30代以下が過半数を占め「人が辞めない組織」として注目されるまでに。彼らは「世界のニッチトップを目指したい」と仕事に誇りを持ってイキイキと働き、国内トップクラスのミクロン単位の金属加工を施せる職人集団となっています。その秘訣は、高い「定着率」にありました。代表取締役 諏訪貴子さんは、どのようにして人が辞めない組織を作り出したのか。そして、諏訪さんが語る「リーダーの責務」とは。詳しく伺います。

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人が辞めない組織のリーダー、唯一の責務

――諏訪さんは昨年「町工場の星 人が辞めない最高の職人集団 全員参加経営の秘密」という書籍を出版されていますね。人が辞めない組織として、注目を集めています。

諏訪貴子さん(以下、諏訪):ありがとうございます。当社は、高齢の社員が「余生を楽しみたいから」と退職するくらいで、ここ15年ほどで採用した若手社員はほとんど辞めていません。そして現在、社員数は28名でそのうち30代以下が19名と過半数を占めています。

――以前から、若手社員の多い組織だったのでしょうか?

諏訪:いえいえ。私が社長に就任した2004年当時は50~60代が6割以上を占め、高齢化が進んでいました。平均年齢も53歳で、若手が極端に少なかったんです。

職場の雰囲気も、製造業ならではの3K(キツイ・汚い・危険)に加え、「暗い」も入れた4Kとも言えるものでした。バブル以降、価格競争に巻き込まれて業績も低迷していましたし、ピリピリしていて暗い、そんな感じです。職人としてのプライドは持っていて、仕事に対するやる気はあったんです。でも、挨拶や5Sなど仕事の基礎を知らないベテラン社員が多く、とにかく作業に無駄が多かったですね。

――製造業は人手不足や高齢化が深刻化していますが、なぜ貴社では若手が定着しているのでしょうか?

諏訪:さまざまな要因があると思いますが、若手社員が自分の仕事に誇りを持っていることが大きいと思います。

かくいう私も、なぜ人が辞めないのか分からなかったんです(笑)。なので、昨年書籍を出版したときに、社員インタビューをしてもらいました。すると、若手から「自分が作った製品が社会に出て、何かの役に立つことがやりがい」という声がいくつも挙がりました。また、私が会話の中で「日本のニッチトップを目指そうよ」と言ったら、若手社員たちが「何言ってるんですか、社長。世界のニッチトップでしょ!」って言うんです。思わず「ほんとに!?」って驚きましたけど、彼らは「できる」と思っているから言うわけですよね。超精密加工の職人としてのプライドがある、そして自分の仕事に誇りを持っているのだと感じました。

――なるほど。社員が仕事に誇りを持つというのは、非常に大切な反面難しいようにも思います。どうすれば、そのような組織に変化するのでしょうか?

諏訪:社員が仕事に誇りを持てるようにするために、リーダーがすべきことは“たった一つ”です。

――それは何でしょうか?

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