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連載:第74回 経営危機からの復活

経営難の家業に戻った5代目社長。社長就任から経営改革に取り組んだ怒涛の7年間

BizHint 編集部 2024年9月6日(金)掲載
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宮崎県日向市にあるミツイシ株式会社は2017年に創業100年を迎えた碁石の製造会社です。しかし、バブル期に多角的に事業を広げたことが裏目となり、会社は債務超過が続いていました。5代目として社長に就任した代表取締役の黒木宏二さんは、状況を打開すべく経営改革に邁進し再起を図りました。今回は、黒木さんの行った変革についてお話を伺います。

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ミツイシ株式会社
代表取締役 黒木宏二(くろきこうじ)さん

1977年宮崎県日向市生まれ。大学卒業後の2002年に就職、水産系商社や回転寿司チェーンのバイヤー職などを経験。2014年に黒木碁石店(現在のミツイシ株式会社)の5代目として入社。2017年に同社の代表取締役に就任。


多角化経営の失敗で苦戦していた家業

――黒木さんが入社するまでの会社の状況について教えてください。

黒木宏二さん(以下、黒木): ミツイシは1917年(大正6年)に創業した黒木碁石店という碁石、碁盤の製造販売を行う商店から始まりました。職人の手作業による碁石は最高級品として棋士、囲碁の愛好家から愛されてきました。

ミツイシの製造する碁石。ハマグリを使った白石、那智黒石を使った黒石は碁石の中でも最高級品とされている。

しかし、時代とともに囲碁を嗜む人口が減り、碁石が売れなくなりました。そして、バブル期に碁石一本の経営に危機感を覚えた3代目の父がレストランを併設したドライブイン事業を始めたのです。当時、日向市内には高速道路が通っておらずドライブインのある国道10号線沿いが主要な観光ルートだったこと、団体相手のバスツアーが活況だったことに狙いをつけたそうです。

ドライブイン事業を始めた当初は調子が良かったそうですが、団体バスツアーから個人旅行へ需要が移ったこと。旧態依然とした営業手法や店舗運営からの脱却ができなかったことから、だんだんと経営状況が悪くなってしまいました。

そこで、1998年にドライブインの一角をリニューアルして、地元の生鮮食品を取り扱う「道の駅」のような物販店をオープンしたのです。生鮮食品を扱うことで地元民の集客を図ろうとしたのですがこの試みは失敗に終わり店はすぐに閉店。当然、この新事業を始めるにあたっては大きな借入を行うことになりました。私が把握している限り、この時からずっとミツイシは債務超過状態から抜け出せない状況が続き、出口が見えない状況でした。

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