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連載:第87回 経営危機からの復活

「会社を潰したほうがいい」銀行に見限られた老舗企業。V字回復で確信した組織づくりの原動力

BizHint 編集部 2025年6月3日(火)掲載
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「会社を潰したほうがいい」──バブル崩壊後、メインバンクにそう言い渡された丸和運輸株式会社。売上は半減、債務超過1.4億円の経営危機の最中、同社は生き残りをかけた決断を迫られていました。なんとか会社を存続させるためもがく中、2000年に見出した新たな活路と徹底的な経営改革により、2005年には債務超過を解消しV字回復を遂げます。その後、順調に成長を続けていた矢先、コロナ禍という二度目の危機に直面するも、これを乗り越え2024年には過去最高の売上高11億円を達成。絶体絶命からの復活を果たした老舗企業の再生の原動力とは何だったのか。創業84年目を迎えた同社の組織変革の全貌を、3代目社長の藤本智治さんに伺いました。

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二度の経営危機を乗り越えた“原動力”

――貴社は1941年に創業された老舗企業ですが、バブル崩壊後の1990年代に深刻な経営危機に直面されたそうですね。

藤本智治さん(以下、藤本): はい。今年で創業84年目を迎えた当社は、私の祖父がリヤカー1台から事業を始めました。1992年には売上高9.2億円、社員数95名まで拡大したのですが、バブル崩壊後の1994年から急激に転落していきました。売上は半減し、社員も30人程度まで減少。その後も新規事業に挑戦するもことごとく失敗し、1998年には債務超過が1.4億円まで膨らみました。

倒産寸前の状況に追い込まれ、メインバンクの支店長からは「もう会社経営をやめたほうがいいですよ」と言われるほど。しかし先代社長の父は「絶対にやめません」と言い、断固として諦めませんでした。厳しい状況の中でもがき続けた後、2002年から黒字に転換し、2005年に債務超過を解消。再びスタートラインに立つことができたのです。

――2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大でも、大きな打撃を受けられたとか。

藤本: そうですね。2015年に、海外からの観光客をターゲットとした「KDS(KIX delivery service)」というホテル・空港間でスーツケースを運ぶサービスを立ち上げ、2019年には旅行事業も始めたのですが、これからというタイミングでコロナ禍になって……。先が見えない状況でしたが、必ず回復すると信じて最低限の事業を維持し続け、2024年には11億円と過去最高の売上高を記録するまでに復活できました。

とはいえ、コロナ禍を乗り越えることができたのは、バブル崩壊後に危機から立ち直った経験があったからこそだと考えています。そのときに私は 「経営危機を乗り越えるための2つの力」 を学びました。そして、それが私の経営者としての原動力になっているのです。

――その力とは何ですか?

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