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2018年10月26日(金)更新

ERP

ITシステムの発達により、情報システムは企業の経済活動に必要不可欠な存在となっています。中でもERPは、企業の全体最適化や業務の効率化において、企業の業績に直結する重要な情報システムのひとつです。今回はERPの意味やメリット、導入における注意点、ERPの導入形態から提供会社までご紹介いたします。

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ERPとは

企業の経営や事業活動を促進し、ビジネスを加速させることができるERP。ERPの意味やERPパッケージについて、ERPと似たシステムであるMESとの違いを知ることで、理解を深められます。

ERPの意味をわかりやすく簡単に解説

ERPとは、「 Enterprise Resources Planning 」の略で、「 企業資源計画 」と訳します。

「企業資源計画」とは、経営に必要な「ヒト・モノ・カネ」に関する情報をひとまとめにして管理することで、リアルタイムでスムーズな経営判断をできるようにしよう、といった考え方のことを意味します。当たり前のことのようにも聞こえますが、なぜこの「企業資源計画」という考え方が重要なのでしょうか。

「企業資源計画」という考え方が登場する前は、会社の各部門がそれぞれのルールで情報を管理することが当たり前でした。しかし、部門間における情報の管理方法の違いが生じ、連携が取りにくいことが大きな問題となっていました。

例えば仮に、全商品の売上から今後の生産計画を考える機会があったとします。そして、それらの商品には、生産、流通、販売部門で異なる商品コードがふられていたとしましょう。この場合、まずは全商品のコードを読み替える作業が必要となります。データの加工や精査だけでも大変な作業となります。リアルタイムでスムーズな経営判断など、できるはずもありません。

そこで、生産や販売、財務や人事などをひとまとめのシステムで運用することにより、「企業資源計画」を実現しよう、という発想が生まれました。そしてこのシステムは、「企業の基幹業務を統合するシステム」であるため、「統合基幹業務システム」と呼ばれました。

つまり、 ERPとは「企業資源計画」という考え方、およびそれを実現する「統合基幹業務システム」 を意味するのです。

中小企業への導入が増えているERP

経済産業省の調査によると、ERPなどのIT投資を行なっている中小企業は約3割に留まっており、さまざまな問題や課題が指摘されています(給与・経理業務などの内部管理業務向けシステムは約6割が導入)。IT投資を行なわない理由には、IT人材の不足、効果の不透明さ、コスト負担などが大半を占めており、日本企業の大半を占める中小企業のIT投資への遅れは、日本経済の活性化への足枷でもあり、その深刻さは日々増しています。

しかし、後継者不足や人手不足などの影響を受けやすい中小企業が積極的にERPを導入する動きも増えています。これには、大企業によるSMC(Supply Chain Management)の見直しや推進の影響を受けた中小企業の経営者が経営資源を一元管理し、経営を効率化する必要に迫られたことも要因のひとつと考えられます。

現在では、統合型ERPや業務ソフト型ERP(ERPソフトウェア)以外にも、低コストでの導入が可能な中小企業向けクラウド型ERP(クラウドERP)を提供するソリューション企業も増えており、今後も中小企業によるERP導入の動きが加速すると予想されています。

【参考】経済産業省 中小企業・小規模事業者のIT利用の状況及び課題について

クラウド型ERPをはじめとするERPパッケージとは

ERPはパッケージとして提供されることが一般的です。また、ICT技術の発達により、従来行われていた企業内にサーバを設置するオンプレミス形式ではなく、クラウド環境上にシステムを構築するクラウド型ERPに関心が高まってきています。

ところで、そもそもERPパッケージとはなんでしょうか。パッケージとは「ひとまとまりにしたもの」を意味します。IT用語では、ゼロからプログラミング(=スクラッチ)するのではなく、ある業務に関する標準的な使い方をあらかじめ想定し、その業務をおこなうために必要な機能をまとめたソフトウェアを意味します。つまり、 ERPパッケージとは作り込みではなく出来合いの、様々な機能がまとめられた統合基幹業務システム のことです。

ERPパッケージは、会計情報、人事情報、給与・就業情報といった間接部門から、販売・生産情報、製造・設計、卸・物流といった直接部門まで幅広くカバーし、メーカー・小売企業だけでなく、金融・不動産といったあらゆる企業にも導入されています。

ERPパッケージの種類には「統合型ERP」、「コンポーネント型ERP」、「業務ソフト型ERP」などが挙げられ、それぞれメリット・デメリットが異なります。ERPパッケージ導入を希望する企業の業務内容や目的に応じて、自由に選択が可能です。

また、現在では、外部のサーバを利用した「 クラウド型ERP(SaaS型クラウドなど) 」という新たな導入方法も登場しており、注目を集めています。

クラウド型ERPでは、クラウド上にシステムが構築されます。そのため、インターネットが利用できる環境さえあれば、誰でも簡単にERPを利用することができます。サーバの管理・保守に関する業務、バージョンアップ作業も、オンプレミス方式と比べるとほとんどありません。また、ユーザ数や利用機能に応じた従量課金モデルに近い形で運用できるため、ムダなコストが発生しにくいことも大きな魅力といえます。

MESとの違いとは

ERPと似たシステムに、MESが挙げられます。MES(Manufacturing Execution System)とは、製造工程における情報を一元に管理し、作業者に適切な指示・支援を行なう製造実行システムです。

製造業を中心に「モノづくり」に長けている日本において、人材不足やIT投資の遅れに対応するための画期的なシステムであり、熟練技術者のノウハウのデータ化や生産ラインとの連携強化を目指しています。製造に関わる工程の内、補足が必要な工程を補い、生産の効率性を高めます。また、製造工程を可視化することで、問題への迅速な対応、トレーサビリティの確立(品質マネジメントシステムにおける追跡機能)、サービスレベルの指標改善などが行なえます。

ERPとの連携も可能で、経営側と現場をデータで結び付け、経営の迅速化を図る重要な情報システムのひとつです。また、ERPとMESには以下のような違いが挙げられます。

項目 ERP MES
管理対象 経営資源(ヒト・モノ・カネ) 製造現場(ヒト・設備・カネ)
管理者 経営層・各事業責任者 現場の管理・業務担当者
活用方法 経営判断 生産活動の改善
導入方法 トップダウン方式 ボトムアップ方式・トップダウン方式
管理機能 経営・財務を含む全ての企業活動の管理 製造プロセス・品質、在庫など製造過程に特化した管理

今後はERP導入による経営基盤の強化とともに、生産活動の最適化を目的としたMES導入も加速していくことが予想されます。

基幹システムとERPの違い

統合基幹業務システム(ERP)と似た言葉に「基幹システム」があります。この違いについて解説します。

そもそも基幹システムとは

そもそも基幹システムとは、企業の運営において基幹となるシステム、つまり「 システムが止まると企業活動そのものも止まってしまう 」ようなシステムのことです。具体的には、以下のようなシステムが挙げられます。

  • 生産管理システム
  • 販売管理システム
  • 在庫管理システム
  • 購買管理システム
  • 会計システム
  • 人事給与・勤怠管理システム

ERPと基幹システムの違い

基幹システムは、基本的にはそれぞれのシステムが独立して構築・運用されています。したがって前述のように、システム間のスムーズな連携がとれない、といった問題が生じていました。

ERPとは、これら基幹システムを統合し運用できるようにしたもの です。

ERP導入のメリット

ERP(基幹システム)を導入することで、経営者(経営陣)や従業員、さらには企業全体にさまざまなメリットをもたらします。今回はERP導入における、代表的なメリットをご紹介いたします。

経営判断の迅速化

ERPは、営業・販売、調達管理、倉庫・物流、財務・経理、開発・製造といった企業の経済活動に関わる全ての業務の情報を一元管理することで、リアルタイムの経営情報を把握し、迅速かつ最適な経営判断を行える画期的な概念(考え方)です。

国内市場が縮小し、海外に生産拠点を多数構える日本企業においては、為替や国際情勢の影響を受けやすく、経営判断の遅れは業績悪化に直結する事態を招いてしまいます。そのため、ERPの導入による企業情報の一元管理は、 健全かつ最適な経営判断を行う上でも欠かせない経営管理術 といえます。

経営資源の効率化およびコスト削減

企業の生命線であるヒト、モノ、カネの経営資源。企業業績に直接的な影響を与える重要な要素であるため、企業にはこれらを適切に管理・活用することが求められます。

ERPは製造・物流・販促だけでなく、人事や財務・会計といった間接部門を含む企業の基幹業務を一元化するシステムのため、 従来の業務プロセスを検証し、標準化することで、余剰の経営資源を成長分野へと移行することができます

現在、多様化する顧客ニーズに対応するため、多角化経営やカンパニー制へと経営体制を強化する企業が増えており、間接部門の統合や全体最適などによる業務コストの図る動きが加速しています。これらの経営基盤の強化には経営資源の効率化が欠かせず、 業務の標準化を図れるERP導入は成長戦略に不可欠 といえます。

内部統制の強化

内部統制とは、経営者を含む全従業員が遵守すべき社内ルール、もしくはその仕組み(体制)を指す経営用語のひとつです。企業による不祥事が相次いだことと、変化をし続ける組織・外部環境に対応するために組織体制の見直しの需要が高まった背景の中で、内部統制の重要性が増したといわれています。

内部統制には企業活動に関わる全ての情報を適切に管理することが求められるため、 情報を一元管理できるERPは、データの整合性や財務報告の信頼性を保つ上でも欠かせないシステム といえます。

内部統制の基本的要素である「統制環境(監視機能や申請や承認などの権限・職責など)」、「リスクの評価と対応」、「モニタリング」、「情報と伝達」を確立させ、業務を効率化できるため、内部統制の強化につながります。また、内部統制には維持・運用に多大なコストがかかり、 ERP導入による情報の一元管理を行なうことで、運用コストの圧縮が期待できます

【関連】内部統制とは?意味や目的、メリット、実施基準をご紹介/BizHint

EPRの導入形態

ERPは自社開発でも可能ですが、莫大な開発コストと時間を要します。そのため、ERPは外部の提供会社によって導入することが一般的です。

ERPの導入形態には、「統合型ERP」、「コンポーネント型ERP」、「業務ソフト型ERP」、「クラウド型ERP(クラウドERP)」の4つに大別できます。

コンポーネント型ERP

コンポーネント型ERPとは、 既存の業務システムへの追加・拡張を可能とする、ピンポイントでの最適化を目的としたシステム です。会計システムや販売管理、生産管理、間接部門などを担っていた従来のシステムと融合、および連携に優れており、情報システムの強化や従業員の業務効率化を図れます。

IT投資に積極的でない中小企業に適したERPでもあり、自社の既存システムの再構築がしやすい、費用対効果が得られやすい、費用や開発期間を圧縮できるなどのメリットが挙げられます。

統合型ERPが主流だった頃に、変動する経営環境に対応しやすいこともあり、需要が急拡大したERPのひとつであり、現在もさまざまな業務に採用されています。

統合型ERP

統合型ERPは、財務や会計、販売・営業、生産など企業の経済活動全ての業務を一式でカバーできる全体最適化を目的とした基幹システムです。財務・会計・予算管理、販売・購買管理、人材管理、顧客・営業支援管理、プロジェクト管理、マーケティング管理など企業活動で必要な業務の全てが統合の対象となります。

データベースをひとつに統合することで、どの部署がデータを扱っても必ず反映されるため、部署間の連携強化や業務の効率化が可能です。また、マスターデータや取引データなど機密性・重要性の高い情報を高度なセキュリティの下で管理を行なえるため、データの書き換えによる不正データの生成などの不祥事を防ぐことができます。

そして、経営層から見えにくい現場の状況やリアルタイムのデータを「見える化」できるため、組織の意思疎通や結束力の強化にも期待できます。

業務ソフト型ERP

業務ソフト型ERPとは、 会計業務や販売業務などの単独業務に焦点を当て、アプリケーション・ソフトウェア化した上で、最適化を行なうERP です。管理会計システムや在庫管理、発注管理システムなどが業務ソフト型ERPに該当し、特定分野での単独業務の一元管理を実現できます。

国内での企業活動や間接部門での活用が優れている一方、グローバルで経済活動を行なっている企業には馴染みにくい傾向がみられます。他のERPの導入形態よりも費用も安く、導入期間も短いことから、スタートアップ企業をはじめとした小規模事業者に最適なERPです。

クラウド型ERP

クラウド型ERP(ERPクラウド、またはクラウドERPシステム)とは、 SaaS型ERPに代表されるように、インターネットを介して、ソフトウェアやアプリケーションを起動し、基幹業務統合の環境を構築できるシステム です。ERP導入に必要なサーバ管理・設定といった導入・運用負荷を軽減し、短期間での導入が実現できます。

クラウド型ERPを提供している企業に月額料金を支払う形で利用できるため、中小企業や小規模事業者(スタートアップ企業)に最適な基幹システムです。また、提供企業によるサポート機能も充実しており、自社のITコストを抑えることもできます。一方で、自社の重要な情報(マスターデータや取引データなど)を外部環境に置くこととなるため、自社独自のセキュリティ管理が行なえないというデメリットも存在します。

しかし、クラウド型ERPを提供する会社は、クラウド上での情報管理に対して豊富な知識・経験と技術を持つ会社がほとんどのため、自社で管理するよりも精度の高い情報セキュリティを期待できます。クラウドサービスが一般化しつつある中で、今後もクラウド型ERPの導入が加速することが予想されます。

ERP導入の手順

ERP導入の流れとしては、大きく次のような流れとなります。

  • プロジェクト計画
  • 要件定義
  • パッケージ選定、フィット&ギャップ分析
  • 契約、キックオフ
  • システム・マスタ設定、機能追加
  • データ移行
  • テスト
  • ユーザ教育
  • リリース、プロジェクト評価

プロジェクトの計画

ERP導入プロジェクトの計画を策定します。この段階では、目的や目標の設定、現状の分析と課題整理、大まかなスケジュールの設定などを行います。

特に重要なのは目標設定です。プロジェクトを成功させるためには、ERP導入により、具体的にどのような成果を出すのかを明確化しておく必要があります。例えば、以下のような観点に注目し、何を実現すべきなのか、じっくり検討してみてください。

  • 業務の効率化
  • コストの削減
  • システム老朽化への対応
  • 法改正への対応
  • 経営判断に役立てるためのデータ収集

また、設定した目標について、冷静な目線で優先順位をつけておくことをおすすめします。システム導入を行う場合には、どうしても「あれもこれも実現したい」と夢を抱いてしまいがちです。

しかし、実際には機能の限界や予算、時間的成約があり、リリース時にすべて実現することは難しいことが多くあります。 何がマストで何がベターなのか、優先順位とともに整理しておくことが、ERP導入成功の秘訣 です。

業務の棚卸しと要件定義

次に、既存業務の棚卸しと要件定義を行います。

業務の棚卸しとは、現行システムで行っていることを図示・明文化することです。また、要件定義とは、現行システムで行っていることや、今後新しいシステムを導入して実現したいことのために、実装すべき機能や満たすべき性能、条件を明確にしていくことを意味します。

この段階のポイントとしては、既存システムで「できて当たり前」なこともきちんと洗い出すことです。パッケージ選定段階でのヌケモレがなくなります。

入念なパッケージの選定とフィット&ギャップ分析

ERP導入により実現すべき運用と満たすべき要件を明確化した後は、パッケージの選定とフィット&ギャップ分析フェーズに入ります。

ERPには、先述した通り複数の導入形態があり、それぞれ企業の目的や導入メリットに応じて、導入することができます。しかし、企業によっては、 既存システムの有無や業界・業務内容といったビジネス環境によって、相性の悪いERPが存在します 。また、国内外で多種多様なERP製品が数多く提供されており、その選定には高度な専門知識と時間、コンサルティングやサポートが必要です。

ERPの本来の目的は、経営判断の迅速化や経営資源の効率化、業務コストの削減 であり、ERP導入により、これらの目的を達成できるかを入念に検討し、選定を行なわなければいけません。

ERPに限らず、システム導入には多大なコストが発生します。ERPライセンス費や運用・維持費の算出、支払いオプションの把握、資料請求などを行い、経済的、業務的合理性が取れていることを確認しましょう。

また、フィット&ギャップ分析も行います。フィット&ギャップ分析とは、要件定義フェーズで洗い出した要件を、導入を検討しているシステムの機能で満たせるかどうかを判定することです。ギャップが発生した場合、その要件の重要度に応じて、機能追加(カスタマイズやアドオン開発)を行うか、既存業務を変更しERPパッケージの機能に合わせるかを判断していきます。

契約とキックオフ

選定が終われば、契約です。基本的には契約以降、ERPベンダーへの費用が発生します。

導入スタート時には、関係者を集め、導入プロジェクトのキックオフミーティングを開くことをおすすめします。ERPベンダーや社内関係者とともに、目標の再確認やプロジェクト体制、導入スケジュールや課題などを確認することで、プロジェクトメンバーの認識をあわせ、一体感を醸成する効果があります。

システム・マスタ設定/機能追加

いよいよ設定作業の始まりです。自社の運用に合わせ、パッケージシステムやマスタの設定を行います。また、必要なカスタマイズやアドオン開発も並行して行います。

この段階で最も重要なのは進捗管理です。担当のコンサルタントとコミュニケーションをとり、スケジュールを逐次確認し見直しながらも、地道にコツコツと作業を進めていくことが求められます。

また、本フローではデータ移行後としていますが、機能ごとの設定が終わるたびに、後で説明する単体テストを実施してもよいでしょう。

データ移行

ERPを運用する上で必要なデータの移行を行います。データの移行は本リリースのスケジュールも加味し、何度かに分けて行われることが一般的です。

テスト

設定が終了したら、テストフェーズにうつります。

単体テスト

単体テストでは、その機能が単体で問題なく動くかどうかを検証します。

結合テスト

結合テストでは、個々の機能間でデータの受け渡しがうまく行われているかを確認していきます。業務の棚卸しや要件定義時に業務フローやシナリオをあらかじめ作成しておけば、スムーズに検証することができます。

総合テスト

総合テストでは、本番の運用に近い形でシステムが利用できるか検証します。既存システムがある場合は、既存システムと並行して稼働させ、差異が生じないか確かめるのが一番安全な方法です。

ユーザ教育

新システムのリリースに向けて、ユーザ教育を行います。操作マニュアルの作成・配布やe-ラーニングの配信、説明会の開催などを実施していきます。また、操作方法についての問い合わせ窓口も整備しておくとユーザも安心です。

意外と大切なのは、現場社員のモチベーション喚起です。これまで慣れたシステムを廃止し、新しいシステムを導入することに、心理的抵抗感やストレスを覚えるユーザもいます。経営陣からのメッセージを発信したり、新システム導入のメリットの説明を何度も伝えたりすることが有効です。

システムリリース/プロジェクトの評価

システムリリース後も油断なりません。大きな障害が発生していないか、意図通りの運用がなされているか、現場が混乱せず利用できているかなどを確認します。

また、リリース後状況が落ち着き次第、ERP導入プロジェクトの振り返りと評価を行うようにしましょう。

ERP導入の注意点

ERP専門のソリューション会社を活用することで、ERPは比較的に低コスト・短時間で導入することができます。

一方で、ERPは自社の事業内容や業務プロセス、既存システムとの互換性によって、導入難易度も大きく変動します。そのため、ERPを導入する際は以下のポイントに注意しなければいけません。

セキュリティ対策

統合型やコンポーネント型においては、新たなERPの導入や融合が一般的です。自社でサーバ管理を行なうため、内部・外部に対するセキュリティが行ないやすい反面、予期せぬ災害やシステム障害によって、企業の経済活動に支障をきたす可能性があります。システムおよび人的脅威への対応策の実装だけでなく、物理的な障害に対するセキュリティも万全を期す必要があります。

また、クラウド型ERPは、外部のサーバを利用するため、他のERP導入形態よりも実装しやすい反面、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクが高い傾向がみられます。そのため、信頼のできるソリューション企業の選定や企業データに応じた、セキュリティ対策の実装や、システムのカスタマイズが必要になることも珍しくありません。

ERPはデータを一元管理できる経営管理システムであり、個人による不正アクセスやデータの書き換えなどの不正を防げる一方で、組織ぐるみの不正への対処に限界があるといえます。そのため、 内部統制の強化とともにセキュリティ対策の見直しや改善を日々行なっていくことが重要 です。

導入・運用コストの問題

自社での開発や運用、外部のパッケージ商品の利用問わずに、ERPを導入・維持していくには必ずコストが発生します。ERPにはさまざまな導入形態があり、それぞれ導入方法や運用コストが異なります。そのため、自社の企業規模、財務状況に適したコストで運用できるERPを選定しなければいけません。

ERPの導入コストは永久ライセンスが一般的でしたが、クラウド技術を活用したプラットフォーム型、業務ソフト型のERPの登場により、支払いオプションの選択の幅が広がりつつあります。クラウド型ERPは月額料金での利用ができ、自社の成長速度に応じて、適切なERPへの乗り換えが可能です。そのため、高額な導入コストを懸念していた中小企業やスタートアップ企業といった小規模事業者も利用しやすい環境が構築されており、ERPを導入しやすい環境になっているといえます。

しかしERPをはじめ、情報システムは安定稼働してこそ最大限の価値があります。そのため、単なるコスト削減だけでなく、予期せぬシステム障害や災害も想定し、システムへの信頼性を保つためのコストも考慮しなければいけません。このように、 ERPは必要な導入経費と運用コストの問題を意識することも重要な経営戦略 といえます。

シェア率が高いERPパッケージ会社をご紹介

国内外にはERP導入に優れた開発会社が数多く存在します。今回はERP導入におけるシェア率・導入実績の高い、ERPパッケージ会社を中心にご紹介いたします。

SAPジャパン株式会社

全世界130ヶ国以上にオフィスを構えるERPソリューション大手SAPの日本法人、SAPジャパン株式会社(以下、SAP)。親会社であるSAP SEは、1972年創業の若い企業であるにも関わらず、全世界で34万を超える顧客を抱えるERPソリューションのパイオニアといえる企業です。

従来の統合型ERPをはじめ、最新のクラウド型ERPにおいても多種多様な製品を提供しており、顧客エンゲージメント・コマース、調達・ネットワーク、人事部門、ファイナンス、アナリティクスなど企業経営に欠かせない業務へのERP導入が可能です。

ERPへのサポート業務も担っており、これからERPの導入を検討している企業にとって、頼もしいパートナー企業といえます。また、最新技術であるIoTやブロックチェーン技術への開発も行なっており、これらの最新技術を応用したERPの登場が期待されます。

【参考】SAPジャパン株式会社 SAPについて

日本オラクル株式会社(ORACLE)

米国オラクル・コーポレーションの日本法人である日本オラクル株式会社(以下、オラクル)。

国内を拠点とした日本企業のERP導入に長けた企業であり、ERP製品の販売、ERPソリューション、コンサルティング、サポートサービスなどを展開しています。全世界145カ国以上で42万社の顧客を抱えているERPのスペシャリストであり、業種別・中小企業向けのERP提供を展開しています。

また、それぞれの企業にあわせた柔軟な支払いプランを用意しており、IT投資の判断を担う経営者の希望に沿ったERP導入が可能です。

【参考】日本オラクル株式会社 会社情報
【参考】日本オラクル株式会社 イノベーションの加速とITの効率化 (PDF)

日本マイクロソフト株式会社(Microsoft)

プラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーであるマイクロソフト コーポレーションの日本法人、日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト)。

マイクロソフトでは主力事業であるOSだけでなく、グローバルを対象とした財務会計、人事、業務管理を可能とするERP、Microsoft Dynamics AX 2012 R3を提供しています。世界規模での倉庫・運用管理、予算計画、需要予測、マスターデータ管理など業績に直結する情報を一元管理する、優れた生産管理システムといえます。

【参考】日本マイクロソフト株式会社 Microsoft Dynamics AX

まとめ

  • イノベーションによる経済の発展は、企業を取り巻く経営環境を大きく変えています。そのため、日本企業は過去の成功体験に固執することなく、迅速な意思決定による事業推進が求められます。
  • また、企業の不祥事が露見する事態が増える中で、適切な内部統制コーポレート・ガバナンスに対する世間の目も年々厳しくなっています。
  • 今後もERPによる適切な経営管理を希望する企業も増え続けることが予想されます。

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