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2019年2月14日(木)更新

Society5.0

Society5.0とは、内閣府が示した成長戦略の一つです。「課題解決」と「未来創造」の2つの視点を持った成長戦略であり、SDGsをはじめとする国内外の問題を解決しながら経済発展を成し遂げるビジョンを掲げています。特にスマートテクノロジー分野に注目しており、日本の産業が大きく変わる可能性があります。本記事では、Society5.0の言葉の意味から社会に与える影響、海外の事例を通して解説します。

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Society 5.0とは?

Society 5.0(ソサエティー5.0) とは、内閣府が示した日本の成長戦略の一つです。
内閣府ではSociety5.0を以下のように表現しています。

Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
【引用】Society5.0-科学技術政策/内閣府

それでは、詳細についてみていきましょう。

Society1.0~4.0

【出典】内閣府/Society 5.0

“Society”とは日本語で「社会」という意味になります。
つまりSociety5.0とは、人類が迎える5番目の社会のことを指しています。

Society5.0を説明する前に、Society1.0~4.0までを説明します。

Society1.0 - 狩猟社会

人類の最初の社会は、狩猟社会でした。 一定範囲内に生活する人々で集落をつくり、狩りや植物の採集などを生活の基盤としていました。

Society2.0 – 農耕社会

2番目の社会は農耕社会です。
狩りと合わせ一定の地域に定住し、農耕を生活の基盤西、協力しながら安定的に作物を収穫できるようになりました。

この時期に集落の共同体としての感覚が強まり、規範などが生まれます。

Society3.0 – 工業社会

産業革命を経て、人類が迎えた3番目の社会が工業社会です。
蒸気機関の発明により、人力では行えなかった大量生産が可能になり、製造業と資本主義経済が中心の社会が到来します。

Society4.0 – 情報社会

我々が現在生活しているのはこの情報社会と呼ばれるSociety4.0です。
工業社会で中心となっていた資源は石油エネルギーでしたが、コンピュータの発明と進化によって情報が同等の資源となっています。

Society5.0 – 新たな社会(超スマート社会)

そして我々がこれから迎えることが予想されている新たな社会がSociety5.0です。
Society4.0で大きな役割を担っていたのがコンピュータであることに対して、Society5.0はさらに進化したコンピュータとインターネットが中心となった世の中を迎えます。

Society5.0の特徴として、「すべてのヒトとモノが繋がった世界の実現」をビジョンに掲げているであることが挙げられます。

我々が生活している実際の空間を「フィジカル空間」、コンピュータ上でデータがやり取りされている空間(インターネットやAI、ビッグデータ等の空間)を「サイバー空間」と呼び、この2つの空間を繋げることで、これまで実現不可能であった物理的な制約のない、快適な世界を実現しようとしているのです。

Society5.0が与える影響

ではSociety5.0は、実際の社会や会社の経営にどのような影響を与えるのでしょうか。

首相官邸が発表している「未来投資戦略」には、大きく5つの変化が生まれると記述されています。

①生活・産業の変化

まずこれまでも説明してきたように、我々の生活や身の回りの産業に変化が起こります。 様々な仕事の自動化が進むことになり、例えば自動運転が実現した社会では、前述した交通渋滞や事故の削減を始め、過疎地域の移動弱者問題が解決されます。

また自動車以外も、翻訳の自動化が実現した場合、言語の壁が取り払われ、世界中の人と円滑にコミュニケーションが取れるようになります。

自動化以外にも、遠隔やリアルタイム技術の向上も変化をもたらします。
音質・画質が向上したIoTによって、地理的な課題を抱えていたサービスの提供が実現できるようになります。

例えば都市部から離れた場所でも、ビデオ会議形式で高度な医療を受けることができるようになったり、会社の会議室に集まらずともVR空間での会議などが実現できたりする可能性があります。

このように我々の生活や産業、仕事の変化が起こることが予想されています。

②経済活動の「糧」の変化

未来投資戦略では、その時代における社会を動かす力を持った資源を「糧」と表現しています。それは全時代においては「人」であり、「石炭」に変化しました。

そして20世紀の経済活動の「糧」は「エネルギー」と「ファイナンス」に変化しました。 日本は島国であることから資源面は大国に比べ乏しく、近年は金融面も不調です。

Society5.0は、これらの課題をブロックチェーンやFinTech技術を応用し、国際競争で戦い抜こうと考えています。

また、21世紀の経済活動の「糧」としては、「データ」が大きな役割を担うと予想されます。

膨大なデータを収集・解析することで、社会の様々な面での効率化が進むだけでなく、AIの精度向上による医療・介護サービスの新たなソリューションや、農作物の栽培方法の提案なども期待されます。

③「行政」「インフラ」の変化

行政やインフラも大きく変化することが予想されています。 煩雑な行政手続きのデジタル化や、行政データのオープン化により、様々な革新が起きるでしょう。

また上下水道や道路などのインフラ面においても、管理の際にテクノロジーを用いることで、維持コストの削減が可能となります。

④「地域」「コミュニティ」「中小企業」の変化

技術革新によって、物流・移動方法が変化します。これにより、高齢者や社会的弱者の受けられるサービスはより便利なものに進化していくことが予想されています。

また5G高速回線の普及により、地域の大学・町工場もインダストリー4.0のようにつながり、世界中とのコラボレーションが可能に。これにより、地域から世界でも認められるイノベーションを創出できます。

それだけでなく、データ連携、3Dプリンタ、IoTを活用することによって、顧客の様々なニーズに対応するための、多くの製品を少量でも生産できるようになり、現場力が高く小回りのきく中小企業は、より付加価値の高い製品を提供できるようになるでしょう。

⑤「人材」の変化

ロボット・AIの台頭により、従来の反復的な仕事は機械に変わる時代が到来しようとしています。

AI時代を迎えるなかで、その変化に対応できる能力を身に着けた人材育成が必要になります。

デジタル技術を活用することで、それらの能力を身に着けられるように遠隔教育や個別教育の質を向上させ、誰もが活躍できる社会の実現を目指しています。

また、人材の働き方も大きく変化します。高齢者・外国人が活躍できる場が広がることや、IT技術を駆使したテレワーク、「副業」「兼業」など、正社員以外の柔軟なワークスタイルもより実現していく世の中になるでしょう。

Society5.0の影響まとめ

ここまでの記事で、Society5.0は社会全体を変容させる計画であることをご説明してきました。

経営者はこれらの変化をいち早く察知し、自社のビジネスが未来の社会に適応しているものであるか見定める能力が重要になると言えます。

ここに示した例以外にも政府広報ページには「ドローンによる自動配送」や「スマート家電」など様々なソリューションについて記述されています。

様々な例とともに、イメージがわかりやすい動画も掲載されています。下記リンクからアクセスできます。

【参考】政府広報/Society5.0
【参考】首相官邸/未来投資戦略2018

第4次産業革命とは?

Society5.0を説明する上で、前提知識として欠かせないキーワードが「第4次産業革命」です。
第4次産業革命を説明するにあたり、過去に起きた産業革命について考えていきます。 以下の図をご覧ください。

【出典】民進党/【特集 産業技術と雇用】これまでの変遷と第4次産業革命が創る未来

上の図はこれまでに起きた産業革命をまとめたものです。
歴史の教科書などにも記載されているように、蒸気機関が発明されたことによって起こった第1次産業革命は人々の生活を大きく変化させました。

その後、蒸気機関からガソリン・電気を用いた技術が開発され、社会が進化し、またコンピュータの発明により社会はさらに進化を遂げました。

このように様々な発明によって世の中が大きく変化する産業上の大きな変化を一般的に「産業革命」と呼びます。
そして現在我々が直面している第4次産業革命とは、IoT・ビッグデータ技術・AIの発明により迎える新たな社会の姿を指しています。

つまりSociety5.0はこの第4次産業革命によって引き起こされる、また現在も起きている変化に対応するために策定した、政府の方針であると言えます。

Society5.0とインダストリー4.0

前述した第4次産業革命は、世界で起きている産業革命です。世界でもSociety5.0のように各国政府が様々な指針を発表しています。

中でも、ドイツの掲げている「インダストリー4.0(Industry 4.0)」はSociety5.0と非常に近しい関係にあります。

ここでは、Society5.0への理解をより深めるため、インダストリー4.0の概要をドイツの事例と共にご紹介します。

インダストリー4.0 – ドイツの事例

第4次産業革命に対応するために世界各国が打ち出している指針の中で、最も有名なものがドイツのインダストリー4.0です。

インダストリー4.0は、2011年に発表したドイツ政府が推進する製造業のデジタル化およびコンピューティング化を推進する国家プロジェクトのことです。
IoTの普及について触れた国家プロジェクトとしては世界初の事例となっているため、世界的に注目されています。日本も、インダストリー4.0を参考にsociety5.0を策定しました。

インダストリー4.0の特徴としては、これまで行われてきた工場の機械化とは大きく異なり、「コネクテッドインダストリー」と呼ばれるIoTを用いて世界中の工場を繋げるという発想です。

近年の製造業が掲げていた目標の一つとして「自動化」が挙げられますが、インダストリー4.0の目標は「自律化」にあります。自動化と自律化の違いは、「機械に対し人が指示を与えるかどうか」にあります。

このインダストリー4.0のコンセプトは「スマートファクトリー」で、「考える工場」と意訳されることもあります。つまり、人が指示を出さずとも、これまでに蓄積されたデータを用い、工場が自ら判断をしてものづくりが行えることを目指しているのです。

インダストリー4.0とSociety5.0

インダストリー4.0とSociety5.0を比較すると、共通点として「つなげる」というキーワードが挙げられます。IoTを用い、サイバー空間とフィジカル空間を融合させ、より効率的なソリューションを実現しようとしている点です。

一方、異なる点として、インダストリー4.0は製造業にフォーカスをしていることに対し、Society5.0は製造業以外の様々な分野でも「つなげる」ことを目標としている点が挙げられます。

【出典】KeidanrenSDGs/経団連

上記の画像では、一番外周の縁に表示されているSDGs(持続開発可能な世界のための17の目標)を実現するために、その一つ内側の円、adTechやFinTechなどの技術をはじめとする様々なXtechを用い、それを支えるために様々なインフラ技術や主体が全て繋がることを表現しています。

つまりインダストリー4.0はスマートな製造業を実現する目標であり、Society5.0は製造業以外の産業・ひいては消費者の生活までを巻き込んだ指針であると言えます。

SDGsとの関係性

前段で軽く触れたように、Society5.0とSDGsは関連性が高く、この言葉の理解なしではSociety5.0の理解はできません。
そのため、Society5.0と合わせてSDGsの意味も合わせてご説明いたします。

SDGsとは?

SDGsとは、外務省の公式HP中ではこのように表現されています。

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます
【引用】外務省/SDGsとは?

簡単にまとめると、持続可能な開発を実現するために国際連合のサミットで採択された国際目標のことです。

【出典】外務省/SDGsとは?

画像のように、目標は17個に大別され、その中に169の細かいターゲットが設定されています。

これらは環境問題や貧困など、世界が取り組むべき17個の課題であり、Society5.0はこれらの課題をクリアしながら経済発展を実現するための指針です。

SDGsとSocirty5.0の関係

【出典】経団連/Society5.0 for SDGs

図のように、それぞれの目標に対して様々な解決案が示されています。Society5.0はこれらの課題解決をしながら経済発展をしていくというビジョンであり、そのために役立つ新たなテクノロジーに政府が補助金を始め様々な投資をしていくことが予想されます。

まとめ

  • Society5.0とは、内閣府が示した未来投資戦略の一つです。
  • 「サイバー空間」と「フィジカル空間」の融合によって様々なソリューションを生み出します。
  • Society5.0はSDGsの目標達成にも大いに貢献します。
  • Society5.0は社会全体を変容させるプロジェクトといえます。

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