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連載:第9回 アトツギが切り拓く、中小企業の未来

地域とお客様と事業が発展する「三方良し」の秘訣は、やりたいことに巻き込み、巻き込まれる!

BizHint 編集部 2022年9月5日(月)掲載
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群馬県富岡市といえば、ユネスコ世界文化遺産にも登録された富岡製糸場が有名。しかし他の自治体同様、人口減少や高齢化といった課題を抱えていました。そんな富岡市の商店街で120年以上続く「洋品店いりやま」を継承した入山寛之さん。25年前に富岡を元気にするための「富岡げんき塾」を設立したまちのリーダー的存在です。コロナの打撃を受けながらも止まることなく、お客様と事業とともに発展する、そんな地域コミュニティ作りのヒントを伺いました。

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有限会社いりやま
店長兼代表取締役 入山 寛之さん

1969年群馬県富岡市生まれ。東京の大学を出て旅行業界大手に就職するも、父親との約束通り5年後に会社を辞めて家業を手伝い始める。同時に商店街の若手メンバーと「富岡げんき塾」を設立し、まちおこしをスタートさせる。現在、若者と高齢者の交流の場づくりを創出するための活動も積極的に行っている。


目の前のお客様と向き合い、会話の中から店の方針が決まった

――入山さんは最初から家業を継ぐつもりだったのですか?

入山寛之さん(以下、入山): なんとなく「そういうもの」と受け入れつつも、反発する気持ちもありました。普通の家とは違うというところですね。親を見ていても、休みがないし、大変そうだなと思ったりしました。定休日も仕入れをしているので。

あと、私の家には玄関がなく、店から出入りしてその奥が家屋になっているんです。なので学校から帰るとお客さんたちに声をかけられたりすることもあって。年頃の男子ですからそういうところが気恥ずかしい気持ちもありましたね。

その頃は実家から離れたい気持ちやサラリーマンへの憧れがずっとありました。だから東京の大学に進学し、そのまま大手の旅行代理店へ就職しました。これからステキな未来があるんだろうと、配属希望も実家から遠いところにしていたのに、まさかの高崎(笑)。ちょうどバブル崩壊のタイミングだったので、会社も経費削減ということで、みんな実家から通える勤務地に配属されました。

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