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連載:第18回 アトツギが切り拓く、中小企業の未来

コンサル会社出身の5代目長女が起こした静かな変化。チームビルディングとM&Aで売り上げが2倍以上になった佐賀の老舗企業。

BizHint 編集部 2023年1月26日(木)掲載
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佐賀を代表するご当地アイス「ブラックモンブラン」を製造・販売する竹下製菓株式会社の5代目社長として経営を切り盛りしているのが竹下真由さんです。一人娘であったこともあり、子供の頃から自然と家業を継ぎたいと思っていたと言います。34歳の若さで社長に就任した竹下さんが、経営の面で大切にしているのは社員皆が幸せになれる会社。経営と三人の子育ての両立に追われながらも、その実現に向け日々奮闘中です。竹下さんに、お話を伺いました。

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竹下製菓株式会社
代表取締役社長 竹下真由(たけした まゆ)さん

1981年生まれ。東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻修士課程修了後、アクセンチュアを経て、2011年竹下製菓に入社、2014年から商品開発室長を。2016年に同社代表取締役社長へ就任。


佐賀のご当地アイス「ブラックモンブラン」を生み出した老舗製菓会社。5代目に就任したのは…

竹下真由さん(以下、竹下):竹下製菓は明治27年以前に佐賀県鹿島市で創業したお菓子の会社です。

佐賀は長崎に近いこともあり、お菓子の材料やレシピが伝わったとされている土地です。そのためか、老舗の和菓子、洋菓子店が多く、そういった地域で創業者がお菓子作りをはじめたのも自然な流れだったと思います。

最近まで、冷菓から焼き菓子まで商品の製造はすべて佐賀県内で行っていましたが、そのメリットとしては、やはり空気と水が美味しいということが挙げられると思います。特に、水が良いというのはお菓子やアイスクリームを作るには欠かせない要素ですから。

竹下製菓を代表するロングセラー商品「ブラックモンブラン」

――竹下さんが事業を承継するまでの経緯について教えてください。

竹下: 私が子どもの頃は、まだ祖父が現役で会社を経営しており、父は専務でした。また、母も会社を手伝っていたので、家族全員でやっている会社という感じでしたね。当時、私が父に用がある時には会社に「専務いますか」って電話していたのを覚えています。

そんな様子を小さな頃から見ていた私は「会社を継いで、いつかは一緒に働きたい」とずっと思っていました。ただ、祖父や両親から事業承継についてはっきりと言われたことはなかったので、「私に会社を継がせてくれるのかな」と半信半疑なところもありました。

最初に父から打診があったのは、高校受験の時です。私は東京にある大学を目指していたので、より勉強に注力できる県外の高校を受験しました。ところが、入試が終わった後になって父が「将来うちの会社で働くのであれば、高校までは地元の公立に行ってほしい」と言い出しました。

入試が終わってからそんな話をするなんてと、当時はすごく反発しました。ただ、父が私に会社を継いでほしいという意思表示をしたのはその時が最初だったと思います。結局、その時は佐賀の高校に行くことになり、東京に出たのは大学進学になってからでした。

大学時代は、父が上京するたびに「そろそろ、こういうものも見ておいてもらいたい」と会社の決算書や商売の状況がわかる資料を持ってきてくれました。

ただ、実は大学を卒業してもすぐ佐賀に戻るつもりはなくて、大学を出た後はそのまま大学院へ進学、経営工学を学びました。そして、大学院を出て新卒で東京のコンサルティング会社へ入社したんです。

これには家族全員が驚いたようで、大学院に進むときは「大学を卒業したらすぐにでも佐賀に帰ってくるんじゃなかったのか?」。就職する時も、「帰ってくるんじゃないか?」「え?東京で働くのか?」みたいなやりとりがありました。

――なぜ佐賀に戻らなかったのでしょうか?

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