連載:第31回 躍進する企業の転換点
行き過ぎた「顧客第一」は会社を壊す。街の作業用品店から業界2位、100億企業への軌跡


2023年度は創業以来初となる売上高100億円を突破。北海道を拠点に作業服・仕事用品チェーンを54店舗展開しているハミューレ株式会社。「ワーク業界のセレクトショップ」として、現在は業界2位という地位を築き上げています。しかし、代表取締役の武居秀幸さんが社長に就任した当時、店舗数は13店舗。外部要因の影響もあり営業赤字という厳しい状況だったそう。武居社長は、自社に根付いていた「顧客第一主義」こそが経営危機に陥った原因だと気づきます。一体それはなぜなのか?そこから組織をどう変えていったのか。100億企業にいたる道筋を伺います。

「顧客第一主義」が会社の成長を妨げていた
——2005年の社長就任当時は、外的要因もあり苦しい時期だったそうですね。
武居秀幸さん(以下、武居): はい。2001年に発足した小泉政権の公共事業費削減により建設業界全体が縮小し、当社のメインのお客様である建設業の方々の需要が減少していました。既存店の売上が落ち込み、新店舗も赤字が続く状況で、店舗の閉店やリニューアルを進めましたが、2007年には営業赤字に転落してしまったのです。
ただ、経営危機に陥ってしまった理由については、先ほど述べた外部要因以外にもありました。その最たるものが、「顧客第一主義」の風土です。
――「顧客第一」という考え方は重要であり、一見正しいように見えます。なぜその風土が経営危機をもたらしてしまったのでしょうか。
武居: 「顧客第一」は、もちろん大事な考え方です。当社にずっと根付いていた風土ですし、私も入社してからずっとそれが正しいと思っていました。問題だったのは、 組織全体でそれが“行き過ぎてしまっていた”こと なんです。
――詳しく教えてください。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
-
{{comment.comment_body}}
{{formatDate(comment.comment_created_at)}}
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (31)
躍進する企業の転換点
- 第31回 行き過ぎた「顧客第一」は会社を壊す。街の作業用品店から業界2位、100億企業への軌跡
- 第30回 街の鶏肉店から年商272億円への道筋。業界最大手に押し上げた緻密な戦略
- 第29回 社員を一瞬で結束させた「たった1つのルール」リーダーが気づいた本質
- 第28回 ブラックな業界で「人が辞めない会社」。森ビルの信頼を勝ち得た「提案力」
- 第27回 若手が集まる地方中小。年収1000万も目指せる組織づくり