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連載:第38回 組織作り その要諦

なぜ伝統を否定するような改革ができるのか? 東洋アルミニウム「脱昭和の改革」

BizHint 編集部 2022年5月27日(金)掲載
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1931年の設立から歴史ある金属材料メーカーとして業界でも確固たる地位を築いている東洋アルミニウム。いま、「脱昭和の改革」とも言うべき組織変革に取り組んでいます。「経営プラットフォーム改革(MX)」と名付けられたこの取り組み。2020年から組織改革、人事制度改革、デジタルコミュニケーション改革という3つのイノベーションを同時に遂行しています。なぜこの時期に同時に取り組む必要があったのでしょうか。そして、なぜ伝統を否定するような改革を行ったのでしょうか。改革を指揮する楠本薫社長に話を聞きました。

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従業員の価値観と会社の制度がマッチしなくなった

楠本薫さん(以下、楠本): 東洋アルミグループはこれまで自動車や電子機器、電池などで使われる高機能アルミ素材の開発・生産を基盤に、数々の新規事業も手掛けてきました。しかし、この10年間は海外勢、特に中国企業の追い上げが激しい環境にあります。それに対して、私たちも投資抑制やコスト削減などで利益改善もしてきたのですが、2015年以降は既存事業の縮小に伴い売上高・経常利益とも減少傾向が続いています。

業績が悪化している原因は外的な変化だけではありません。グループ会社の社員へのストレスチェックをしてみると、多くの社員、特に次世代を担う若い社員たちが「エンゲージメントが低く、高いストレスを感じている」状態に陥っていることが明らかになりました。

どうしてこれほどまでにモチベーションが低下したのか。

原因を探るべくヒアリング調査もしてきました。要因は多々ありますが……。一言でいえば、「従業員の価値観と会社の制度がマッチしなくなった」ということです。「年功序列の評価制度」や組織間を越えた異動が少ない「硬直化した組織」で、社員は身動きできない状況に陥っていました。組織を越えた交流などもできていないので、新規事業は進まず、DXも推進しない……という現実が見えてきました。

内憂外患 硬直化した組織を変えるにはどうすればいい?

――激しい市場変化と硬直化した組織。“内憂外患”というべき状況の中で始めた経営改革ですが、まずは何をされたのでしょうか。

楠本: 2020年4月から6月にかけて改めて若手・中堅社員を中心にヒアリングを実施し、浮かび上がってきた課題を整理しました。そして、それぞれの課題を解決するにはどうすればいいのか1つひとつ検討してきました。そのトータルな改革全体を「経営プラットフォーム」改革(Management Transformation(=MX)プロジェクト)と名付け、硬直化した組織体制を見直す「組織改革」、活力ある働き方を目指す「人事制度改革」、社内コミュニケーションを円滑にするデジタル投資をメインにした「コミュニケーションシステム改革」の3つに取り組んだのです。

――歴史ある企業ほど、方針を変える経営改革は大変そうです。

楠本: 人事制度、組織体制、情報システムなどは借り物でも導入することができますが、組織文化は難しい。社歴が長い企業ほど、成功体験もあります。意思決定の基準、行動規範として社員の意識に根付いている部分もあるのです。ですから、制度だけ変えても成功しない、との意見は分かります。逆に言えば、「文化まで変える」覚悟があるのか。経営改革はその真剣さが問われているのだと思います。

――改革前、自分の会社が「古い」と言われて、楠本社長ご自身はどう思われたのでしょうか?

楠本: 従来の東洋アルミにも愛着はありましたが(笑)。ただ、「従来のやり方では通用しない」ことが明白になった以上、新しい文化を創ることに注力すべきですし、実際この2年間、改革に専念してきたとの自負もあります。

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