ゴールを決めた瞬間、控えの選手たちは本気で喜んでいるか?【入山教授と語るFCバルセロナ、早稲田、ソニー「勝つ組織風土」】

“サッカーファン”の経営学者、入山・早稲田大学教授と中竹竜二さんがサッカーやラグビー、ビジネスの組織風土について語ります。FCバルセロナを率いたグアルディオラ監督は「控え選手の態度、仲間がゴールを決めた瞬間に本気で喜んでいるかどうかでチームの組織力が分かる」と話すそうです。「チーム」の優勝と、「個人」の成長は一見、両立するのが難しそうですが、これを同時に目標にしているのが強い組織。その真意に迫ります。

1回目のまとめ

負けが続くと使いたくなる「原点回帰」という言葉

入山章栄さん(以下、入山): 前回の話の続きですが、中竹さんは早稲田ラグビー蹴球部の監督(2006-2009年度)だった時、「チームのスタイルを毎年変え、勝っていた戦略も捨てた」そうですね。選手たちからすれば、勝利の方程式を簡単に捨てるのは不安だったはず。それでも中竹さんは「大丈夫、大丈夫」と言い続けたとか。大丈夫だと言えた理由は何だったんですか?

中竹竜二さん(以下、中竹): 毎年同じ戦術で戦っていれば、相手に研究されます。相手のチームを考えてより有利な戦術に変えようとしているんですから、勝つ確率はあがります。当時ほかの大学チームが「原点回帰」を掲げていたんです。彼らが「変わらない」と言っているのであれば、「大丈夫」と思っていました。

人間、負けが込んでいると「原点回帰」という言葉をついつい使いたくなるんですが、この変化が激しい時代に、昔の時代のやり方は通用しません。 組織本来の設立目的、存在意義を確かめるため「原点」に戻るのはいいんですが、昔のやり方、スタイルに固執するのはよくない。

入山: ビジネスの世界でも経営者たちが「原点回帰」という言葉を使いだしたら、危険ですね。

「なぜラグビーをするのか」を話し合う